反復学習とは?言い換え・やり方とデメリット
反復学習とは?
FAST-UP
反復学習とは、同じ内容を繰り返し学んで記憶に定着させる学習法です。言い換えれば繰り返し学習で、合間に別の内容を挟む形はインターリーブ学習と呼ばれます。デメリットは時間がかかること、飽きやすいこと、応用問題に弱いことです。
2026年9月時点の情報です。
反復学習とは何か
反復学習とは、同じ内容を繰り返し学習して記憶することです。あくまで「同じ内容を繰り返す」ことを示しているだけで、その繰り返しの期間や回数について明確な定義は存在しません。反復学習は暗記の基本とされ、どのような科目でも地道な反復が欠かせないと言われています。
反復学習の言い換え表現
最も近い言い換えは「繰り返し学習」です。文脈に応じて、次のような言い方も使われます。
| 言い換え | 使われる場面 |
|---|---|
| 繰り返し学習 | 反復学習とほぼ同じ意味で使う一般的な表現 |
| 復習 | 一度学んだ内容に再び取り組む場面 |
| 反復練習 | 問題演習や実技など、手を動かす学習 |
| インターリーブ学習 | 繰り返しの合間に別の内容を混ぜる形 |
インターリーブ学習との違い
インターリーブ学習とは、反復学習の間に別の学習を取り入れることです。たとえば英単語を暗記したいとき、ひたすら英単語を読んだり書いたりするのではなく、合間にリスニングやリーディングを混ぜて勉強することを言います。
「同じことを繰り返す反復学習」と「繰り返しの合間に別のものを挟むインターリーブ学習」として、この両者は比較されがちです。ただし、インターリーブ学習も結局は同じ内容に何度も目を通すことで学習効果を上げるため、反復学習の1つであると言えます。
したがって両者を比較する際には、反復学習を「同じ内容だけを繰り返す学習」、インターリーブ学習を「異なる内容を混ぜて繰り返す学習」のように、相異なるものとして定義することが多いです。この記事でも以降はこの定義で扱います。
途中で中断すると記憶に残る「ツァイガルニク効果」
ツァイガルニク効果(Zeigarnik Effect)とは、「作業を完遂するより途中で中断したほうが記憶に残りやすくなる」効果のことです。ドイツの心理学者クルト・レヴィンが提唱した考えに基づき、リトアニア出身の心理学者ブリューマ・ゼイガルニクが実証しました。
ツァイガルニク効果は、途中で作業をやめるとモヤモヤした気持ちになる心理に基づいています。Webサイトで途中まで漫画を読み、「続きは会員登録後に!」と表示されたらつい従いたくなるのと同じです。人間は、途中まで進めたらそれを最後まで進めたいという心理的な傾向を持っています。完遂しなければ、思い出してまた気になってしまうのです。
この効果は学習に活かせます。数学の問題を解いていて休憩を挟むとき、問題を解き終わってから休憩するより、途中で手を止めて休憩に入ったほうが記憶に残りやすくなります。「早く休憩から戻って解き終えてしまいたい」という心理が働き、脳の中に長く情報が留まるのです。
反復学習とインターリーブ学習はどちらが効果的か
実験結果の上ではインターリーブ学習のほうが効果的とされますが、反復学習とインターリーブ学習は、どちらかを選ぶものではありません。インターリーブ学習も同じ内容に何度も目を通す点では反復であり、違いは合間に別の内容を挟むかどうかだけだからです。
インターリーブ学習のほうが効果的だった実験
反復学習とインターリーブ学習について、カリフォルニア大学で次の実験が行われました。
- 被験者を2つのグループに分けて絵画を暗記させる
- 1つのグループには作者ごとに絵画を見せて覚えさせる
- もう一方のグループには異なる作者の絵画を混ぜて見せて覚えさせる
結果は、異なる作者の絵画を混ぜて見せられたグループのほうが、テストの成績が高くなりました。このことから、反復学習よりインターリーブ学習のほうが効果が高いと言えます。
それでも反復学習の重要度は高い
インターリーブ学習のほうが効果が高いのは、途中で別のものを挟むことにより、集中力を維持しやすいからだと考えられます。同じことばかりを繰り返していると徐々に惰性で続けるようになりますが、途中で別の作業を入れれば集中力の低下を防げるのです。
つまりインターリーブ学習は、反復学習の効果を高めるための工夫と言えます。あくまで学習の基本は反復にあり、インターリーブ学習でも反復なくして知識を定着させるのは困難です。
