【大学受験の文系数学の勉強法】おすすめの参考書も解説

国公立大学を狙う文系学生にとって鬼門になるのが数学。英語などの勉強もしながら、数学の勉強もやらないといけないため、数学でどれくらいの点数を取るか事前に決めて、あえて完璧を目指さない文系学生もいます。

今回は文系がなぜ数学に苦手意識を持つのか、その理由や勉強法のコツ、偏差値別の要点やスケジュール、おすすめの参考書などをまとめました。

文系が数学に苦手意識を持つ理由

なぜ文系が数学に苦手意識を持つのか、そこにはいくつかの理由がありました。

公式を覚えても点数につながりにくい

文系科目はどちらかといえば暗記科目が多いのが特徴です。地歴公民を筆頭に、古文や漢文も暗記が重要視され、英語もそれに近いものがあります。数学も公式を覚えないと問題は解けませんが、公式を覚えたから点数が確実に取れるわけではないのが数学です。問題文からどの公式を使えばいいのか、どのように活用しなければならないのかを考えなければなりません。そこまでやってようやく点数を確保できます。公式を覚えても点数につながらないと苦手意識を持ってしまうのも仕方ないかもしれません。

基礎で躓くと関連の単元でほぼ躓いていく

数学は基礎的な内容から1つ1つ積み重ねていき、発展まで到達する科目です。そのため、基礎で躓いてしまうと積み重ねることが難しくなり、躓いた場所から先の部分で常に苦戦し、苦手意識を強くします。そのため、数学で点数を稼ぐにはまず基礎からやり直さないといけません。ただどこからやり直せばいいのか、気が遠くなる感覚になり、学習が疎かになる人もいます。

何を言っているのかわからず、勉強する意味を見出せない

数学には様々な専門用語が飛び交い、これはどういう意味なのかがわからずに使っている文系学生がいます。専門用語なのでかみ砕いて説明するのが難しく、数学=小難しいというネガティブな感情を持つ人が少なくありません。社会に出て数学は必要なのか、分数などが使えればいいじゃないかと数学そのものを拒絶するケースも。しかし、数学的思考力は社会に出て必要ですし、論理的に物事を考えるのにも役立ちます。数学を勉強する意味さえ見いだせれば結果を出しやすくなるかもしれません。

大学受験における文系数学の勉強法のコツ5選

文系学生が数学と対峙する際にどのような勉強法を行っていけばいいのか、そのコツをまとめました。

何割の点数を求めるか、事前に決める

文系学生にとって高得点を狙う科目といえば地歴公民や国語、英語といったもので、理系科目はそこまで高得点を狙う必要がないと言えます。もちろん平均点を割るような点ではダメですが、理系科目まで100点を目指すとなるとかなり大変です。ですが、7割の点数であれば工夫次第で狙うことは可能です。実際に国公立大学では数学が7割台の点数が最低でも必要とされています。そのためにはどんな知識が必要で、何を重視すべきかという観点で勉強を進められるでしょう。

場合によっては中学数学からやり直す

基礎を固めて数学力をつけていくことが成績アップにつながりますが、では、どのように基礎を固めるべきなのか、それは苦手にする単元を1つ1つ潰していくことです。この時、高1の内容から潰していくことになりますが、高1の内容すら厳しい人も出てきます。その場合は中学数学からやり直し、基礎の基礎を固めるところから始めるべきケースも。基礎力がないと演習問題に挑みようがないので、中学の内容から始めることを考えると高2から取り組み始めるのがいいでしょう。

公式は一通り覚え、解き方も理解する

数学では公式を覚え、それを活用できてようやく点数に結びつきます。そのため、公式は一通り覚える、そしてその公式を使った解き方を理解する必要があります。チャート式には例題がつき、公式や解き方が書かれ、解説もついています。これを理解し、暗記し、演習問題で活用できるようになるまでがワンセットです。ここまでやれてようやくスタートラインと言えるでしょう。

基礎知識を入れたらとにかく演習問題を解く

数学は、いかに公式を活用できるかが勝負であり、「この公式を使って答えを出してください」と誘導してくれることはなく、意地悪な切り口から出題するケースが目立ちます。しかし、多くの問題を解き、様々な切り口から問題が出ることがわかっていれば、対策を立てることは可能です。つまり、基礎知識を入れたら、とにかく演習問題を解いてアウトプットを行うことが重要になります。

