大学の推薦入試、指定校推薦など内申点がいいことで大学入試の選択肢がそれだけ広がります。この内申点を大きく左右するのが定期テストです。定期テストで好成績を残し続ければ、偏差値的にさほど高くないところでも一気に一流大学への指定校推薦も狙えるようになります。
今回は定期テストにおける各科目の効率の良い勉強法や学習計画の立て方、定期テストの勉強のコツ、失敗例などをまとめました。
高校生の定期テストに向けた効率の良い勉強法
中学時代と比べ、高校は科目が多く、数日書けて定期テストが行われるのが普通です。当然テスト対策の勉強も効率的に行う必要があります。ここでは効率の良い勉強法を科目別でまとめました。
現代文
現代文では、授業中に取り扱った内容がテスト範囲になり、そのテスト範囲内に出てきた漢字や熟語などが出題されます。このため、普段から新たに登場した漢字は書けるようにしておくと、それ以外の勉強に時間を使えるようになります。段落別に内容をまとめて、筆者は何を言いたくて、どんな主張をしたのかをまとめておくと理解度は深まります。
古文
古文も現代文と同様、テスト範囲内で新たに登場した単語や文法をマスターすることが大切です。独立した問題として出てきたり、古文を読み解いていく中で必要になったりするので、古文の勉強で最初に取り組むべきなのは単語や文法の勉強です。内容理解のやり方は現代文の時と変わらず、段落別に内容をまとめ、日本語訳を作っていくことがおすすめです。
漢文
漢文もまた、テスト範囲内で登場した句法や返り点は必ず覚えなければなりません。これを覚えないことには問題が解けないからです。学校によっては白文と呼ばれる、送りがなや返り点が全くなく、漢字のみが書いてある状態で出題するケースがあります。このため、書き下し文と日本語訳は必ず覚えておくようにしましょう。
数学
数学では、テスト範囲内で新たに登場した公式は必ず出てくるため、基礎的な解き方、例外的なやり方など様々なパターンで解いていくのが確実です。公式に当てはめれば解ける状態を作り出せば、どんな問題が出されても解けます。そのためには問題集を何度も解き、解き方をマスターするのが一番です。教科書にある問題なども一緒に解いていきましょう。
英語
高校ではライティングとリーディングに分かれ、文法は文法、読解は読解でそれぞれ出題されます。テスト範囲内に出てきた文法はマスターしておくのが一番ですが、出題形式にバリエーションがあるため、どんな出題形式でも対応できるようにすると、文法は解きやすくなります。長文読解ではまず単語、構文を覚えることから始めて、日本語訳を作り、音読を何度も行って内容理解に努めましょう。何が書かれているかさえ理解しておけば、どんな問題が出ても対応可能です。
日本史
日本史は暗記問題が多いため、まずはテスト範囲内の重要単語などを暗記しましょう。この場合、時系列で暗記を行うのが確実で、この出来事があったからあの出来事が誘発されたという具合に物語を作るように覚えていくと忘れにくくなります。NHKのEテレで放送されている高校講座などもかなり参考になるので、毎週録画してチェックしていくだけでも暗記が捗り、知識が定着しやすくなるでしょう。
世界史
世界史も考え方は日本史と変わりません。重要単語を暗記する、物語を作るように時系列で暗記する、Eテレで放送されている高校講座などを活用するなど、やるべきことは同じです。日本史と世界史の教科書にはページの下の方に但し書きが書かれていることがあり、そこから出題する先生もいるため、その部分まで勉強しておくと取りこぼさずに好成績が狙えるでしょう。
物理
物理は公式を覚えることだけでなく、数学的な問題が多いため、演習問題を行うのが確実です。数学同様、公式に当てはめれば確実に解ける状態を目指しましょう。定期テストでは基本的なことと、例外的なことが出てきて、100点をとらせないようにする先生が結構います。余裕がある場合は例外的な内容まで手を出せばいいですが、まずは基本的な知識を固めていくのがおすすめです。
化学
化学に関してはテスト範囲によってやるべきことが変わります。無機化学中心の範囲なら暗記に専念すればいいですし、有機化学となると暗記以外の要素も出てくるため、演習を多くこなす必要があります。無機化学中心の内容であれば一問一答形式で知識が定着しているかを確認し、有機化学中心の内容であれば、問題集にある問題を何度も解いて解き方を完璧にしていくのがいいでしょう。
生物
生物は基本的に暗記科目で、計算問題はそこまでありません。ですので、暗記が行えるよう、ノートを見ながら重要単語を中心に覚えていきましょう。一問一答形式で出されることもあるため、正しい知識を得ていることを確認しながら勉強を進めましょう。
