大学受験の勉強、定期テスト対策などで1日10時間、12時間と勉強を重ねる人がいます。半日勉強に費やすわけですから、当然勉強に疲れます。とはいえ、疲れたから1日休む!Tぽいわけにもいきません。
勉強に疲れた際に出てくる体のサイン、疲れの原因、リフレッシュ方法、勉強疲れでやる気が出ない場合の対処法などをご紹介します。
勉強に疲れた際の体のサイン・症状とは?
長時間の勉強で、体力いっぱいの学生もヘトヘトになります。具体的にどんな疲れ、サイン、症状が出てくるのかをチェックします。
肩こりや腰痛
ずっと同じ姿勢を保ち続けることで、緊張状態が続くため、それが肩こりや腰痛につながることが考えられます。長い時間体を動かさず勉強をし続けているのが大きく、血流が悪くなるのもその要因です。
目の疲れ
長い時間勉強をし続けていると、ノートと参考書ばかりを見続ける時間帯が増えるため、ピントが常に近い位置で定まりがちです。最初は「目が少し疲れた」ぐらいだったのが、次第に重くなり、眼精疲労まで行きつくこともあります。ここまでいくと、眼精疲労から引き起こされる頭痛なども経験するかもしれません。
イライラ・焦燥感
勉強が楽しい!問題を解いているだけで幸せ!と感じられるのは少なく、そのほとんどは無の境地、もしくはできないことへの怒りや焦りです。特に参考書を読んでも要領を得ない場合や解説してほしい場面で解説が乏しい場合などに強い怒り、イライラ、焦燥感を感じる人がいるかもしれません。
眠気
勉強をやっていく上で誰しもが経験するのが眠気です。時間帯にもよりますが、強い眠気が襲い掛かってきたとき、それをごまかそうとするだけで時間をロスしてしまうことがあります。眠気に負けて寝てしまい、気づけば深夜で、強く後悔した人もいるはずです。眠気もまた疲れのサインと言えるでしょう。
不眠
体が疲れるとすぐに眠気が襲って、布団に入ったらすぐに寝てしまう人がいるかもしれません。しかし、勉強をしていく中で、できないことだらけだったり、模試や定期テストの結果が伸びない、合格判定は常にE判定だったりしてストレスが強くかかって、寝たくても寝られない状況になる場合もあります。ストレスが強くかかり、それが不眠を誘発していると考えられます。
勉強に疲れたと感じる原因とは?
勉強に疲れたと溜息交じりに言ってしまうのには、ちゃんとした原因があるのでご紹介します。
脳の疲れ
まず考えられるのは脳の疲れです。脳は仕事や運動などをこなした際、ストレスと判断しており、勉強をし続けることでストレスを受け続けている状態になります。この時に発生するのが活性酸素で、この活性酸素が脳にダメージを与え、それによって疲れたと感じます。(参考:NIKKEI STYLE)
また勉強に飽きてくるのも脳からのサインであり、これ以上酷使しないでほしいという警告でもあります。脳の疲れを放置すると慢性的な疲労につながりやすいので注意が必要です。
長い時間同じ姿勢でいること
長い時間同じ姿勢でいることは、血流が悪い状態が続くため、肩こりや腰痛の原因にもなります。コロナ禍の在宅ワークではエコノミークラス症候群のリスクが高まっていることが指摘されています。座り続けているために血栓ができやすい状態であるため、そのような症状を誘発しやすいのですが、これは長時間の勉強にも言える話です。
睡眠不足
10時間以上の勉強をするために、睡眠時間を犠牲にしているケースが見受けられます。午前3時ぐらいまで起きて午前6時や7時に起きることで勉強時間を確保していますが、3時間程度の睡眠では明らかな睡眠不足です。近年取り沙汰されている「睡眠負債」を引き起こし、注意力や認知能力の低下につながるため、適度な睡眠時間の確保が求められます。
ストレス
次に考えられるのがストレスです。ストレスが強くかかると交感神経優位となり、緊張状態が続きやすくなります。いわば戦闘状態が長い時間続くため、それに備えているうちに疲れていきます。ストレスが疲労感を与えている可能性は十分に考えられるほか、メンタル的なダメージを負うことにもつながるため、注意が必要です。
脳のエネルギー切れ
脳が活性酸素にさらされることでこれ以上は危ない!とサインが出て、疲労感につながるとご紹介しました。もう1つ脳に関することで考えられるのが、脳のエネルギー切れです。人間はお腹が空くと力が出ないものですが、脳の場合はブドウ糖が不足することで力が出ない状態になると考えられます。寝ている間もブドウ糖は消費されるため、朝目覚めた時には既にエネルギー切れになっていることも。朝食を食べなければならないのはこうした理由もあるのです。
勉強に疲れた際のリフレッシュ方法5選
勉強をやりすぎて疲れた場合にはどんなリフレッシュ方法があるのか、詳しく解説します。
目を休ませる
