受験勉強は長期決戦、テスト対策は短期決戦で、受験シーズンになればこの2つがバッティングするため、受験生からすれば大変です。ただでさえテスト対策すら面倒なのに、まして受験勉強もしないといけないとなれば、学生のストレスはMAXになっても不思議ではありません。
今回は勉強のストレスチェック、ストレスの原因や悪影響、ストレス解消法、イライラへの対処法などをまとめました。
勉強のストレスチェック!体のサインとは?
ストレスがたまってくると、これらの症状が出てくると言われています。
・体の疲れ
・不眠
・食欲不振
・イライラ・焦燥感
・やる気の減退
・集中できない
・不安
これらの症状を感じ取った場合には、要注意です。
勉強時にストレスを感じる原因
勉強をしている時にストレスを感じる原因はいくつも存在します。その原因をご紹介します。
思い通りにならない
勉強計画を立てているのに計画通りに進まない、思うように成績が伸びない、何度やっても暗記できないなど、自分の思ったように進まないことに対してストレスを感じる人が多いです。自分に対する怒りが強く、ついつい物に当たってしまう人もいるでしょう。
周囲の配慮のなさ
一生懸命勉強したので休憩しようとすると、親から「怠けてないで勉強しろ!」と言われたします。「あなたは何を見てたの?!」と激怒するほどの強い怒りを感じるはずです。私の苦労を全然わかってくれない!と周囲の配慮のなさにストレスを感じる人はおり、家の中でカリカリする受験生がついつい家族に当たってしまうケースもよく見られます。
勉強の道具への怒り
筆圧が強い人だと、シャーペンで勉強をしていると何度もボキボキと折れます。あとは使っている色ペンがスカスカで使えない、満足に書けないなどのことがあると、それへのイライラがたまりやすいです。普通に使っていただけなのに壊れるなんてことがあれば怒りが爆発する勢いです。自分以外の要因で邪魔されることは、受験生のみならず、人間であれば誰しも嫌がります。
将来への不安
一番恐れるのは、この勉強は本当に役に立つのか、報われるのかということです。やっても意味がないのではないか、苦労が無駄に終わるのではないかと不安になり、その不安がなかなか頭から離れず、強いストレスがかかり続けることになります。考えちゃいけないとは分かっていても、ふと思ってしまうと長く考えがちになるものです。
原因が重なったケース
一番厄介なのは、複合的な要因でストレスがかかることです。親からの小言に始まり、暗記がうまくいかない、英語の成績が伸びない、定期テストも迫ってきたといくつも原因があることで、突然「うわぁー!」と髪の毛をくしゃくしゃと乱す人が時折います。受験シーズンは感情が爆発しやすいので、こうした行為も正常の範疇と言えます。ただそのストレスの爆発をきっかけに家族を刺激するなど悪いことが連鎖することにもなるので注意が必要です。勉強中に頭が痛い原因と治し方!頭痛の予防法も解説
勉強のストレスが及ぼす悪影響
受験うつ
受験シーズンなのに勉強する気にならない、授業に集中できないといった症状に悩まされる人がいます。こうした症状を「受験うつ」と言います。受験勉強は強いストレスがかかり続けるため、受験うつになるケースが増えています。(参考:新宿ストレスクリニック)
新宿ストレスクリニックによると、受験うつにはいくつかのパターンがあり、過度な期待が原因の「プレッシャー型受験うつ」、勉強が思い通りに行かないことが原因の「モチベーション喪失型受験うつ」、比較され続け劣等感をもってしまう「比較・競争型受験うつ」があるようです。「ストレス耐性が弱い」ことが原因とされ、本人はもちろん、周囲も注意しなければなりません。
記憶力への影響
ストレスがかかることで、記憶力が低下すると言われています。脳に強いストレスがかかることで、コルチゾールというホルモンがたくさん出ます。別名ストレスホルモンと呼ばれ、このストレスホルモンが記憶を司る海馬に働きかけ、記憶力の低下につながってしまいます。(参考:エーザイ)
ストレスがかかり続けた状態で暗記をしようにも頭に入っていかない、これだと効率の悪い勉強になってしまうので注意が必要です。
注意力の低下
