中央大学法学部はなぜすごい?別格と言われる理由
中央大学は、看板学部として法学部を有する総合大学です。
FAST-UP
中央大学法学部は、英吉利法律学校として始まった歴史を受け継ぐ看板学部です。130年の伝統と司法試験での実績、法曹を最短6年で目指せる一貫教育プログラムがあり、学内でも別格と語られます。
2026年9月時点の情報です。
「法の中央」と呼ばれる背景、3学科の違い、学生数や学費、キャンパスの位置まで順に確認していきます。法律に関わる仕事を視野に入れている場合は、学科選びの材料として読み進めてください。
中央大学法学部が「別格」と呼ばれる理由
別格と語られる理由は、創立の経緯・一貫教育プログラム・グローバル教育・就職状況の4点に整理できます。それぞれを順に見ていきます。
創立時から法律家の育成に力を入れている
中央大学は「英吉利法律学校」として設立された歴史を持ち、法学部は130年の歴史を持つ看板学部です。法曹界をはじめ、官界・政界・実業界へ優れた人材を多く輩出してきました。
伝統と文化を重視した学びができる一方、社会の変化と大学教育に対するニーズに応えながらカリキュラムを定期的に見直しています。時代のトレンドに合った学びも可能です。
また、すべての学科で次の取り組みが行われています。
- 外国語習熟度別クラス編成
- 海外留学の支援制度の採用
- 国際的視野で考える能力を身につけるための科目の設置
少人数の演習による教育も充実しており、論文作成、問題の発見・解決、ディスカッションのトレーニングが積めます。コミュニケーション能力を伸ばしたい場合にも向いた環境です。
一貫教育プログラムで法曹・公務員養成を徹底している
中央大学法学部は、法学部3年間+法科大学院2年間を前提とする「一貫教育プログラム」を導入しています。法科大学院(法曹を養成する大学院。修了で司法試験の受験資格を得られます)との連携により、法曹志望者の進路が大きく短縮されました。
法学部を3年で早期卒業(成績などの要件を満たすと3年で卒業できる制度)することをめざす「法曹コース」を選べば、約2年早く、最短6年で法曹資格を取得できます。プログラム開始前は法曹になるまで最短8年かかっていました。
さらに、一定の条件を満たした希望者は、法科大学院在学中に司法試験を受験することもできます。中央大学は、この仕組みを他大学法学部にはない取り組みとして位置づけています。
グローバル教育に力を入れている
中央大学法学部は、交換留学・認定留学(大学間協定や大学の許可に基づく在学中の留学制度)の制度が充実しています。半年から1年間の海外体験でグローバルな視野を培えるため、毎年多くの学生が志願しています。
また、留学によって卒業年度が先送りになることはありません。一部を除いて留学先での取得単位が卒業単位として認定されるためです。グローバルなリーガルマインド(法的な考え方で物事を判断する姿勢)を身につけ、国際社会に貢献する法曹を目指す進路に向いています。
MARCHの法学部の中でも就職率が高い
中央大学法学部生の就職率は73.4%で、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政の私大群の通称)の法学部の中でも高い水準です。この数字には法科大学院への進学・留学・起業・独立が含まれていないため、これらを含めれば相当な進路決定率といえます。
実際、「未定・就職浪人」と届け出をした学生の比率は1.1%であり、99%程度の学生が何らかの形で進路を決めています。
主な就職先は次の通りで、法曹以外にも公務員やコンサルティングなど幅が広い点が特徴です。
- 国税庁
- 国土交通省
- 神奈川県横浜市役所
- 総務省
- 法務省
- 法務省検察庁
- 神奈川県庁
- 三井不動産リアルティ
- アクセンチュア
- 経済産業省
学内での位置づけをあわせて知りたい場合は、中央大学の人気学部と学部序列の解説も確認しておくと比較しやすくなります。
中央大学法学部の基本情報
法学部は3学科で構成され、規模は法律学科が最も大きい構成です。学生数と学費を数字で押さえておきます。
学生数や男女比は?
| 学科 | 入学定員 | 総定員 | 男子学生数 | 女子学生数 | 総学生数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 法律学科 | 882名 | 3,528名 | 2,094名 | 1,465名 | 3,559名 |
| 政治学科 | 389名 | 1,556名 | 827名 | 654名 | 1,481名 |
| 国際企業関係法学科 | 168名 | 672名 | 341名 | 359名 | 700名 |
法学部の学費は?