反復練習でミスを防ぐ

せっかく公式を覚え、解き方も習得したにもかかわらず、それでも点数が伸びない場合に考えられるのが計算ミスです。計算ミスにはパターンがあり、字が汚くてミスをするパターンもあれば単なる確認不足のケースもあります。ミスを完璧に防ぐことは難しいですが、極限まで減らすことは十分に可能です。何度も何度も解く反復練習を行うことで、ミスが防げます。解くスピードが上がり、ケアレスミスのチェックを行うのもいいですが、どこで計算ミスが出るのかを理解することで、見直しの精度が上がります。

大学受験数学で文系に大事なことをレベル別に解説

文系学生が数学の勉強を行い、大学受験を目指す際に何に気を付ければいいのか、大事なことを偏差値別にまとめました。

偏差値40~50

偏差値50以下で、数学を使って受験を行う場合、中学数学からやり直して基礎の基礎から知識を詰め込んでいくことをおすすめします。知識がない中で高校数学に挑んでもただただ苦しく、苦手意識を強めるだけです。できた!解けた!という感覚をつかむには、中学数学から始めていくことが必要で、そこで徐々に解ける感覚をつかんで自信をつけていきましょう。

偏差値50~60

偏差値50台では、一定の知識がついている状態で、もう少し頑張れば共通テストでも7割以上を狙えるレベルです。ここでやるべきことは公式をしっかりと覚え、典型問題の解き方を暗記していくことです。そして、演習問題をどんどん解いていくことで、知識をより正しく活用できるようになります。解説を読んでなぜ解けたかがわかるレベルになってきているので、あとは問題をこなすのみです。

偏差値60~70

偏差値60台ともなると、8割以上の点数が狙えるようになります。注意したいのは自分自身への過信です。解けなくても、「今日は調子が悪かった」とか、「次は解けるでしょ!」など根拠のない自信はダメです。大事なのは、問題を間違えたら必ず復習して解けるようにすることです。いつでもコンスタントに点数をとるには、ミスを減らすことはもちろん、難しそうだから諦めるという姿勢を改めることです。まずはできなくてもチャレンジする、少しでも取っ掛かりを見つけられたら、かなりの前進で、解説を読んで何回も解いて完璧を目指しましょう。

偏差値70以上

偏差値70以上は共通テスト満点も視野に入ってきます。ただ共通テスト利用入試で私立大学を目指すならまだしも、国公立大学の場合には二次試験も出てきます。そのため、二次試験の傾向から頻出単元をチェックし、その単元の高難度問題を解いていくなど、二次試験対策に乗り出すことをおすすめします。

大学受験数学の文系のスケジュールとは?

文系学生が大学受験で数学を使う際にどんなスケジュールを立てればいいのか、解説します。

高校2年生

高校2年生の時には基礎知識を詰め込んでいくことが求められます。文系数学では数ⅡBまでが対象なので、数Ⅲまである理系数学と違い、習っていない部分まで勉強をする必要がありません。中学数学からできるかどうかを確認していき、1つずつ苦手な単元を潰していくような形が求められます。

高3の4~6月

高3の春先はどれだけ知識を詰め込めているかにもよりますが、公式の暗記と典型問題の解き方を網羅していくことを優先しましょう。基礎固めに通じるもので、この時期までに基礎固めを終えるとあとは演習問題を解くだけになります。

高3の7~9月

高3の夏場は演習問題をどんどん解いていきます。公式を正しく活用できているか、解き方を理解できているかを確かめ、色々な角度からの問題に取り組んでいきます。入試問題に取り組む前に様々なパターンを学ぶことで、過去問などを見た時に既視感を感じることができるでしょう。

高3の10~12月

この時期には共通テスト、センター試験の過去問などを取り組んでいきます。そして志望校が定まり始める時期なので、第一志望の大学と同じレベルの大学入試の問題まで取り組み始めることをおすすめします。数学はとにかく問題をこなして復習を行うことが重要で、得点アップにつながります。

高3の12月~受験

冬場に入れば、やるべきことは共通テスト対策と志望校対策の2つのみです。マーク式や記述式は様々ですが、マーク式でも計算式は丁寧に書いていくようにし、できるだけ手抜きはせず、その中で時短を目指して時間に収める努力が必要です。高2の段階で基礎固めをしておかないと、この時期に基礎固めは非常に厳しいので、「あの時勉強しておけばよかった」とは思わないよう、高2の時から計画的に勉強していきましょう。