脳にストレスがかかり続けると、このままでは体が壊れると脳がサインを出します。それがだるさであったり、疲れだったりします。この状態で勉強を続ければ注意力は散漫になります。ストレスがかかることで注意力が低下すれば、間違いも起こりやすく、実りある勉強にならない場合が想定されます。
勉強に疲れた際のリフレッシュ方法とは?やる気を出す方法もご紹介
勉強のストレス解消法20選
強いストレスがかかり続けることは体に様々な悪影響を与えます。少しでもストレスを解消するための方法をご紹介します。
①解けない時は簡単な問題を解き直す
問題が解けなくてイライラする時はいったんレベルを落として簡単な問題を解き直してみましょう。場合によっては参考書のレベルが合っていない可能性もあるので、改めて基礎からやり直すきっかけにするのがおすすめです。
②いったん小休止を入れる
レベルの高い問題にぶつかって四苦八苦し、解説を読んでもスッと頭に入らない時はいったん小休止を入れ、コーヒーを飲んだり、ストレッチをしたりしてブレイクしましょう。呼吸を整えてから再び解説などを見ると、案外すんなりと頭に入るようになるものです。
③換気を行う
問題が解けなくてイライラしている場合、いったん換気をしてみてはいかがでしょうか。部屋の中は呼吸によって生じる二酸化炭素がたまり、それが脳に悪影響を与えると言われています。換気をすることで二酸化炭素濃度を低下でき、パフォーマンスを改善することができるのです。(参考:サニクリーン)
④ホワイトノイズを聴きながら勉強する
家族の生活音などでイライラし、ストレスを感じる場合におすすめなのが、ホワイトノイズを聴きながら勉強することです。テレビの砂嵐や雨の音などがホワイトノイズで、周囲の雑音をかき消し集中しやすくさせます。
⑤コワーキングスペースで勉強する
家にいて家族からの一言にイライラする場合は、コワーキングスペースでの勉強がおすすめです。コワーキングスペースはフリーランスや外回りで働くサラリーマン、資格勉強する学生や主婦などが仕事や勉強をする場所です。空調は効いていて飲み放題、Wi-Fiも飛んでいるので快適です。
⑥モヤモヤをアウトプットする
不安や焦り、イライラがたまっている時は、その感情をアウトプットするのがいいでしょう。ノートや日記に今思っていることを書き出すことで、感情を見直すことができます。自分を見つめ直すことにもなり、不安が消えることにもつながります。
⑦泣けるときは泣く
悔しいときなどに泣きそうになる場合があります。この時、我慢をするのではなく思い切って泣くのが効果的です。泣くことで、ストレスホルモンが外に出されるほか、緊張状態の緩和にもつながるため、ストレスから解放されます。自分の部屋やトイレなど見られないところで泣いて、何食わぬ顔で勉強をやり直すのがいいでしょう。(参考:医療法人社団平成医会)
⑧マインドフルネスの実践
イライラなどストレスによる緊張状態がある場合、マインドフルネスを行うようにしましょう。いわゆる瞑想と呼ばれるもので、長く吸って長く吐くことに集中して呼吸を行い、10分間目をつぶっているだけでストレスの軽減につながります。
⑨別の勉強を行う
数学の演習問題で躓き、イライラが止まらない場合は、得意科目など別の勉強を行うのがおすすめです。冷静を取り戻すことができるほか、改めて解き直した時に別の視点からアプローチができて、解けるようになることもあります。
⑩音楽を聴く
気分を切り替えたい、リフレッシュしたいときにおすすめなのが音楽を聴くことです。大好きなアーティストの音楽を聴くことでドーパミンが放出され、やる気を刺激してくれるでしょう。
⑪栄養補給を行う
パフォーマンス低下はイライラだけでなく、脳のエネルギーが低下している可能性もあります。そこで栄養補給を行い、リフレッシュするのもいいでしょう。ブドウ糖は脳のエネルギー源で、ブドウ糖を摂取することで脳を再びフル回転させられます。
⑫しっかりと寝る
ストレスがたまりやすい状態は、疲れがとりにくい状態でもあります。特に学生は勉強で深夜までやってしまい、睡眠時間を犠牲にすることがよく見受けられます。最低でも6時間、出来ればそれ以上の睡眠時間を確保することでストレス解消、体調回復につなげられるでしょう。
⑬軽く運動を行う
