英語を勉強する際に様々なノートの使い方をする人がいます。その1冊で参考書のように使えるものもあれば、ただただ答えだけを書き込んでいる乱雑なものまで様々です。英語の成績が向上するノートの取り方、作り方があります。
今回は英語ノートの取り方や作り方のポイント、英語ノートの活用法、間違った英語ノートなどの情報をご紹介します。
英語ノートの取り方・作り方のポイント
英語ノートをどのように取り、作っていけばいいのか、授業編と独学編に分けてご紹介します。
授業編
予習を行い、板書や解説に集中できる状態にする
英語ノートの取り方として、例えばリーディングの授業の場合、教科書の英語長文を最初にコピーしてノートに貼り付け、自分で和訳を行うなどして進めていきます。英文法の場合も同じで、最初に自分で予習をやり、わからないことを明確にします。そして、授業を受けている際には先生の板書や解説に集中できる状態にしましょう。定期テストでは先生の解説が出てくることが多く、それを書き留めていきます。特に何度も繰り返し説明があった部分は色ペンで強調するのも1つのやり方です。
左側に英文、右側に和訳と分ける
英語ノートを作る際は見開き2ページを1セットにして使っていくのがセオリーです。その際、左側に英文、右側に和訳を書いておくとより見やすくなります。この時、両方のページに書き込めるスペースを残しておくのがおすすめで、解説を聞いていてわからないことがあればそこに書き込んでいきます。復習の際にすぐに振り返るようにして、わからないことを調べ直すことで英語力アップにつながります。
授業を再現できるようにする
東大生がどのようにノートをとっているのか、その調査を行ったところ、再現できるかどうかをポイントにする人が多いというアンケート結果があります。この場合の再現性とは、後で見た時にどんな内容だったかを再現しやすい状態を指します。中には、先生の雑談をすべて書き込み、授業を再現できるようにしたというケースもあります。先生が何度も言ったことを注意深く聞いてまとめるだけでなく、ちょっとしたことまで色ペンで書いていき、それを読めば人に説明して理解を得られるようであれば、再現性があるノートになります。
独学編
分からない動詞は構文と一緒にまとめる
英語長文や英文法を解いていく中で、分からない動詞が出てくることがあります。その際、構文とセットで覚えた方がいいケースが出てきます。例えば「believe」には信じるという意味がありますが、believeには「believe O C」OがCだと信じるという構文が存在します。単語だけで覚えるよりも文型や構文を意識して覚えた方がいい場合があります。これをノートにまとめておくことで、その時は理解できなくても後で勉強を行って理解できるようになれば、読解対策、英文法対策にもなるでしょう。
フォーマットとルールを定める
英語ノートでは見出しの存在や書き出しの場所などを統一してフォーマットにしてしまうのが一番です。全てがバラバラだと見にくく、整理しにくいのが理由にあります。もう1つルールを定めコロコロと変えないようにするのも大切です。色ペンなど時に気分で変えてしまう人がいますが、これだと色ペンの意味がありません。初めて見かけた単語で間違えた、何度も同じ文法でミスを犯すなど、時と場合によって色ペンに役割を持たせて使っていくと、自分がどのようなミスをしたかがすぐにわかります。そこを糸口に学習していきましょう。
なぜ間違えたのか、検証してまとめる
トヨタ自動車が生み出した言葉に「カイゼン」があります。これは現場レベルで作業効率を高めるためのもので、なぜミスが起きたのか、なぜ防げなかったのか、なぜを繰り返していきます。英語ノートでも「カイゼン」は使えます。単語力が不足していた場合は単語用のノートに間違えたものを書き込み、何度も間違える場合はまた別にまとめます。その際、なぜ何度も間違えるのか、その検証を行い、具体的な対策を立てていくと、印象がつきやすくなる分、間違いにくくなります。間違えちゃった、もう1回やればいいや!ではなく、なぜ間違えたのか、やり方を間違えたのかと1つ1つ突き詰める作業が大事です。カイゼンノートを作り、それをまとめてみると、間違えやすい傾向が見えてくるかもしれません。
英語ノートを使用した勉強法
単語編
単語を覚える際、ノートに何度も書いて覚える人がいます。これは正しい勉強法とは言い難いです。まず単語帳に分からない単語は印をつけていきます。すると何度も解いていく中で明らかに解けない問題、何度聴いても理解できない問題などが。そんな時におすすめなのが、できない単語だけをピックアップして英語ノートに落とし込んでいくやり方です。何度やってもできない単語ばかりが集まるので、集中的に勉強を行い、苦手克服につなげられます。
文法編