眼精疲労になると、目の疲れで勉強どころではなくなってしまいます。頭痛などを誘発すると質のいい勉強は難しいでしょう。そのため、目が疲れたら目を休ませる、これが重要です。使い捨てのホットアイマスク、レンジで温めるタイプのもの、そしてUSBタイプのアイマスクなどたくさん出ており、目を温めて疲労物質を取り除くことができます。
水分補給
体が疲れているとエナジードリンクを飲みがちですが、これはいけません。カフェインなどで疲れを強引にごまかしているだけで、「元気の前借り」と称する人もいます。この場合は水やお茶を飲んで水分補給するのがおすすめです。水分がない状況は血液循環がうまくいかず、疲労物質がとどまっているような状態になります。水分を摂取することで血液循環がうまくいくようになるのです。
ストレッチ
肩こりや腰痛などを回避するには、ストレッチを行うのがおすすめです。体を動かすことで血流を促進させて疲れを吹き飛ばすことができます。肩中心のストレッチ、全身を使ったストレッチなどがあるので活用していきましょう。
長めのお風呂に入る
疲れを飛ばすのに最適なのがお風呂です。この時、熱いお風呂につかるのではなく、若干ぬるい温度のお湯に入って長めに入るのが疲労回復に効果的です。熱いお風呂は体への負荷が相当かかるため、逆効果とされています。
昼寝をする
強い眠気に襲われた時、短時間だけで昼寝・仮眠を行うのがおすすめです。少し寝るだけでも十分な効果があり、眠気が吹き飛び頭がクリアになります。眠気をごまかし続け、コーヒーやエナジードリンクでごまかすと「元気の前借り」状態でどこかでツケを払うことになります。そうならないためにも適度な昼寝が大切です。
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勉強に疲れた際に疲れを取る効果がある食べ物
ラムネ菓子
脳のエネルギー切れに効果を発揮するのがラムネです。特にブドウ糖を多く含むラムネは脳に栄養を届けやすく、脳に力を与えます。ブドウ糖で作られた角砂糖のような商品もありますが、お菓子として食べたい場合にはラムネ菓子が一番です。
フルーツ
フルーツには色々なビタミンが含まれ、主にビタミンCが多く含まれています。適度に糖質やミネラルも含まれ、脳へのエネルギー補給にもつながります。最近はドライフルーツが人気で、コンビニでも手軽に購入できるのでおすすめです。
豚肉
豚肉にはビタミンB1が多く含まれており、糖質の代謝を促します。糖質の代謝が促されることで、エネルギーが作られ疲労回復にも効果があります。昼食に豚の生姜焼きなどを食べるのもいいでしょうし、生ハムにも多くビタミンB1が含まれているので、それを食べるのもいいでしょう。
勉強に疲れてやる気が出ない(やりたくない)場合はどうすればよい?
疲れに効果的なものを食べた、それでもやる気が出ない場合に何をすればいいのか、いくつかの方法をご紹介します。
偉人の名言を見て奮い立たせる
アドバイスをもらって体に電気が走るかのような衝撃を受けることがあります。特に偉人の名言は私たちに勇気をくれ、やる気にさせます。一部ですが、偉人の名言をご紹介します。
テイラー・スウィフトの名言
まだ30代前半にしてグラミー賞を10回以上受賞するアーティストのテイラー・スウィフトの名言がこちらです。
「もしも誰かがあなたを傷付けてきたら、川のような量の涙を流したって良い。大切なのは、そこに橋をかけて乗り越えることよ」
悔しいことはたくさんある、泣いたってもいい、そこからいかに乗り越えて実を結べるようにするか、これが大事なのかもしれません。
マーク・トウェインの名言
トムソーヤの冒険の作者で知られるマーク・トウェインの名言がこちらです。
「20年後に失望するのは、やったことよりもやらなかったことだ。綱を解き、船を出し、帆で風を捕らえよ。探検し、夢を見て、発見するのだ。」
プライベートでは様々な苦難を経験し、自分の息子や娘は両親より先に全員亡くなるなど波乱の生涯を送ったマーク・トウェインの名言は、やらない後悔よりやる後悔を求める強いメッセージ性を帯びています。
アリス・ウォーカーの名言
アフリカ系アメリカ人の女性として長年人種差別と闘ってきたアリス・ウォーカーの名言がこちらです。
「多くの場合、諦めに至る理由は、自分に何の力もないと思ってしまうことだ。」
1944年生まれのアリス・ウォーカーは、公民権運動を展開するほか、女性の権利など様々な問題で闘いを続けてきました。その彼女の名言は、彼女だからこそ言えるものであり、簡単に諦めてはいけないことを悟らせてもらえます。
思い切って休む
勉強に疲れてやる気が出ない場合は、精神的なエネルギーが低下している可能性が高いと言えます。ここで無理をしても身につくものも身につかないことが考えられます。そこでおすすめなのが思い切って休むことです。もちろん遅れが生じますが、気分を一新し、何のために勉強をするか明確になり、やる気満点な状態で勉強に臨めば、遅れはいくらでも巻き返せます。
