早慶は私立大学における最高峰の大学で、偏差値70でようやく可能性が見えやすくなってくるレベルです。そこまでの学力を手にするためにはそれなりの勉強が必要になってきます。果たしてどれくらいの勉強時間が必要になってくるのでしょうか。
今回は早慶に合格するために必要な勉強時間にスポットを当て、具体的な勉強時間やスケジュール、勉強時間を増やす方法などをまとめました。
早慶に合格するために必要な勉強時間とは?
早慶に合格するためにどれだけの時間が必要になるのか、勉強時間について細かく解説していきます。
早慶合格に必要な合計勉強時間
早慶など難関大学に現役合格した学生の勉強時間は高校3年間で4200時間と非常に多いことが分かっています。しかし、不合格に終わった学生の勉強時間も実は多く、3800時間ほどです。3800時間と4200時間ではたった400時間の差しかないように感じますが、3800時間でも十分な勉強時間。これで満足してしまうのは致し方ありませんが、早慶に合格するためにはそこからどれだけプラスアルファができるかが勝負であり、プラス400時間が重要な意味を持ちます。(参照:武田塾)
高1時の推奨勉強時間
先ほどの調査では、早慶など難関大学に現役合格した学生は高1の時、800時間ほど勉強をしていました。一方、現役で不合格だった学生は720時間ほどと80時間の差があります。年間300日勉強をするとすればだいたい3時間近く勉強して800時間に達します。部活動がない日に多く勉強をするなど、この時期からメリハリが重要になっていきます。ですので、現役合格を目指す人は高1から800時間の勉強時間は確保していくべきでしょう。
高2時の推奨勉強時間
高2では早慶など難関大学に合格した学生はだいたい1150時間ほど勉強しており、不合格だった人たちは1000時間ほど勉強し、その差はおよそ150時間。年間にすると30分ほどの差ですが、必死に勉強してからさらにプラス30分追加できるかが焦点になります。高2までに2000時間は勉強しておかないといけないことがわかります。
高3時(受験生時)の推奨勉強時間
実は受験シーズンになると現役合格と不合格の勉強時間の差は高2と同じで、合格組は2250時間、不合格組は2100時間と150時間の差にとどまっています。受験シーズンまでについた差はなかなか挽回しきれず、そして高2までにリードしても気を抜けばすぐに逆転されるような差です。もっと言えば、高3だけで取り戻すにはさらなる挽回が必要になるため、非現実的な要素も出てきます。いかに高2までに勉強をしないといけないかがわかります。
夏休みなどの長期休暇中の推奨勉強時間
早慶に現役合格した学生は高3の夏休みで実に8時間以上勉強します。普段も5時間近く勉強しているので、高3でいかに長い時間勉強しているかがわかります。しかし、高2の場合、普段は2時間以上勉強しながら夏休みは3時間半ほどしか勉強しておらず、普段と夏休みでそこまでの差がないことが明らか。高3の夏休みでは8時間の勉強はマストですが、高2の夏休みでライバルに差をつけることが求められます。
浪人生の推奨勉強時間
浪人生は現役の高校生よりも勉強時間を確保しやすい環境にあります。そのため、「最低でも」2250時間以上は確保するべきで、夏休みのような時間の確保もしやすく、毎日8時間以上勉強時間を用意するのがおすすめです。2250時間では現役合格生と同じ土俵になる恐れがあり、アドバンテージを作るのであれば最低9時間、10時間それ以上の勉強時間を毎日やることが求められます。
早慶に合格するための1日の勉強時間・スケジュールとは?
早慶に合格するためにどのようなスケジュールを組めばいいのか、部活動を引退した高3の受験生を想定し、平日や祝日、夏休みのケースでご紹介します。
平日(学校有り)
平日の場合は学校があるため、学校や塾から帰ってきてから勉強を行うことになります。また学校での自習も行えるため、その時間を含めると6時間以上確保することが可能です。以下のスケジュールが一例です。
午前6時半 起床
午前7時 朝食・登校
午前7時半~8時 学校で自習
午前8時~午後3時半 授業
午後3時半~午後5時 学校で自習
午後5時半 帰宅
午後6時~7時 勉強①
午後7時~午後8時半 食事・入浴など
午後8時半~午前0時 勉強②
午前12時 就寝
祝日(学校なし)
学校がない場合は学校の時間を丸々勉強に充てることができるため、10時間以上の勉強も行うことが可能です。
午前6時半 起床
午前7時 朝食
午前7時半~8時 部屋の掃除など
午前8時~正午 勉強①
正午~午後1時 昼食
午後1時~午後3時 勉強②
午後3時~午後3時半 まとまった休憩
午後3時半~午後5時半 勉強③
午後5時半~午後6時 散歩など
午後6時~7時 勉強④
午後7時~午後8時半 食事・入浴など
午後8時半~午前0時 勉強⑤
午前0時 就寝
夏休みなどの長期休暇中
夏休みは基本的に土日祝日、学校がない日とあまり変わらないスケジュールで勉強をしていくことになります。これは夏休みだけ特別仕様にすると良くも悪くも反動があるからです。そのため以下のスケジュールは土日祝日のケースと全く同じです。細かな休憩などは各自の判断で適宜とっていきましょう。
午前6時半 起床
午前7時 朝食
午前7時半~8時 部屋の掃除など
午前8時~正午 勉強①
正午~午後1時 昼食
午後1時~午後3時 勉強②
午後3時~午後3時半 まとまった休憩
午後3時半~午後5時半 勉強③
午後5時半~午後6時 散歩など
午後6時~7時 勉強④
午後7時~午後8時半 食事・入浴など
午後8時半~午前0時 勉強⑤
午前0時 就寝
早慶に合格するための勉強時間の科目割合はどうする?
