エビングハウスの忘却曲線を活かした効率的な復習法とは?復習のコツも解説

勉強するうえで特に多い悩みのひとつに、「忘れやすさ」が挙げられます。
「せっかく勉強してもどんどん忘れてしまうから意味がない…」
「忘れないように頑張ってもあまり効果がなく、どう復習すればいいのか分からない…」
という経験をしたひとも多いのではないでしょうか。

実はこの「忘れてしまう」現象をまとめた、エビングハウスの忘却曲線という理論が存在します。 今回はこのエビングハウスの忘却曲線について解説しながら、それを逆手に取った効率的な学習法および復習のコツを紹介していきます。
忘れやすさは自分の性格によるものだと考えてしまっているひとがいれば、是非参考にしてみてください!

エビングハウスの忘却曲線とは?

まずは、エビングハウスの忘却曲線について理解を深めましょう。ここでは、概要を説明します。

時間が経つほど記憶されにくくなることを示す理論

エビングハウスの忘却曲線は、1度勉強したことであっても1時間には56%忘れてしまい、1日後には74%、7日後には77%、30日後には79%忘れることを示した曲線のことです。
ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが提唱した理論であり、無意味な音節をどれくらい記憶できるのか、時間の経過と共に検証した結果を表しています。
1ヶ月後には勉強した内容のうち8割近くを忘れ、たった2割しか覚えていないという驚きの理論であり、「時間が経つほど記憶されにくくなる」ことが分かります。
よく勉強の場で耳にする「習ったのが昔すぎて忘れてしまった」というシーンでは、この現象が起きていることが分かりますね。

繰り返し学ぶことで記憶に定着できる

人の忘れやすさを示す一方、エビングハウスの忘却曲線は「繰り返し学ぶことの大切さ」にも触れています。
1度学んだだけでは30日後に79%も忘れてしまいますが、忘れる前に何度か同じ学習をすることで、この忘却曲線を初期に近い段階までグッと引き上げることができるのです。
何度も繰り返し脳に入ってくる情報は自然と優先度合いが高まりますから、その後また忘れてしまう場合でも、忘れ方が少し緩やかになっていくと示されています。
つまり、
「単語は繰り返しやって覚えよう」
「定期的に苦手科目の対策をしよう」
「忘れた頃を狙って学習するのが効果的」
と言われる所以は、ここにあると分かります。繰り返し学ぶことで記憶に定着するのだと言えるでしょう。

学習にかける時間の短縮化も望める

エビングハウスの忘却曲線では、1度学んだことを再度学ぶ場合、1度目と同じ時間をかける必要がないことにも言及しています。 同じ内容を複数回学ぶ場合でも、最初の時間数×回数分、正確な時間数を確保する必要はありません。短い時間で効率よく思い出しながら復習できます。 例えば、小学生で習う漢字を小学生が1から学ぶのと、復習がてら大人が学ぶのとでは、必要とする時間は全く異なります。
それと同じように、勉強し直しているうちに「そういえば前にもやったな」「ここはしっかり覚えられているな」と思い出すことは多々ありますから、回数を増すにつれ学習にかける時間を短縮できることが分かります。
効率よく学びたいひとにとって、エビングハウスの忘却曲線を知っておくのは理想的だと言えるでしょう。

忘却曲線を活かした効率的な復習法とは?

では実際に、エビングハウスの忘却曲線の理論を活かして学習に役立てるには、どのような方法があるのでしょうか。
ここでは、復習をおこなうときの方法に触れていきます。

効率的な復習のタイミング

復習のタイミングとしてベストなのは、20分後、1時間後、1日後、7日後、30日後の5つです。 エビングハウスの忘却曲線上最も忘れやすいポイントに的を絞ったタイミングであり、ここで改めて復習することでもう一度記憶に定着しやすくなる効果が得られます。 特に、20分後より1時間後、1時間後より1日後の方が多く忘れてしまっていることが想定できます。
本気で覚えたいのであれば、回数にこだわりすぎず「覚えきるまで時間を空けながらやる」ことが重要です。

効率的な復習の回数

20分後、1日後、7日後は同じ範囲を1回ずつ、7日後には2回、30日後には3回行うのが理想です。 時間の経過と共に忘れてしまっている量は増えていきますので、時間が空くほど回数を多めに設定しておくのがよいでしょう。
しかし、学習にかける時間の短縮化の項目で触れた通り、3回復習するからといって最初の勉強時間数×3回分を正確に見積もっておく必要はありません。
完全に忘れ切らないよう軽く復習するだけでも十分効果はありますので、忘れてしまっていることに焦りすぎず、定期的に見直すことを目的として取り組むのがベストです。

