独学で大学受験に挑む場合、どの参考書で勉強をするかが重要になります。参考書選びで大学受験の行方が大きく左右するといっても過言ではありません。文系理系に限らず、参考書の選び方は大事です。
今回は8教科のおすすめ参考書、参考書選びのポイントや参考書を使った勉強のコツなどをまとめました。
大学受験の独学で参考書選びは超重要
独学における参考書は、あなたにとっての「力強い相棒」です。しかし、相棒が力強くてもうまく使いこなせなければ無駄に終わります。また、自分の力量では理解しがたい相棒も中にはいます。この場合、うまく使いこなせず、色々な相棒を試していくうちに中途半端なことになりやすいです。
自分に合った参考書を見つけ、そして、何回も解いてみる、この作業を独学の中でどれだけこなしてきたかで大学受験の成功率は左右されるものです。
大学受験は独学では失敗するのか?失敗する人の特徴や失敗しない方法を解説
大学受験の独学におすすめの参考書を教科別に解説
独学において、参考書はできるだけ少ない方がよく、それをやり切ることが重要です。参考書にはインプット教材とアウトプット教材があり、このインプットとアウトプットを組み合わせることが大切です。今回は8教科のインプット教材、アウトプット教材をまとめました。
英語の独学におすすめの参考書
インプット用
【総合英語Evergreen】 総合英語Evergreenは、多くの受験生に支持された「総合英語Forest」をバージョンアップした内容になっており、英文法が詰め込まれたインプット用参考書です。前作と違って、音声ダウンロードサービスが追加され、音を聞きながら英文法のトレーニングが行えます。スキマ時間も有効に活用し、インプットに最適な1冊です。
【英単語ターゲット1900 6訂版】 英単語ターゲット1900 6訂版は、2020年に6年ぶりの改訂が行われた英単語をインプットする参考書です。共通テストはもちろん国公立大学の2次試験や難関私大もカバーしており、語彙力を高めるには必須のアイテムです。6年ぶりの改訂で「でる順」もバージョンアップしており、より出やすい英単語がわかります。
アウトプット用
【Next Stage 英文法・語法問題】 Next Stage 英文法・語法問題は、文法や語法の問題、会話表現、単語・語いなど入試で頻出する問題を1冊にまとめたアウトプット用の参考書です。難関私大レベルまでを網羅しており、左のページに問題、右ページに解説が載っており、一目でわかりやすく、注意点なども記載されています。近年注目度が増している「会話表現」対策として音声データのダウンロードが行えるため、リスニング対策にも使えます。
【イチから鍛える英語長文】 イチから鍛える英語長文は、和訳や空欄補充など入試で頻繁に問われる問題形式を採用した、本格的な英語長文の参考書です。長文問題に入るため、英単語の暗記の重要性を説くなど長文読解の心構えを紹介しているのも特徴です。レベルはベーシックから300、500、700とあり、レベルに応じて選べるのも魅力です。ベーシックを完璧にしたら300という切り替えもいいでしょう。
現代文の独学におすすめの参考書
インプット用
【現代文 キーワード読解】 現代文キーワード読解は、読解問題でよく出るキーワードをジャンル別にまとめ、よく出やすいテーマや小説で頻繁に出てくる重要な言葉をまとめた、インプット用参考書です。現代文では、語彙力を高めないと長文読解でスピーディーに解けません。共通テストから東大受験まで幅広く、現代文の成績を高めたい人は必須の1冊です。
【入試現代文へのアクセス】 入試現代文へのアクセスは、問題演習を通じて読み方と解き方、語彙力を高めることができるインプット用参考書です。シリーズになっており、基本編は偏差値40の人でも利用できる内容になっています。現代文に苦手意識を持つ人はまず「基本編」で現代文の読み方や解き方を学び、段々とレベルアップを図るのがおすすめです。
アウトプット用
【出口の現代文レベル別問題集】 出口の現代文レベル別問題集は、参考書にありがちな長い解説文を排除し、ピンポイントに解説をつけて読みやすくしたアウトプット用参考書です。解説が非常にわかりやすいので、答えにたどり着くまでの道筋が明快なのが特徴です。レベル1の超基礎編では現代文が苦手な人に向け、さらにわかりやすくなっており、基礎編や標準編、一番上の難関編まで6段階存在します。