反復学習が必要な理由
脳が繰り返された情報を「重要だ」と判断するからです。脳が物事を記憶する際には、大きく分けて2つのステップがあると言われています。
1ステップ目は、海馬に情報が保存される段階です。海馬はタツノオトシゴのような形をした小さな器官で、あらゆる情報が一時的にここへ記憶されます。そして、それらの情報の中から本当に必要なものを選別し、不要なものを捨て去る役割を担っています。
2ステップ目は、海馬から大脳皮質へ記憶が送られる段階です。海馬によって必要だと判断された情報は、海馬よりも容量の大きな器官である大脳皮質に送られます。ここへ送られた情報は長期的に記憶され、短期間で忘れられることはなくなります。
学習内容を脳に定着させるには、海馬に「この情報は重要である」と認識させ、大脳皮質に送ってもらう必要があります。その方法こそが反復学習です。海馬は繰り返し学習されたものを重要なものだと見なし、大脳皮質に送る性質があります。海馬が情報の重要性を認識するまで同じことを繰り返すのが、学習の根本です。記憶の仕組みをさらに知りたい場合は、長期記憶の鍛え方を解説した記事も参考になります。
反復学習の具体的なメソッド
「どのくらいのペースで」「何回」繰り返すかについては、代表的なメソッドが提唱されています。まず全体像を整理します。
| メソッド | 提唱者・出典 | 特徴 |
|---|---|---|
| ライトナーシステム | ― | 箱を使って間違えた単語を集中的に反復する |
| 7回読み勉強法 | 山口真由氏『東大首席が教える超速「7回読み」』勉強法 | 参考書を浅い理解から7回重ねて読む |
| レバレッジ記憶法 | 本田直之氏(レバレッジコンサルティング株式会社 代表取締役社長) | 1冊の本を3回読み、線の色で理解度を区別する |
| 復習4回記憶法 | 池谷裕二氏(東京大学教授・脳科学者) | 1日後・1週間後・2週間後・1ヶ月後に復習する |
| 超速大量回転法(KTK法) | 宇都出雅巳氏 | 頭の回転を止めず、全体像から細部へ回転させる |
ライトナーシステム
英単語のように単発の知識を定着させるのに有効な方法です。次の手順で暗記作業を進めます。
- 5つの箱を用意し、順番を決める(例:A⇒B⇒C⇒D⇒E)
- まず全ての単語を一番レベルの低い箱(上記の例ではA)に入れる
- Aの箱に入れた単語を暗記したらBに移す
- Bで暗記したらC、Cで暗記したらDのように順に移し、Eで暗記した単語は暗記完了
- B〜Eのどこかで間違えたら、その単語はAに戻す
肝は、間違えた単語を最初の箱に戻す点です。なかなか覚えられないものを集中的に反復できるため、暗記効率が高くなります。
7回読み勉強法
『東大首席が教える超速「7回読み」』勉強法で紹介されている勉強方法です。著者の山口真由氏は、参考書を7回読む方法で東京大学法学部に首席で合格した経歴を持ちます。
初めから緻密に読んでいくのではなく、まずは浅い理解を目的として一読し、その後は記憶の層を塗り重ねるイメージで7回反復します。
レバレッジ記憶法
レバレッジコンサルティング株式会社の代表取締役社長である本田直之氏が提唱する学習方法です。同氏は1冊の本を3回読む反復学習を唱えています。
具体的には、1回目に理解できなかったところにマーカーを引き、2度目に読んだところには別の色で線を引きます。3回目には、1回目と2回目で分からなかったところが浮き彫りになっているため、そこを繰り返し確認して頭に入れます。
復習4回記憶法
東京大学の教授である池谷裕二氏が提唱する学習方法です。同氏は脳科学者であり、その知見を活かして勉強方法を提唱しています。1日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後という形で、脳の仕組みに基づいた間隔ごとに復習し、4回の反復で記憶の定着を目指します。
同氏いわく、これ以上に復習のスケジュールを過密にしても、効果はあまり変わらないとのことです。少ない反復回数で効果を上げる勉強方法と言えます。
超速大量回転法(KTK法)
宇都出雅巳氏が提唱する勉強方法で、とにかく頭の回転を止めることなく勉強する点を特徴とします。
