英語力の根底、基礎にあるのが英単語です。英単語を多く覚えていて正しく言葉を使うことができれば、英語長文や解釈、リスニングなど様々なものに波及します。
今回は英単語の勉強法や効率的な覚え方、学習習慣などをご紹介します。
英単語の勉強法10選
ノートに書いて覚える
覚えたい英単語をノートに書き、意味とスペルを何度も書いていくやり方が最も定番と言える勉強法です。非効率的という意見が多いですが、、書いて覚える人からするといまだにこのやり方がいいと主張する人も多いほか、書いて覚えることで忘れにくくなると感じている人も少なくありません。いわば昔ながらの英単語の勉強法です。
単語帳を何度も見返す
人間は何度も見ることで記憶が定着するようになります。書いて覚えることなく、見て覚えることができればそれに越したことはありません。例えば、「単語帳のこの範囲を何度も繰り返し見て覚える」と決めて、取り組んでいくと、何度も見ていくうちに段々と定着していくのが実感できます。ここにテストを噛ませて、覚えきれない単語のみに絞って勉強をしていくとより覚えやすくなります。
同じ接頭語・接尾語単位で覚える
英単語には接頭語と接尾語が存在します。この接頭語ごとに覚えていくやり方もあります。例えばinという接頭語には、importやinform、installなどの単語があり、いずれも「中に」というinの意味合いが込められています。接頭語や接尾語で覚えることで意味を理解しやすい一方、万が一単語が分からなかった場合でも、接頭語や接尾語を見れば、前後の文面からそれなりにイメージができるようになります。
語源やイメージで覚える
最近では、英単語の語源から単語のイメージをつかんで覚えていくやり方がトレンドになりつつあります。イメージと語源で覚えられる「英単語の語源図鑑」という参考書を始め、単語をスペルだけでなくイメージで覚えるのも効果的な勉強法の1つとなっています。イメージで覚えることで、パッと日本語が出なくても意味的にこんな感じだったと理解し、長文読解であれば前後で類推することもできます。
1日100個以上の単語に目を通す
社会人は本業もしくは副業もあり、勉強にかけられる時間はかなり限られています。その中で悠長に1日10個、20個の英単語をしっかりと覚えていくと、1000語、2000語の単語をマスターするまでに相当な時間がかかるとともに、初日あたりに覚えた単語を忘れる可能性も出てきます。
そこで、1日100個以上の単語に目を通すのがおすすめです。100個以上の単語を完璧に覚えろ!ということではありません。ぼんやりでもいいので、100個以上の単語に目を通して記憶に少しでも残り、それが繰り返されることでどんどん定着していきます。これを1カ月かけて数百個覚える計画でやっていくと、その数百個が確実に記憶されるようになるのです。
関連するグループで覚える
単語を関連付けて覚えることで、より思い出しやすくすることができます。そこでおすすめなのが、関連するグループで覚えるやり方です。食に関する英単語をまとめたサイトを見ると、それだけで500語以上の単語があります。もちろん簡単なものも多く含まれていますが、意外な発見も多く、グループで覚えていくのは好奇心をくすぐられ、興味を持って取り組むことができます。単語帳だけではない勉強法の1つとしておすすめです。
語呂で覚える
英単語の暗記は地味ですが、もう少し楽しく覚えたい人もいるでしょう。そこでおすすめなのが語呂で覚えるやり方です。スペルと日本語の意味を正しく組み合わせて語呂で覚えることで楽しく英単語を吸収できます。語呂で覚えるための英単語帳も売られており、普通の単語帳では覚えられない人もこちらの方が覚えられるという人もいます。
色を塗って覚える
ビリギャルでおなじみの坪田信貴さんは、ビリギャルに対して単語の覚え方を指示しています。その中で紙の辞書を用いて、分からない単語が出てくれば、1回目は下線を、2回目は波線とどんどんマークし、最終的には色を塗ります。そうすることで重要な単語であることがわかります。このように色を塗って覚えることで注目しやすくなるほか、絶対に覚えなければならない単語であることがわかるので、おすすめです。
中学英語から覚える
英単語が覚えられない人にとって、まずどこから攻めていくべきかが重要になります。数千もの単語を覚えなければならないとは言うものの、その多くは中学までに習うものが多くを占めている他、英文読解では中学英語の語彙力さえあればどうにか対応できます。英単語ができない人は中学英語もあやふやである可能性が高いため、まずは中学英語の参考書を購入し、自分に合ったやり方で学んでいきましょう。
