共通テスト追試は難しい?本試との難易度の違い
共通テストの追試とはそもそも何か
FAST-UP
共通テストの追試験は、本試験と同じ難易度を目指して作問されます。追試が有利にも不利にもなるような設計はされていません。ただし追試験の平均点は公表されないため、本試験との平均点の単純比較はできません。
2026年9月時点の情報です。
共通テストの追試とはそもそも何か
追試験は、受験生側の事情で本試験を受けられなかった人のために行われる試験です。混同されやすい再試験とは、実施される理由がはっきり分かれています。
| 区分 | 行われる理由 | 具体例 |
|---|---|---|
| 再試験 | 会場運営者や開催会場など開催側の不都合 | 雪や地震など自然災害で開催が困難な時 |
| 追試験 | 受験生本人の疾患、負傷などの受験者の不都合、あるいはやむを得ない理由 | 高熱、会場に向かう途中での交通事故、両親や親族の危篤・死亡、自宅の火災 |
疾患や負傷がどの程度であれば追試験の対象になるのか、どこにどう申請するのかは、次の見出しで整理します。
共通テスト追試の申請はどうやってやるのか
申請の入口は、受験票に記載された「問い合わせ大学」への電話連絡です。問い合わせ大学とは、受験票に記載された手続き窓口となる大学を指します。理由は大きく2つのケースに分かれます。
- 前日まで、当日の疾患・負傷
- 当日会場に向かう途中での事故・やむを得ない理由
前日まで、当日の疾患・負傷
次の項目から1つ以上該当する場合です。
- 38.0度以上の高熱
- 呼吸困難
- 倦怠感
もしくは、次の項目から2つ以上該当する場合です。
- 37.5度以上38.0度未満の発熱
- 咳がでる
- のどが痛む
申請受付期間は、令和6年度のように1月13日・14日に本試験が行われた場合、次のとおりでした。
| 場合 | 日付 | 時間 |
|---|---|---|
| 前日まで | 1月9~12日 | 9:00-17:00 |
| 1日目当日 | 1月13日 | 7:30-18:10 |
| 2日目当日 | 1月14日 | 7:30-17:50 |
申請方法は主に次の3通りです。
- 本人もしくは代理人が、受験票記載の「問い合わせ大学」に電話連絡した上で、「受験票」と「診断証明書(治療期間が明記)」を持参し、申請する。
- 本人もしくは代理人が「問い合わせ大学」に行けない場合は、電話連絡し指示を受ける。
- 試験当日、試験場に到着してから体調不良の場合は、試験監督者に申し出て、指示を受ける。
当日会場に向かう途中での事故・やむを得ない理由
当日会場に向かう途中の事故の具体例です。
- 試験当日の試験場に向かう途中の交通事故
- 交通機関の遅延/予定外の運休等
やむを得ない理由の具体例です。
- 両親又は親族等の危篤、死亡
- 自宅の火災
当日向かう途中の事故や交通機関の遅延・運休の場合、申請受付時間はその日の試験終了時刻までです。やむを得ない理由の場合は、令和6年度のように1月13日・14日に本試験が行われた場合、次のとおりでした。
| 場合 | 日付 | 時間 |
|---|---|---|
| 前日まで | 1月9~12日 | 9:00-17:00 |
| 1日目当日 | 1月13日 | 7:30-18:10 |
| 2日目当日 | 1月14日 | 7:30-17:50 |
申請方法は次の2通りです。
- 本人もしくは代理人が、受験票記載の「問い合わせ大学」に電話連絡した上で、「受験票」と「事故、事情が分かる証明書」を持参し、申請する。
- 本人もしくは代理人が「問い合わせ大学」に行けない場合は、電話連絡し指示を受ける。
共通テスト追試はどこで行われるのか
追試験の会場は、登録された本試験会場によって振り分けられます。令和6年度の追試験会場は次の予定でした。年度ごとに変わる可能性があるため、最新の案内を確認してください。詳しくは大学入試センターで公開されています。
| 本試験場地区 | 会場大学 | 所在地 |
|---|---|---|
| 東日本(北海道、東北、関東甲信越、静岡県) | 東京外国語大学 | 〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1 |
| 東日本(北海道、東北、関東甲信越、静岡県) | 埼玉大学 | 〒338-8570 埼玉県さいたま市桜区下大久保255 |
