志望校無理と言われた時の対処法と判断基準
「志望校を無理かもしれない…」
FAST-UP
「志望校無理かも」と感じても、基本的には下げずに挑戦する選択が有効です。ただし判定が最も低い状態が続く、ネームバリューだけで選んだ、苦手科目が重すぎる場合は、変更も現実的な選択肢になります。
2026年9月時点の情報です。
「志望校無理かも」と感じたら下げても良いのか
結論として、感じた時点ですぐ下げる必要はありません。判断材料をそろえてから決めるほうが、後悔が残りにくくなります。
基本的には下げないほうが良い
基本的には志望校は下げないほうが良いです。目標が高いほどやる気が出やすく、逆に目標が低いと油断が生まれるからです。
そのため「無理かも」という気持ちだけを根拠に志望校を書き換えるのは避けます。気持ちが落ちているときは、成績の推移や残り期間といった事実を並べ直してから考えます。
志望校を諦めても良いケース
次のようなケースでは、志望校の変更も選択肢になります。
- 実力とかけ離れている
- ネームバリューだけで選んだ
- どうしてもできない科目がある
実力とかけ離れている場合とは、たとえば12月になってもE判定(模試で合格可能性が最も低いとされる判定)が続いている状態です。成績はやってすぐに上がるものではなく、毎日コツコツやったことが大きな成果につながります。残り期間が短く、差が大きいままなら、諦めるのも選択肢の一つです。
「有名だから」という理由だけで志望校を決め、勉強が捗っていない場合も見直しに向きます。志望校を下げた結果、身の丈にあった勉強ができ、かえって成績が伸びることもあります。
数学が苦手、化学ができないなど、苦手分野に取り組むたびに時間がかかり受験が嫌になる場合もあります。志望校を変えることで苦手科目のない大学を選べるため、一度検討する価値があります。
志望校を諦めるメリットとデメリット
諦める判断には、気持ちの軽さと油断という相反する作用があります。両方を並べてから決めます。
| 観点 | 諦めるメリット | 諦めるデメリット |
|---|---|---|
| 気持ち | 過度なストレスから解放される | 挑戦しなかった後悔が残る |
| 進路 | 優遇待遇が得られる可能性がある | やりたいことができなくなる |
| 勉強 | 受験科目が減る可能性がある | 油断が生まれモチベーションが下がる |
諦めるデメリット
最大のデメリットは、やりたいことができなくなることです。やりたいことを実現できる大学が志望校だった場合、その道は選べません。諦めることで他のやりたいことに進めるのは確かですが、気持ちが消えずに再度受験を考えることもあります。本当に志望校を諦めて良いのか自問してみます。
後悔が残る点も見落とせません。志望校を諦めるということは、挑戦しなかったということです。挑戦した結果の不合格と、挑戦すらしなかった結果では、気持ちに大きな違いが出ます。「あのとき頑張っておけば受かった」という思いが残るためです。
モチベーションの低下もあります。高い志望校を見ているときは緊張感があり、緊張感があるときはノルアドレナリンという物質が分泌されて集中力や記憶力が上がります。志望校を下げると「頑張らなくても受かる」という油断が生まれ、新たな志望校にも受からないということになりかねません。
諦めるメリット
気持ちが楽になる点がまず挙げられます。ストレスが大きすぎて、かえって勉強の質を下げている人もいます。そうした場合は志望校を下げることで適切な緊張感に戻り、受験がうまくいくこともあります。
受験科目が減る可能性もあります。国公立大学を目指す場合は5教科7科目(国公立で広く求められる科目構成)が必要ですが、私立大学の多くは3教科で受験できます。「こんなにたくさんの成績を上げなければならない」という気持ちから、「3教科だけ勉強すればいいんだ」と前向きになれます。受験科目が減ると成績の伸びは早くなりやすいです。分散していたエネルギーが3教科に注がれるからです。
優遇待遇が得られる可能性もあります。志望校を下げることで特待生(成績優秀者として学費が減免される対象者)になれた場合、大学によっては学費が無料や半額になることもあります。学費は保護者が負担する家庭が多いため、その点でも意味があります。
志望校を諦めた人がすぐにやるべきこと
最初にやるのは、新たな志望校を決めることです。目標を見失ったまま時間を過ごすのは非常にもったいないためです。
新たな志望校は、模試で少なくともD判定が出ているところから選びます。E判定の大学を選び直しても、また目標が高すぎる状態に戻ってしまうからです。現在の学力を基準に、受けられる大学の幅も一緒に整理しておくと動きやすくなります。併願の組み方は大学受験は何校まで併願できるかで確認できます。
次にやるのは、新たな志望校の受験対策です。志望校を変えると受験科目が変わる場合があり、その科目を初期から勉強している人に遅れを取っている状態になります。すぐに新しい科目へ取りかかります。
最後は全力を尽くして勉強することです。志望校を変えても受験に対する姿勢は変えません。受験は油断した状態で合格できるほど甘くないからです。毎日「やりきった」と言える人は、結果がどうなっても納得できます。
よくある間違い:下げた途端に勉強量を落とす
よくある間違いは、志望校を下げた安心感から勉強量を落としてしまうことです。緊張感が消えると、新しい志望校にも届かなくなります。
回避策は、志望校を下げる日に学習計画も同時に書き直すことです。科目構成が変わった分の時間をどこに入れるかまで決め、1週間単位で実行できたか振り返ります。「下げたから楽になる」ではなく「下げた分を伸びに使う」と置き換えます。
「志望校は無理だ」と塾や学校で言われる3つのパターン
