自分の夢のため、将来のために勉強をしないといけないのは分かっていても、どうしてもイライラしてしまうことがあります。自分で処理できているうちはいいものの、家族や友人に当たり始めると人間関係まで壊しかねません。
勉強中にイライラする5大原因と対処法、過度なイライラで涙が出たり、破壊行為をしたりする人の対処法、イライラを防ぐためにできることなどをまとめました。
勉強中にイライラする5大原因とその対処法
勉強中、人はどんな時にイライラするものなのか、5大原因と対処法をまとめました。
原因①内容がわからない
勉強をやっていく中で、どうしてもわからない問題にぶつかってしまうことがあります。どうやっても解けない、参考書を読んでも理解できない、そんな時にイライラしてしまいがちです。自分は頭が悪いのだろうかと思いつつ、こんなもん解けるわけがない!とやり場のない怒りを抱えてしまうことでイライラしてしまうことが考えられます。
対処法①別の問題に切り替える
頭に血が上っている時は冷静さを欠いているため、なかなか糸口をつかみきれないものです。そのため、別の問題に切り替えるなどして、一旦その問題から離れて、時間を置いてから解いてみると、「なんでこんな問題に苦戦したのだろうか」と感じるほど、結構解けてしまいがちです。
対処法②一旦レベルを落としてみる
実は実力以上の問題にぶち当たっているだけで、解けなくても当然の問題だったケースも考えられます。基礎的な問題を解くなど一旦レベルを落としてみて、解けることを確認してから改めて解いてみると、基礎的なことを見落としていただけかもしれず、レベルアップのきっかけになるかもしれません。
対処法③勉強量を見直す
多くの問題をこなし、勉強量を確保していく中で、キャパシティオーバーになっていて、何をどのように解いていけばいいかわからないと混乱状態になっていることが考えられます。勉強量を一旦見直し、勉強量を少なくしながらレベルアップに励む道を探っていきましょう。段々と慣れてくればまた勉強量を戻せばいいだけの事です。
原因②成績が上がらない
毎日たくさんの勉強をしているのに、成績が全然上がらないことに対してイライラ、焦りを感じることもあります。苦手科目克服のために勉強しているけれど、なかなか数字に現れない、そんな時、周囲からすれば本気度を疑いたくなり、その思いを本人にぶつけてしまうでしょう。「こっちだって頑張ってんだよ!」と怒りを爆発させたくなるのも理解できます。
対処法①勉強法を見直す
なかなか成績が向上しない場合、考えられるのは勉強法が合っていない場合です。英語の場合、英単語をまずは覚えて、文法などを理解しながら英文解釈や長文読解に励んでいきますが、英単語を全然覚えていないとどうにもなりません。基礎レベルから積み重ねていくことが大事であり、本当にそこからできているのか、今一度確認しましょう。
対処法②すぐには上がらないと理解を求める
勉強して一夜で成績が上がることはまずありません。一夜漬けで乗り越えたとしても効力はその日限りで、すぐに忘れるでしょう。ある程度の長いスパンで勉強を重ねていく中で成績が上がっていきます。成績は毎日の鍛錬によって上がっていくことを自分自身が理解し、周囲にもそのように伝えましょう。本当に上がってきた時に信頼してもらえるので、その後細かなことを言われなくなるはずです。
対処法③この機会に基礎からやり直す
成績が上がらない場合、根本からわかっていない可能性が考えられます。基礎の部分が不安定なため、その上に重なっていく知識がグラグラになり、成績に結びつかなくなります。まずは基礎部分から固めて確実に基礎を学習し直してから応用などを解いていくと、今まで解けなかったのが不思議なくらい、解けるようになります。成績が上がらない状態は基礎からやり直すべき機会なのです。
原因③プレッシャーを感じる