英文法の参考書に英文法で出やすい表現などが登場します。例えば、参考書を解いていく中で、躓きやすいところがあればそれをノートに記しておき、すぐに見返せるようにするやり方もあります。また、間違えた問題を書いていき、どんな知識があれば正解できたのかを色ペンを使って書いていきます。何度も同じような問題で躓いていれば、そこが早急に改善すべきポイントです。何ができて何ができないのか、それを可視化することがとても重要であり、苦手分野が生まれやすい英文法では根気強く学習しないといけません。
演習編
問題演習に関しては、問題集などに書き込むことはせず、英語ノートに問題文をコピーして貼り付けて自力で解いていくやり方がおすすめです。参考書の場合、何周もすることが重要であり、何度も解くことで読解力が高まります。そのため、演習を行う際には問題演習のノートを用意してそこで解いていくようにしましょう。その中で文法や英単語でわからないところがあれば別の英語ノートを用意してまとめていくやり方がおすすめです。
間違った英語ノートの取り方・作り方
ノートいっぱいに書き込む
英語ノートを作る際に陥りやすいミス、それはノートにびっしりと書き込んでしまうことです。一見するとたくさんの情報が詰まっていてよさそうに見えますが、その単元を学んだ際に何ができて何ができないのかが一目でわかるようにしないと、改めて勉強をし直す際に混乱が生じます。授業を受けてノートを作る際、先生が何を説明したのかが一目でわからないと、定期テストでの成績も見込めません。もちろん全然書き込まれていないのも問題ですが、熱心であるからこそ、詰め込み過ぎに気をつける必要があります。
全てを1冊にまとめる
東大生にアンケートをとったところ、英語ノートを作っている人の中で1冊にまとめている人は少なく、板書用や演習用、暗記用など複数のノートを作っている人が多くみられました。(参考:RareJob English Lab)
板書用も演習用も暗記用も兼ねると、すぐにノートを消費するだけでなくその整理をするだけで大変になってしまいます。何を学び、どんな力を伸ばすのか、これを何冊かに分けることでより明確にすることができます。
単語を何回も書き続ける
英語ノートの中で一番無駄な行為、それは単語とその意味を何度も書いていくことです。暗記をするために書いて覚える人が多く、実際にこのやり方で覚えた人も多いでしょう。しかし、その英単語がどのような意味合いで使われるのか、どんな場面で用いられるのかを意識した使い方ではありません。スペルの暗記などには適していますが、英語力を高めるには至らないため、できるだけ単語帳を使いつつ、単語帳のように複数の意味や一文が書いてあるような英語ノートにするのがいいでしょう。
そもそも英語ノートを作る目的とは?
そもそもなぜ英語ノートを作る必要があるのか、その目的についてご紹介します。
教科書や参考書に書き込まないようにするため
英語ノートの目的として教科書や参考書に授業内容を書き込まないようにするためです。教科書や参考書にも余白がありますが、色々書き込めるほどではありません。小さな余白に詰め込んだ時、読み返す時に解読できればいいものの、パッとわからないことも。授業内容をまとめたり、参考書の理解を深めたりする場合は、英語ノートを用意して書き込んでいくことが大切です。教科書の英文部分のみをコピーして貼り付ける方法がおすすめで、これだと時短になります。英文を覚えるわけではないので、手書きである必要がありません。効率的に英語ノートを作っていきましょう。
分からない部分をはっきりさせるため
英語ノートを用意する意味は、現時点で分からない部分をあぶり出して後で復習しやすくするためにあります。そのため、勉強する中で何度も間違えたところ、わからないところを書き出しておいて、後で調べて理解度を深めていくことが大切です。理想は1冊に自分の苦手にしていた部分などがすべて載っており、受験のラストスパートで一気におさらいをすること。そのためには分からない部分をまとめておくのがいいでしょう。
自分だけの参考書を作ることができる
英語ノートはいわば自分の匙加減でいくらでも内容を決められます。人によって英語の勉強法は様々で、合うもの合わないものがはっきりと出てきます。自分にとって理解度が深められるやり方が必ずあるので、そのやり方を見つけて英語ノートを作り上げていくのがおすすめです。時間をかけてでも英文をすべて写してから演習に取り組むのもいいでしょう。大事なことは自分が読んだ時に理解できるかどうか。見やすくさせて他人に読みやすくする必要はありません。自分の勉強にプラスになるノートかどうか、そのために英語ノートはあります。
まとめ
ノートに色ペンを使うのは見栄えのためではありません。印象付けるために存在しており、復習のしやすさを出すためでもあります。きれいなノートを作る必要は一切なく、大事なことは勉強しやすく、復習の助けになるノートかどうか。そこを踏まえてノート作りに励みましょう。