学生の仕事は勉強であると、親や教師に言われてきた人が多いのではないでしょうか。勉強が楽しいと感じられる人は少なく、多くの人は勉強を仕事のように考え、時にその勉強に飽きてしまいます。
なぜ勉強に飽きるのか、飽きた際にやる気を出す対処法、飽きない勉強方法、浪人生や社会人の対処法などをまとめました。
勉強に飽きるのはなぜ?勉強に飽きる原因
勉強に飽きてしまうのはいったいなぜか、勉強に飽きる原因について解説します。
インプットばかり行っている
地歴公民や生物、英語や古文などは暗記が必要とされ、単語や重要事項をとにかく暗記することが求められます。常にインプットをしている状態ですが、これでは勉強に飽きてしまいます。ゲームに置き換えればひたすらチュートリアルばかりを見させられていて、操作方法の確認をこなし続けているようなもので、簡単に飽きられるでしょう。アウトプットがほとんどされていないと人は飽きやすくなります。
目標が定まっていない
この勉強はなぜしないといけないのかという目的が定まっていないと、勉強をやる意味、必要性が感じられません。では、その目的を定めるには何をすればいいかですが、目標を定めることで目的が定まり、あとは手段が確立されます。その目標が定まっていないため、結果的に勉強に飽きてしまいます。
ゲームであればハイスコアをとる、完全クリアを目指すのが目標となり、そのために様々な手段を講じるため、飽きにくいですが、たとえゲームでも何の目標もない中でプレイするのは飽きるでしょう。それが勉強ならなおさらです。
身体が疲れている
人間は疲れが生じると集中力が切れやすくなりますが、飽きるという現象が脳が疲れているサインであると語る専門家もいます。同じ作業をし続けることで神経細胞がストレスによって疲弊、情報処理能力が低下するのだとか。飽きた状態が続けば、体にも影響が出始め、肩こりや眠気、頭の重さにもつながっていきます。(参考:マイナビウーマン)
休憩もせず同じ作業、勉強をし続けることで脳が疲れ、それが飽きにつながっている可能性が考えられます。集中力が切れることは悪いことのように言われがちですが、身体のことを考えればむしろ当然のことなのでしょう。
勉強嫌いの原因とは?勉強嫌いになるきっかけや克服する方法も解説
受験生が勉強に飽きた時にやる気を出す対処法10選
勉強をしなければならない受験生でも勉強に飽きることはあります。その際にどんな対処法があるのか、まとめました。
対処法①近くのコンビニまで買出しに出かける
勉強に飽きた場合、気分転換を兼ねて近くのコンビニまで買出しに出かけましょう。その間、少し歩くことになり、新鮮な空気を吸い、太陽光も浴びるため、気分がリフレッシュします。筑波大学の研究では、ちょっとしたウォーキングを10分間行うことで、直後の記憶力が向上することが明らかになっています。買出しに出かける行為には様々なメリットが含まれています。(参考:保健指導リソースガイド)
対処法②糖分を補給する
脳がエネルギー不足になっており、それで飽きが出やすくなっている可能性があります。ラムネ菓子やチョコレートなどを食べて糖分を補給しましょう。しかし、甘いものを食べ過ぎると血糖値が上がりやすく眠気が増して逆効果になるので、適量を食べ、リフレッシュできる程度にとどめましょう。
対処法③瞑想を行う
勉強に飽きる状況は何かと邪念が生じている状態です。そこで勉強に飽きたタイミングで瞑想を行うのがおすすめです。瞑想をしている状況は呼吸に全集中するので、雑念が振り払われます。布団に寝転びながら瞑想をすると寝てしまう可能性もあるため、イスに座った状態で行うのがいいでしょう。
対処法④部屋の掃除を行う
気分転換をする際にやっておきたいのが部屋の掃除です。人間はどこかで集中力が切れるものです。そのタイミングで部屋の掃除を行うと集中しやすい環境が作られるだけでなく、気分転換にもなるのでおすすめです。勉強に取り掛かる前よりも取り掛かっている最中の方が効率的と言えます。
対処法⑤仮眠をとる
身体が疲れている可能性があり、眠気と戦っている可能性もあるでしょう。その際には仮眠をとって眠気をとるのがおすすめです。仮眠といっても15分程度にとどめ、夜の本格的な睡眠の妨げにならないようにしましょう。15分の仮眠だけでも十分な効果があり、作業効率を高めます。
対処法⑥人と会話をする
