暗記科目である日本史は、できるだけ時間をかけず、英語や国語に勉強時間を割いた上で高得点を狙った方がいいとされています。そのため、いかに短期間で日本史の学力を伸ばすかが焦点になりやすいです。
今回は日本史の学力を短期間で伸ばす方法や定期テストや共通テストなどで高得点を狙えるやり方、それぞれのおすすめの参考書などをまとめました。
日本史の学力を短期間で伸ばすための3ステップ
日本史の学力を短期間で伸ばすために必要なことを、3つのステップに分けてご紹介します。
STEP①:講義形式の参考書を読み込む
短期間で伸ばすには、まず日本史の基礎をつかむ必要があります。日本史は歴史の流れで覚え、そこに付属する重要キーワードを覚えていくことで学力を伸ばすことができます。講義形式の参考書は、流れを分かりやすくし、重要キーワードの説明もしっかりとしているので、短期間で日本史の学力を伸ばしたい場合に必ず用意しておきたいアイテムです。
STEP②:一定の範囲が終わったらその都度一問一答で暗記する
歴史の流れをつかみ、同時に重要キーワードを覚えていくわけですが、例えば縄文時代と弥生時代が終わったとしたら、その2つの時代に関する重要キーワードの暗記を一問一答形式の参考書を使って暗記を行います。参考書を読み込む、一問一答で暗記する、最初はこの2つを繰り返していき、短期間で知識の定着を図ります。
STEP③:参考書や過去問などでひたすらアウトプットをする
時間があればまとめノートの作成もいいですが、時間がないとなるととにかくインプットとアウトプットを繰り返していくしかありません。インプットが終われば、後は参考書や過去問など、問題演習をどんどん繰り返し、アウトプットを行います。抜け落ちている部分があれば、適宜インプットをしていけばいいでしょう。大まかに、この3ステップで一定の日本史の学力はつけられます。
短期間でゼロから日本史の学力を伸ばす勉強法とは?
日本史の知識がほとんどない、ゼロであるという場合にどうやって日本史の学力を伸ばしていくべきか、その勉強法をまとめました。
マンガで流れをつかむ
小説や映画が大ヒットしたビリギャル。ビリギャルは日本史も学んでいましたが、ビリギャル自身ゼロからのスタートでした。そのビリギャルに対して、指導した坪田信貴さんはマンガで歴史を学ぶようにアドバイスを送ります。図書館などに行くとマンガで日本の歴史を振り返ることのできる本が置いており、わかりやすく歴史の流れをつかむことができます。講義形式の参考書はある程度の知識が最初にないといけないので、マンガで歴史を学ぶ行為は基礎の基礎。ここで基礎の基礎を固めて、講義形式の参考書につなげていくのが理想的です。
授業動画を見まくる
日本史の知識が全くない中で教科書や普通の授業を見聞きしても、全く分からない話をしているだけなので面白くありません。日本史って面白いんだ!もっと知りたい!といかに思えるかがポイントになります。そこでおすすめなのが授業動画を見ることです。スタディサプリで代表される授業動画はもちろん、YouTubeにも面白い日本史の講義動画がたくさんあります。ものすごく面白い!と思えれば、日本史を勉強するモチベーションが生まれます。もちろん動画の内容は授業としてとても有益ですが、強いやる気を生み出すことこそ、重要なのです。
一問一答や問題演習などを繰り返す
日本史の知識がない状態から、マンガで基礎の基礎を固め、授業動画で日本史の楽しさに気づいたら、あとは一問一答形式の問題集、参考書の問題演習などを解いていきます。解ける喜びを感じられたら、あとはいいスパイラルに入っていくので心配いりません。日本史って面白い!と思えたら知識を吸収するまでの時間は一気に短縮されます。普通に勉強している学生よりも素早く習得できるかもしれません。
日本史の定期テストで短期間で高得点を取る勉強法
テスト期間に入ってから勉強し始める人もいる日本史の定期テスト。短期間で高得点をとる方法とおすすめの参考書をご紹介します。
テスト範囲の教科書をできる限り読み込む
