現代文の勉強法を徹底解説!おすすめ参考書や試験対策もご紹介

文系学生にとっては必須の科目であり、理系学生にとっても無関係ではないのが現代文です。現代文の読解力が他の科目の問題読解に応用できるなど、決して国語だけの話ではありません。

今回は現代文の勉強法や現代文に必要な力、現代文の成績アップにつながるおすすめの参考書などをまとめました。

現代文の概要

現代文とはどのような科目か

現代文は、筆者の考えを読み取って、正しく表現することを求められる科目です。解く側が何を考え、何を感じたかは一切考慮されず、筆者の考え、感じ方をしっかりと汲み取って、それを答えとして示します。主観的な考え方を排除して、筆者になり切る勢いで文章を読み、筆者が考えていることを提示します。文章に書かれていることから本質を読み取っていくのが現代文であり、このスキルを磨いておかないとなかなか高得点は狙えないのが現代文でもあります。

現代文の問題は主に「評論」と「小説」の2種類

現代文には、主に「評論」と「小説」の2種類があります。評論とは、筆者の主義主張をまとめた文章を指します。筆者が何を考え、どんなことを主張したいのかを読み取っていきます。評論では、評論で語られている背景や語彙力が問われます。小説は、主人公を含めた登場人物がどんな心理心情なのかを表現した文章です。行動や文章の中身で心情を判断するため、表面的な表現に騙されず、しっかりと読み込んで心情を理解する必要があります。

現代文に必要な力とは?

語彙力

英語の長文読解では、英単語と熟語、文法が分からないと全体的に書かれていることがわかりません。現代文でも同じで、言葉をどれだけ知っているか、語彙力がかなり問われます。特に評論では、「○○的」という言葉や横文字の言葉が多く出てくるため、チンプンカンプンになりやすいです。あとは漢字も語彙力に含まれます。何が書かれているかわからないことを避けるためにも語彙力を高めることは必須です。

論理的読解力

評論にはパターンがあり、問題提起や具体例、想定される反論、それに対するアンサー、最終的な結論という流れで書かれていることが多いです。どこで問題提起をし、何を根拠に主張を行って、説得力を持たせようとしているのかを読み取るのが、論理的読解力です。例えば、友達から「嫌い」と言われたとします。その時、顔がいたずらっ子ぽくニヤリとしながら嫌いと言ったのか、怒りに震えて嫌いと言ったのか、前提となる背景を含めて判断をします。論理的読解力は、前提となる背景を文章でつかみ、筋道をつかんで読み解く能力です。

要約力

「長々と説明しているけれど、要するにこの文章ではどんなことを説明したのか」を要約する力が要約力です。端的に何が書かれているかを示す必要があるので、意味を変えずにコンパクトにまとめる力が問われるとともに、自身が内容を把握して、要所をつかんでいないと要約はできません。要約ができるということは、評論や小説の文章における肝を理解していることを意味します。現代文の能力を高める上で大事な部分です。

気持ちを受け止める力

小説では、主人公やその周辺の人物の心情を読み取ります。例えば、「子供の教育を考えれば体罰はやむを得ない」という心情を抱く人物が主人公だったとします。「現代でそんなことありえないから!」と憤慨しても、主人公はどんな心情を持っていますか?と問題文で聞かれたら、「子供の教育を考えれば体罰はやむを得ない」と答えるしかなく、それが正解になります。たとえ、自分の考えと対極にあり、極めて不愉快なことが書かれていても、それを受け止めなければ正解になりません。意外とこの部分ができず、現代文で苦戦する人が目立ちます。

読む力

かなり重要なのは、読む力、読むスピードです。パッと読んで内容を理解することでスピーディーに問題を解くことにつながります。読むのが遅いと確実に問題が解けてもタイムアップになる恐れも。模試では現代文のほかにも古文や漢文があり、そちらに時間を回す必要があるため、読む力をつけて短い時間で解くことはとても大事です。

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現代文の勉強法とは?