初年度納入額は下記の通りです。年次が上がるほど総額は減る傾向にありますが、最低でも下記で示す単年度×4年分の学費を準備しておくのが理想です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 240,000円 |
| 授業料 | 823,400円 |
| 実験実習料 | 0円 |
| 施設設備費 | 218,900円 |
| 父母連絡会費 | 5,000円 |
| 学友会費 | 10,000円 |
| 入学手続時納入金 | 776,150円 |
| 入学後納入額(後期分) | 521,150円 |
| 初年度納入額合計 | 1,297,300円 |
法学部3学科とそれぞれの特色
学科は志望に合わせて選ぶことが重要です。同じ法学部でも学科ごとに学ぶ内容が異なるためです。
| 学科 | 主な方向性 |
|---|---|
| 法律学科 | 法曹・行政の法運用・国際的な法学知識 |
| 国際企業関係法学科 | 企業活動の国際化に対応する法律・経済・文化 |
| 政治学科 | 政治学・法学・経済学を軸にした現代的課題の分析 |
法律学科
法律学科は、法律のプロとして社会問題を解決する道を探る学科です。学びの目標は次の3点です。
- 法曹(裁判官・検察官・弁護士)をめざすための法的知識や論理力、思考力を高める
- あらゆる行政部門において必要とされる法運用能力を身につける
- 国際化に対応できる総合的法学知識を学び、外国語運用能力を習得する
憲法・民法・刑法などの法律科目だけでなく、歴史・哲学などの幅広い教養、コミュニケーション能力としての語学も学びます。カリキュラムは教養・語学等を含む導入・基礎科目と、それを発展させた応用・発展科目で構成されるため、事前にシラバスを確認しておくと具体像がつかめます。
通常の講義以外にも、1年次から設けられている少人数のゼミ、実務法曹による講義、インターンシップ、課外の法職講座・公認会計士講座など、進路に応じた多様な授業が用意されています。
国際企業関係法学科
国際企業関係法学科は、地球規模のリーガルマインドを養う学科です。学びの目標は次の3点です。
- 企業活動の国際化に伴う問題解決に必要な法律・経済・文化すべての面にわたる国際感覚を養う
- 日本の法文化と他国とのかかわりを把握するための基礎知識を身につける
- 国際社会で活躍するためのコミュニケーション能力を高める
国家、国際組織、企業、NGO、個人など複雑な利害を持つ主体から成る国際社会を前提に学びます。カリキュラムでは、多彩な専門教育科目を通じて、法律の知識と、現代の国内・国際社会における企業の役割を有機的に結びつけて学修できる設計になっています。
政治学科
政治学科は、現代的課題に応える力を養う学科です。学びの目標は次の3点です。
- 政治学・法学・経済学のバランスのとれた基礎知識をもとに、あらゆる事象に批判的・論理的に対応する力をつける
- 自分の考えを表現し、しっかりと人に伝える
- 国際化社会の課題を発見し、分析して提案・解決する能力を養う
歴史や思想に学びながら、市民社会、ガバナンス、グローバリゼーション、ジェンダーなどのテーマを扱います。「NPO・NGO論」「ガバナンス論」「平和学」「環境政治論」「ジェンダー政治論」「カルチュラル・スタディーズ」など、新しい視点から21世紀の政治社会を考える科目も多数設置されています。
コースは進路別に分かれています。
| 目指す進路 | 対応するコース |
|---|---|
| 公務員 | 公共政策コース/地域創造コース |
| 国際公務員・国際的な仕事 | 国際政治コース |
| ジャーナリスト | メディア政治コース |
4年間で学べる内容とは?
