ビリギャルの英語勉強法とは?マインドセットとメソッドに分けて解説

一時期一世を風靡した「ビリギャル」、偏差値30からの逆転合格は多くの受験生に勇気を与えました。そんなビリギャルが得点源としたのが英語でした。

今回はビリギャルの英語の勉強法を、マインドセットとメソッドに分けてご紹介するとともに、ビリギャルの勉強法の非効率な面と改善点などをまとめました。

ビリギャルの英語の勉強法【マインドセット編】

ビリギャルで有名なのはマインドセット、いわゆるメンタル面での考え方です。英語の勉強にどのように活かされたのか、ご紹介します。

マイナスの感情を利用する

ビリギャルが偏差値30からの逆転合格を狙った時に原動力になったのは、負の感情でした。学校の先生だけでなく、実の父親からも全否定されていく中で、かなりの劣等感を抱くとともに、絶対に見返してやるという気持ちで臨んでいました。このマイナスの感情をモチベーションにつなげることができたため、1日中勉強をし続けても決して弱音を吐かず、やりきることができたのです。

目標を明確にしてブレさせない

偏差値30状態だったビリギャルに対して、塾講師は東大を志望校として提案です。しかし、ビリギャルはこれを拒否、次に提案した慶應義塾大学に関しては、お金持ちのイケメンが多そうという理由で受け入れます。そしてビリギャル自身が自分の手で慶應義塾大学合格を紙に書かせ、部屋に貼らせたことで明確な目標を作らせます。のちに弱気になったビリギャルが慶應義塾大学以外に目標を切り替えようとした時、塾講師はあえて厳しい言葉をかけ、奮起を促しました。決めた目標に向かって貫き通す、このマインドセットは英語の勉強にも通じるものがあります。

日記を書かせすべてを吐き出させる

塾講師はビリギャルに対して日記を書くように勧めます。自分の感情を吐き出すツールがなくなっていたビリギャルにとって、日記だけが感情を吐き出す場所になっていました。なんでも書いていい代わりに、最後はポジティブな内容で締めることをアドバイスします。その結果、たとえ嫌なことがあっても決してネガティブな感情で終わらせるのではなく、希望を胸に抱きながら、反省することは反省して切り替えていくことができたのです。

ビリギャルの英語の勉強法【メソッド編】

ここからいよいよ、ビリギャルが行ってきた具体的な英語の勉強法について解説します。

英単語

知っている単語に×、知らない単語に〇をつける

単語帳を購入して暗記を行う際、通常は自分が知っている単語があれば〇をつけ、できなければ×かチェック印を入れます。しかし、ビリギャルはこの逆。知っている単語に×をつけ、知らない単語に〇をつけます。この〇で入試までに覚えるべき英単語をカウントし、それを1カ月ないし2カ月の日数で割って、1日で覚えるべき英単語の数を決定します。勉強をやる必要があるかないか、その〇×と言えるでしょう。

英単語は寝る前に覚える

ビリギャルの英語の勉強法は、寝る前に英単語を覚え、翌日の夜にテストを行うという手法がとられています。この時、実際に暗記するのは単語帳に登場する英単語の例文です。これを寝る前にノートに書いて、テストでは空欄部分に英文の意味を書いていきます。単にたくさん書いて覚えるのではなく、意味を明確にしながら覚えていくというやり方は、脳のメカニズム的にも効果があるやり方です。

トイレに張り紙をして覚える

ビリギャルの英単語の覚え方は、何度もノートに書くようなやり方ではありません。用意するのは1枚の大きな紙。そこに英単語や品詞、意味などを記入します。しかも、1枚の大きな紙に書くのはたった1つの単語だけ。これをノートに貼ります。何度も書いて覚えるよりも、1回だけ書いて覚える方が、脳はしっかりとインプットします。何回も書いてしまうと重要ではないと判断してしまうのです。

文法

ミスをする分野をリストアップする

ビリギャルを指導した塾講師は、日本人が文法でミスをする分野の大半は、「SV」「時制」、「名詞の単複s・es」としており、ミスをする部分をリストアップし、それを潰していけばできるようになると考えています。(参考:Cheer up! English)

文法をやっていく中で得意とするものはこれ以上触れないでおいて、苦手なものだけをリストアップしてあとはそれを潰していくやり方を行えば、効率的に時間をかけることができるでしょう。