受験にあたり、親から色々なプレッシャーを感じ取ることになります。親が医師であれば医大に合格しなければならないとプレッシャーを感じ、親が東大や京大出身であれば子どもである自分も同じところに行かなければならないと思うかもしれません。そのプレッシャーがのしかかることで、心の中で反発し、イライラとなってしまうことが考えられます。
対処法①本心かどうか自分自身に問いただす
親の期待を一心に受ける場合、実際心の中では別の道に進みたいけど、親の手前、それが言い出せないというケースがあります。本当にその大学に行きたいのか、親に言われるがまま志望しているだけではないのかと自分自身を問いただしてみましょう。もし、乗り気でないのであれば親を納得するだけの理由を見つけて志望校を変えて、本気で取り組める状態を目指しましょう。
対処法②コミュニケーションをとる
頭の中で考えているうちに、色々なことを悲観的に考えて勝手に決めつけてしまい、その決めつけでイライラしてしまうことが考えられます。コミュニケーションをしっかりととっていれば、親としては、思うがままの道を歩んでほしいと思っており、自分が医師だから子どもも医師になってほしいというような気持ちがなかったことを知れるでしょう。不必要なプレッシャーを感じていることもあるため、まずは話し合ってみるのがおすすめです。
対処法③できるだけ家にいない
家で勉強をしていると、親のちょっとしたひそひそ話や親同士のケンカなどが耳に入ると、もしかして自分の事ではないのか?と不安に思う人が出てきます。精神的にあまり健全とは言えないため、塾の自習室や図書館など日中は外で勉強を行い、家族が寝静まってから勉強を再開することで勉強にできるだけ集中するのも1つのやり方です。食事中にもプレッシャーを感じる場合、塾の自習室でギリギリまで勉強し、食事も家で食べないぐらいのことはしてもいいでしょう。
原因④勉強する環境が合わない
必死で勉強し、解けない問題に四苦八苦している中で、家族の配慮のない大声や物音、外から聞こえる子供の笑い声や工事の音などにイライラすることが考えられます。決して悪意があるわけではない分、変にイライラをぶつけると角が立つので、対処法を考えないといけません。
対処法①ホワイトノイズを活用する
ホワイトノイズはテレビの砂嵐のような音であり、これを聞くことで周囲の雑音が耳に入らず、集中力を保つことができます。音楽を聴くとその音楽に気を取られますが、ホワイトノイズの場合は気を取られることがありません。家族に過度な配慮を求めるのは、ストレスを肩代わりしてもらうようなもので、自分に災難が降りかかる可能性が増すだけ。ホワイトノイズで我慢できるのであればそれに越したことはありません。
対処法②家以外で勉強する
家だと、家族や外の音なので集中できないというのであれば、家以外で勉強するのが一番です。最近はコワーキングスペースなど家以外で集中できる環境が増えつつあります。他にも図書館や学校の自習室など勉強スペースは豊富です。誘惑もさほどないため、家で勉強するよりも集中しやすいかもしれません。
対処法③まずは配慮を求めてみる
もし受験生だった場合、家族もその事実は当然知っているわけなので、勉強しているから静かにしてほしいと伝えれば静かにしてもらえる可能性は高いです。とはいえ、権利とばかりに主張し続けても家族も窮屈な生活を余儀なくされ、イライラがたまります。配慮を求めてみて、無理そうなら最初に出た2つの対処法を中心に対策を立てましょう。家族と話し合って、配慮してくれるのが一番よく、いい緊張感にもなります。
原因⑤家族や友人、先生からの言葉
「勉強しろ!」とか、「なんで成績が伸びないのか!」などと家族や先生から言われたことがある人がほとんどではないでしょうか。また友人からの何気ない一言にイライラしてしまうことも。本人たちは全く悪意がなく、激励のつもりで言ってるのに、受け取る側はそういうわけにはいかず、両者でかなりの温度差が生じてしまうものです。
対処法①前向きに捉える努力をする