辞書を活用する
英単語を学ぶ際に、どうしてもわからない単語が出てきます。その時に表現できなかったものを辞書で調べて学習していく覚え方があります。辞書で調べた内容をノートにまとめ、それで1冊自分の単語帳を作り上げます。この単語帳で勉強を行い、さらにできなかったもので1冊また作ると、重点的に覚えなければならないものがあぶり出され、そこを勉強するだけになっていきます。
英単語の効率的な覚え方・暗記のコツ
音声で覚える
音楽を聴きながら街を歩いていると、再び別の場所で同じ曲がかかる時があります。その時、前回聴いた時の街の様子が頭に思い浮かぶ人がいるかもしれません。それだけ音声の記憶はかなり強力です。1回だけであれば忘れてしまいますが、それを何度も行った場合、脳に確実に結びつき、覚えやすくなります。自らも発音して覚えることで、リスニング対策など様々な部分につながっていくので、音声を使って覚えるのがおすすめです。
エピソード記憶を利用する
人間には短期記憶と長期記憶があり、長期記憶に入れば英単語が定着した状態になります。この時におすすめなのがエピソード記憶を利用する覚え方です。エピソード記憶は個人的な感情や経験を指し、例えばあまりにも恥ずかしい凡ミスもエピソード記憶を利用すれば忘れなくなります。また覚えたい英単語を使って物語を作るのも1つのやり方です。遊び感覚でやってみると意外と覚えられるものです。
運動をしながら覚える
大阪府立大学の研究によると、運動をしながら英単語を暗記したところ、数日後に行ったテストで、普通に椅子に座って暗記をしていた人たちと比べて成績が向上していたことが明らかになっています。実験で用いられたのはステッパなどその場でできる運動器具でした。(参考:大阪府立大学)
ちなみに運動の負荷は自由にしており、最も軽い人でも効果があったと言います。家で行える運動をやりながら英単語の暗記を行うことでより覚えやすくなります。
アプリを使って覚える
最近の高校生はどのように英単語を覚えているのか、傾向として見られるのがアプリを活用した覚え方です。最近では英単語帳とアプリが連動しており、わざわざCDからダウンロードをしなくてもスマホですぐに聴くことができます。目で見て耳で覚える、これを通学の時間、スキマ時間で活用していけば、時間を有効活用しつつ、覚えることができます。
例文で覚える
難関大学を目指す学生やTOEICで高得点を狙う社会人などに愛されている英単語帳に「DUO3.0」があります。この英単語帳は、1つの文に単語や熟語が複数掲載され、実用的なものも多く、文章が自然です。例文丸ごと日々の生活で使いたくなるものもあり、これを記憶するだけでも相当な知識になります。単語だけで覚えるよりも文章で覚えた方が用法もわかりやすく、理解も深まりやすいでしょう。
英単語を効率的に覚えるための学習習慣とは?
エビングハウスの忘却曲線を意識して覚える
記憶に関する研究で最も有名なのが「エビングハウスの忘却曲線」ですが、たった20分後には40%以上忘れ、1日経てば70%以上忘れているという結果が出ています。一生懸命英単語を覚えても次の日には4分の3は忘れられている可能性があるというわけです。その日学んだことは翌日や数日後、1カ月後など定期的に復習をすることで記憶が定着します。このパターンをうまくスケジュールに組み込めば効率的に覚えることができます。
毎日寝る前に英語で日記を書く
日記をつける人は社会人でも多いかもしれませんが、英語で日記を書く人はおそらく少ないでしょう。英語日記を始めることでその日学んだ英単語や英文法などを駆使していくことになり、自然と英単語を覚えられるようになります。もちろん寝る前ではなく、いつでもどこでも英語日記を書いていいですが、寝る前であればその日学んだものをぶつけられるほか、復習になり、寝ている間の記憶の定着も図れるので、英単語を覚えたその日のルーティンにしてみましょう。
睡眠は6時間以上とる
人間は寝ている間に記憶の整理を行います。そのため、寝る直前に覚えた内容が記憶として定着しやすいため、暗記を行う際は寝る前に行うことがいいとされています。しかし、睡眠時間が短いとこの作業の機会も少なく、記憶が定着しにくいことに。睡眠は少なくとも6時間以上は確保することが求められます。深夜まで起きて勉強するよりも規則正しい生活の中で勉強を行った方がいいというわけです。
英単語を覚えられない原因とは?