【船口のゼロから読み解く最強の現代文】 船口のゼロから読み解く最強の現代文は、中学生が読んでも理解できるほど基礎的な現代文の読み方や解き方がわかる参考書です。まさしくゼロから学ぶことができ、中学生でも理解できるようにしているため、現代文で躓きやすい表現もフォローしています。
古文の独学におすすめの参考書
インプット用
【古文単語ゴロゴ】 古文単語ゴロゴは、古文の単語をゴロで覚えるインプット用参考書です。コミカルな印象を受けますが、1冊を網羅すると難関私大、国公立大学レベルの古文に関する語彙力を手にできます。しかも、娯楽感覚で楽しめるのも魅力の1つで、古文単語を覚えるのが少々苦手な人は必ず勝っておきたい1冊です。
【基礎からのジャンプアップノート古典文法・演習ドリル】 基礎からのジャンプアップノート古典文法・演習ドリルは、古典文法をすべて網羅したインプット用参考書です。古文の勉強は単語と文法の語彙力を高めてから長文読解に挑むのがセオリーです。書き込むことができるので、どこが理解できていないかもすぐにわかるほか、参考書自体が薄いため、何周もしやすいのが魅力的です。
アウトプット用
【岡本梨奈の古文ポラリス】 岡本梨奈の古文ポラリスは、入試問題で頻繁に登場する14題の長文を掲載し、読解のやり方、押さえるべき文保や単語などをまとめた参考書です。基礎レベルと標準レベルの2つがあり、基礎レベルでも中堅私立レベル、標準レベルでは国公立大学対策まで行える内容になっています。
【中堅私大古文演習】 中堅私大古文演習は、本格的な演習問題を掲載した参考書です。解説が詳しいのが特徴で、解説を読み込むだけでも勉強になるほど、解いて勉強、読んで勉強とタメになりやすい内容になっています。東大など最難関の大学を目指すには物足りないかもしれませんが、物足りないと感じるようになれば古文の力が相当ついたことを意味します。
漢文の独学におすすめの参考書
インプット用
【漢文ヤマのヤマ】 漢文ヤマのヤマは、漢文初心者や漢文を苦手とする人を対象にしたインプット用参考書です。効率よく知識が身につくように講義形式で進められ、幅広い部分まで網羅しています。講義形式なので文章に堅苦しさがないので苦手意識が強い人ほどのめり込みやすい1冊です。
アウトプット用
【漢文道場 入門から実戦まで】 漢文道場 入門から実戦までは、漢文の基礎知識だけでなく実際に入試で出た問題やオリジナルの問題までを網羅した内容になっています。所々で語彙や句法のチェック項目が用意されており、知識が抜け落ちないようにする工夫があります。解説も充実しており、効率的に学べるので、漢文対策にあまり時間をかけたくない人にもぴったりです。
数学の独学におすすめの参考書
インプット用
【チャート式基礎からの数学(青チャート)】 チャート式基礎からの数学(青チャート)は、数学を勉強する人であれば誰しもが持っている参考書です。学校でも青チャートを用いるなどインプット用としては一番の王道と言えます。演習問題も用意され、難易度に応じて解く問題を変えるなど、創意工夫のし甲斐もあります。
【数学I・A単問ターゲット336】 数学I・A単問ターゲット336は、一問一答形式で数学I・Aの問題が解ける参考書です。336の問題があり、それぞれに解法があるため、数学を解く方法が身につきます。数学I・Aの他にもあるので、数学Ⅱ・Bなどをやる人はそちらも購入してみましょう。
アウトプット用
【Z会数学基礎問題集シリーズ】 Z会数学基礎問題集シリーズは、基礎レベルの問題が多く収録されている参考書です。難問とされる問題は少ないですが、その分、数学の思考力を問う問題が多いのでこれを解き切ることで確実に数学の能力がついており、自信につながりやすくなります。
【Focus Goldシリーズ】 Focus Goldシリーズは、青チャート同様に全範囲を網羅した参考書ですが、独学を行う人向けの学習法などが掲載されており、独学にある意味でマッチした参考書でもあります。難易度は青チャートより若干難しいものの、解説が青チャートよりも詳しいのが特徴です。