大学受験数学の文系の勉強法を試験ごとに解説

共通テスト対策、2次試験対策、私立入試対策、それぞれの勉強法を解説します。

共通テスト(センター試験)対策

共通テスト対策として、まずは傾向をつかむことが大切です。模試などで共通テスト対策が行えるので、模試をただ受けるのではなく、100点になるまで何度でも解き直すなど共通テスト形式の問題に慣れることが求められます。センター試験の過去問も数学力を高めるには効果的ですが、共通テストにも傾向と対策が活用できるかは未知数です。ですので、共通テスト形式の模試を中心とした対策が確実です。

国立2次試験対策

国立2次試験は、基本的に記述がメインとなり、それぞれの大学で傾向が大きく変わります。大学によっては奇問珍問難問が飛び出すこともあり、一見すると対策は立てにくいかもしれません。しかし、奇問珍問難問は何かしらの公式をいくつか使えば解けるケースが多く、「究極のイジワル問題」と言うべきでしょう。そこにとらわれるのではなく、基本に忠実に問題をこなし、できなければ解説を読んでできるまで解くなどの対策で十分です。入試本番で慌てないよう、傾向をしっかりとつかみ、場合によっては同じレベルで別の国立2次試験問題に取り組むのもいいでしょう。

私立一般入試対策

私立一般入試は、大学ごとにマーク式、記述式の違いもあれば傾向も変わります。英語が難しいあの大学は、数学だと結構易しいなど、色々なパターンがあるので、それぞれの大学の過去問を中心に解いていきましょう。ただ傾向を導いて忠実に守ろうとするのは危険なので、あまり過信はせず、できない問題を潰していくような形がいいでしょう。

大学受験数学で文系におすすめの参考書をレベルごとに紹介

文系学生が数学の勉強をする際にどんな参考書を使えばいいのか、レベル別に解説します。

日東駒専レベル

黄色チャート

「黄色チャート」は、チャート式参考書の中でオーソドックスなレベルの参考書です。黄色チャートを完璧にこなすことでMARCHレベルに到達すると言われています。基礎がわからないとできない問題が多く、ここで基礎固めができているかどうかを判断できるので、早い段階で購入しておくべき1冊です。

小倉悠司の ゼロから始める数学1・A

「小倉悠司の ゼロから始める数学1・A」は、これから数学ⅠAを学ぶ人、苦手意識がある人におすすめの参考書です。講義形式で進んでいき、「ゼロから解説」と呼ばれる、途中式まで省略せずにすべて網羅されているほか、中学数学の部分まで触れられている非常に良心的な1冊です。

MARCHレベル

文系の数学 重要事項完全習得編

「文系の数学 重要事項完全習得編」は、受験で出やすい頻出問題や基礎知識をまとめた参考書です。これを完全に網羅することで数学の基礎知識は確実に身につくので、MARCHレベルを目指す人にとっては取り組むべき1冊と言えるでしょう。

カルキュール 数学

「カルキュール 数学」は、教科書レベルの問題をまとめた参考書です。200問以上の計算問題が登場し、何度でも解けるような設計になっています。着実に基礎を固め、よりレベルアップを目指したい場合に使うと、数学力のアップを感じやすくなるでしょう。

早慶レベル

文系数学のプラチカ

「文系数学のプラチカ」は、タイトルの通り、良問が詰まった参考書です。一筋縄ではいかない問題が多く、黄色チャート、青チャートをすんなりと解けるレベルの人が次に取り組むべき参考書とも言われています。1日3題で2か月で1周できるのも特徴的です。

合格る計算

「合格る計算」は、計算力のレベルアップを図るためのテクニックが多く登場する参考書です。こうすればより問題が解きやすくなるというテクニックが数多く収録されており、テクニックをたくさん学びたい人は必ず購入すべき1冊です。

大学受験における文系数学に必要な勉強時間はどれくらい?

文系数学に必要な勉強時間はだいたい800時間程度です。理系数学で必要になるのがだいたい1000時間程度なので、数Ⅲがない分、減らすことができます。チャート式を始め、何回も解いていくとなれば800時間でも足りない場合が出てきます。一応の目安が800時間ですが、余裕があれば1000時間以上こなしてもいいでしょう。

まとめ

文系で数学ができるのはなかなかのハイスペックで、文系でありながら数学的思考力が持てればかなり最強です。それだけ文系学生にとって数学は高嶺の花のような存在である一方、大人になれば、こんなものはいらないと吐き捨てたくなるのでしょう。基礎知識を叩きこんで多くの問題をこなしていくと、数学の楽しさは感じられます。まずは基礎固めから始めていきましょう。

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