日本史は暗記科目であり、教科書に出てきた言葉や出来事がテストにどんどん出てきます。となると、教科書をできる限り読み込み、流れをつかみつつ、言葉を覚えていく方が間違いなくプラスに働きます。テスト範囲といってもそこまでページ数はなく、1日で読み進められる量を考えれば毎日全てを読み込むことも可能です。スキマ時間はすべて日本史の教科書を読むのに使うぐらい読み込んでいくと、頭の中に必要な知識は入るはずです。
プリントや副教材で問題演習に挑む
内申点の評価のために、小テストなどを活用するケースがあります。授業中に配られたプリント、小テスト、そして副教材のワークなどを活用して問題演習を行うのが定期テスト対策としてかなり有効です。すべて教科書から出すのは先生としてもプライドが許しません。そして、マジメに授業を受けているかどうかを確かめるために、これらのものから出てくる可能性も十分に考えられます。事前にコピーをとり、何度でも解ける状態にし、答え合わせを教科書を使って行うなどすれば、必要な知識がアウトプットされつつ、インプットもできるようになるでしょう。
日ごろからまとめノートを作っておく
出題範囲は基本的に教科書からですが、先生によっては普段の会話でどこが出るか、なんとなく匂わせているケースがあります。どんなことに力説しているのかをノートに書きこんで、それをテスト期間中に振り返る際に分かりやすくしておくのがおすすめです。日ごろからまとめノートを作っておけばとても便利です。現時点で作っていない方は、テストが終わってから取り組み始めてもいいでしょう。それがあるとないとで、勉強効率がかなり違います。
おすすめ参考書
山川一問一答日本史
「山川一問一答日本史」は山川出版社が出している一問一答形式の参考書です。日本史の教科書のシェアの大多数を握る山川出版社が出している参考書なので、教科書の内容を暗記するのに最適な1冊です。テスト前の総仕上げに重宝します。
詳説日本史 改訂版 ノート
「詳説日本史 改訂版 ノート」は、こちらも山川出版社が出している書き込みタイプの参考書です。ところどころ空欄になっており、それを埋めていきます。教科書の順番通りにまとめられており、内容がコンパクトにまとめられているのも特徴的です。
日本史総合テスト 改訂版
「日本史総合テスト 改訂版」も山川出版社が出している、問題演習をメインにした問題集です。テスト形式になっており、これをコピーすることで何度でもテスト問題が解けます。それぞれのテーマではしっかりと解説も用意されているので、答え合わせをしながら内容把握を行っていくこともできます。
日本史の共通テストで短期間で高得点を取る勉強法
共通テストで日本史を選ぶ場合に、短期間でどのように得点を稼いでいけばいいのか、その勉強法をご紹介します。
使用する参考書や問題集の種類を絞って完璧に解き切る
1か月、2か月の勉強で共通テストの点数を9割以上とった人もいるなど、短期間で高得点が狙えるのが日本史のいいところです。実際に行われている勉強法として、参考書や問題集を何度もやって解き切るやり方があります。この時、参考書や問題集は1つか2つに限定し、それを徹底的に学ぶのがおすすめです。いくつもやると分散されてしまい、内容を深いところまで把握することができなくなります。時間がない以上、評判のいい参考書を徹底的にやり切る、これが大切です。
単語を覚えるよりも歴史の流れの理解を優先する
共通テストでは、重要語句の細かな説明に関してあまり聞かれない傾向にあります。それよりも、歴史の流れをしっかりと理解しているのかをチェックする傾向が強まるとされており、まずは歴史の流れを理解することが大切です。歴史の流れを理解する中で自然と重要語句の意味もなんとなくわかるようになります。定期テストでは一問一答形式の参考書で言葉を覚えていけば点数になりましたが、歴史背景まで知らないと共通テストでは点数になりません。そこが共通テストと定期テストの違いです。
共通テストならではの問題形式に慣れる
センター試験と共通テスト、それぞれ問われる知識量に大差はありませんが、決定的に違うのはグラフなどの読み取り問題です。多くの問題が読み取り問題になっており、いかに多くの史料を見ているか、読み取れるかが点数を大きく左右するといっても過言ではありません。参考書の中には史料の読み取り問題を扱っているものも少なくないので、歴史の流れをつかむのと並行してアタックしていきましょう。