日本史の独学におすすめの参考書
インプット用
【詳説日本史B】 詳説日本史Bは、日本史の教科書として全国の高校で採用されている山川出版社が発行している参考書です。日本史の重要用語だけでなく、日本の歴史が事細かに書かれており、共通テストで日本史を選ぶ場合、詳説日本史Bを網羅しておけば高得点は狙いやすいです。日本史で必要な知識はこの中に詰まっています。
【日本史Bの点数が面白いほどとれる本】 日本史Bの点数が面白いほどとれる本は、時代の流れをわかりやすくまとめているインプット用の参考書です。教科書代わりでも全く問題がないと評されるなど、高い評価を集めており、共通テストに向けた対策、解説も収録されています。
アウトプット用
【攻略日本史 テーマ・文化史 整理と入試実戦】 攻略日本史 テーマ・文化史 整理と入試実戦は、受験生が苦手にしやすいテーマ史や文化史を中心に扱った参考書です。これまでインプット用参考書で学んできたことをぶつけ、改めてどこが難しいかがわかります。日本の歴史は政治史がクローズアップされやすい中、それ以外の分野でまとめている参考書は貴重です。
世界史の独学におすすめの参考書
インプット用
【これならわかる!ナビゲーター世界史B】 これならわかる!ナビゲーター世界史Bは、世界史の流れを理解するために欠かせない参考書です。世界史を基礎から学びたい人におすすめで、世界史の教科書を作る山川出版社とあって共通テストで取り上げられるような事柄も数多く載っています。
【時代と流れで覚える! 世界史B用語】 時代と流れで覚える! 世界史B用語は、入試で出やすい頻出用語を3000語覚えられるインプット用参考書となっています。図なども入っているので目でも覚えられやすく、コンパクトなつくりになっているのでスキマ時間に覚えるのもおすすめです。
アウトプット用
【山川一問一答世界史】 山川一問一答世界史は、一問一答形式で教科書レベルの知識を問う参考書です。こちらもスキマ時間に使えるようになっているほか、学校の試験対策にも効果的とされています。内容は決して難問ばかりではなく、基礎を固めて、次のステップに行くまでの叩き台のような使い方ができます。
【スピードマスター世界史問題集】 スピードマスター世界史問題集は、30日で世界史の基礎を固めることを目的とした問題集です。30日の名の通り、1か月やり続ければ世界史の基礎は固められるようになっており、得意科目に時間をかけたくないものの、基礎は手っ取り早く固めたい人に最適です。
政治経済の独学におすすめの参考書
インプット用
【大学入試 マンガで政治・経済が面白いほどわかる本】 大学入試 マンガで政治・経済が面白いほどわかる本は文字通り、マンガで政治経済を学んでいくインプット用参考書です。普段ニュースを見ない人にとって政治の仕組みは複雑に見えます。それをマンガにすることで理解しやすく、講師の解説も合わせて読むことで理解力が増します。政治経済の興味関心を持つためにも必要な1冊です。
アウトプット用
【よくわかる政治・経済問題集】 よくわかる政治・経済問題集は、政治経済の基本的なことを学べるアウトプット用の参考書です。一問一答でチェックができるほか、分野別に問題が載っているだけでなく、ハズレの選択肢を選んだ場合になぜそれが間違いなのかという解説までついているので間違いの傾向などもわかります。
【共通テスト政治・経済集中講義】 共通テスト政治・経済集中講義は、センター試験や共通テストの傾向を分析して作成されたアウトプット用の参考性になっています。50のテーマが収録され、それぞれに演習問題がついているほか、共通テストを想定した問題演習にもチャレンジできます。共通テストバージョンが出て日が浅いものの、センター試験時代から根強い人気を誇る1冊です。
大学受験の独学での参考書選びのポイント
インプット用とアウトプット用でこれだけの参考書が世の中に出ています。その中で何を選べばいいのか、解説します。
基礎から始める場合はわかりやすさを重視
