理系学生にとっては高得点が狙える一方、文系学生からすれば苦手分野になりやすい高校の物理。定期テストは理系文系それぞれにとって重要な局面と言えるでしょう。
今回は高校物理の定期テストにスポットを当て、高校物理の定期テストでいかに高得点を狙うかについてまとめます。
高校物理の定期テストは難しい
科目によって、定期テストの難易度に差が生じるのはよくある話です。ただ高校物理の定期テストに関しては基本的に難しいと言われています。それはなぜか、解説します。
高校物理の定期テストの平均点は低いことが多い
高校物理の定期テストにおいて、平均点が低いことが多いです。この理由として、難易度の設定が難しいことが挙げられます。この場合の難易度というのは、生徒の守備範囲が狭い中、明らかにキャパシティオーバーと思われる範囲の広さが要因となっています。範囲が広いということは、それだけ単元が多いことを意味し、カバーしきれない生徒が多くなり、赤点につながってしまうことが出てきます。
理解も中途半端な状態で先に進まざるを得ず、結果的に点数も確保できないわけですから、平均点が低くなるのは仕方がないことなのかもしれません。
高校物理の定期テストが難しいと感じる理由
公式を覚えるだけでは点数にならない
生物など理科にも暗記科目があります。暗記科目は成績がとりやすく、同じ理科でも高得点がとれる科目がある一方で物理は暗記すれば高得点が狙えるわけではありません。数学と同様、公式をいかに活用して答えを導くかが重要になるので、公式を覚えるだけでは不十分です。公式を正しく活用するには、様々な勉強を行う必要があるので、成績が伸びにくくなるというわけです。
なかなか勉強の成果が出にくい
暗記科目であれば、覚えるものを覚えればすぐに点数が稼げます。ですので、暗記科目は一夜漬けで臨む人が出てきます。ところが、公式を活用しないといけない物理は一夜漬けではどうにもならず、少し勉強したから点数が稼げるわけではありません。勉強の成果が出にくいため、モチベーションを維持しにくい部分もあります。
深く理解をする時間がない
物理で高得点を狙うには、基本原理の部分から物理の単元を理解しなければなりません。ところが、範囲が広いため、1つの単元を深く理解する時間が残されておらず、基礎を理解したつもりになって次に進まざるを得ません。そのため、先に手をつけた単元ほど忘れやすく、全ての範囲があやふやのまま、テストに挑み、赤点のような点数を出してしまうのです。
高校物理の定期テストの勉強法を5ステップに分けて解説
高校物理で点数を出すためにどんな勉強法があるのか、5つのステップに分けてご紹介します。
ステップ❶:範囲を調べて計画を立てる
高校物理の定期テストはとにかく範囲が広いため、テスト範囲を調べ、何をいつまでにやるかを徹底する必要があります。計画をしっかりと立てて挑むことが大切です。計画を立てないと深く理解をする前に次に行かざるを得なくなるので、必ず計画を立てましょう。
ステップ❷:教科書を読んで理解できるところをチェックする
テスト範囲にあたる教科書の部分をまず読んでみて理解できるかどうかを判断します。パッと見てわからない部分は復習を行う必要がある部分です。教科書を読んで思い出せるか、思い出せないかもチェックして、思い出せないようであれば基礎からやり直す必要が出てきます。
ステップ❸:講義系参考書を活用する
勉強を行う上で、講義系参考書は必ず持っておくべきです。教科書を読んでも理解できないことが往々にしてあるためで、よりかみ砕いて内容をわかりやすく伝えてくれる講義系参考書を購入し、それを使って勉強を進めると基礎から理解することができるようになります。
ステップ❹:言葉や公式を暗記する
原理がわかったら、いよいよ言葉や公式の暗記に挑みます。なぜこの公式を用いるのかを理解してから暗記に挑むと内容がスッと入りやすくなるものです。機械的に覚えるよりも間違いなく、暗記の理解が深まりやすいので、講義系参考書で学びながら覚えていくようなイメージでいいでしょう。
ステップ❺:問題演習を徹底して行う
公式などを覚えたら、あとは問題演習を行うのみです。分からない部分があれば解説を読み込み、自分で解けるまで何度でも解き続けていきます。どんな公式を使えばいいのかもわからない段階から確実にレベルアップを重ねており、正しい公式を正しく活用できるレベルになれば、少なくとも物理の定期テストで苦戦することにはならないでしょう。
