世界情勢によって景気の状況が変化し、就職率にも影響が出やすい時代。知名度を生かし、安定して就職先を確保していくのがMARCHというイメージを持つ人も多いでしょう。果たしてそのイメージは本当なのか。
今回はMARCHの就職の強さにスポットを当て、就職率やMARCH理系の就職先について解説します。
MARCH(マーチ)理系は就職に強いのか
MARCHの理系は果たして就職に強いのか、複数の観点から就職の強さについて解説します。
MARCH(マーチ)の理系は学歴フィルターに引っかかる?
就活をやっていく中で学歴フィルターの存在はMARCHの学生であっても意識をすることになります。早慶や東大京大など特定の大学の人にしか説明会などに参加させないケースがあり、決して平等に機会を与えないのが学歴フィルターです。企業によって、こうした判断をするケースは確かにあります。しかし、MARCHも上位の大学群であるため、MARCHを学歴フィルターにかけるケースはほとんどないと見るべきでしょう。
MARCHの理系は文系と比べると偏差値面でやや落ちますが、研究にも力を入れており、企業側にとっても即戦力になり得る人材が多くいるため、学歴フィルターにかけるのはあまりにも乱暴であり、効率的とは言えません。MARCHの学生はあまり学歴フィルターを気にしなくてよさそうです。
MARCH(マーチ)の理系でも有名企業に就職できるか
MARCHの卒業生はどのような企業に就職しているのかを見ると、名だたる有名企業に就職しているケースが目立ちます。2020年に行われた有名400社の実就職率ランキングではMARCH5大学はいずれも20%台をキープしており、中でも青山学院大学と明治大学は30%に迫ります。細かな就職率はのちほどご紹介しますが、文系理系に関係なく有名企業に就職できる可能性は高いと考えるべきです。
結論:MARCH(マーチ)理系は就職に強い
結論から言えば、MARCHの理系は就職に強いことが言えるでしょう。有名企業への就職率が高いことに加え、各大学で就職セミナーなどを積極的に行い、授業の中で企業と連携しながら即戦力になり得る人材を育てようとしています。これは文系に限らず、理系でも同じようなことが見られるため、MARCHの理系も十分就職に強く、やりたい仕事を見つけられる可能性が高いと言えるでしょう。
MARCH(マーチ)理系の就職率と主な就職先
ここからはMARCHの理系学部に関して就職率と主な就職先について解説を行います。
明治大学理系の就職率と就職先
明治大学の理工学部は就職率94.8%、農学部が95.2%、総合数理学部が96.8%とかなり高い数値を残します。2021年3月時点での主な就職先を見ると、富士通や日立、東京電力、鹿島建設などに10人以上の学生を輩出するほか、名だたる一流企業に就職させています。総合数理学部ではソフトバンクやNTTデータなど情報通信関係の企業に就職する学生も多くみられます。(参照:明治大学)
青山学院大学理系の就職率と就職先
青山学院大学は理工学部で94.4%とこちらも高い就職率を誇ります。特に女子の就職率がさらに高く、人数が少ないとはいえ、就職率100%を記録しています。就職先ですが、大手システムインテグレーターのTISを筆頭に、伊藤忠テクノソリューションズや富士ソフトに就職しているほか、NTTコムウェアや大成建設、東京電力などに就職する学生もいます。(参照:青山学院大学)
立教大学理系の就職率と就職先
立教大学は理学部が就職率94.4%とやはり高い就職率を誇ります。業種別でみると情報系が4割と高く、他の学部を圧倒しています。就職先もTISやNTT東日本、日立製作所、日本IBMなどこちらも有名企業が多く、他にもJTやカルビー、大正製薬など誰もが知る企業へと就職していきます。数学科があるため、数学的な知識や論理的思考力が求められるような職種、業種へも実績を出している状況です。(参照:立教大学)
中央大学理系の就職率と就職先