1人で勉強をすること自体はとてもいいことですが、自分の世界の中でずっと閉じこもっていると、このまま勉強をしていていいことがあるんだろうかと、勉強そのものに飽きる可能性が。その際にやっておきたいのが人と会話をすることです。同じ受験生の友人や学校の先生、両親などと話をしていく中で勉強に対するモチベーションが復活し、飽きを感じにくくなるかもしれません。
対処法⑦あえて勉強から離れる
勉強に飽きるといっても、今まで勉強をし続けて飽きる場合もあれば、勉強そのものに飽きて全くやる気が出なくなる場合もあります。受験生からすれば致命的かもしれませんが、無理に振り絞ってもイライラするだけで、ダラダラ勉強をするのも違います。あえて勉強から離れてみて、必要に感じてから集中して取り組んだ方が知識は得やすいでしょう。
対処法⑧得意科目の勉強に切り替える
例えばパソコンで考えると、パソコンのCPUやメモリが常にフル回転のようなアプリケーションを使えば負荷がかかりやすくなるのは当然です。負荷を軽くするにはCPUやメモリがフル回転をしなくて済むものに切り替えることで落ち着かせることができます。勉強では、苦手科目の勉強から得意科目に切り替えることで対応可能です。
対処法⑨環境を変える
同じ場所で勉強をし続けると飽きが生まれやすい可能性が出てきます。そこで週に1回ないし2回は図書館や予備校の自習室、カフェ、コワーキングスペースなどで勉強をするのもいいでしょう。人に見られる環境で勉強をするのも緊張感を感じやすいポイントなので、普段とは違う集中ぶりを発揮できるかもしれません。
対処法⑩飽きたらまずは休憩する
飽きるという現象は脳が疲れている証拠であり、勉強をし続けて飽きている状況は勉強の疲れが脳に出ている可能性が考えられます。そのため、飽きたと感じたら休憩を行い、リフレッシュを行うのがおすすめです。甘いものを食べたりコーヒーを飲んだりしてリフレッシュが済んでから臨みましょう。その際、別の教科に切り替えて勉強を行うことで勉強そのものに飽きることを防げます。
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勉強に飽きたらやめてしまう人はどうすれば良い?
勉強に飽きたから勉強をやめてしまう人は、現実逃避をしている可能性があります。やるべきことを直視できず、不安な状態から目を背けるのが現実逃避ですが、すぐに飽きる状況は何かを根気強く続ける意思が弱い人です。自制心が弱く、やり抜く力が欠けていることも考えられます。この場合、根気強く続ける意識を高める、自制心を鍛えるといったことが求められ、具体的には勉強の習慣化がおすすめです。システム化してしまえば、あとはシステムに乗っかって勉強をしていくため、脳が疲れて飽きを感じることはあっても、勉強そのものへの飽きは回避できるでしょう。
自制心などは「非認知能力」と呼ばれ、数字では出せない個人の能力にカテゴライズされます。この非認知能力を鍛えるには、誰かと一緒に協力することが重要です。同じ勉強の仲間を作り、一緒に励まし合いながら受験勉強に取り組んでいくと、モチベーションも維持されやすく、自制心ややり抜く力の向上にもつながるでしょう。
飽きないための面白い勉強方法5選
勉強に飽きないためにやっておくべき勉強法がいくつかありますので、ご紹介します。
絵や図を書いてわかりやすくする
文字を読むだけでは理解しにくい場合に、絵や図を用いてわかりやすくすることで、パッと見た時の理解度を高めることができます。普通にノートをとるのとは別に絵や図を書くための専用のノートを用意して書いていくことで、飽きた時の気分転換にもなります。知識の整理をしたい場合にもおすすめです。
タイムアタック方式にする
タイムプレッシャー勉強法と呼ばれる、時間制限を設けて解いていくことで緊張感の中で学習が行える方法があります。これをさらに強化し、時間制限の中で正確に解けるかをゲーム方式でやっていくのも1つの方法としてアリでしょう。プレッシャーの中で試験問題などを解いていくため、ことあるごとにこのようなやり方で問題を解いていくのもおすすめです。
自分だけの「参考書」を作る
参考書は誰にとってもわかりやすい表現で書かれており、それを見て内容を理解します。そこでおすすめしたいのが、自分だけの参考書を作るというやり方です。自分なりに理解しやすい表現方法で自分なりの参考書を作り、それを見ながら最後の仕上げなどを行いましょう。内容を要約する力や本質をつかんで理解する力などがつくはずです。
YouTuberのように説明する