勉強以外で幸せになる方法を探るのもいいでしょう。とはいえ、どの道を辿るとしても結局は受験勉強レベルの苦労が待っています。どの道も苦労を経ないといけない、ならば思い切って勉強をやるしかない!という気持ちになるはずです。休むことは決してマイナスではなく、100%の状態になる時間であり覚悟を決める時間でもあるのです。
ポジティブな言葉を自発的に発していく
勉強に疲れてやる気が出ない状況は、精神的に弱っているケースや自信がないケースなどが想定されます。大丈夫だろうか、うまくいくだろうかという不安に駆られると、色々と怖くなって逃げたくなる気持ちもわかります。そんな時におすすめしたいのが、ポジティブな言葉を発することです。「着実にやってきたからいつか報われる」とか、「前はここすらできなかったのに、ここはできた、だから進歩しているんだ」と自分で自分を褒めていくことで、モチベーションが少しでも上がり、自信がつくようになります。
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勉強で疲れた時にやっても効果がないこと
一方で、勉強で疲れた時にやっても効果がないことも当然存在します。いくつかの無意味な対策をご紹介します。
ストレス発散
勉強のストレスがたまり、それが体に影響を及ぼすことはあります。ストレス発散は確かに一時的なリフレッシュにはなるかもしれません。しかし、本質的なことを見ると、ストレス発散と疲れを取ることは違います。ストレス発散はあくまでも精神的なものに効果があり、肉体的な疲労はまだまだ残っています。ストレス発散のために暴飲暴食などもってのほかです。体を動かすことが結果的にストレス発散も兼ねますが、ストレス発散ありきで考えるのは避けましょう。
無計画にランダムな休みをとること
精神的に疲れている時は思い切って休むことを提案しましたが、逆に肉体回復を理由に、無計画に自由なタイミングで休む行為はあまりプラスにはなりません。ちょっと眠いから休もうぐらいならまだしも、スマホの通知音が鳴ったから休憩、動画が配信されたからチェックなど、不必要で無計画な休みは明らかなロスタイムです。これが積もり積もると1日2時間、3時間になるため、無意味なロスタイムを生む休み方は避けなければなりません。
激しい運動
体を動かすことがストレス発散になるとばかりに、外に出てランニングをする、筋トレを始めるなど激しい運動をしてしまうことは、あまり得策とは言えません。激しい運動、ストレス発散をするだけの体力があったのなら、その体力で勉強ができたからです。体力が余っていても精神的なリフレッシュが必要な時はあります。しかし、できるだけ体力を削らずに行うのが一番です。激しい運動をして肉体疲労はただただ増すばかり。いわば自滅のような行為です。
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勉強で疲れをなるべく溜めないために心がけること
勉強をする上で疲れをためないようにどんなことを心がければいいのか、解説します。
疲れている中でもできることをやる
常に100%、リフレッシュな状況で勉強を行い続けることははっきり言って不可能です。疲れが残っている中でも勉強はしないといけません。とはいえ、負荷をかければダメージは大きいもの。そこでおすすめなのが得意科目の勉強です。得意科目であれば勉強をするのが楽しく、どんどん捗るものです。疲れている中でも少ない負担でできることをやる、それが重要です。
効率のいい勉強を考える
負担がかからない勉強というのは、無駄なエネルギーがほとんどないやり方、効率のいい勉強でもあります。通学の時間に暗記をしないといけない場合は、市販の単語帳についている付属CDで単語を聞き取っていきつつ、単語帳を見ることで目と耳でインプットができます。いかに効率よく勉強を行うかは大事であり、ギアを上げないといけない時に常に本気を出せるようにするには、温存しながら勉強するやり方を身につけるべきです。
睡眠時間だけは絶対に削らない
毎日100%に近い状況を確保するには、睡眠時間をしっかりと確保するのが一番です。計画が遅れそうだからと睡眠時間を削って対処するのは悪手です。確かにその日の計画はクリアできるかもしれませんが、注意力や認知能力を犠牲にし、翌日などにそのツケを払うことになります。理想は8時間睡眠とされていますが、最低でも6時間は確保すべきです。これを下回った睡眠時間を続けると2週間後には疲れが相当たまった状態になるので注意です。
まとめ
勉強に疲れた際には休むのが一番ですが、闇雲な休みはただただ時間を浪費します。しかし、精神的に疲れた時は思い切って休み、復帰した時に気合十分な状態に戻ればいくらでもカバーできます。基本的には、疲れに応じて効率的な勉強法を身につけることが確実であり、緩急をつけていくことが求められます。