| 東日本(北海道、東北、関東甲信越、静岡県) | 聖徳大学 | 〒271-8555 千葉県松戸市岩瀬550 |
| 西日本(東海(静岡県を除く。)、北陸(石川県を除く。)、近畿、中国、四国、九州、沖縄県) | 京都工芸繊維大学 | 〒606-8585 京都府京都市左京区松ヶ崎橋上町1 |
| 西日本(東海(静岡県を除く。)、北陸(石川県を除く。)、近畿、中国、四国、九州、沖縄県) | 大阪教育大学 | 〒582-8582 大阪府柏原市旭ヶ丘4-698-1 |
なお、会場は試験受験者数の状況を踏まえ、追加で設定される場合があります。
共通テスト追試の過去問・解説
追試験の問題と正解は公開されています。形式に慣れる演習材料として使えます。
問題は次のとおりです。
正解は次のとおりです。
模試で形式に慣れておきたい場合は、共通テスト模試の年間日程をまとめた記事も合わせて確認できます。
共通テストの追試は本試より難しいのか
追試験の難易度は、本試験と同じように作問されています。共通テストの難易度は、平均点が5割程度になることを目標に設計されています。
「追試験の問題は本試験よりも難しい」「追試験の受験は本試験に比べて不利」というイメージを持つ受験生もいます。ただし追試験の平均点は公表されないため、本試験との平均点の単純比較はできません。
令和3年度共通テストの平均点を比較
本来、共通テスト追試験の平均点は公開されません。しかし2021年(令和3年度)入試は、コロナウイルス感染症による学業の影響が考慮され、2日程に分けて実施されました。
ほとんどの受験生が第1日程を受験していたことから、第2日程を追試に近いものとして捉えることができます。あくまで一例として参考にしてください。
| 教科 | 科目 | 満点 | 第1日程平均点 | 第2日程平均点 |
|---|---|---|---|---|
| 外国語 | リーディング | 100 | 58.80 | 56.68 |
| 外国語 | リスニング | 100 | 56.16 | 55.01 |
| 数学 | 数学Ⅰ・A(数学Ⅰ) | 100 | 57.68(39.11) | 39.62(26.11) |
| 数学 | 数学Ⅱ・B(数学Ⅱ) | 100 | 59.93(39.51) | 37.40(24.63) |
| 国語 | 国語 | 200 | 117.51 | 111.49 |
| 理科① | 物理基礎 | 50 | 37.55 | 24.91 |
| 理科① | 化学基礎 | 50 | 24.65 | 23.62 |
| 理科① | 生物基礎 | 50 | 29.17 | 22.97 |
| 理科① | 地学基礎 | 50 | 33.52 | 30.39 |
| 理科② | 物理 | 100 | 62.36 | 53.51 |
| 理科② | 化学 | 100 | 57.59 | 39.28 |
| 理科② | 生物 | 100 | 72.64 | 48.66 |
| 理科② | 地学 | 100 | 46.65 | 43.53 |
| 地理歴史 | 世界史A | 100 | 46.14 | 43.07 |
| 地理歴史 | 世界史B | 100 | 63.49 | 54.72 |
| 地理歴史 | 日本史A | 100 | 49.57 | 45.56 |
| 地理歴史 | 日本史B | 100 | 64.26 | 62.29 |
| 地理歴史 | 地理A | 100 | 59.98 | 61.75 |
| 地理歴史 | 地理B | 100 | 60.06 | 62.72 |
| 公民 | 現代社会 | 100 | 58.40 | 58.81 |
| 公民 | 倫理 | 100 | 71.96 | 63.57 |
| 公民 | 政治・経済 | 100 | 57.03 | 52.80 |
| 公民 | 倫理、政治・経済 | 100 | 69.26 | 61.02 |
| 総合 | 5教科7科目文系型 | 900 | 555 | 公表なし |
| 総合 | 5教科7科目理系型 | 900 | 571 | 公表なし |
2日程の平均点を比べると、文系科目よりも理系科目で平均点の差が大きい科目が多くなっています。平均点5割程度を目標に作問されていても、受験生の実力を精密に予測して作問することは難しいと言えます。
