仮面浪人のやり方|調査書・願書・費用と手続き
「仮面浪人をしてみたいけどどうやってやればいいかわからない」
FAST-UP
仮面浪人は、大学に在籍したまま次の受験に臨む方法です。手順は、出身高校で調査書を受け取り、志望校の願書を入手して出願し、合格後に退学手続きと単位認定の確認を行う流れです。費用は浪人費用に学費が上乗せされます。
2026年9月時点の情報です。
この記事では、仮面浪人のやり方、合格後に必要な手続き、費用、親への相談、合格するためのコツ、気をつけるべき点を順に解説します。仮面浪人そのものの長所と短所を先に押さえたい場合は、仮面浪人とは?メリット・デメリットの整理もあわせて確認できます。
仮面浪人のやり方とは?
仮面浪人を始めるときに最初にそろえるのは、調査書・願書・受験票の3つです。高校までと違い、先生や友人が出願情報を回してくれることはありません。必要な書類を自分から取りに行くところから始まります。
「第一志望を諦めきれない」「今の大学が合わない」といった理由で仮面浪人を考える人は少なくありません。気持ちが固まったら、まず書類の段取りを決めます。
調査書をもらう
仮面浪人をするには、まず調査書をもらう必要があります。調査書とは、高校での授業態度や学校生活について記述した書類のことです。いわゆる内申書にあたります。大学受験では提出が求められる参考資料です。
調査書のもらい方
調査書は出身高校でもらえます。多くの場合、本人が受け取らなければなりません。そのため、大学の関係で地元を離れている人は、地元に戻る必要があることを忘れないようにしましょう。
なかには、申請すれば郵送してくれる高校もあるようです。調査書は早めに入手方法を確認しておくのが安全です。多くの場合は本人が受け取る必要があり、遠方に住んでいると地元へ戻るための日程を確保しなければならないためです。重要な書類なので、確実に受け取れる方法を選びます。
願書や受験票をもらう
次に必要なのが願書と受験票です。願書とは、試験を受けるための申込書のことです。願書を提出することを出願といいます。インターネット出願も増えていますが、郵送での出願もまだ多いため、志望校ごとに方式を確認します。
願書のもらい方
願書の入手方法は次の6つです。
- 大学のHPにある申し込みフォームから請求する
- 本屋などの書店で購入する
- オープンキャンパス、入試説明会に行き入手する
- 大学の窓口に直接行って入手する
- 進学情報サイトから資料請求する
- 予備校、高校で入手する
願書は無料の大学もありますが、有料の大学では1500〜3000円程度かかります。オープンキャンパスや入試説明会で直接受け取る場合は無料ですが、郵送の場合は送料が必要です。受験票は申し込めば自宅に送られてくるので、配達を待ちます。
願書配布の時期
願書の配布開始時期の目安は次のとおりです。
| 区分 | 配布開始時期 |
|---|---|
| 私立大学 | 10月中旬 |
| 国立大学 | 12月中旬 |
願書の入手は早めに動くほうが安全です。配布開始が入試直前期に重なるうえ、出願しなければ受験そのものができないためです。「毎日の受験勉強で忘れていた」「今度やろうと思っていたら間に合わなくなった」では本末転倒になります。
おすすめは、1日を願書の日と決めて一斉に入手することです。個別に進めると、どこの大学に請求したか分からなくなったり、日々の勉強で忘れたりしやすくなります。
仮面浪人で合格した後に必要な手続きとは?
