勉強に集中する方法はいくつもありますが、その中で多くの人が実践しているのが音楽を聴くことです。昔はラジオを聴きながら勉強をしていた人もいたのだとか。時代は変わり、サブスクリプションサービスで音楽を聴く時代になりました。
果たして勉強中の音楽は集中できるものなのか、音楽を聴くメリット・デメリット、集中しやすい音楽の特徴やおすすめの音楽などをまとめています。
勉強中に音楽を聴くと集中できるのか?
そもそも勉強中に音楽を聴くことで本当に集中できるものなのか、勉強中に音楽を聴くメリットやデメリットをまとめました。
勉強中に音楽を聴くメリット
勉強中に音楽を聴くメリットとして、気分を高めて勉強に取り組めることが挙げられます。好きなアーティストの曲を聴くとテンションは自然と上がります。このテンションが上がった際に脳内で分泌されるのがドーパミンです。ドーパミンが側坐核に働きかけることでモチベーションが高まります。
また音楽を聴くことで周囲の雑音が入ってこず、より集中して勉強が行えます。これをマスキング効果と呼びます。音楽を聴くメリットは確実にあると言えるでしょう。
勉強中に音楽を聴くデメリット
反対にデメリットですが、場合によっては集中できないケースが生じます。歌詞に注意力が向かってしまうケース、ロックやパンクなど激しめな曲で集中できないケースなどが当てはまります。また、聴覚を音楽が独占することで、暗記をする際に五感のうちの1つが使えなくなるため、暗記の妨げになることは明らかです。
何より問題なのは、定期テストや入試において音楽を聴きながら受けることができない点です。常に音楽を聴きながら勉強をすることは、肝心の本番でその手が使えず、雑音によって集中力をかき乱される結果を生み出すため、気をつけなければなりません。
勉強に集中しやすい音楽の特徴
勉強に集中しやすい音楽にはどんなものがあるのか、その特徴をまとめました。
歌詞がない
1つ目の特徴は、歌詞がない点です。歌詞がある曲を聴くと、ついつい口ずさんでしまい、集中力が削がれがちです。歌っているうちに気持ちよくなり、勉強そっちのけになる場合も。歌詞がない曲であればメロディだけが流れるため、歌詞に注目せずに済み、集中力を高められます。
メロディの流れが緩やか
2つ目の特徴は、メロディの流れが緩やかな点です。パンクやロックのようにリズムに合わせて体を動かすようなものだと、勉強への集中よりもリズムに合わせて体を動かす方にシフトしがちです。ジャズ系の音楽のようにゆったりとしたメロディであれば集中力が削がれることを防ぎます。
ピアノ系の曲
3つ目の特徴はピアノ系の曲です。YouTubeには、最近のヒット曲をピアノで演奏した動画が多く存在し、BGM感覚で聴くことができます。YouTubeには、「作業用BGM」と呼ばれる動画が多くありますが、ピアノを用いているものや自然音とピアノをミックスさせた号がもあります。リラックスにもつながるため、ピアノ系の曲をメインに探して集中する際に活用するのもいいでしょう。
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勉強に集中できるおすすめの音楽ランキング20選
ここでは勉強に活用できる音楽を20曲まとめましたので、ご紹介します。
①セレナーデ第13番(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)
セレナーデ第13番(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)は、モーツァルトが作曲したクラシックです。複数の楽器が奏でるシンフォニーが脳に刺激を与えるとされており、勉強の効率を高められます。
②アルルの女
「アルルの女」は、ビゼーが作曲した組曲です。フルートが特徴的で、第1組曲と第2組曲が特に有名です。集中力を高めてやる気を引き出したいときに聞くと、テンションが上がっていきます。