少しでも体を動かすと気分のリフレッシュにつながりやすいです。部屋の中でできるような、ちょっとした運動を行っていきましょう。座りっぱなしの勉強は肩こりや腰痛の原因にもなるので定期的に動かすのがおすすめです。
⑭ハーブティーを飲む
ストレスの緩和に効果があるとされるのがハーブティーです。ハーブが体をリラックスさせるほか、香りがいいためにリラクゼーション効果を持ち合わせており、気分を落ち着けるのにもいいでしょう。
⑮長めにお風呂に入る
長めのお風呂でリフレッシュするのもおすすめです。夏場だとシャワーで済ませがちですが、体の芯まで温まらず、自律神経が整いにくくなります。緊張状態を緩和させるには、ぬるめのお風呂に長く入るのが一番です。
⑯アロマを使う
ストレス発散だけでなく集中力を高めたいときに用いるべきなのがアロマです。例えばユーカリは、集中力を高めるほか、風邪の予防にも効果があるとされています。ハンカチにオイルを垂らすだけでよく、それを嗅ぐだけで様々な効果を得られます。
⑰第三者に相談してみる
家族への相談は感情的になり、友人への相談はライバルに塩を送るような気分になる、そんな時におすすめなのが第三者への相談です。最近ではLINEなどを使って受験相談をするサービスが増えています。悩み事を人に話すだけでもスッキリしますが、全く関係のない人に話すことで、余計なことにならずに済みます。
⑱1日休んで満喫する
どうにもならないストレスの場合、1日思いっきり遊んで休日にしてしまうのもストレス発散法の1つです。1日休むことで計画は狂いますが、リフレッシュしてから真剣に取り組めるようになるとその遅れはすぐに回収できるでしょう。
勉強できない原因とは?できる人との違いや勉強の習慣化法を解説
⑲志望校に関する情報に触れる
あえて志望校に関する情報に触れることで、わくわく感を感じるやり方もあります。志望校に合格すれば楽しい未来が待っていると思えば、もう少し頑張ろうと思えるはずです。それでもやる気が出てこない時は、かなりストレスがたまっている証拠です。
⑳休憩時間は休憩のことだけを考える
勉強の時は勉強に集中しろ!とよく言われますが、休憩の時間でも同じことが言えます。休憩の時は休憩の事だけを考えればよく、勉強の事を引きずって休憩を行っても体が休まりません。物事にはオンとオフ、メリハリがありますが、勉強と休憩はまさにその関係です。ストレス発散はいったんスイッチをオフにすることが大事です。
勉強中のイライラへの対処法
勉強中に思わずイライラしてしまったことがあるでしょう。その際の対処法をご紹介します。
わからなくてイライラする場合
わからなくてイライラする場合は、現状の力量では、わからない問題に対峙するのは難しい可能性が高いです。要するに問題レベルが高く、そのレベルに必要な知識が伴っていない可能性が考えられます。そのため、まずは問題レベルを下げる、簡単な参考書で勉強し直すなどの対処法が必要です。取っ掛かりも見つけられない状況なので、その問題に必要な基礎知識を今一度勉強し直してから再度トライするのもいいでしょう。
集中できなくてイライラする場合
集中できなくてイライラする場合に関しては、脳の疲れや精神的な疲れ、肉体的な疲れ、様々な原因が考えられます。いったん休憩にして糖分補給を行ったり、ストレッチをしたりして様子を見ましょう。それで落ち着けば再び勉強を始めて、それでも集中力が続かない、不安感がある場合にはその日はいったん勉強をストップし、場合によっては家族などに相談、病院で診てもらうことも視野に入れましょう。
計画通りに進まなくてイライラする場合
計画通りに進まないケースは、自分の実力と計画が不一致しているケースが考えられます。少々無茶をした計画になっている可能性が高いのです。1度計画通りにやってみて、どうやっても難しい場合にはいったん見直しを行いましょう。計画通りに進まないのは何が原因なのかを探り、改善を図って改めて元の計画を行って、それでもダメなら大幅な見直しをおすすめします。
まとめ
ストレスは生きている上で必ず襲ってくるものですが、ストレスが適度にないとパフォーマンスの向上につながりません。何事もほどほどが大事で、強くかかり過ぎるストレスだと体に害を及ぼします。ストレスから身を守る対処法、自己防衛策を知り、ストレスと向き合いながら勉強を行いましょう。