近年、YouTubeには国語や数学などを分かりやすく紹介してくれる勉強系YouTuberが増えており、学生はもちろん、社会人からも支持されています。YouTuberのいいところは、わかりやすく端的に、キャッチーな表現で紹介をしてくれるため、頭の中に入りやすいことです。もちろん自らがYouTuberになることはありませんが、YouTuberのように誰かに説明をやってみて、理解してもらえるかどうかを試してみましょう。内容を正しく理解して分かりやすく説明できないと相手には伝わりません。伝わった時点で内容を確実に把握していることになります。
ゲーム化させて楽しみながら勉強する
つまらないと感じるから勉強をやらないという意見は根強く、逆に面白がりながら勉強をやるとどんどんのめり込みます。勉強をゲーム化させていくことで飽きずに勉強に取り組めます。ではどのようにゲーム化をさせていくかですが、スコアが出るようなやり方がおすすめです。近年「みんはや」という早押しクイズのアプリがあります。問題を自作でき、その問題をユーザーに解いてもらうことができます。これを活用し、問題を自作してみんなで解くというやり方で、勉強を行っていくのもいいでしょう。問題を作る作業で結構知識を使うため、何かと役立つはずです。
勉強に飽きた浪人生におすすめの対策
今まで使ってきたノートや参考書を一新する
1冊の参考書を何度も解くことで力が身につくと言われていますが、とはいえ、何度も解いていくと飽きが出てきてしまいます。それだけ解いた証拠でもありますが、おすすめしたいのは、あるタイミングでノートや参考書を一新することです。新たな環境を作り出し、その中で再び勉強をし直すのがいいでしょう。その際、難易度を一段階上げることで、より集中して取り組めるようになります。
ルーティンを変える
浪人生ともなると勉強のやり方もルーティンになりつつあり、常に同じ状況で勉強をこなすようになります。これではいずれ飽きが出てしまうものです。そこでルーティンをガラッと変えることで、刺激を与えるのがポイントです。ガラッと変える分、しっくり来ない部分もあるかもしれません。逆にこっちの方がいいと感じる部分もあるはずです。今までのいいところ、新たに体感したいいところをセットにするやり方でよりよい勉強を目指していきましょう。
志望校近くのカフェで勉強してみる
あたかも志望校として目指す大学の生徒として、志望校近くのカフェで勉強してみるのもいいでしょう。実感が湧くとともに、もしかすると隣にいる学生たちは現役で合格した人たちかもしれません。絶対に抜かしてやる!という気持ちになればしめたもので、そのパワーで勉強を乗り切ることもできるはずです。
勉強に飽きた社会人におすすめの対策
ご褒美を思い浮かべて勉強する
社会人の場合、資格を取得することで毎月資格手当がもらえたり、お祝い金を与える企業があったりします。難しい資格であればあるほど資格手当をそれなりにもらえるため、年収換算で相当な額になるでしょう。これを想像しながら勉強をすると、生活が豊かになるイメージを抱きやすくなるので勉強が捗るようになるはずです。
三日坊主を怖がらない
TOEICで満点を60回以上経験している菊池健彦さんは7年間独学で英語の勉強をしたところ、990点満点中970点をいきなり獲得しています。菊池さんは「三日坊主を繰り返そう」と著書の中で書いており、とにかく覚えてとにかく忘れる、これを繰り返せばいいと解説し、続かないからといって自己嫌悪に陥らなくていいと説きます。(参考:マイナビ)
楽しくないと感じたらすっぱり辞める
資格手当のために頑張ったり、昇進のために必要だったりするので勉強をしている人もいます。それ自体は何も悪いことではなく、むしろ幸せな生活を築くのに大切なことです。しかし、勉強をきっかけに心のバランスを崩したり、体調を壊したりするのは最悪です。もし楽しくないと感じたらその段階で勉強をやめてしまうのも1つの手です。沸々とやっぱり勉強したいという気持ちになれば、また始めればいいのです。これは決して逃げではなく、学生と違って本業がしっかりとある分、そちらを優先し、余力があればプラスアルファを目指す感じで十分です。
まとめ
勉強に飽きるといっても、脳への疲労で飽きたと感じるのか、勉強そのものに飽きたのかで全く異なります。休めば飽きる気持ちが薄らぐなら疲労によるもので、何日経過しても改善しないなら勉強そのものに対する飽きです。後者の場合には。なぜ勉強をするのか、勉強をしなくても夢をかなえる方法はあるのかと模索しましょう。勉強が一番の近道となれば本腰を入れて頑張ればいいだけのことです。目標が明確で手段も確立されれば、脳の疲労以外で飽きると感じることはないでしょう。