③大丈夫
大丈夫は、ウルフルズが歌う曲です。進研ゼミのCM曲としても知らせ、その歌詞は受験生に向けられた曲であり、受験などで不安を抱えている人が聞くと、前向きになれます。不安な時はまず聴いて、気持ちを落ち着けるのにおすすめです。
④負けないで
負けないでは、ZARDが1993年にリリースした曲です。24時間テレビの最終盤に流れる曲としても有名で、強く励ましてくれる曲です。くじけそうな時や受験に向けて最後のスパートをかけたい時に聞くといいでしょう。
⑤フーガの技法
フーガの技法はバッハが晩年に作曲した曲です。落ち着いたメロディと、何度聴いても勉強になるという複雑さのある構成がよく、集中して学習を行っていきたい人にはおすすめであり、自然とリラックスできます。
⑥Cafe Lounge ~ゆったり聴きたいカフェミュージック~
Cafe Lounge ~ゆったり聴きたいカフェミュージック~は、カフェの中で流れているBGMのような落ち着きのある曲です。ギターがまた心地よく、配信サービスでも聞ける楽曲となっています。
⑦美しく青きドナウ
美しく青きドナウは、ヨハン・シュトラウス二世が作曲した曲です。シュトラウス二世が作曲した三大ワルツの1つであり、多くの人に知られた楽曲です。メロディの緩急もありつつ、決して思考を邪魔しない落ち着きがあるため、集中するにはもってこいであり、自然とテンションが上がります。
⑧G線上のアリア
G線上のアリアは、バッハが作曲した楽曲です。最初はローテンションで入りつつ、ラストにかけてモヤモヤが晴れるかのように、包容力のあるメロディになっていくのが特徴です。
⑨クラシック人気曲オルゴールTOP20
クラシック人気曲オルゴールTOP20は、クラシックの有名な楽曲をオルゴールにしたアルバムです。20曲入りで、その中にはここで紹介した曲も何曲か含まれています。オルゴールも集中するにはもってこいで、日本の曲をオルゴールにしたバージョンもおすすめです。
⑩ネイチャーカフェ ~波のハーモニー~
ネイチャーカフェ ~波のハーモニー~は、波の音を収録した曲です。CD化されているほか、定額配信サービスでも聴くことができます。作業用BGMとして環境音はかなり重宝されるため、おすすめです。
⑪勉強 作業 仕事 に集中できる ASMR
「勉強 作業 仕事 に集中できる ASMR」は、様々なバージョンの店内音を集めたアルバムです。雨の音から暖炉、焚き火など様々な自然音が存在しており、常に1曲をループさせるやり方がいいでしょう。
⑫ラフマニノフ自作自演~ピアノ協奏曲第2番&第3番
ラフマニノフ自作自演~ピアノ協奏曲第2番&第3番は、ラフマニノフが作曲して自分で演奏しているピアノ曲です。東大王でおなじみの鈴木光さんがおすすめする曲であり、勉強中に聴いても集中力が削がれないのがクラシックのいいところであると語っています。
⑬リラクシング・ピアノ ベスト ヒーリング・コレクション
リラクシング・ピアノ ベスト ヒーリング・コレクションは、聴きなじみのある楽曲をピアノを使ってヒーリングメインに仕立てたアルバムです。落ち着きを与えるとともに、BGMなので勉強の邪魔をしません。
⑭ワルキューレ
ワルキューレはワグナーが作曲した楽曲です。ジブリ作品を手掛けてきた宮崎駿監督がワルキューレをかけながら作品制作に取り掛かっており、集中力を発揮しやすい曲と言えるでしょう。
⑮四季
四季は、ヴィヴァルディが作曲した楽曲です。勉強に集中しやすい曲が多いバロック楽曲の中の1つであり、日本人なら1度は聞いたことのある曲です。
⑯パッヘルベルのカノン
パッヘルベルのカノンは、パッヘルベルが作曲した楽曲です。カノンは美しいメロディが特徴で、心が安らぐ曲です。リラックスしたいときに聴くといいでしょう。
⑰トッカータとフーガ
トッカータとフーガは、バッハが作曲した楽曲で人気が高い作品です。オルガンで弾く曲であり、音色に高貴さと深みがあり、聴くだけで気が引き締まる曲です。