「無理」という言葉の意味は一つではありません。まず、どのパターンに当たるかを見分けます。悩んでいる状態では勉強にも集中しにくいためです。
| パターン | 内容 | 受け止め方 |
|---|---|---|
| 本当に合格が難しい | 残り時間と目標の差が大きい | 志望校が現実とかけ離れていないか見直す |
| やる気にさせたい | 「今のあなたでは無理」という意味 | 勉強への姿勢を入れ替える合図と捉える |
| 諦めさせたい | その志望校の指導経験が少ない | 情報源を外に広げる |
1つ目は、本当に志望校への合格が難しい場合です。たとえば11月になって偏差値50の人が医学部受験をしたいと言い出した場合、勉強できる残り時間と目標の高さから、どうやっても合格できないという判断になります。その場合、塾や学校は現実的な意見を伝える必要があります。
2つ目は、やる気にさせるために言っている場合です。塾や学校の先生は多くの生徒を見てきており、今より勉強していても落ちた人も見ています。つまり「志望校無理」は「今のあなたでは志望校は無理」という意味で、姿勢を入れ替えさせるために使われることもあります。
3つ目は、学校や塾が諦めさせたいと考えている場合です。塾や学校には対象レベルの違いがあり、志望校が高いために指導経験がないこともあります。その場合、指導し慣れている大学をすすめたくなります。
「志望校無理」と言われた場合の対処法
最初にやるのは、どのレベルなら受け入れられるかを考えることです。志望校だけを見ていた視野が広がります。
具体的には、志望校から順に大学を並べます。
- 志望校
- 大学A
- 大学B
- 大学C
この中でどのレベルまでなら進学を受け入れられるか考えます。志望校しか考えていなかったけれど、大学Aまでなら行ってもいいと思えることに気づけるかもしれません。
次は経験者に頼ることです。「志望校以外の大学には行きたくない」という場合は、志望校に合格した先輩に話を聞きます。さまざまな事情で塾や予備校の協力が得られない場合、自分で勉強法の情報を集める必要があります。
- 受験初期はどんな勉強をしていましたか
- 暗記はどうやってしていましたか
最後は自分を信じて頑張ることです。未来のことが分かる人はいません。先生が「志望校はきびしい」と言っても、あくまで予想でしかありません。本当に志望校に行きたい場合は、自分を信じて勉強します。
「志望校無理」と言われた場合の親の対処法
保護者にできる関わり方は、大きく3つに分かれます。
| 関わり方 | 向いている状況 |
|---|---|
| 諦める方向で話す | 志望校に固執して視野が狭まっている |
| 応援する | 結果がどうなっても意思を尊重したい |
| 環境を変えてあげる | 志望校を変えずに挑戦すると決めた |
志望校は人生の通過点です。そう分かっていても固執してしまうのが受験生であるため、話し合いを通じて長い視点で考えるよう促す関わり方があります。その結果、志望校を下げて不合格のショックを避けられることもあります。
応援する選択もあります。子どもからしても、挑戦した結果ダメだったのと、挑戦せずにダメだったのとでは大きく違います。挑戦しなかったことで一生後悔が残るかもしれません。
志望校を変えない場合は、環境を整える関わり方が有効です。塾に入れる、家庭教師をつけるなどが挙げられます。費用の目安は高校生の塾の費用の相場で確認できます。親ができるのは子どものサポートだけですが、そのサポートが子どもを支えます。
FAST-UPが見てきた「無理かも」のつまずきどころ
指導現場で見ていると、「無理かも」と口にする生徒の多くは、学力そのものより勉強のやり方で止まっています。やった量に対して伸びが見えないと、原因を能力に結びつけてしまう傾向があります。
つまずきどころは三つに分かれます。一つは、参考書を替えることで解決しようとして、同じ単元を浅く往復していること。二つ目は、模試の判定だけを見て、どの分野で失点したかを見ていないこと。三つ目は、志望校の科目配点を調べずに全科目を均等に勉強していることです。
この段階で学習法を一から見直すと、同じ時間でも伸び方が変わることがあります。志望校を下げる判断をする前に、やり方の問題が残っていないかを確認する順番をすすめています。勉強に向かう気力が落ちているときは、受験を題材にしたアニメのように気持ちを切り替える材料を挟むのも一つの手です。
まとめ
- 基本的には志望校は下げないほうが良い
- 志望校が無理だと感じて諦めた人がすぐにやるべきことは、新たな志望校を決めること
- 「志望校無理」と言われた場合の対処法は、どのレベルなら受け入れられるか考えること
よくある質問
Q. 「志望校無理」と言われたら、すぐ下げるべきですか。 A. すぐに下げる必要はありません。まず、本当に合格が難しいのか、やる気を引き出すための言葉なのか、指導経験の都合なのかを見分けます。そのうえで成績の推移と残り期間を照らして判断します。
Q. 志望校を下げてよかったと感じるのはどんな場合ですか。 A. ネームバリューだけで選んでいた場合や、苦手科目が重くて勉強が止まっていた場合です。受験科目が減って勉強の密度が上がる、特待生の対象になるといった形で結果が変わることもあります。
Q. 新しい志望校はどう選べばよいですか。 A. 模試で少なくともD判定が出ている大学から選びます。あわせて受験科目の違いを確認し、増えた科目にすぐ着手します。学力に合わせて併願先も同時に組み直すと、計画が崩れにくくなります。
Q. 志望校を変えないと決めた場合、保護者は何をすればよいですか。 A. 環境を整える役割が中心になります。塾や家庭教師など学習を支える手段を検討し、結果を急かさずに見守ります。本人が後悔なくやりきれる状態を保つことが支えになります。