まず目次を通読します。目次は本の内容が構造的に示されている部分であるため、ここを繰り返し確認することで俯瞰的に内容を把握します。続いて、まえがき・あとがきを読みます。ここには著者の意見が現れているため、全体を俯瞰するのに役立ちます。
準備が完了したら、細部を確認するステップに進みます。分からない部分でつまずきそうになったら目次に戻り、もう一度全体像の把握に努めます。読む手を止めず、分からないところは一旦飛ばしながら、最終的にすべてを理解できるようにしていきます。
反復学習のメリット
反復学習の利点は、記憶の持続・労力の少なさ・理解のムラの解消・費用対効果の4点に整理できます。
記憶が長続きする
テスト前の一夜漬けは、短期的に見れば効率的な勉強方法です。記憶は時間とともに薄れますから、直前に勉強して記憶が薄れる前にテストを終えれば高得点を取れます。
しかし長期的に見ると、この方法で得た知識は残りません。一度しか勉強していないため忘れるのも早く、学習内容を生活や業務に活かそうとした際には使い物にならなくなっています。
その点、反復学習では何度も記憶を塗り重ねるように学習し、海馬にその重要性を認識させることで、学んだ内容を長期記憶として保存できます。年単位で保存されるため、簡単なことでは忘れません。一夜漬けが通用しないほど学習量が問われる大学受験や難関資格の試験では、こうした反復による長期記憶が不可欠です。
労力が少なく済む
繰り返すたびに理解が深まり、復習の負担が減っていくからです。一度ですべてを理解しようとすると大変ですが、少しずつ理解を深め、7回くらい繰り返した後で分かっていれば良いと考えれば、1回あたりの負担は小さくなります。
理解のムラがなくなる
同じ参考書で勉強しても、理解の程度は人によってばらばらです。得意なところは一読して分かる一方、苦手なところは何度確認しても分からないことがあります。
徹底的に反復すれば、この理解のムラはほとんどなくなります。7回も反復すれば、大抵の内容は理解できるようになるものです。仮に7回やって理解できなかったとしても、その過程で「何が分からないのか」が明確になっているため、誰かに質問したときの理解が早くなります。
費用対効果が高い
1冊の参考書を何度も反復する勉強方法では、用意する教材はそれほど多くありません。基本的に基礎・応用で1冊ずつ用意し、それをひたすら繰り返すだけです。購入する参考書の量が少ないため、出費が少なく済みます。
反復学習のデメリットと対処法
デメリットは3つです。いずれも学習計画の立て方で和らげられます。
| デメリット | 内容 | 対処法 |
|---|---|---|
| 時間がかかる | 適切な間隔を空けて繰り返すため長期戦になる | 直前期に慌てないよう計画的に始める |
| 飽きやすい | 目新しさが最初の1回しかなくモチベーションが続きにくい | 1日の学習量を調節する/合間に別内容を挟む |
| 応用問題に不向き | 機械的な暗記では判断力・応用力が育たない | 知識の定着後に応用問題の演習を重ねる |
時間がかかる
反復学習は、1日に何度も反復するというものではありません。適切なスパンで何度も繰り返し学ぶため、必然的に長期戦になります。翌日にテストが控えているような状況では、反復学習は功を奏しません。そもそも勉強は長期的に臨むものですから、直前になって慌てずに済むよう計画的に進めることが大切です。
飽きやすい
人間は同じことを何度もやっていると、だんだん飽きてきます。新しいものであれば好奇心を刺激してくれますが、反復学習ではそうした刺激はありません。目新しさを感じられるのは最初の1度のみで、後は退屈な復習を繰り返すことになります。
そのため、モチベーションが続きにくい勉強方法です。1日の学習量を調節するなど、続けられる工夫が必要になります。合間に別の内容を挟むインターリーブ学習も、この飽きへの対処として有効です。学習者ごとに内容を調整する手法に関心があれば、アダプティブラーニングの解説記事も参考になります。
応用問題への対応には不向き
英単語の暗記のように、単発の知識を身に付けるうえで反復学習は高い効果をもたらします。しかし、文章問題のように応用力が必要となる問題には、反復学習だけでは太刀打ちできません。
応用問題では、まず問題の構造をじっくり把握し、身に付けた知識をどう適用できるかを見定める必要があります。英単語が英文中に出てきたとき、複数ある意味のどれなのかは文脈から判断するしかありません。こうした判断力・応用力は、機械的に暗記作業を繰り返すだけでは身に付きません。