⑱水上の音楽
水上の音楽は、ヘンデルが作曲した曲です。色々な楽器が登場し、何層にも重ねられたメロディはバロック音楽を代表する曲としても知られ、テンションを上げさせます。
⑲ロッキーのテーマ
ロッキーのテーマは、映画「ロッキー」で使われたテーマ曲です。誰しもが1度は聞いたことがあるメロディであり、挑戦する意味合いが込められていることからテンションを高めたいときに聴きたい楽曲です。
⑳ピアノ協奏曲第1番
ピアノ協奏曲第1番は、ショパンが作曲した楽曲です。ピアノで緩急が表現されており、繊細さなどを醸し出す楽曲としてコンクールでは定番の曲となっています。ショパンの青春が詰まった1曲とも言われている曲です。
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音楽なしで勉強への集中力を高める方法
定期テストや模試、入試では音楽を聴いて集中するやり方は使えません。音楽なしでも勉強への集中力を高める方法をご紹介します。
呼吸法を用いて集中する
道具なしで集中力を高めたい人におすすめなのが、呼吸法です。単に息を吸って吐くのではなく、長く息を吸い、いったん息を止めてからゆっくり吐き出すというものです。息を吸う、息を止める秒数と息を吐きだす秒数は等しくするのが理想です。息を吸うのに4秒かけて、そのあと4秒間息を止め、8秒かけて吐き出すと副交感神経優位となり、リラックスできます。テストの最中にもできる集中力アップの方法です。
一点を見つめ続ける
周りに悟られないように集中力を高める方法に、一点を見つめ続ける方法があります。別名「凝視法」とも呼ばれ、アスリートが集中力を高める際に用いるやり方です。勉強中であればノートの中の一点を見つめ続けることで、集中力を高められます。これならテスト中でも集中し直すことができ、シャーペンをずっと見つめ続けるだけで気を引き締め直せます。
集中するためのルーティンを決める
次におすすめなのが、集中するためのルーティンを決めることです。気合を入れるために、ゲン担ぎをする人がいます。頬をたたいて気合を入れる、大きく息を吐いてから作業に取り掛かる、自分に何回も言い聞かせて納得させてから問題を解き始めるなど様々です。大事なことは、その人にとって集中するためのルーティンであるかどうかです。もちろん周囲に迷惑をかけない程度に、集中するためのルーティンを決めていきたいところです。
イメージトレーニングを行う
集中力を高めるために、アスリートを中心に用いるのがイメージトレーニングです。テストであれば、うまくいくパターンをイメトレします。頭の中で答案をめくり、スラスラと問題を解き、ケアレスミスの確認を行って余裕をもって机に突っ伏して寝るまでのイメトレをしながら、集中力を高めます。答案や問題用紙を目の前にしたら、これ以上あれやこれやと考える必要はないので、いいイメージを持ってテストや模試、入試に臨むためにもイメトレをしましょう。
指回し体操で脳に刺激を与える
集中力を高めるために必要な体操が存在します。それが指回し体操です。両手の指先を、親指なら親指、人差し指なら人差し指をくっつけて、ドーム状の形にしてふくらみを作り、他の指に当たらないように回していきます。最初はうまく回せず、10回を回すのがやっとな人も多いですが、これをやることで脳に刺激を与えることができます。テスト前に指回し体操をしておくと、高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
まとめ
勉強中の楽曲としてふさわしいモノの多くはクラシックであり、今回初めてじっくりと聴く人もいるでしょう。じっくりと聴いて新たな発見をする人も多いはずです。これを機会に集中できそうなクラシックの楽曲を探すのもいいでしょうし、YouTubeに投稿されている作業用BGMも積極的に活用してみてはいかがでしょうか。