中央大学理工学部の就職率は58.2%とかなり低めですが、これは大学院への進学者が4割近くいるためです。数学科や物理学科など学科に絞っていくと就職率100%をマークしており、全体の数字以上に就職の強さを感じさせる結果となっています。就職先ですが、NECが多い一方、NECソリューションイノベータが様々な学科の学生を採用しています。富士通系、NTT系なども目立ちます。都市環境学科の学生10人が東京都庁に就職するなど、官公庁にも強い部分を見せているのも特徴です。(参照:中央大学)
法政大学理系の就職率と就職先
法政大学理系の就職率は理工学部が89.9%、デザイン工学部が91.3%、生命科学部が94.6%、情報科学部が96%と理系学部内でそれなりに差が見られます。ただ理工学部でも経営システム工学科は就職率100%を達成しており、学科内で大きな差があるとみるべきでしょう。就職先ですが、デザイン工学部が建設系が多く、清水建設や大林組など大手ゼネコンへの就職が目立ちます。情報科学部は74%が情報通信で、富士通やセイコーエプソン、TISなどへ就職者を輩出している状況です。生命科学部は製造や情報通信など満遍なく輩出し、ニチレイフーズやロッテの名前も。理工学部は情報通信と製造が多く、日清オイリオや森永誠也、花王、コミカミノルタなどの名前も見られます。(参照:法政大学)
MARCH(マーチ)理系と文系ではどちらが就職に有利?
MARCHの理系と文系、どちらが就職に有利なのかですが、数字を見る限りでは理系の方が就職に有利であると言えそうです。理系学部はいわゆる「手に職」になるようなことを学ぶケースが多く、そのスキルを企業側が求めるため、自然と就職率は高くなります。そして、研究は積み重ねてスキルをアップさせていくものなので計算が立ちやすいのもその1つです。
一方で文系は確かに英語のスキルなどをチェックできますが、営業のことを学んでいたわけではないため、計算が立たない部分もあります。最近では企業側が即戦力の人材を育成するよう大学側に求めますが、それでも文系が理系を上回るようになるのは少し時間がかかるため、結論としては理系の方が強くなるのは仕方ないと言えるでしょう。
MARCH(マーチ)理系と四工大はどっちが就職に強い?
MARCH理系のライバルになりやすい四工大は就職に強いのかどうかですが、企業に就職した卒業生の数で比較すると、満遍なく強いのは青山学院大学で、四工大は特定の企業が突出して強い傾向にあります。例えば本田技研工業であれば芝浦工業大学や東京都市大学がMARCHの理系と互角を演じs手織り、三菱電機に関しては東京電機大学が存在感を見せています。偏差値だけで見れば明らかにMARCHの方が上ですが、それでも所々で互角を演じられる時点で四工大も十分就職には強いと言えるでしょう。
四工大が強い理由としては先ほどのMARCH理系と同じで、手に職になるような知識や技術を学ぶことができるためです。しかも、四工大にはそれぞれの大学に歴史があるほか、四工大の中で連携をとることが可能です。このため、よりバラエティに富んだ勉強をしていくことが可能になるのです。
では、MARCH理系と四工大、どちらが就職に強いのか。満遍なく強いこと、万が一専門外の企業への就職を目指すなど将来的なことを考えればMARCH理系の方がいいでしょう。ただ、専門をとことん極めたい、大学で学んだ知識をベースに人生勝負をかけたい人は四工大の方がおすすめです。就職に強いといっても場面によって異なるため、全方位的に強いMARCH理系、一極集中で強さを発揮する四工大という考え方でいいでしょう。
まとめ
MARCH理系の就職率が相当高いことはお分かりいただけたはずです。そして学科によっては就職率100%の学科もあるなど、就職だけを考えるのであればMARCH理系がおすすめです。ただ四工大も捨てがたく、四工大には四工大の良さがあります。そして、自分に合うカラーもあるため、それぞれの大学をオープンキャンパスなどで足を運んでみて、判断することをおすすめします。いずれ心変わりするケースもあるため、広い視野でチェックしてみてはいかがでしょうか。