現代文に必要な力を身につけるために、どのような勉強をしていけばいいのか、学習ステップや勉強のコツなどをまとめました。

現代文の学力を伸ばす学習ステップ

❶語彙力を身につけるためインプットを行う

語彙力をつけることは、筋トレを行って筋肉をつけることと同じような意味を持ちます。すぐに現代文の成績がアップするわけではありませんが、着実に語彙力が上がり、長い目で見た時に安定した成績を残しやすくなります。

❷演習問題を解く

現代文のレベルを高めるには演習問題をどんどん解いていく必要があります。答えの根拠になるものは必ず問題文の中にあります。しっかりと文章を読み込んで、自分なりの回答を導きましょう。

❸解説を読んで、解き方を学ぶ

参考書などには詳しい解説が載っています。評論であれば答えを導くまでのプロセスが、小説であれば登場人物の心情が詳しく解説されており、どのようにアプローチをすればよかったのかがわかります。

❹再度問題を解いて、解き方を理解する

解説を読んで、なるほど!と理解しても、同じ問題を解く時にプロセスを理解して解説と同じように解けるかどうかはやってみないとわかりません。時間を置いてもう1度解いた時、同じミスをした場合は、要注意です。何度も解く中で次第に解き方がわかるようになり、根拠を見つけ出す時間も短縮されていきます。

❺苦手分野を把握し、重点的に行う

現代文では同じ評論でも、親しみやすい分野からあまり関心のない分野まで様々あります。内容がどんなものであれ解けることが理想的ですが、人間なので当然苦手分野も存在します。その分野に関することはどうも苦手だと分かれば、できるだけその分野を中心に問題を解いたり、普段から苦手分野に関するニュースなどを読んで、興味を持ったりすると、苦手分野に対する考え方が変わるかもしれません。これを繰り返して現代文の力をつけていきます。

現代文の勉強で学力を上げるためのコツ

解くためのテクニックを1つでも多く身につける

現代文を解く上で様々なテクニックが存在します。例えば接続詞において、「だが」や「しかし」などの逆接が使われると、その前に、筆者と違う主張を少しだけ紹介した後で、筆者の持論や主張が述べられるため、明らかに重要な部分であることがわかります。他にも、「思う」や「感じる」、「考える」で終わる一文には筆者の主張が載っているとか、「例えば」が出てくれば自分の主張を補強する具体例なので読まなくていいなど、色々なテクニックがあり、参考書で紹介されています。これらのテクニックを1つでも覚えると現代文が効率的に解けるようになります。

消去法で臨み、根拠を本文から見出す

基本的に複数の選択肢から作者の主義主張や登場人物の思いを選んでいきますが、現代文の場合、一発で選択肢の中から選ぶことは非常に難しいです。難しい言葉で書かれていていかにも正解っぽい選択肢は問題作成者のワナである可能性が高いため、注意が必要です。基本的に消去法がおすすめで、本文にどこにも書かれていない内容が選択肢にあればそれを消していくと、最後に2つが残ります。ここに根拠が書かれているからこの答えだと導くようにすると、万が一外した時に、何を根拠にすればよかったかが解説に書いています。これを踏まえて何度も解いていくと、より根拠を見つけやすく、選択肢を削りやすくなるでしょう。

語彙力を身につけられる参考書を1冊完璧にこなしてみる

現代文で成績が伸び悩む人は、論理的読解力がないか、語彙力が不足しているかのいずれかです。評論では、抽象的な言葉や生活していく中で一度も出てこないであろう難しい言葉などが平気で出てきます。答えの選択肢に出てくると、いかにも正解っぽいとついつい選びがちです。語彙力を身につけることは現代文の点数を上げるためには欠かせません。そのため、語彙力を身につけられる参考書を1冊完璧にこなすことをおすすめします。どの参考書も同じような言葉を取り上げており、あとはインプットのしやすさなどを踏まえ、自分に合った参考書を見つけ、それで完璧を目指しましょう。

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現代文の勉強におすすめの参考書をレベル別に解説

現代文のレベルアップを目指すためにどんな参考書を使っていけばいのか、偏差値別にまとめました。

偏差値50以下の人(初心者)におすすめの参考書

田村のやさしく語る現代文

田村のやさしく語る現代文は、現代文を苦手とする人が最初に手にしておきたい参考書です。問題数こそ少ないものの、苦手意識を強く持つ人でも続けやすい工夫がなされています。前半で現代文の解き方を紹介し、それを踏まえて後半で問題を解いていく形になっています。苦手意識の払拭を目指すのに最適な1冊です。

入試現代文へのアクセス 基本編

入試現代文へのアクセス 基本編は、現代文の演習問題を解くのにおすすめな1冊です。解説が詳しく載っているため、どのように解けばよかったかがすぐにわかります。テーマとしてよく出やすい問題から、構造がシンプルなものまで様々なので、現代文がとても苦手な人でも取り組みやすい形になっています。

偏差値51~60の人におすすめの参考書

ゼロから覚醒はじめよう現代文

ゼロから覚醒はじめよう現代文は、文法にこだわった参考書です。現代文において文法は軽視されがちですが、実は正しく読み解く上で文法は非常に重要な存在です。この文法にこだわっているので、偏差値50以上をベースにさらに上を目指す場合に、役立つことになりそうな内容になっています。