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高校生の定期テストに向けた学習計画の立て方
定期テストまでどのような学習計画を立てればいいのか、いくつかのステップに分けてご紹介します。
STEP①:テスト範囲が出る前から目星をつけて下準備をする
学校によって定期テストの範囲が出てくる時期は違うでしょうが、おおむね2週間~3週間前に出されます。しかし、範囲が出る前にはある程度その目星はつけられます。例えば1学期の期末テストであれば中間テスト以降の内容が確実に対象となるため、そこで重要なことをやっていれば、間違いなく期末でも出てきます。普段から復習を行い、下準備をしておくと、テスト対策でかける時間を減らしてもゼロスタートではない分、効率的なテスト対策が行えます。
STEP②:現実的な目標を設定する
学習計画を立てるためには、どの科目を重視すべきかを考える必要があります。その時にやるべきことは現実的な目標を設定することです。常に平均点の前後にいる人がいきなり学年トップを狙うのは無謀です。例えば、常に平均点プラス10点を目指すとか、この教科だと100点が狙えそうなので狙ってみるとか、少し頑張れば手が届きそうな目標を設定するとやる気につながります。この点数をとるためには何をしないとダメかまで分かってくると、スケジュールはより立てやすくなるでしょう。
STEP③:苦手な科目からスケジュールを考える
多くの科目がある中で、最初に押さえておくべきは苦手な科目のスケジュールです。得意科目は追い込まれた状況でも勉強に取り組みやすいので、いつでもやる気を出せる状態です。余裕がある時に苦手科目から手をつけ、苦しくなったら得意科目を行い、終われば苦手科目に戻るというやり方で、モチベーションを保ち続けられるのがいいでしょう。
STEP④:50分+10分を1セットに計画を立てる
ノートをきれいにまとめているのに成績が上がらない人がいますが、これはノートをきれいにまとめることに快感を得ているだけで勉強につながっていないからです。学習計画にも言えます。24時間のうち、12時間みっちり詰め込んで、よしやるぞ!と気合を入れても、普段勉強をしていない人はそこまでできず、逆に計画を実行できなくて落ち込むだけです。また細かく決めても、調子がいいのに時間が来たからやめるのはもったいないです。
計画を立てる場合、50分勉強して10分休憩する感覚で1セット作って、ざっくりとしたスケジュールを立てましょう。普段の学校と同じ感覚で勉強が行えるほか、その時間でやるべきことが明確になるので、ダラダラと時間を使わずに済みます。そして、1つ1つ積み重ねた結果が12時間であれば、意味のある計画になるので、実行しやすくなるでしょう。
勉強計画の立て方を徹底解説!計画通りに行かない場合の対処法も紹介
高校生の定期テスト勉強はいつから始めるべき?
定期テスト勉強は、前回の定期テスト勉強が終わったらもう「下準備」を行っていかないといけません。この場合の下準備は「普段からの予習復習」であり、常にスケジュールを立てるようなことはしなくていいです。1回1回の復習そのものはさほど時間をかけなくても問題ありません。細かく定期的に復習を行い続けることで知識が定着するからです。
ただ、普段から復習をしておけばする必要のない勉強を、テスト期間中にするのはもったいないです。前回の定期テスト勉強が終わったら次の定期テストに向けて下準備を行う意味とはそこにあります。
高校のテスト勉強は何時間やればよい?
テスト勉強にかける時間は、「その人にとって必要な時間」であれば、2時間でも12時間でもいいでしょう。普段から復習をしていて、あとは演習問題を解くだけならそんなに時間はいらないですし、復習をほとんどせずイチからの勉強を余儀なくされれば12時間でも足りないかもしれません。「何時間やればいい」のではなく、「こんなことをやりたいから何時間必要」だという感覚を持つべきです。
気を付けたいのは、友人が12時間やっているから自分も12時間やらないといけないと、他人に左右されてしまうことです。体裁を保つために勉強時間を確保してはいけません。必要なことを行った結果、何時間になるかです。毎日テスト勉強の時間を確認して記録をつけ、定期テストが終わってから検証することで時間の使い方がよりうまくなるでしょう。
高校の定期テストの勉強をしないのはあり?
定期テストに身が入らない人はいますし、中には赤点さえとらなきゃいいやという人もいます。高校の定期テストはしなくてもいいものなのでしょうか?