おすすめ参考書
日本史 図版・史料読みとり問題集
「日本史 図版・史料読みとり問題集」は、史料問題などに特化した問題集です。山川出版社が出しており、教科書で登場する史料、図版から問題が出題されます。160点もの史料や図版が収録されているので、どのように読み解いていけばいいのかがわかります。
実力をつける日本史100題
「実力をつける日本史100題」は、テスト形式でアウトプットが行える参考書です。空欄に単語を入れる問題など様々な形式があり、点数をつけていけるので、目標点数を設定して挑むこともできます。解説も細かく書かれており、解説を読み込んでインプットを行っていくのもいいでしょう。
大学入学共通テスト 日本史Bの点数が面白いほどとれる本
「大学入学共通テスト 日本史Bの点数が面白いほどとれる本」は、知識がゼロの状態から取り組める参考書です。教科書だけではごちゃごちゃになりやすい歴史の流れがまとめられ、時系列ごとにまとめられています。日本史で点数をとりたい理系学生にもおすすめで、日本史が苦手な人でも取り組みやすく、ボリュームもしっかりとあって着実に力がつく1冊です。
日本史はゼロから最短どのくらいで共通テスト高得点を狙える?
もし日本史の知識がゼロな人が、どれくらいの時間をかければ高得点を狙えるようになるのか、とても気になる部分ではないでしょうか。結論から言うと、最短で1か月勉強すれば高得点を狙えるようになります。教科書や参考書を読み込んでいくのに時間がかかりますが、その都度アウトプットを心がけていけば、インプットとアウトプットの両立は可能です。そして最後の1週間はとにかく演習問題を解きまくり、出来なかった部分をインプットしていくと、高得点は十分狙えます。
日本史が間に合わないと感じている受験生がすぐにやるべきこと
時間的に余裕がなく、このままでは間に合わないと感じている受験生が取り組むべきこと、すぐにやるべきこととは何かをご紹介します。
時間がないからこそ歴史の流れをつかむ
時間がないと焦りが生じるものですが、無理やり知識を詰め込んだとしても結局のところ抜けやすくなってしまい、せっかく勉強した意味がなくなってしまうことがあります。ですので、時間がないからこそ歴史の流れをつかむことが重要です。歴史科目における歴史の流れは、冒険における地図のようなものです。地図がなければどこにいるのかもわかりません。地図さえあれば、たとえ道具がなかったとしても、太陽の位置、地形などから類推して居場所がわかります。教科書や講義形式の参考書をとにかく読んで流れをつかみましょう。
スピードマスター日本史問題集を活用する
時間的に間に合わない場合、とにかく問題演習に取り組んで、インプットとアウトプットを並行して行うしかありません。そこでおすすめなのが「スピードマスター日本史問題集」の活用です。スピードマスター日本史問題集には、「30日完成」と書かれているように、1か月で解き切ることができます。要点がまとめられ、何周もすれば共通テストでも一定の点数が狙えます。1日で数日分を行い、それをひたすら解き、出来ないものはインプットしていく作業を行えば、少しでも点数の上積みが狙えます。
過去問を解いて足りない部分を少しでもカバーする
歴史の流れをつかんだらすぐに過去問を解きましょう。そして、分からない問題などに出会ったらそこで重要語句や出来事のインプットを行います。これを繰り返していけば、入試に出てくるものの目星がつきやすくなるでしょう。共通テストやセンター試験の過去問、志望校や志望校と同レベルの大学の過去問をとにかく解いて、インプットとアウトプットを行っていきましょう。
まとめ
短期間で学力を伸ばすといっても、できれば下地ぐらいは作っておきたいところです。ゼロから始めるといっても1か月では厳しく、日本史に時間を割く必要が出てきます。しかし、英語などの教科もやらなければならず、日本史だけに時間を使うのは効率的とは言えません。なるべく数か月の時間で学力を伸ばしていくのが理想的ですが、必死に、集中して取り組むことができれば決して不可能な話ではないので、過度に焦らず、1つ1つ取り組んでいきましょう。