合格後に必要なのは、在籍中の大学の退学手続きと、合格した大学での単位認定の確認です。この2つを押さえておけば、入学後の生活が整いやすくなります。
退学手続き
はじめに必要なのは退学手続きです。二重在籍(複数の大学に同時に籍を置く状態)を心配して合格発表前に出したほうがよいかと考える人もいますが、前期試験の合格発表後で構いません。大学側も仮面浪人の存在は把握しており、その時期は退学手続きを早めに進めてくれるようです。
単位認定の確認
退学手続きのほかには、単位認定の確認をします。大学によっては、前の大学で取得した単位を引き継げる場合があります。仮面浪人をしながら単位を取得していた人にとっては、入学後の大学生活が楽になる制度です。
ただし、単位認定を行っているかどうかは大学によって異なります。合格した大学のHPで確認しましょう。
よくある間違い:二重在籍を恐れて早まった退学
よくある間違いは、合格発表の前に在籍中の大学を退学してしまうことです。結果が出る前に籍を手放すと、不合格だった場合に戻る場所が無くなります。仮面浪人は在籍を残したまま受験できる点が持ち味なので、その利点を自分から消すことになります。
回避策は、退学の申し出を前期試験の合格発表後に設定しておくことです。手続きの締切や必要書類だけを先に学生課で確認し、提出は結果が出てからにします。段取りだけ先に済ませておけば、発表後でも慌てずに済みます。
仮面浪人に必要な費用はどれくらい?
仮面浪人は、通常の浪人費用に大学の学費が上乗せされる選択肢です。在籍を残したまま受験できる利点の対価として、費用は重くなります。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 予備校 | 10〜100万円 |
| 宅浪(予備校に通わず自宅で学習する浪人) | 8〜20万円 |
| 私立大学の学費(初年度) | 100〜150万円 |
| 国立大学の学費(初年度) | 80万円前後 |
一番安いパターンである、宅浪で国立大学に通う場合でも約100万円がかかります。私立大学に通いながら予備校を利用する場合は、200万円前後かかるでしょう。通常の浪人との費用差は仮面浪人とは?メリット・デメリットの整理でも比較しています。
仮面浪人の際に親の許可は必要か?
仮面浪人は、親の許可をもらったほうが得です。親からのサポートを受けられるからです。ただでさえストレスのかかる受験で、親に隠れてコソコソ勉強するのはさらなる負担になります。事情を理解してもらっていたほうが、勉強に集中しやすくなります。
親に話した結果、許可が得られないこともあるでしょう。その場合は、合格してからもう一度話すことになります。実際に合格した状態であれば、本気だということは伝わります。
仮面浪人で志望校に合格するコツとは?
合格に近づくコツは、不合格の原因分析・授業数の抑制・スキマ時間の活用の3つです。順に見ていきます。
なぜ不合格だったかを分析する
1つ目は、なぜ不合格だったかを分析することです。現役時代から何も改善せずに受験すれば、同じ結果になりやすくなります。「どこを改善できたか」を自分なりに考えましょう。
おすすめは、紙に書き出して毎日見ることです。たとえば次のような改善点を書き出します。
- 毎日予定をたてる
- 参考書は一冊を徹底する
- 夜型ではなく朝型に変える
書き出したら、毎朝その紙を見る習慣をつけます。反省が意識に残り続けるため、現役時と同じ失敗を繰り返しにくくなります。1日の組み立て方は浪人生の理想的なスケジュールと勉強時間が参考になります。
大学の授業を取りすぎない
2つ目は、大学の授業を取りすぎないことです。仮面浪人は時間が取りにくいためです。たとえば大学の行き帰りに1時間、さらに1時間30分の授業を3コマ受ければ、それだけで5時間30分になります。
通常の浪人生は、すべての時間を受験に使えます。毎日の差は小さくても、1年間積み重なれば相当な差になります。卒業に必要な最低限の単位だけを取り、残りの時間を受験に回す組み方が現実的です。
スキマ時間に勉強する
3つ目は、スキマ時間に勉強することです。電車の中を見回すと、多くの人がスマホを触っています。仮面浪人生は、その時間を勉強に当てます。
スキマ時間は終わりの時間が決まっているため、集中力も高まります。勉強時間で不利な仮面浪人生が他の受験生に並ぶには、質で上回るしかありません。移動や待ち時間を学習に変えていきましょう。
仮面浪人の際に気を付けるべきこととは?
