必死に勉強をしているといつの間にか断続的に5時間も6時間も勉強していることがありますが、これはかなりのレアケース。実際は1時間程度勉強すれば集中力が途切れてきて、休憩をすることになります。
今回は休憩にスポットを当て、なぜ休憩は必要なのか、どんな休憩方法があるのか、おすすめの過ごし方などを解説します。
勉強の休憩が効率を上げるために必要な理由とは?
休憩を行うことで作業効率を上げることができます。それも休憩が必要な大きな理由ですが、他にどんな理由があるのかを解説します。
集中力の問題
人間はどれくらい集中力を持続できるのかについては諸説あり、90分という説もあれば1時間という説もあります。近年は15分周期で集中力の波があるという説が出てきており、15分で集中力が切れ始めるケースも。子どもだと15分で飽きてしまうものの、大人はその都度集中力を整え、15分を乗り切ります。これが1時間になってくるとごまかしがきかなくなってくるというわけです。休憩を行い、リセットすることでまたゼロから集中できるのです。
エラーを防ぐ
人間は疲れてくると注意力が散漫になり、ヒューマンエラーを起こしやすくなります。集中力が切れていることも大きいですが、疲れがエラーを引き起こすと考えるべきです。休憩を行ってリフレッシュができるので、少しでもエラーの可能性を下げることができます。
眠気をとる
睡眠不足や疲れ、食事をとって血糖値が上がってから下がるまでに眠くなるなど、勉強の妨げになる眠気の問題。休憩を行うことで眠気をとることができます。気分転換にコーヒーを飲む、空気を吸いに行く、仮眠をとる、様々な方法で眠気がとれて勉強に集中できるようになります。
精神的なリフレッシュ
休憩をとることで肉体的な疲労をとることができますが、それだけでなく精神的なリフレッシュにもつながります。休憩をしないと、「休憩せずに断続的に勉強を行うことへのストレス」がたまりやすくなるでしょう。適宜休憩を行えば、その心配がなくなり、勉強に集中できます。
バランスのいいコンディションにつながる
休憩をとることでコンディションを常にバランスよく保ち続けることができます。のどが渇く、トイレに行く、食事をとるなど、1つ1つ無視していけば身体に変調が訪れます。特に冬の時期は水分不足をきっかけに風邪をひき、体調を崩すことになれば大変です。1度コンディションを崩せば戻すのに時間がかかるからです。バランスのいい状態を保つには休憩が必要です。
勉強中の最低な休憩時間とタイミング
勉強中に最低限どれだけ休憩時間が必要なのか、休憩の最適なタイミングと合わせてご紹介します。
勉強の休憩は何分が最適なのか
休憩時間としてふさわしいのは10分程度とされています。学校の休み時間が10分なところが多く、集中力を整えるのには最適です。多少疲れがあればもう少し長めにとるのもいいですが、それでも15分~30分にとどめるのが理想的です。それより長くなると再び勉強を再開するのにパワーがいるため、いったん整える時間を設けて仕切り直しをする感覚で休憩を入れるのであれば10分、15分あたりがいいでしょう。
勉強中に休憩を取るべきタイミングとは?
眠くなった時
給食後の授業でついつい眠くなってしまう人が少なくありません。これは怠けているからではなく、血糖値の変化が眠気を誘発するからです。睡眠不足のケースもありますが、眠くなった時点で集中は明らかに欠き、頭の中に授業の内容が入りませんし、当然自宅で勉強している場合でも同じです。ここで顔を洗いにいくなど休憩をいれ、眠気を取り除くのがいいでしょう。
集中力が途切れた時
雑音など様々な要因で集中力が途切れることがあります。集中力が途切れるタイミングで休憩を入れ、雑音対策などを施すのがいいでしょう。集中力が途切れた状態で粘っても効率のいい勉強はできません。
問題がうまく解けない時
数学など問題を一生懸命解こうと思っても、なかなか答えを出せずに困ってしまうことがあります。そんな時はいったん休憩を入れて、問題から距離を置くのがいいでしょう。休憩から戻った時、意外な糸口を見つけてそこから一気に問題が解けることもあるはずです。
イライラした時
なかなか暗記ができない、参考書の内容がわからないなど段々とイライラすることがあります。イライラした状態では、普段見落とさないようなところも見落とす場合があり、冷静とは言い難いでしょう。そういう時ほどまずは落ち着くために休憩を挟み、冷静さを取り戻しましょう。
トイレに行きたくなった時
トイレに行きたくなるのは生理現象として普通にあり、防ぐことはできません。このタイミングこそが休憩を入れやすい場面であり、水分補給などを行うだけでなく、手や顔を洗って気合を入れ直す時間にも活用できます。
勉強の休憩時間って何する?効率的な過ごし方を解説
休憩をとる大切さがわかった一方、具体的にどんな休憩時間を過ごせばいいのか、効率的な過ごし方について解説します。
音楽を聴く
音楽を聴くことでリラックスすることができるほか、気持ちを高めてモチベーションを上げて勉強に取り組むことができます。ただあまりにもテンションが上がって何曲も聴いたり、音楽を聴きながら勉強したりしないようにしましょう。
ストレッチなどの軽い運動を行う