また第1日程では、同じ教科内での科目の平均点の差が大きかったことから、公民と理科②で得点調整が行われました。
共通テスト追試における得点調整の扱い
追試においては、得点調整は行われません。得点調整は、選択科目によって難易度に差が生じた場合に、不公平にならないようにする制度です。本試験でも、受験者数が1万人未満の場合は行われません。
本試験では次の科目間で行われます。
- 地理歴史:「世界史B」「日本史B」「地理B」間
- 公民:「現代社会」「倫理」「政治・経済」間
- 理科②:「物理」「化学」「生物」「地学」間
2021年は、公民と理科②において行われました。詳しくは大学入試センターの得点調整に関する公表資料で確認できます。
共通テスト追試が難しいと言われる理由
受験生一人にとっての難易度は、解く本人の得意不得意によって変わります。その上で、追試が難しいと言われる背景には、問題そのものが別に作られている点があります。
本試験と問題が異なり、新しい形式や傾向、出題意図の異なる問題が出るため、体感の難易度が上がることがあります。ただし、追試の方が有利になるように作問はされません。
加えて、平均点5割程度を目標に作問していても、受験生の実力を精密に予測して作問することは非常に難しいことです。その結果として、科目ごとに平均点が上下する場合があります。
FAST-UPが見てきた追試をめぐるつまずき
指導の現場で目立つのは、難易度を気にしすぎて手続きを知らないまま本番を迎えるケースです。追試の問題が難しいかどうかより、当日の連絡先と受付時間を把握しているかどうかが、結果を左右しやすい部分です。
もう一つ多いのが、体調不良を我慢して本試験を受け、実力を出し切れずに終わる流れです。判断の基準を事前に家族と共有していた受験生は、当日に迷う時間が短くなります。
追試の過去問を直前期の演習に使っていた受験生は、見慣れない設問の並びに出会っても動きが止まりにくい傾向があります。進路そのものを考え直したい場合は、大学進学の意味を整理した記事も参考になります。
よくある間違い
追試験と再試験を同じものだと思い込み、受験生側の事情でも「会場側の都合がないから申請できない」と判断してしまう間違いです。この勘違いがあると、受付時間を過ぎて申請の機会を失います。
回避策は、本番前に受験票を見て問い合わせ大学の連絡先と受付時間をメモし、家族にも共有しておくことです。疾患や負傷、当日の事故、親族の危篤など、受験生側の事情は追試験の対象になります。
共通テスト追試に関するまとめ
追試の条件は、主に受験生側の不都合によるものです。具体的には「受験生の疾患、負傷」「受験生が会場に向かう途中での事故」「受験生に関わる両親、親族の危篤、死亡」などが挙げられます。
申請は、いずれの理由でも申請期間内に本人もしくは代理人が、受験票記載の「問い合わせ大学」に電話連絡することが必要です。連絡の上で状況に応じた指示を受けて動きます。
難易度については、特別に追試験の方が有利になるような作問はされません。本試験、追試験のいずれも平均点が5割程度になるよう設計されています。問題形式や出題意図が異なることから、体感の難易度が変わる可能性はあります。
よくある質問
Q. 共通テストの追試は本試より難しいのですか。 A. 作問上は本試験と同じ難易度を目指しており、追試が不利になる設計はされていません。ただし問題が別に作られるため、形式や出題意図の違いから難しく感じることはあります。
Q. 追試の平均点は公表されますか。 A. 公表されません。そのため本試験との単純比較はできません。例外的に、2021年(令和3年度)は2日程で実施され、第1日程と第2日程の平均点が公表されています。
Q. 追試でも得点調整はありますか。 A. 追試では得点調整は行われません。本試験でも、受験者数が1万人未満の場合は行われません。対象は地理歴史、公民、理科②の一部科目間です。
Q. 当日の朝に発熱した場合はどうすればよいですか。 A. 受験票記載の「問い合わせ大学」に電話連絡し、指示を受けます。試験場に到着してから体調不良になった場合は、試験監督者に申し出ます。当日の受付時間は年度の実施日程に応じて設定されます。
Q. 追試の過去問は演習に使えますか。 A. 使えます。大学入試センターが令和3年度から令和5年度の追試験問題と正解を公開しています。本試験とは別の切り口の問題に触れる材料になります。