池上の短文からはじめる現代文読解

池上の短文からはじめる現代文読解は、現代文を解く上で欠かせない9つのルールが載っている参考書です。参考書で紹介されている9つのルールを使えば論理的に解けるというのがウリになっているほか、正解不正解の根拠が事細かに載っているので、レベルアップを図って、安定した成績を確保するのにおすすめの1冊です。

偏差値61~70の人におすすめの参考書

現代文読解の基礎講義

現代文読解の基礎講義は、難しい文章に遭遇しても自分で読み解き、答えに導き出せるように設計された参考書です。読解法を始め、様々な問題形式で問題が作られ、それに関する解答のやり方が学べます。収録問題として旧帝大の問題が多く収録されており、一段上を目指すのに最適です。

GMARCH&関関同立の現代文

GMARCH&関関同立の現代文は、関東と関西の、偏差値60前後で切磋琢磨する10大学の問題を網羅した参考書です。私大入試をする人は確保したい1冊であり、大学の出題傾向や対策がわかるため、現代文のスキルが志望大学に通用するかどうかを腕試ししたい人におすすめです。

偏差値71以上の人におすすめの参考書

得点奪取現代文

得点奪取現代文は、記述問題で点数を狙いたい人におすすめの参考書です。国立2次では記述問題が多く出題され、難関国立大学で出やすい問題やその時過多が学べるほか、どのような採点基準で運用されているのかが理解できます。演習問題が多くあるので、採点基準に沿った解き方を会得できます。

現代文と格闘する

現代文と格闘するは、取り上げられる題材が非常に難しく、偏差値71以上の人でないと太刀打ちできないほどの参考書です。内容が難しくボリュームもあるため、これまで培ったテクニックや語彙力をフル活用しないと太刀打ちできません。筆者が考えることをどのように読み取ればいいのか、解説で詳しく紹介されているので、何度も解いて根気強く挑むことが求められる1冊となっています。

現代文の試験対策

現代文を使って試験に挑む場合にどんな対策をとればいいのか、ケース別に詳しく解説します。

定期テスト対策

定期テストでは基本的に教科書から出題されるほか、教科書で出てきた漢字などが出てきやすいため、テスト範囲に関連した語彙力を身につけることが点を取りこぼさないやり方です。あとは授業で扱った際に、先生がどのように解説をしていたのか、ノートをチェックして要点をつかむとともに、筆者が言いたかったことを要約していく作業を取り入れ、内容理解に努めましょう。たとえオリジナルの問題を作成したとしても答えは文章の中にあるため、焦る必要はありません。

共通テスト(センター試験)対策

2021年の共通テストでは、評論と小説から1題ずつ出ており、大きな変化はありません。記述式も検討されてきた中で、結局センター試験とほとんど変わらない形式になりましたが、文章量がとても多くなったのが特徴的です。読解力を高める、スピードを上げるためにテクニックを学び、たくさんの演習問題に触れるほか、過去問を何度も解いて、共通テスト対策を立てていくことが求められます。読むスピードは文章を読むことでしか上げられません。

国立2次・私立入試対策

国立2次では基本的に記述問題がメインになり、私立入試は記述問題やマーク式など大学で結構異なります。記述の場合、消去法が使えず、単に読み取るだけでは不十分で、要約力も重要になります。より重要キーワードのインプットや新聞を通じて論理的思考力や論理的読解力を学ぶこと、要約の練習を重ねていき、レベルアップを図りましょう。

本を読む勉強法は効果あるの?

現代文の力をつけるために、とにかく本を読んでいくべきだと主張するインターネットのサイトや学校の先生がいます。確かに、文章を読むスピードが速くなるほか、学生のうちはあまり親しみがない長文の文章に慣れることにもつながるため、全くメリットがないわけではなく、取り入れるべき部分も当然あります。

しかし、即効性がある勉強法とはいえず、得点が上がる直接的な原因にはなりにくいです。本を読むのは読むでいいですし、新書などで難しい内容に触れていくことは悪いことではありません。ただ、同時並行で語彙力を身につけることや、参考書を活用して解説などで解き方を学ぶことなどを行っていきましょう。

まとめ

現代文はセンスが重要だと言われますが、そんなことはありません。語彙力を身につけて文法に注意を払い、問題を多くこなしていく中でテクニックを身につければ誰だって好成績は狙えます。自分にはセンスがないと諦める人も出てくるでしょうが、どの科目においても、センスがないからどれだけ頑張っても点数がとれないという科目は存在しません。時間はたとえかかったとしても、現代文の対策を根気強く行っていけば点数は自然と高まっていくことでしょう。

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