勉強しろ!と言ってくる親は、とにかく子どものことが心配であり、いい大学に行ってほしいという気持ちからつい出てきてしまいます。また自らも親にそのように言われてプラスの結果を出したことから、成功体験として何の考えもなく使っていることも。「きっと自分の為を思って言ってくれているのだろう」とできる限り前向きに捉え、「背中を押してくれているんだ」と思うのがいいでしょう。
対処法②不快に思ったら不快だと伝える
人によっては、言われないとわからない、気が付かないことがあります。勉強しろ!という言葉が不快に感じる人もいるので、その言い方はやめてくれないかと伝えるようにしましょう。反省するような人であればそのような言葉は言わなくなるはずです。ただ「お前のためを思って言ってるんだ!」という口ぶりの人は結構おり、特に親がそのように反論するケースが多いでしょう。言えばわかりそうな人に言ってみるようにしましょう。
対処法③会話を避ける
人間はそう簡単には分かり合えず、理解を求めても理解をしようとする姿勢すら見せないことがあります。その場合は、会話を避けるのが一番です。変に理解を求めようとしても時間のムダになることが多く、前向きな話にはなりにくいです。適当に受け流すのが精神衛生上おすすめであり、ムダなエネルギーを使う必要はありません。勉強に飽きる原因と対処法!飽きない面白い勉強法も紹介
勉強でイライラして涙が出るのはどうすればよい?
勉強に対してイライラし、しまいには涙が出てくる場合、「受験うつ」の可能性を考えないといけません。うつ病は10代でなりやすく、ストレスが強くかかって発症してしまう人も多いです。(参考:新宿ストレスクリニック)
涙が出やすいのはうつ病の初期症状の可能性があり、精神的にいい状態とは言えません。うつ病のチェックリストで確認するだけでなく、しばらくは勉強を中止するなど、勉強から距離を置くのがいいでしょう。無理に勉強をしようとしても頭の中に入ってこない可能性や症状を悪化させてしまいます。イライラして涙が出る状態は基本的に危機的な状況なのです。
一方で涙が出ること自体は悲しみや辛さから解放するような状態なので、精神的なコントロールにつながります。泣けるときには思いっきり泣くのが一番です。その際、家族などに見られると余計な心配を与えたり、泣いていることに腹を立てたりするケースも考えられるため、自分の部屋など1人きりの場で泣くようにしましょう。
勉強でイライラして破壊行為をしてしまう場合は?
イライラしすぎて破壊行為に走る状態はストレス発散しやすいようで、実は怒りの感情が強まっていくと指摘されています。怒ったら枕をパンチするなどしてストレス発散をさせても、結局強い怒りをどんどん生み出すのみ。破壊行為に走ればさらにエスカレートしてしまう可能性が高いです。(参考:日本アンガーマネジメント協会)
そのため、物を壊したくなる衝動に駆られた場合、「アンガーマネジメント」を行うことで、怒りをコントロールすることが求められます。アンガーマネジメントは、怒らないように努力するのではなく、過度に怒らないようにするやり方です。例えば、怒りの感情のピークは「6秒」とされ、この6秒をやり過ごせば怒りの感情は押さえられます。また、怒りを感じた際に10段階評価で点数をつけて、どんな怒りだったのかを記録していきます。すると、どんなことに怒りやすく、どんな対処法があったのかが次第に見えてきます。
6秒間我慢するために深呼吸を行い、心を落ち着けることや、目の前に怒りの原因になった人物や状況があれば、一旦席を立ってトイレに行くなどして気持ちを落ち着けるなど、アンガーマネジメントを心がけましょう。怒りやすい状態もまた精神的に不安定な状態なので、勉強を一時的に中止して様子を見るのもいいかもしれません。
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勉強ができない自分にイライラする場合の対処法
勉強できない自分にイライラしてしまった場合、どんな対処法があるのか、ご紹介します。
できないことを認める