単語の仕分けをしていない
英単語を100語覚えるとします。そのうち、はっきりと意味までわかるのは30、あやふやなのが30、全く分からないものを40とすると、英単語を覚えられない人は常に100で覚えてしまい、なかなか成果が出てきません。英単語を覚えられる人はあやふやな単語と全く分からないもの、70語から始めて、できるようになったものを除外します。このようなことをすることで、単語をより覚えやすくなります。
思い出す作業ができていない
人間は1日経てば簡単に忘れてしまうことはエビングハウスの忘却曲線で明らかですが、記憶を復活させるにはインプットも大事ですが、定期的に思い出す作業をすることが大事です。つまり、テストなどを行って英単語を思い出す作業をやり、思い出せなければインプット、再度テストを行う形で定着させます。覚えられない人は、この作業をしていないか、覚えたその場で思い出す訓練をして満足をし、その後のメンテナンスをほとんどしていないのが要因です。
どれだけ学生時代に頭が良くても、その間に全く勉強をしなければどんどん抜けていきます。マメに復習を行い、思い出す作業をしていると常に思い出せる状態になるのです。
覚える努力が足りない
英単語に限らず、1回でパッと見て覚えられる人は少なく、大好きなゲームでも1回でマスターすることはほぼ難しく、何回もやって学んでいきます。大好きなゲームでもそうなんですから、地道な作業の連続の英単語で1回で覚えることはほぼ難しく、数を多くこなし、思い出す作業を繰り返し、とことん勉強しなければ覚えられません。効率的ではないだけで、毎日必死に書いて覚える作業をしていればそれなりに習得します。まずは量をこなし、それでもダメなら方法を考える、これで検証をしてみてください。
英語の単語学習におすすめのサイト3選
英語の単語学習に使えるサイトはネット上に多く存在します。そのサイトを3つご紹介します。
THE ENGLISH CLUB
「THE ENGLISH CLUB」は、科学的根拠にこだわった英語学習法を紹介しているサイトです。英単語では、語根で覚え、接頭語が異なるだけで意味が全く異なることを紹介しており、語根を覚えればそれだけで複数の単語が覚えられると解説しています。英語を学ぶ上でとても参考になります。
Image Learning
「Image Learning」は、イメージと一緒に英単語が覚えられるサイトです。画面いっぱいに単語とイメージが映し出されるため、英単語をイメージで覚えたい人におすすめです。一時停止ボタンを押してイメージと言葉を焼き付けて、記憶につなげていくことができます。単語の切り替えスピードを設定で着たり、一部スペルを隠せます。
とことん!英単語!
「とことん!英単語!」は、単語を多く収録し、テストなどが受けられるサイトです。マイページでは自分が間違えた単語が記録されており、何を間違えたかがデータとして残ります。様々な試みがなされ、ゲーム感覚で英単語の勉強に取り組めるのが特徴です。
英語の単語学習におすすめのアプリ3選
学生を中心に単語学習に活用するアプリ。中でも効果があるアプリについて解説します。
ターゲットの友 英単語アプリ
「ターゲットの友 英単語アプリ」は、これまでに多くの学生が利用してきた「英単語ターゲット」シリーズが利用できるアプリです。リスニングが行えるほか、ゲーム感覚で問題に答えることができ、課金をすればマイ単語帳が搭載され、仕分けもできます。また、苦手な単語だけ何度も学習できる特訓モードも搭載されており、勉強に役立ちます。
英単語アプリ mikan
「英単語アプリ mikan」は、10単語をわずか30秒で学習できるアプリです。ネイティブスピーカーの発音で聴けるためリスニング対策になるほか、課金すれば赤シートが登場し、選択肢の中から選ばせず、自力で答えさせるようなモードが登場するなど、より本格的な勉強が行えます。
みんなの英単語帳
「みんなの英単語帳」は、自分自身で単語帳が作れるアプリです。最大の特徴は他の人の単語帳がチェックできる点で、他の人が作ったものをクリアしていくことである種の達成感が味わえます。自分が使うためにアレンジするのもよし、クイズ感覚で解くのもよし、色々なやり方ができます。
まとめ
英単語は根性で覚えるという人がいます。確かに熱量はそれくらい必要ですが、効率的な覚え方が多く、より省エネで効果の高いものがあればそれがいいのは当然のことです。書いて覚えることも時に必要ですが、それは最後の総仕上げでよく、最初のうちは単語帳で勉強し、スキマ時間をうまく活用するのがいいでしょう。勉強法はたくさんあるので、後はその人にあったやり方を見つけるのがおすすめです。