早慶に合格するために必要な、具体的な勉強時間は明らかになりました。問題はその勉強時間を科目ごとにどのように振り分けていくか。文系の場合、英語と国語、あともう1科目が対象になりますが、重視すべきは英語で少なくとも50%は確保すべきです。残りの5割ですが、国語が得意であれば20%にとどめ、残り1科目が得意科目であれば国語を25%、30%にする手もあります。英語が苦手なら国語と社会系科目を20%ずつにして、英語を60%にする手も。
理系は英語と数学、理科系科目の3科目ですが、考え方は文系と同じでいいでしょう。英語を半分以上の割合にし、数学の範囲や理科系科目の状況を踏まえ調整していくのがおすすめです。
早慶合格のために勉強時間を増やす方法
早慶に合格するためにどのように勉強時間を増やしていけばいいのか、解説します。
学校や予備校で最大限自習を行う
家に帰ってから勉強する方法もありますが、リラックスしやすい分、集中しにくい、気が散りやすい部分も出てきます。一方で学校や予備校の自習室ならみんなが勉強を行っており、集中しやすい環境です。自習ができる環境があればそこを最大限活用して勉強時間を稼ぎ、家に帰って復習などを行うようにすると質のいい勉強が行えます。
スケジュールを決めてその通りに動く
一生懸命勉強をしていると食事のことが気にならなくなり、集中しているとお風呂やトイレなどにも行かなくても問題ない状態になります。しかし、家族からすれば、一生懸命作った食事を蔑ろにされたり、風呂の順番がいつまでも回ってこなかったりすることにイライラし、自分たち家族のペースに受験生の学生を巻き込もうとし、スケジュール通りにいかないことも出てきます。
自分で決めたスケジュールで動き、食事や風呂などは自分で勝手に食べる、風呂は最後に入るなど折り合いをつけて、ペースを乱されないようにすると集中して勉強ができる時間を長く確保できます。
スマホは最大限遠ざける
勉強時間を減らす要因としてスマホやゲームなどが挙げられます。特にスマホは、最初は勉強の事を調べようと触っていくうちに段々とSNSなどをやってしまうため、細心の注意を払わないといけません。調べ物は勉強時間内にはせず、いったんメモに書いておき、自由時間に調べることで勉強時間を減らさないようにすることが可能です。親に預けるなど、勉強中はできるだけ自分の手元に置かないようにするのがいいでしょう。
早慶に合格するための勉強時間以外のコツ
早慶合格は勉強時間を確保すれば達成できるとは限りません。合格に向けた勉強時間以外のコツをまとめました。
入試科目をできるだけ少なくする
文系であれば英語と国語、理系であれば英語と数学、あとはそれぞれ1科目社会系や理科系科目が加わって3科目で入試を受けます。早慶以外にもMARCHなどを滑り止めで受ける学生も多いでしょうが、日本史なら日本史、物理は物理で固定して勉強する科目をできる限り絞り込むのがおすすめです。地歴はあっても公民系の科目が入試科目にないケースなどもあり、複数の科目を勉強すればするほど1つの科目に対する勉強時間は減っていきます。なるべく早い段階で絞り込みを終えるのが効率的です。
難易度の高い模試をメインにする
偏差値は模試を活用していくのが普通ですが、河合塾や代ゼミ、東進、駿台が主な模試となっています。実はそれぞれの模試には特徴があり、難易度も受験者数も異なります。模試を受ける人が最も多い河合塾もいいですが、難易度が高い駿台模試がおすすめです。難易度が高いため、そう簡単に点数が出ないのが特徴ですが、早慶は当然ながらこれ以上に難しいでしょう。河合塾と駿台、この2つで真の偏差値を把握し、勉強に応用していくことが大切です。
早慶合格者の体験記を見て研究する
早慶合格のコツとして一番確実なのは実際に早慶に合格した人の体験記や経験談を見聞きすることです。例えば受験直前のシーズンはどのような時間を過ごしたのか、学習スケジュールを見てその通りに実践するのもいいでしょう。また体調管理の方法や学習のポイントなども事細かに語っているインタビューもあります。大事なのは自分にマッチしたやり方を見出して後は集中して挑むことです。そのために情報収集を行い、取捨選択を経て確立していきましょう。
まとめ
早慶合格はそう簡単にできるものではありません。しかし、正しい方向性でしっかりと労力、コストを割き、自分を信じて取り組めばチャンスは誰にでもあります。勉強時間をただただ確保するだけではなく、その時間でどのように取り組むか、そこまで含めて受験の戦いであり、できるだけ完璧を目指していきましょう。