中学英語から復習を行う

ビリギャルが塾に入った際、小学生の算数から始めたことが明らかになっています。英語の場合は中学英語から復習を行っており、英文法に関してもそれは同じです。中学生までであらかたの英文法は出て、高校に入ってからは一気にレベルが上がります。英文法の基礎を固めなければその先で躓くのは確実です。だからこそ、英文法は中学レベルから行っていきます。

問題を解きながら身につける

ビリギャルを指導した坪田信貴さんが監修する「ビリギャル式坪田塾の英文法ノート」が発売されています。Amazonの試し読みのところを見ると、「答え」を知り、その解法を「覚える」と書かれており、参考書ではなく問題集重視、授業よりテスト重視と書かれています。(参考:Amazon)

つまり、参考書で一生懸命学ぶのはいいものの、まずは軽くインプットして、問題集を使って何度も何度もアウトプットするやり方がいいと考えています。英文法以外にも本は出ていますが、基本的にはこの考え方です。どんどんインプットするのではなく、アウトプットをメインにしたやり方がいいというわけです。

長文

単語がわからなくても推測するクセをつける

ビリギャルのモデルとなった小林さやかさんは、コクヨのインタビューに答えています。その中で長文読解用のノートが真っ赤であることを指摘され、「長文は、速読するだけでは早くならない、単語がわからなくても推測するクセをつけろ」とアドバイスをもらったのだとか。(参考:コクヨ)

単語がわからなくてもまずは自分なりの解釈で読み進めていき、それを先生に見せて赤ペンを入れていく中で真っ赤になったというわけです。単語がわからないから読めないのではなく、わからないなら前後の文章を読んで推測する、この姿勢が大事なのです。こうすることで文脈が理解できるようになったと言います。

主語と述語を把握するクセをつける

コクヨのホームページのインタビューでは、どのように長文読解の演習をしていたかが書かれています。その中で、最初に主語と述語を見つけ、スラッシュをつけたり、単語の意味などを書き込んだりしたのだとか。長文を読んだ後、ノートはグチャグチャに。そうやって手を動かすことで内容が頭に入るそうです。また、英文における主語と述語は文章を読むうえで最も重要なことであり、よりシンプルに英文が読めて理解度も深くなります。

国語力を高める

前後の文章から文脈を理解するというやり方は、国語力を必要とします。現代文でも言葉がわからなかったとしても前後を読めばどのようなことを言いたいのか、ある程度理解できます。これと同じことが長文読解にも言えます。ビリギャルは、小論文対策を行っており、文藝春秋などを読んでいました。この積み重ねが国語力を高め、長文読解のレベルを高めたと言えるでしょう。

リスニング

主語と動詞だけ理解すればいい

ビリギャルのモデルである小林さやかさんと坪田信貴さんがやっているYouTubeチャンネル「ビリギャルチャンネル」では坪田さんがリスニング力を高める方法を解説しています。この中で坪田さんは主語と動詞を理解すれば、おおよそのことは理解できると力説します。日本語は主語が基本的にないものの、英語は必ず主語がはっきりと存在し、それに付属する動詞もついてきます。この関係性を理解してリスニングに臨むと、大事な言葉を聞き逃さずに済むというわけです。(参考:ビリギャルチャンネル)

語彙力をつける

主語と動詞さえつかめばリスニング力は上がる、そうはいってもやはり語彙力が必要になります。リスニング力を高めるにはどんどん聞くことが大事であると思う一方、語彙力がなければ聞き取れるものも聞き取れないというわけです。まずは語彙力をつけてリスニングに臨む、その中で主語と動詞を見つけていくことになります。

正しい発音で単語を覚える

単語を覚える際、ビリギャルに対して正しい発音で単語を覚えることを求めています。つまり、単語を覚える時点で正しい発音を身につけていることが多く、語彙力をつけることはリスニングに必要な単語の発音を聞き取る力が身についていると見るべきでしょう。語彙力をつけることは、正しい発音で単語を覚えることを意味し、結果的にリスニング力を高めることにつながります。

そもそもビリギャルって何?ビリギャルの概要

ここまで登場したビリギャルとは一体何か、ここでいったんビリギャルを振り返ります。

ストーリー

偏差値30の女子高生が塾講師と出会い、猛勉強を重ねて慶應義塾大学に逆転合格するストーリーです。中高一貫校の女子校に通っていたビリギャルは小学生の内容すら怪しかったものの、決して自虐的にならず、周囲からの血も涙もない否定にも耐え、母親からの最大限の愛情を与え続けながら、周囲を見返すに至る物語が多くの人を感動さえ、勇気を与えています。「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」はベストセラーとなり、関連書籍を出版されています。

ビリギャルって誰?