イライラの根底には焦りがあり、その焦りを読み解いていくと、自分が思っているほど勉強ができない事に対する焦りであることが多く、納得いく成長を見せないために強く焦り、イライラにつながってしまうのかもしれません。裏を返せば、自分がどのような状況でどんな能力を持っているのか、正しく認知できていないことを意味します。
そこで、「現時点で自分は実力不足で勉強ができない」と認識を改めることで、そのために勉強をしなければならないと切り替えられるようになります。想像しているよりもできないと人は焦るため、「そりゃこんなもんだろう」という意識に変えて、1つずつできるようにしていくことで、イライラから解放されやすくなります。
イライラの原因を深掘りする
例えば、数学を解いていて全然解けなくてイライラしたとします。この場合、何についてイライラしているのか、その原因を追い求めることでイライラを防ぐことができます。公式を覚えていない、応用問題をこなす量が不足しているなどの原因にたどり着くのではないでしょうか。基本的に勉強は自己責任であり、自分が至らないために成長しきれないことがほとんどです。それを認識する作業を重ねることで、イライラの原因を突き止め、自分の勉強法が悪かったのだと認識できれば、誰かに怒りをぶつけるようなことはしなくなります。
まずは目の前のことをこなす
勉強でイライラする場合、あれもやらないといけない、これもやらないといけないとやることが多くて、それにイライラしてしまうことがあります。時間も押し迫り、やることが山積していると衝動的な怒りに襲われやすいです。とはいえ、強い怒りに襲われたところでやるべきことは減りません。できる限りのことをするしか方法はなく、まずは目の前のことをこなしていくのが確実です。少しでも減れば不安や焦りは和らぎます。
焦る気持ちはわかりますが、まずは目の前のことをこなし、できることを率先して行う、その中で次第に気持ちは落ち着くようになります。小さなことからコツコツとこなす、これがイライラを防ぐ要因となるはずです。
勉強中に眠くなるのはなぜ?眠気を飛ばす方法や日常生活からできること
勉強中のイライラを予防するために日ごろからできること
勉強をしていく中でイライラすることを防ぐためにどんなことをすればいいのか、いくつかご紹介します。
まずは寝る
夜まで勉強をしていると睡眠不足で脳の働きが低下し、認知機能の低下などが発生します。それにより感情のコントロールがしにくくなり、怒りやすくなることが考えられます。そのため、イライラしている場合は睡眠が足りない可能性が考えられるため、適度な睡眠時間を確保することをおすすめします。
マインドフルネス
頭の中にネガティブな記憶、先行き不安など色々な感情があると、それが焦りとなり、イライラにつながります。この状態を改善することが必要であり、そのために「マインドフルネス」を行うのがおすすめです。いわゆる「瞑想」であり、主に呼吸に重きを置いたマインドフルネスを行っていくことで、頭の中を空っぽにし、交感神経優位な状態から副交感神経優位な状態にし、身も心もリラックスな状態にさせます。
ビタミン補給
イライラする原因にビタミン不足が考えられます。特にビタミンB群は脳内ホルモンを作る際に必要とされ、これが不足することでイライラにつながると言われています。またビタミンB群が不足する状態は疲れやすく、集中力が続きにくい状態になりやすいです。糖質がビタミンB1を消費しやすく、イライラの原因にもなるため、食生活の見直しも必要です。その中でサプリメントなどでビタミン補給を心がけることで、少しでもイライラする原因をなくしていくことができます。
まとめ
勉強中にイライラすることは誰にでもあります。しかし、それを誰かにぶつけたり、自分を傷つけたりすることで解消することは、人間関係を壊すだけでなく自尊心を傷つけるほか、さらなる怒りを誘発するため、百害あって一利なしの状況です。なぜイライラするのか、その原因を追究していくほか、現状を認めてできることをやっていく、しっかりと寝てビタミン補給を行っていくなどの対策が求められます。