学べる内容はゼミのテーマから具体的につかめます。テーマは年度ごとに変わることも多いため、参考例として確認してください。
法律学科のゼミ例
- 憲法解釈の基本問題
- 模擬仲裁と模擬交渉
- 民事紛争処理手続に関する重要問題の研究
- 刑事判例研究
- 会社法の現代的課題
- 生命倫理と法
- 現代社会と労働法
- 高齢社会における民法の役割 など
国際企業関係法学科のゼミ例
- 国際安全保障
- 金融取引と国際私法
- 現代国際法の諸問題
- 国際法と紛争解決
- 国際法と正義論
- アジアのビジネス法研究
- 商標法を中心とした知的財産法 など
政治学科のゼミ例
- 「セキュリティ」の政治
- 日本国債
- 環境政治とガバナンス
- 第三世界・発展途上国の研究
- 公共経営とはなにか、国内外・中央政府・地方政府などの政策を分析しつつ、考える
- まちづくり・環境・福祉−現場から考える
- 現代政治とメディア・情報 など
法学部は茗荷谷キャンパスに移転済み
中央大学法学部は、2023年4月に新設キャンパスである「茗荷谷キャンパス」へ移転しました。これから入学する学生は、全員が4年間を通して茗荷谷キャンパスに通います。移転時に在籍していた1〜4年生も、法学部生は全員が対象でした。
法学部の都心展開は、創立130周年にあたる2015年にその後の10年間を見据えて策定された中長期事業計画「Chuo Vision 2025」に基づくものです。法学部3年間+ロースクール2年間、合計5年の一貫教育による法曹養成制度のもとで、ロースクール(新宿区の市ヶ谷キャンパスから、2023年に千代田区の駿河台キャンパスへ移転)との一体的な運用がこれまで以上に可能になりました。
駿河台(御茶ノ水)の中央大学法科大学院とは地下鉄で3駅の距離で、行き来しやすい立地です。法曹・公務員養成機能を担ってきた「炎の塔」の機能も茗荷谷キャンパスへ移っており、実務家教員による授業の充実が図られています。
よくある間違い:キャンパスを取り違えて下見する
よくある間違いは、法学部志望なのに多摩キャンパスを前提に通学時間やキャンパスの雰囲気を調べてしまうことです。移転前の情報が残っているため、検索で古い案内を見てしまうケースがあります。
回避策は、キャンパス見学・通学ルートの試算・オープンキャンパスの会場確認を、すべて茗荷谷キャンパス基準で行うことです。法科大学院まで視野に入れるなら、駿河台との距離感も一緒に確認しておくと進学後の生活像が描けます。
FAST-UPが見てきた中央大学法学部志望者のつまずき
指導現場で目立つのは、「法学部がすごいから」という理由だけで志望を決め、学科ごとの学びを調べないまま出願期を迎えるケースです。法律学科・国際企業関係法学科・政治学科は扱うテーマが異なるため、志望理由書や面接で説明が詰まったり、入学後に学びたい内容とずれたりします。
もう一つのつまずきは、看板学部だと分かっていながら対策の着手が遅れることです。法学部を志望するなら早めの受験対策が有効です。看板学部として毎年人気を集めるためです。2027年度入試を目標にするなら、学科の学びと自分の進路希望を早い段階で突き合わせ、そこから逆算して科目別の計画を立てる流れが安全です。
法曹コースや公務員志望のように進路が明確な受験生ほど、基礎科目の穴を早く埋めて過去問演習の期間を長く取っています。進路像が固まっていない場合は、中央大学の著名な卒業生の進路を眺めて、具体的な働き方からイメージを作るのも一つの方法です。
まとめ
中央大学は「実学」の精神が根付く大学で、就職率が高めです。一般企業に加え、公務員・弁護士や公認会計士などの専門職・国会議員まで多彩なキャリアにつながるため、オープンキャンパスでは就職情報もあわせて確認しておくと判断材料が増えます。
看板学部である法学部は毎年人気を集めます。学科の違いと一貫教育プログラムの仕組みを理解したうえで、早めに対策を始める形が現実的です。
よくある質問
Q. 中央大学法学部はなぜ「法の中央」と呼ばれるのですか。
A. 「英吉利法律学校」として誕生した歴史と、長年の司法試験合格実績が背景です。法学部は130年の歴史を持つ看板学部として、法曹界・官界・政界・実業界に人材を輩出してきました。
Q. 法学部はどのキャンパスに通いますか。
A. 2023年4月から茗荷谷キャンパスで、入学から卒業まで4年間ここで学びます。法科大学院がある駿河台キャンパスとは地下鉄で3駅の距離です。
Q. 最短で法曹資格を取るには何年かかりますか。
A. 「法曹コース」で3年での早期卒業をめざし、法科大学院2年と合わせて最短6年です。一貫教育プログラム導入前は最短8年かかっていました。一定の条件を満たした希望者は、法科大学院在学中に司法試験を受験できます。
Q. 3学科はどう選べばよいですか。
A. 法曹や行政を軸にするなら法律学科、国際的な企業活動に関わる法を学ぶなら国際企業関係法学科、政治や政策・メディアに関心があるなら政治学科が対応します。ゼミのテーマ例まで見て比較すると違いが分かります。


