高校生の英検準1級 合格勉強法と参考書
企業の中には英語を公用語とするなど
FAST-UP
高校生が英検準1級に合格する鍵は、語彙の上積みと形式別の演習です。必要語彙は9000語とされ、まず単語を固めます。そのうえで長文速読、型に沿ったライティング、1回放送のリスニングを過去問で反復します。高校生でも合格は十分に狙えます。
2026年9月時点の情報です。
級ごとの基礎から積み上げたい場合は、下位級の対策記事も参考になります。
英検準1級の概要
準1級は大学中級程度に位置づけられる級です。日本英語検定協会によると、「社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる」レベルとされ、審査領域でも社会性の高さがポイントに挙げられています。
必要とされる単語数は9000語です。難関大学合格に必要とされる単語数7000語を2000語上回るため、難関大学に合格した英語力でも足りない可能性があります。
リーディングの難易度
リーディングは高い難易度です。筆記90分の中で41問を解き、これにライティングが1問加わります。
基本的にすべて選択問題ですが、扱う話題は広く、医療やテクノロジー、政治なども入ります。関連した英単語が求められ、文法もより複雑に使われ、長文1つ1つの分量も増えます。
単語を暗記するだけで乗り越えられる水準ではありません。単語を固めたうえで問題数をこなし、ライティングに時間を残せるよう速く解き進める力が必要です。
リスニングの難易度
リスニングも負荷が大きい分野です。試験時間は30分で、29問に答えます。すべて4択ですが、放送回数はすべて1回です。会話で登場する英単語も9000語の中に含まれるため、高校では習わないものも出てきます。
準1級で登場するのが「Real-Life形式の内容一致選択」です。Real-Life形式とは、実生活でありがちな状況に関するリスニング問題で、電車のアナウンスや留守電のメッセージが当てはまります。答案にはシチュエーションと質問が英文で書かれ、10秒間黙読できます。一見するとやさしそうに見えて苦戦しやすい形式です。
試験日程
準1級は一次試験が本会場のみで実施され、二次試験には2つの日程が用意されています。各回のおおよその時期は次の通りです。
| 回 | 一次試験 | 二次試験 |
|---|---|---|
| 第1回 | おおむね5月下旬 | 6月下旬〜7月上旬 |
| 第2回 | おおむね10月上旬 | 11月上旬〜中旬 |
| 第3回 | 1月中旬 | 2月中旬〜3月上旬 |
大学の推薦で準1級を使う場合は、第2回で合格しないと間に合わない、あるいは第2回でも間に合わない可能性があります。志望校の出願日程を先に確認してから受験回を決めてください。
合格率はどれくらい?
準1級の合格率はおよそ15%で、6人に1人が合格できるかどうかという水準です。級が上がるごとに合格率が下がる傾向があり、2級でも25%程度です。
一方、一次試験を通過すれば9割近い人が二次試験も合格します。つまり一次試験が最大の関門です。一次試験を通過すれば9割近くが二次試験にも合格しているためです。
2級との違い
2級との決定的な違いは必要とされる単語数です。2000語から3000語の差を埋めるには数百時間かかるとも言われ、準1級では語彙力が大きく効きます。
| 項目 | 2級 | 準1級 |
|---|---|---|
| 合格率の目安 | 25%程度 | 15%程度 |
| 合格に必要な得点の水準 | 6割強 | 7割超 |
| 必要語彙との差 | — | 2000〜3000語の上積み |
2級から準1級へ進むときは、2級をある程度余裕のある点数で合格しておくことが望ましいです。合格に必要な得点の水準が、6割強から7割超へ上がるためです。
高校生が英検準1級に合格する勉強法を分野ごとに解説
分野ごとに形式を押さえ、そのうえで語彙を土台に据えるのが基本線です。以下で形式・傾向・勉強法を順に整理します。
リーディング
出題は3つの形式に分かれます。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 短文の語句空所補充 | 25問 |
| 長文の語句空所補充 | 6問 |
| 長文の内容一致選択 | 10問 |
| ライティング | 1問 |
傾向として、登場する英単語が社会性に富んでおり、高校では見かけないような難しい言葉が出てきます。時間も短いため、リーディングで苦戦してライティングに時間が残らないという失敗が目立ちます。
勉強法の軸は語彙と既習文法の徹底です。英語が話せる帰国子女でも不合格になることがある試験ですが、文法レベルは2級程度と言われます。難しさを生んでいるのは単語なので、語彙をどこまで積めるか、2級までの文法知識を使い切れるかが分かれ目です。社会的な話題に関心を持つこと、そして長文を読む量を確保することも効きます。
ライティング
採点基準を先に押さえるのが近道です。2級以上のライティングでは、意見と理由が含まれているか、構成が論理的か、課題にふさわしい語彙か、文法が正しく使われているかが基準になります。4つの観点が1つ4点満点、計16点です。