高校の定期テストは重要
単刀直入に言えば、高校の定期テストは重要です。その大きな理由は、大学受験に多大な影響を与えるからです。確かに、内申点が悪くても一般入試で好成績を出せば難関大学へ合格することは十分にできます。しかし、その離れ業ができる人はかなり限られており、何かしらの考え、哲学を持っている可能性が高く、計画性もあります。それがない中で、定期テストの勉強をしないというのは、あまりにもリスクが高いと言わざるを得ません。
高校の定期テストが大事な理由
大学入試では高1や高2の範囲から出題される割合が大きい
大学入試共通テストは、学校で学んだ範囲から出題されます。そのうちの8割は高校1年、高校2年で学んだところから出題される傾向にあるため、高1の中間テストからコツコツと勉強を続けていくことで、高3になって慌てて勉強をし直す必要性がなくなります。定期テストに力を入れないということは、高1、高2で積み残したものを高3になって清算することを意味します。清算してから高3の内容を固めていくことになるため、相当なタイムロスです。猛勉強で取り戻すしかありませんが、コツコツやってきた人はその間、総仕上げの段階に入っているかもしれません。いずれやらなければならない以上、コツコツと続けていくのが一番です。
指定校推薦が活用できる
冒頭でもご紹介した通り、内申点が良ければ指定校推薦が利用できます。指定校推薦は、学校内での競争をくぐり抜けなければなりません。そこで指標となるのが内申点です。早稲田や慶應など相当偏差値の高い大学への推薦枠があれば、多くの人が利用しようとします。高校と大学で築き上げた信頼関係で推薦枠が与えられており、いわば学校代表です。学校代表としてふさわしい品行方正な人物を探し出すとなると内申点の高さ、無遅刻無欠席などの部分で評価されます。定期テストを頑張らないということは、せっかくのチャンスを棒に振るようなものです。
勉強を頑張る貴重な機会
定期テストは、勉強を一生懸命頑張る貴重な機会でもあります。もちろん定期テストなしでも頑張れる人はいますが、ほとんどの人は定期テストが点数をとるために勉強を頑張ります。高校3年間の中で10数回存在しており、中学時代を加味すれば30回近くは定期テストのために勉強を頑張ります。これだけの回数をこなすと、勉強の頑張り方や時間の使い方など色々なことを学び、大学受験勉強においても今までの成果が出しやすくなります。
もし、定期テストの勉強を頑張っていないと、他の受験生が当たり前にこなす勉強時間すら耐えられないかもしれません。定期テストの勉強で当たり前のように数時間の勉強をできる人は、大学受験で10時間以上の勉強をコンスタントに行うことは苦ではなくなります。でも、習慣になかった人は無理をしないとできません。この差はとてつもなく大きいです。
高校の定期テスト勉強の失敗例
定期テストの勉強をする中で、失敗することも多々あります。どんな失敗があるのか、ご紹介します。
課題に追われてテスト勉強まで回らない
定期テストの勉強だけを純粋にできればいいものの、高校では定期テスト当日に、副教材として使用する問題集やワークの提出を求めるケースが見られます。これらをやっていなかった場合、急いで問題集やワークなどを仕上げなければならず、てんてこ舞いになり、テスト勉強がしっかりとできなかったと嘆く人も当然出てきます。普段からやっておけばよかったのに、それを怠ってきたツケを大事な場面で支払わないといけないのはきついでしょう。
終始暗記ばかりの勉強をしてしまう
暗記科目が多いので、テスト期間中はとにかく暗記一辺倒な勉強をしてしまうと高校の定期テストではうまくいきません。そもそもの試験範囲が広く、それが複数の科目に及ぶため、暗記ばかりの勉強をしていると暗記だけに終始し、アウトプットの回数が少なくなってしまいます。アウトプットを重ねることで知識が定着するため、不十分な状態でテストに挑むことになりがちです。暗記が必要な場合は、普段からスキマ時間を活用して行っていくなど、テスト期間前から取り組んでいくべきでしょう。
解きっぱなしの勉強をやっている
授業は受けっぱなし、小テストは解きっぱなし、参考書でも復習せず、1回解いたらそれでおしまいというやり方をしてしまうと、自分の身になりませんし、テストで過去に解いた問題が出たのに、全く思い出せずに不正解に終わるのはあまりにももったいないです。復習を行い、何がダメなのかを理解し、修正していくことで知識が定着し、解けるようになるのです。
たくさんの演習問題を解かないといけないのは間違いないですが、解きっぱなしでは何の意味もありません。解いたら何度でもやり直して解けるようにし、テストで出たら絶対に正解できるようにするレベルに持っていきましょう。
まとめ
中学時代の定期テスト対策と高校の定期テスト対策は異なります。範囲がかなり広く、多くの科目をこなすため、テスト期間中だけでは時間が足りません。普段から復習を行い、スキマ時間に勉強を行うことでカバーできます。そして、将来的なことを考えて、勉強を頑張る習慣を身につけておくことは大切であり、受験シーズンの時に選べる選択肢が多くなるので高1からマジメに定期テスト対策を取り組んでいくのがおすすめですし、高2の人も今から取り組んでいけばまだまだ大丈夫です。