ビリギャルのモデルとなっているのが小林さやかさんです。高校2年生の時、恩師である坪田信貴さんと出会い、慶應義塾大学を目指します。1日10数時間の勉強をこなし続け、結果的に慶應義塾大学に現役合格。卒業後はブライダル企業に入ってウエディングプランナーになり、その後ビリギャルでの経験を講演で話すようになり、2019年からは大学院に進学するなど、今も学び続けています。

ビリギャルの師匠「坪田信貴」とは?

ビリギャルを慶應義塾大学合格に導いた坪田信貴さんは現在、坪田塾の塾長を務めています。坪田さん自身は高校2年生の時に、中学卒業レベルの英検3級に不合格。そこから1年で猛勉強を重ね、TOEICで満点をたたき出したこともあります。留学した際に心理学などを学び、IT企業を起業しながら塾を立ちあげ、そこにビリギャルこと小林さんが入ってきます。本が大ヒットした後は小林さんと一緒に活動するなど、ビリギャル関連の仕事をこなしています。

ビリギャルの勉強法は非効率な面と改善点

効果的に見えるビリギャルの勉強法ですが、実際は非効率的ではないのかと指摘する人も。いったいどこが非効率的なのか、改善点とともにご紹介します。

紙の辞書を使うのは非効率?

坪田さんはビリギャルの小林さんに対して、紙の辞書を使うように求めます。わからない単語を調べる際に1回目は下線、2回目は波線、3回目はマーカーで塗り、その単語をトイレに貼り付けるというものです。一見すると効率的に見えますが、わざわざ紙の辞書でなければならないのか、別の方法があるのではないかと考える人がいるようです。

改善点→単語帳でチェックし、ノートにまとめる

紙の辞書で、何度も間違えた単語をピックアップすることはいいとして、わざわざそれをめくって調べる必要があります。そこで、単語帳でチェックして何度も間違えたものをノートにまとめた方がすぐにチェックでき、そのノートだけで重点的に勉強が行えるので効率的です。

大きな紙1枚に1語を書いて覚えるのは非効率?

大きな紙1枚に1つの単語を書いて覚えるのは非効率ではないのかという意見もあります。確かに、覚えるべき単語は数多くある中でいちいち1つの単語だけをクローズアップしたとして結構な時間がかかってしまうのではないかという見方もできそうです。

改善点→単語帳を活用する

この場合も単語帳の活用が効率的と言えます。どうしても覚えないといけない単語であれば先ほど紹介したノートにまとめるやり方があります。ノートに何回も書いて覚えるのは確かに非効率的であり、意外と覚えにくい部分もあるのでしょう。それならば、単語帳を活用していくのがよく、大きな紙にまとめるにしてももう少し増やすのもいいかもしれません。

英文法は問題を解きながら身につけるのは非効率?

英文法は基本的にすべての内容を網羅してからではなく、ある程度の内容を頭に入れたら問題を解きながら身につけていくやり方を採用していますが、これも非効率ではないかという声があります。

改善点→単元ごとに内容を完璧にしてから次に進む

問題を解きながら身につけるにしても基本的な解き方、例外的な解き方を知らずして問題を解くことはできません。少なくとも基本と例外の2つをしっかりと学んでからでも十分間に合い、それを踏まえて完璧になるまで解いてから次に進めた方がいいでしょう。そこで学んだ内容の応用が後で出てくることがあるため、基礎となる部分を固める作業はどこかで必要です。解きながら身につけるというやり方だと不十分になる可能性もあります。

【高校英語の勉強法】おすすめの参考書も解説

まとめ

坪田塾では学年ビリをとる、ビリギャル的な生徒が多くいる一方、実際にビリギャルのように逆転合格を果たす人も多いようです。やり方自体は理にかなっており、あとは本人の意思次第。坪田さんは初めて小林さんと会った際、素直な姿勢に可能性を見出したそうです。疑問を持たず一生懸命取り組めるかどうか。坪田さん自身も英検3級不合格からTOEIC満点を経験した強者なだけに、素直に信じてみる価値はありそうです。そして、坪田さんが考える英語の取り組み方も必見です。

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