質問文に触れていない、英語ではない単語を使っている、意見と相反する説明をしているといった答案は減点されます。トピックそのものに触れていないと、分量を書いても0点になる可能性があります。
傾向としては、社会的な問題について賛成か反対かを問う形が多いです。過去には、大企業は社会に良い影響を与えるかを問う出題がありました。100語以上のエッセイを書くには、普段から社会的な話題に触れておく必要があります。
勉強法は、使える定型文を手持ちにし、模範的な構成を身につけることです。最初に主張、次に理由、その詳細を深掘りし、別の理由を述べて深掘りし、最後に改めて主張する流れが型になります。各転換で定型文を使い、トピックに触れながら筋を通して書きます。小論文を英語で書く作業のため、独学では確認が難しくなります。英語の教員など、しかるべき人に添削を依頼するのが有効です。
リスニング
構成は内容一致選択の3種類です。
| 形式 | 問題数 |
|---|---|
| 会話の内容一致選択 | 12問 |
| 文の内容一致選択 | 12問 |
| Real-Life形式の内容一致選択 | 5問 |
| 合計 | 29問 |
会話内容は3ターンないし4ターンの会話の後に質問が出ます。ターン数が定まっていないため、不意に会話が終わったり続いたりします。文の内容ではナレーションを記憶する必要があり、文章が長いため覚えきれないケースが目立ちます。Real-Life形式は、場面設定と質問を把握したうえで放送を聞き、最も適した答えを選びます。
勉強法は、聞いて慣れることが中心です。文の内容は長いので、集中力を切らさない訓練が必要です。聞く文章を段々と長くし、集中が続く時間を伸ばしていきます。先に読める文章や選択肢は読んでおき、放送中に選択肢を1つずつ消す解き方も覚えておきたいところです。シャドーイング(聞いた英語を少し遅れて声に出す練習)とディクテーション(聞いた英語を書き取る練習)を普段から続け、すべてを和訳せず頭の中でイメージできる状態を目指します。
よくある間違い:語彙を固める前に過去問演習へ進む
多いのは、2級合格の勢いで準1級の過去問に入り、点が伸びないまま演習を繰り返すパターンです。準1級の難しさの中心は単語であり、語彙が足りない状態では正誤の原因が語彙不足に集中します。演習の効果が出にくくなります。
回避策は、単語帳を1冊決めて到達点を先に作り、語彙が一定量積み上がった段階で形式別の演習へ移ることです。演習に入ってからも、間違えた問題を「語彙が原因」「形式が原因」に分けて記録すると、次にやる作業が決まります。
FAST-UPが見てきた準1級挑戦のつまずきどころ
指導現場で目立つのは、語彙の不足よりも時間配分の崩れです。リーディングで粘ってしまい、ライティングを書き切れずに終わる答案が繰り返し出てきます。先にライティングの持ち時間を決め、リーディングは切り上げる練習をしておくと崩れにくくなります。
もう1つは、ライティングを書いたまま放置してしまうことです。採点基準に沿って読み返す習慣がないと、同じ減点を何度も重ねます。構成の型を紙に書き出し、毎回その型と照らし合わせる生徒は、短期間でも答案の形が安定していきます。
リスニングでは、聞き取れた単語を日本語に置き換えようとして遅れる例が多く見られます。放送は1回のみのため、訳す作業を挟むと次の文を聞き逃します。イメージで捉える練習に切り替えた段階で、設問への反応が変わってきます。
高校生が英検準1級に受かるためにおすすめの参考書
語彙・文法・形式の3点をそれぞれ埋める構成で選ぶのが基本です。
| 参考書 | 役割 | 想定レベル |
|---|---|---|
| DUO 3.0 | 語彙の上積み | 英単語ターゲット1900などの単語を全て覚えた人 |
| NextStage | 文法・語法の総点検 | 英文法がある程度固まっている人 |
| DAILY25日間 英検準1級集中ゼミ | 出題形式への対応 | 語彙がついている人 |
DUO 3.0
「DUO 3.0」は、準1級に必要な語彙を蓄えるための1冊です。英単語ターゲット1900などに出てくる単語を全て覚えた人が対象で、2600語を560の英文に収めています。自然な英文なので頭に入りやすく、復習用CDを使えば560の英文を1時間で復習できます。語彙を一気に増やしたい段階で役立ちます。
NextStage
「NextStage」は、高校卒業レベルの英文法の知識を固めたい場合に向く参考書です。文法や語法の問題が2000問以上収録され、見開き2ページの左側に問題、右側に解説があるためスピーディーに進められます。英文法がある程度固まっていて、もう一段階レベルを上げたい人向けです。書かれていることが理解できない状態では、準1級を目指すのは難しくなります。
DAILY25日間 英検準1級集中ゼミ
「DAILY25日間 英検準1級集中ゼミ」は、1日30分を25日続けて準1級合格に近づく構成です。語彙がついていることが前提で、問題形式に合わせた演習が並びます。出題形式に慣れることが目的なので、1周目が25日なら2周目はその半分で回すなど、何周もすると対策が固まります。
高校生でも英検準1級に合格できる理由とは?