具体的な復習のコツ

ここでは、具体的な復習のコツを紹介します。イメージしやすいよう実生活と関連させて紹介しますので、是非参考にしてみてください。

寝る前に暗記する

寝る前に暗記するのは非常に効率的です。 人は寝ている間に出来事を反復して記憶に定着させると言われている通り、寝る直前に勉強した内容は比較的身につきやすいのです。 特に、1から構造を理解するような勉強より、単語や漢字など暗記重視で関連性の少ないものと相性がいいと言われています。
このような「作業」的な勉強跳ねる前に行う比重を高くしてみましょう。

急激に忘れてしまう1時間以内に復習する

エビングハウスの忘却曲線では、勉強してから1時間後の忘れ方が特に顕著だとしています。 急激に忘れてしまうことを防ぐため、特に勉強してから1時間以内の復習を心掛けるのがよいでしょう。 記憶への定着を図るだけでなく、そもそも理解できていないポイントや、分かったつもりになっているだけで深く理解できていなかったポイントを見つけ直す機会にもなります。
完全に忘れ切った状態で1から学習し直すのは効率が悪いため、なるべく早い段階から少しずつ復習するのがおすすめです。

他のことをした直後に復習する

他の科目や単元を勉強した直後や、家事をしたり場所を移動したりした直後に復習するのもおすすめです。 気持ちが切り替わってすっかり忘れそうになっているタイミングでもう一度テコ入れをするということですから、再度記憶を刺激するのに役立つでしょう。
「記憶を呼び起こす」ことの練習にもなりますから、膨大な範囲を一度に勉強しなければいけないような場合でも、小さな単位でマメに勉強する場合でも、どちらでも使える方法です。

忘却曲線を否定する研究結果もある?

エビングハウスの忘却曲線はとても有名な学習理論の1つですが、一方でこれを否定する研究結果もあります。

レミニセンス効果とは?

レミニセンス効果とは、勉強した直後よりも一定時間が経過してからの方が記憶に定着しやすくなるとする理論です。 内容によって2つの違いに分かれているのも特徴で、無意味な単語の羅列など不規則なものは数分~1時間程度の間に思い出しやすく、生活や普段の学びと関係している意味を持った内容については数日の間に思い出しやすいとしています。
一定期間を経て脳が記憶を整理する効果に着目した理論であり、一度自転車に乗れてしまえばしばらく乗っていなくても乗り方を忘れなかったり、しばらく訪れていないお気に入りの飲食店までの道筋を数ヶ月後でも覚えていたりするのはこれが元だと言われています。

レミニセンス効果には睡眠が大事

レミニセンス効果は、睡眠をしっかり取ることでより発揮されるといわれています。 特に「レム睡眠」と呼ばれる睡眠のタイミングが重要です。
レム睡眠時には、既に記憶したことと新たに学んだ内容を関連付けて定着させたり、必要なときにすぐ思い出せるように他の記憶と結び付けたりする働きがおこなわれています。 勉強してから早めに睡眠を取ったり、寝る前に勉強したりすることが効果的といわれる理由はここにあるのです。
睡眠に入ったときや明け方など眠りの浅いときにこのような処理をしているため、浅い睡眠であるレム睡眠と、深い睡眠であるノンレム睡眠のサイクルを意識するのがよいでしょう。 無意識のうちに記憶を反復し、覚えなければいけないものと忘れてもいいものに分けて処理する時間を確保するためのものですから、睡眠がいかに大事か分かります。

まとめ

エビングハウスの忘却曲線とは、学んでから時間が経つとどんどん記憶から抜け落ちていってしまうことをグラフ上で表した理論です。
この理論を逆手に取り、20分後、1時間後、1日後、7日後、30日後の5つのタイミングで、1回~3回程度に数を増やしながら復習すれば、忘れにくい知識を得ることができるのです。 生活に必要な知識はもちろん、英単語・漢字・日本史や世界史の単語など、暗記を重視したい学びの場では是非積極的に活用していきましょう。
一方、エビングハウスの忘却曲線を否定するレミニセンス効果にも着目し、睡眠前後の学習や、レム睡眠・ノンレム睡眠のサイクルに目を向けてみることもおすすめです。 「やってもやっても忘れてしまう」ということを防いで確かな実力として身につけるためにも、理論を活かした効率のよい学習を叶えていきましょう。

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