基礎から改めて勉強をし直す場合、できるだけわかりやすく親しみのあるものを参考書にすることをおすすめします。古文で紹介した「古文単語ゴロゴ」はギャグっぽさがあり、覚えるのが楽しくなるくらい、苦にせず単語が覚えられます。マンガで分かりやすく紹介する本なども出ており、興味を持たせる仕組みがちりばめられています。
学びに対する好奇心が生まれれば、熱中して学びたくなるものです。この状態になると1日10時間の勉強が苦になりません。その意味合いでも、最初はわかりやすさを重視し、基礎を固めたら別の参考書に手を出すようにしましょう。
人気の参考書がより確実
人気を集める参考書は必ず存在し、基本的に1度人気になれば、永くその人気は継続されます。塾や予備校で話題になるのはもちろん、学校でも参考書を用いることがあるので、馴染みがあるのもその要因です。なぜ人気が維持されるかといえば受験生にとって一番使いやすく、効率的だからです。「みんなと同じ参考書を使ったら差がつかないではないか!」と思いがちですが、実際に差がつくとすれば、勉強量と勉強の質です。
だとすれば、人気の参考書を選んでおくのが確実であり、あとは大学のレベルに応じて難易度に合わせた参考書を選んでいれば問題ありません。
新しい参考書を買うならレベルを上げる
参考書の中にはシリーズ化されたものがあり、難易度別になっているものがあります。新しい参考書を買う場合には難易度を上げたものを購入するのが効率的で、また同じようなレベルの参考書を買っても、前の参考書をもう1周するのと同じになってしまいます。どうしても新しい参考書を買うのであればレベルを一段上げておくと、より高いレベルの知識が得られます。
同時に、レベルを上げた瞬間に解きにくさを強く感じた場合、まだ基礎を固めきれていない恐れがあるので、レベルをまた戻してもう1周解き直し、再びチャレンジしましょう。
参考書を使った独学勉強法のコツ
これだ!という参考書を見つけてからどのように勉強をしていけばいいか、そのコツをご紹介します。
効率的なやり方で勉強する
参考書によっては効率的なやり方が存在します。数学の青チャートのように最初に例題を解いて、それを踏まえて演習問題に入ることで効率的に学習することができます。参考書によって最初から効率性、利便性を考慮した作りになっているものもあるので、そのような形になっていれば、参考書通りに進めるのがおすすめです。
参考書の作り方も、多くのやる気にあふれた学生の学びの助けになるように想定されています。ですので、変にオリジナリティを出す必要性はどこにもありません。
今日学んだことをノートにまとめる
独学で参考書を使う場合、ノートに答えなどを書いて、間違った問題に印をつけている人が少なくありません。これなら2回目、3回目と解いた時に最初からできていたか、なかなかできないかがわかります。しかし、参考書でインプットしようとする場合、その日何を学んだかを改めて思い出そうとすると意外と思い出せません。結局目で参考書の中身を読んでいるだけになるからです。
そこで1日学んだことをノートにまとめることをおすすめします。すると、改めて学んだことをチェックできるほか、ノートに書く分、覚えやすくなります。アナログではありますが、決して無駄な作業にはなりません。
ハンディタイプの参考書でスキマ時間を有効活用する
例えば通学する際には必ずスキマ時間が発生します。電車の待ち時間、乗車時間などそれぞれをかき集めれば30分、1時間、下手すればもっと時間があるでしょう。ここでハンディタイプの参考書があればそれを見ながら学習できます。一問一答形式の参考書は英語や数学地歴公民、様々な分野で出ており、国語に関しても漢字を覚えるいい時間です。脳にインプットさせれば、多少なりともその記憶は残ります。改めて見た時に記憶が定着しやすくなるので、ハンディタイプの参考書は1教科1冊用意しておいていいかもしれません。
まとめ
たくさんの参考書が世の中に出ています。何を選んでいいのかわからないと混乱する人もいるでしょう。ですが、人気を集める参考書のラインナップは実はあまり変わりません。長く愛される参考書はそれなりの理由があって愛されます。あとは学力に合わせたり、興味関心を持てるものだったりを選んで、独学のお供を決めましょう。