狭き門ですが、高校生でも届く理由があります。
大学入学共通テストのリスニングの速さとあまり変わらない
リスニングは、語彙を固めたあとはスピードへの慣れが中心になります。読み上げの速さが大学入学共通テスト(全国の大学入試で共通に使われる試験)とほとんど変わらず、共通テストの方が速い可能性もあるためです。単語を覚え、シャドーイングやディクテーションを重ね、演習を繰り返せば、高校生でも攻略は十分可能です。(参考:速読情報館)
文法問題は高校英語で賄える
準1級では文法は知っていて当然という扱いになる面があり、2級レベルの文法でも間に合います。高校で学んだ文法で対応できる範囲です。裏を返せば、どの文法問題が出ても答えられるよう、満遍なく知識を入れておく必要があります。高校で習わない内容が出る可能性は高くないため、高校生にとって追い風になります。
出題形式が固定され対策しやすい
英検の出題形式が大きく変わることは多くありません。必要語彙が多いため中身が似ることは少ないものの、どんな形式で出るかはパターン化されています。過去問が有効に働き、語彙を身につけられればチャンスは十分あります。高校生にとっての大きな壁は語彙です。
高校生が英検準1級に合格するメリットとは?
大学入試の強い味方になる
準1級は入試の選択肢を広げる材料になります。例えば青山学院大学では、準1級があれば文学部の自己推薦(大学が示す要件を満たして出願する推薦入試)の出願要件を満たします。大学によっては加点があり、英語の試験が免除になる大学もあります。使える入試方式が増えるほど、併願の組み方にも幅が出ます。
就職で有利になる
英検の強みは、履歴書に書き続けられることです。TOEICやTOEFLは取得して2年で資格としての有効期間が切れ、履歴書に書けなくなります。英検は無効にならないため、高校時代に準1級を取得しておけば就職活動でも使えます。準1級は多くの企業が認識しており、TOEICのスコアがどの水準かは分からなくても英検準1級の難しさは知っているという人もいます。評価されやすい資格と言えます。
奨学金がもらえる
準1級に合格すると奨学金の対象になるケースがあります。返済不要の給付型奨学金が多く、卒業後の返済負担が生じません。ある大学では、準1級の取得で最上位の特待生となり、4年間授業料がすべて免除されます。300万円近い学費を学校側が負担する形です。家計への負担を抑える手段にもなります。
高校生が英検準1級に合格するのはすごい?
相当に高い評価を受ける水準です。進学校と呼ばれる高校でも学年に数人いるかどうかというレベルで、学力上位層でも合格は簡単ではありません。日本では英語に苦手意識を持つ人が多く、大学生の英語力が低いと言われることもあります。その中で高校在学中に準1級を取得すれば、かなりの逸材と見られます。
まとめ
準1級合格の中心は単語です。高校時代に準1級の範囲を覚え切ると、大学受験の英語がかなり楽になります。読解力をつけておけば、文法と単語は英検対策で仕上がっており、あとは演習量を積むだけになります。まずは2級から始め、準1級、1級へと段階的に進めるのが現実的な道筋です。
よくある質問
Q. 英検2級に合格した直後から準1級の対策を始めてよいですか? A. 始めても問題ありませんが、2級をぎりぎりの点数で通過した場合は語彙の上積みを先に行う方が進みます。合格に必要な得点の水準が6割強から7割超へ上がるためです。
Q. 大学の推薦で使う場合、どの回で受けるべきですか? A. 出願時期に間に合うかで決まります。第2回で合格しないと間に合わない、あるいは第2回でも間に合わない可能性があるため、志望校の出願日程を先に確認してください。
Q. リスニングが苦手でも間に合いますか? A. 語彙を固めれば現実的です。読み上げの速さは大学入学共通テストとほとんど変わらないため、単語を覚えた後はシャドーイングとディクテーションでスピードに慣れる作業が中心になります。
Q. ライティングは独学でも対策できますか? A. 型の習得までは独学でも進められます。ただし採点は意見・構成・語彙・文法の4観点で行われるため、答案を第三者に添削してもらうと減点の癖に気づきやすくなります。