とはいえ、応用問題を解くにはまず基本的な知識を完璧にしておく必要があります。英文中での単語の意味を見定めるには、そもそもその単語の意味や文法事項を暗記していなければならないからです。「反復学習による知識の定着」⇒「知識を活かした応用問題の練習」というステップを踏むことが大切です。
よくある間違い:参考書を買い直してしまう
勉強が捗らないからといって参考書を次々に買い直すのは、反復学習を台無しにする典型的な失敗です。新しいものを購入しては途中までやり、飽きて投げ出すことを繰り返すと、反復が疎かになって知識の定着が浅くなり、購入のたびに費用もかかります。
回避策は、基礎・応用で1冊ずつに絞り、終えるまで買い足さないと決めることです。「進まないのは教材が合わないからだ」と感じたときは、買い替える前に、何回繰り返したかを記録で確かめます。回数が足りていないだけであれば、教材を替えても同じ結果になります。
理想的な復習回数と間隔
多くの著書では7回が理想とされています。ただし、なぜ7回なのかは明らかにされていません。多くの人の実体験として、だいたいそのくらい繰り返せば記憶が定着するということのようです。
必ずしも同じ濃さの学習を7回繰り返す必要はありません。1読目はさらっと目を通すだけにし、2回目以降はしっかり読み、5回目で手を動かして問題を解くというように強弱をつけることで、負担を最小限に抑えられます。工夫の仕方は先述した各メソッドで提唱者が具体的に示しています。
間隔の取り方に迷う場合は、復習4回記憶法の1日後・1週間後・2週間後・1ヶ月後が目安になります。忘れるタイミングと復習の関係は、忘却曲線を活かした英語学習の記事で詳しく扱っています。
FAST-UPが見てきた反復でつまずく場面
指導現場で多いのは、反復の回数が足りていないのに「この参考書は自分に合わない」と判断してしまうケースです。1周して解けなかった問題を前に、教材選びの問題だと考えてしまう。実際には、海馬が重要だと判断するまで触れていないだけ、ということが少なくありません。
もう1つ多いのが、反復の記録が残っていないパターンです。どの範囲を何回やったかを本人が把握していないため、得意な単元ばかり繰り返し、苦手な単元は手つかずのまま残ります。ライトナーシステムのように「間違えたものを戻す」仕組みを持つ方法が有効なのは、この偏りを自動的に正してくれるからです。
2027年度入試に向けて学習計画を立てるなら、やる教材を増やす前に、同じ教材を何回触れたかを可視化するところから始めると、つまずきが見つけやすくなります。学習法の相談は公式LINEでも受け付けています。
まとめ
学習の基本は反復にあります。知識や考え方を頭に定着させようと思えば、何度も同じ内容を繰り返し学ぶしかありません。具体的な方法はさまざまですが、結局は繰り返すことこそが学習です。自分に合ったプランを立て、長期的に反復学習を続けることで、活きた知識が身に付きます。
よくある質問
Q. 反復学習の言い換えにはどんな表現がありますか。 A. 最も近いのは「繰り返し学習」です。場面によっては「復習」「反復練習」とも言い換えられます。合間に別の内容を混ぜる形は「インターリーブ学習」と呼び分けます。
Q. 反復学習のデメリットは何ですか。 A. 時間がかかること、飽きやすいこと、応用問題への対応に不向きなことの3点です。計画的に始める、1日の学習量を調節する、知識の定着後に応用演習へ進む、といった形で和らげられます。
Q. 何回繰り返せば覚えられますか。 A. 多くの著書では7回が目安とされますが、根拠が示されているわけではありません。復習4回記憶法のように、1日後・1週間後・2週間後・1ヶ月後と間隔を設計する考え方もあります。回数より、間違えたものに戻る仕組みを作るほうが重要です。
Q. 一夜漬けと反復学習はどちらが大学受験に向いていますか。 A. 反復学習です。一夜漬けは直前のテストでは通用しますが忘れるのも早く、学習量の多い大学受験では長期記憶として残る反復が不可欠です。
Q. 反復学習とインターリーブ学習はどちらを選ぶべきですか。 A. 選ぶものではありません。インターリーブ学習も反復の一種であり、同じ内容に飽きてきたときに別の内容を挟む工夫として取り入れると、集中力を保ちやすくなります。