仮面浪人には陥りがちなパターンがあります。ここでは気をつけるべきことを3つ解説します。
サークル・バイトは距離を置く
1つ目は、サークルやバイトとの距離です。大学に入ると、多くの人がバイトやサークルを始めます。
- 稼いだお金で高校生の頃とは違う遊びをする
- サークルのあとに飲み会に行く
- サークルで合宿に行く
こうした様子がSNSで流れてくると、「自分もやってみようかな」と思うものです。ただし、受験勉強に身が入らなくなる場合は、在学中は距離を置くほうが無難です。楽しい空気に流されたまま1年が過ぎると、後悔が残りやすくなります。
生活習慣を整える
2つ目は、生活習慣を整えることです。大学生は高校の頃に比べて自由に使える時間が多く、生活が乱れやすくなります。
生活が乱れた状態では、集中力や自制心が弱くなり、勉強の質も上がりません。10時間机に向かっていても、ほとんど別のことを考えていて実際は2時間しか集中していなければ、学力は伸びにくくなります。自制心が弱まると、友達からの誘いを断れず遊んでしまう事態にもなります。生活習慣は一度乱れると抜け出すのが難しいので、早めに立て直しましょう。
緊張感を切らさない
3つ目は、緊張感を切らさないことです。浪人生の第一志望合格率は約1割と言われています。現役生より時間があるはずなのに合格率が低いのは、現役生には「時間がない」という緊張感があるからです。
現役生は時間が限られていると分かっているため、集中して勉強します。一方、浪人生は心のどこかで「1年間ある」と思ってしまいます。仮面浪人にも同じことが言えます。「自分には時間がない」と言い聞かせ、緊張感を保ちましょう。失敗の分かれ目は浪人で失敗する人としない人の特徴でも整理しています。
FAST-UPが指導現場で見てきた仮面浪人のつまずき
指導の場で見えてくるのは、学力よりも先に段取りで崩れる人が多いという傾向です。勉強計画は立てられていても、調査書の受け取りや願書の取り寄せを後回しにして、直前期に動き回ることになるケースが目立ちます。
もう一つは、大学生活との線引きが曖昧なまま走り出すパターンです。履修を決める段階で受験の時間を確保しておかないと、授業と課題に押されて学習時間が削られていきます。履修登録の時点が、仮面浪人の成否を分ける最初の分岐点になっています。
逆に、うまく進む人は「大学で過ごす時間」と「受験の時間」をはじめに固定し、週単位で動かしません。模試や過去問の日程も先に押さえ、大学の予定をそこに合わせています。判断の回数を減らす設計が、揺れやすい仮面浪人の環境では効いてきます。孤独感が負担になる人は、浪人生は友達ができる?必要?も参考になります。
まとめ
重要なポイントは次の3点です。
- 仮面浪人に必要なのは調査書、願書、受験票
- 合格後に必要な手続きは、退学手続きと単位認定の確認
- 費用は、通常の浪人費用に大学の学費が上乗せされる
よくある質問
Q. 調査書は郵送してもらえますか。 A. 高校によって異なります。多くの場合は本人が出身高校で受け取りますが、申請すれば郵送してくれるところもあるようです。重要な書類なので、事前に高校へ入手方法を確認しましょう。
Q. 退学手続きはいつ出せばよいですか。 A. 前期試験の合格発表後で構いません。大学側も仮面浪人の存在は把握しており、その時期は手続きを早めに進めてくれるようです。必要書類だけ先に確認しておくと慌てずに済みます。
Q. 前の大学で取った単位は無駄になりますか。 A. 大学によっては、前の大学で取得した単位を引き継げる単位認定の制度があります。実施の有無は大学ごとに異なるため、合格した大学のHPで確認してください。
Q. 親に反対された場合はどうすればよいですか。 A. 許可が得られない場合は、合格してからもう一度話すことになります。実際に合格した状態であれば本気だと伝わります。可能であれば事前に理解を得ておくほうが、勉強に集中しやすくなります。
Q. 大学の授業はどのくらい取ればよいですか。 A. 卒業に必要な最低限の単位にとどめる取り方が現実的です。行き帰りに1時間、1時間30分の授業を3コマ受けるだけで5時間30分が埋まり、受験に使える時間が削られるためです。