長時間座りっぱなしの状態は肉体面精神面共にいい影響を与えません。腰痛などを抱える前に、休憩のタイミングでストレッチを行いましょう。長めに休憩時間をとり、散歩に出かけるのもおすすめです。
読書をする
気分転換や情報収集を兼ねて読書を行うのもおすすめです。短い休憩時間でも読書を行うことはできます。電車の中で本を読むのような感覚で、スキマ時間を有意義に使っていくと長い目で見た時にプラスに働くはずです。
手や顔を洗う
トイレに行く際、眠気を取り除く際にやっておきたいのが、手や顔を洗うことです。冷たい水で洗うことで自律神経が刺激され、眠気が取り除かれます。気合を入れ直す際にも効果的で、気合を入れるスイッチのような役割を果たすはずです。
飲み物を飲む
勉強中にノドが渇いて飲み物を飲むのもいいですが、休憩時間に関しては自分が好きな飲みのを飲むようにすると、いいリラックス効果が得られるでしょう。勉強中に飲むのは水、休憩中に飲むのは紅茶みたいな分け方をすると、オンとオフの切り替えにつながりやすいです。
糖分補給を行う
一生懸命勉強をしていると脳がどんどん疲れていきます。脳は糖分をエネルギーとしており、勉強をしていく中でエネルギーが枯渇します。特にブドウ糖がおすすめで、ラムネなど簡単にブドウ糖が補給できる食べ物がおすすめです。
仮眠をとる
少し眠気を感じた場合には15分程度仮眠をしましょう。15分程度であれば眠気だけを取り除くことができ、睡眠に影響を与えずに済みます。30分以上寝てしまうと体に影響を与え、再び勉強を再開し直すのに時間がかかります。仮眠前にカフェインを摂取するなど目覚めやすい状態を作ってから仮眠するのがおすすめです。
家族や友人と話す
ずっと1人で勉強をしているのは色々と煮詰まってしまいがちです。そこでおすすめなのが会話です。会話をすることで気持ちがリフレッシュされ、仕切り直しがしやすくなります。家であれば家族と、学校や予備校などでは友人と話を行い、気分転換をしていきましょう。
換気を行う
新型コロナウイルスの影響で密閉空間は感染リスクが高まるという観点から換気を行うケースが増えています。もちろん感染リスク低下の意味合いもありますが、汚れた空気を外に出し新鮮な空気を取り込む狙いもあります。二酸化炭素濃度が高まると眠気を誘発しやすくなるため、適宜、換気を行うことはとても大事です。
掃除を行う
気分のリフレッシュという観点で考えると掃除もかなりおすすめです。勉強スペースが散らかっていると集中が途切れやすいですが、掃除を行うことで気持ちの面でも気分が一新されます。集中しやすい環境にもなるため、決まったタイミングで掃除を行うのがいいでしょう。
勉強の休憩でスマホやゲームをしても良いの?
スマホやゲームを休憩時間に行う人がいますが、オンとオフの切り替えがしっかりとできる人は特に問題はありません。しかし、スマホやゲームをやっていくとついつい時間を浪費してしまうことを自覚している人はおすすめできません。10分休憩のつもりが30分も浪費していたとなるともったいないです。そのような自覚がある人は食事中や自由時間などに行うようにし、勉強中の休憩では極力控えましょう。
勉強中の休憩で注意すべきこと
勉強中に休憩を挟む際にどんなことに気を付ければいいのか、注意点を解説します。
勉強のスイッチを切らない
仮眠しすぎた場合やゲームに熱中した場合など、リラックスモードに入り過ぎて勉強のスイッチが切れてしまうと再び勉強モードに戻すのに時間がかかります。休憩時間が大幅にオーバーするだけでなく再起動にも時間がかかるため、本来の休憩時間の何倍も浪費することになるでしょう。勉強のスイッチを切らない程度の休憩を心がけるべきです。
日常的に行えるものにする
勉強中の休憩はほぼ毎日行うものであり、いわば日常的な行動です。つまり、勉強中の休憩が行動パターンになるため、気まぐれで休憩のやり方を変えるのはおすすめできません。特に運動を伴うケースはできるだけ一定にし、時たま散歩を行う程度にするのがよく、本格的な運動を休憩に挟んだところで長く続かない可能性が高く、効率的に良くないでしょう。
周囲に迷惑をかけない
休憩は基本的に自分のタイミングで行うものなので、時に周囲を巻き込むことがあります。音楽を流してリフレッシュする、急に友達に話しかけるなど、明らかに迷惑なこともあるでしょう。せっかく好意的だった人からの信頼を失うのは絶対に避けるべきであり、協力してもらえなくなります。休憩をするにしても迷惑をかけないことを心がけましょう。
勉強中の休憩がいらないと感じる場合はどうする?
人によっては休憩なんか必要ない、集中していれば何時間でも勉強し続けることができると豪語する人がいます。確かに集中していると時間があっという間に過ぎているものです。無理に1時間おきに10分休憩を行う必要はなく、集中力が途切れるまで勉強を行い、良きタイミングで休憩を入れて集中力を整えるようにすればいいでしょう。キリが良いところまで断続的に続けても問題ありませんが、長く座りっぱなしだと身体に悪いので、なるべく休憩を入れられそうなところで休憩していきましょう。
まとめ
休憩を行うことは作業効率を高める点において必要なことです。ただ無計画な休憩は非効率的であるとともに、無駄な時間を費やすことにもつながります。無駄のない勉強時間のために、できるだけ計画的な休憩を心がけ、細かなところは臨機応変に対応していくのがいいでしょう。