【高校物理の定期テストの勉強法】テストまでの期間ごとに解説
2週間以上前
物理の定期テストは範囲が広いことを再三ご紹介していますが、既に授業で教えてもらって終了している単元は当然あります。これを勉強していくことで、正式にテスト範囲が出てから勉強し始めるよりも勉強する範囲が狭くなります。もしかするとテスト範囲が発表される時期の直前にやったことは定期テストの範囲にならないかもしれません。ですので、前回の定期テスト後すぐに扱いだした単元から始めていくのがいいでしょう。
定期テスト2週間前
2週間前になればテスト範囲が発表されるため、その範囲を中心に勉強を始めていきましょう。講義系参考書を読み込んで公式を暗記することを重点的に取り組み、それが済んだ単元から問題演習に取り組んでいくのが理想的な流れです。
定期テスト1週間前
1週間前までには暗記などを終えるのが理想で、1週間かけて問題演習を行うことが大切です。何度も行っていく中で習熟度は段々と増していくものです。この時期になって公式の暗記をし始めると時間切れになりやすいため、1週間前までに公式は終わらせるという感覚は持っておくべきです。
定期テスト前日
この1週間の中で、何度も間違える部分が浮かび上がってくるはずです。前日にやるべきことは、何度も間違えた部分を徹底してやり直すことです。前日に行うことで記憶に残りやすく、もしテストに出てきても、前日にやったことを思い出せれば点数につながりやすいでしょう。
高校物理の定期テスト対策は受験にも役立つ?
物理の定期テストですら範囲が広いと言われるわけですから、これが大学受験となればあまりにも範囲が広く、一夜漬けでは到底乗り越えることができないのは明らかです。定期テストですら一夜漬けが厳しいと言われる物理において、計画的な勉強を行っていくことはとても重要なことです。
【高校物理の定期テストの勉強法】ノートの取り方・まとめ方
定期テストでの勉強ではノートの取り方がとても重要です。取り方、まとめ方を解説します。
図を書き、文章で解説する
物理は様々な図が出てきます。このため、図を書くことはノートをとる際に必須です。ただ図を書くのではなく、その図が何を意味するのか、文章で解説することも必要になってくるでしょう。後で見返した時に、その図が何を意味するのかを自分自身で理解できなければ、ノートをとってる意味がありません。後で見返してもその意味が理解できる状態になっていれば、そのノートは素晴らしいノートです。先生が解説した通りに書くのもいいですし、自分なりに解釈した書き方でもいいでしょう。基本原理が理解できるのであれば、どんな書き方でもいいのです。
黒板に書かれていないことも時に補足する
黒板に書かれていることをノートに写すだけでは、いわゆる写経のようなものです。黒板に書かれていないことであっても、自分の理解を深めるために必要であれば、補足していくことも必要でしょう。要するに、これはこういうことを意味すると注釈を入れていく感じで書いていくと、後で見返した時に、その時は忘れていても注釈を見て、思い出すことも出てくるはずです。
余白に気づいたことを書く
授業のノートをとる際に必ず余白を残しておき、気になったことを書いていくことが大切です。わからないところは先生に聞くのもいいですし、後で自分で調べるのもいいでしょう。余白に気づいたことをどんどん書き込んで、それに対するアンサーを書き込んでいけば、自分だけの参考書になっていくでしょう。結局、自分さえ理解できればそれでいいのです。
まとめ
物理の定期テストはとにかく範囲が広く、テスト勉強を失敗すれば赤点も覚悟しないといけないほど厳しい状況になります。学校の先生もテスト勉強の難易度設定は難しいと嘆く人が多いようですが、1問1問の難易度は決して難しいとは言い難く、結局広い範囲に対応できるだけの力があるかどうかが問われます。この延長線上に大学受験が控えているので、定期テストで点数がとれないのに、大学受験で点数がとれるはずがありません。
国公立大学や物理系の学部を狙う人は、既に大学受験に向けた道のりは本格的にスタートしたと考えるべきでしょう。そして、定期テスト対策は大学受験対策に通じると考え、1つ1つの単元を丁寧に勉強し予習復習を行っていき、苦手意識をそのままにしないようにしていけば、本格的な受験勉強で苦しむようなことにはならないでしょう。