共通テスト国語の勉強法|文系・理系別に解説
文系学生にとっては避けては通れず、理系学生にとっても決しては無視は…
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共通テスト国語は評論・小説・古文・漢文の4題で、試験時間は80分です。得点を安定させる軸は、古文と漢文の語彙・文法・句形の暗記と、演習後に解説を読み込む作業です。解く順番は古文と漢文から始めます。
2026年9月時点の情報です。
国公立大学を受ける受験生にとって国語は必須であることが多く、文系だけでなく理系にとっても無視はできない教科です。2027年度入試に向けて、概要から分野別の勉強法、参考書、解き方のコツまで整理します。
共通テスト国語の全体像
共通テスト(大学入学者選抜で使われる全国共通の試験)の国語は、設問が4つに分かれ、それぞれ50点の配点です。分野は評論、小説、古文、漢文です。センター試験(共通テストの前身として実施されていた全国共通試験)と比べて設問が減った一方で、マーク数は増えています。
出題構成と配点
| 分野 | 配点 | 特徴 |
|---|---|---|
| 評論 | 50点 | 漢字問題、資料や図表との組み合わせ |
| 小説 | 50点 | 登場人物の心情と変化が問われやすい |
| 古文 | 50点 | 単語・文法・古文常識が前提 |
| 漢文 | 50点 | 句形・句法の暗記が得点に直結 |
共通テスト導入初年度の2021年には、古文で25年ぶりに歴史物語から出題されるなど、これまでの傾向から外れた動きも見られました。ただし、取り組むべきことは変わっていません。
センター試験から変わった点
変化の中心は、読解力に加えて思考力を問う形式です。主な特徴は次の3つです。
- 複数の資料を提示して読解力を問う問題が全ての設問で登場する
- 1つの問題で複数の答えを出す形式がある
- 古文・漢文で求められる知識は大きく変わっていない
複数の資料を読み解き、それにふさわしい答えを見つける力がないと正解は難しく、いかに素早く資料を処理するかが勝負になります。
複数解答の形式は2021年の古文で登場し、1つの正解で8点、2つ正解して16点と、かなりの比重を占めました。試行問題では、答えがいくつかを明記せず正しいものをすべて選ばせる問題もあり、正答率はかなり低かったとされます。1つ正解するだけでは不十分な形式に慣れておく必要があります。
一方で、古文や漢文はさほど大きな変化がなかったと言われています。複数の文章を関連づける問題はありますが、求められる知識は今までと変わりません。文法の単独知識問題が読解とセットになるといった違いはあるものの、センター試験で使えたテクニックが通じる場面は多く残っています。
難易度の見方
複数の素材から読み解く設問への対策を立てて乗り越えれば、センター試験と比べて急に難しくなるということはないでしょう。漢字問題は5つの選択肢から選ぶ形式が4つに変わっています。単語や文法の単独知識より、読解力と思考力を問う方向に力が入っていると見るべきです。
文系の共通テスト国語の勉強法
文系は8割以上、できる限り満点に近い得点を狙う勉強法が求められます。そのため、取りこぼしを減らす作業が中心になります。
語彙力を強化し、漢字で取りこぼさない
高得点を狙う場合は、漢字問題を落とさないことが前提になります。語彙力の強化は読解力の強化にもつながります。言葉の意味が分かるからこそ、文章の内容も分かるからです。スキマ時間を活用し、少しでも多く言葉を覚えていきましょう。
和歌や修辞法に取り組む
古文が得意な人でも点数を落としやすいのが、和歌が出てくるケースです。共通テストでは和歌や修辞法が出題され、表現技法の問題で苦戦する受験生が少なくありません。単語と文法に加えて、修辞法や古文常識(当時の生活や風習など、古文を読むうえでの前提知識)も押さえます。身分制度によって敬語の使い方が変わるなど、さまざまなルールがあります。知識を入れたうえで演習問題を重ねることが必要です。
問題を解き、解説を読み込む
知識を詰め込む作業はインプットにとどまります。入試では、アウトプットを正しく行えるかで点数が決まります。演習では、ただ解くのではなく解説を読み込み、新しいインプートにつなげます。この繰り返しの中で読解力と思考力が強まり、多角的な考え方ができるようになります。
理系の共通テスト国語の勉強法
理系は、暗記で点が取れる分野を先に固めるのが現実的です。読解力や思考力を身につけるには時間がかかり、暗記だけでは限界があります。
古文と漢文に時間をかける
古文と漢文に時間をかけるのは、理系の受験生には効率的です。古文と漢文は文法や句形、句法を暗記すれば、それなりの点数を狙えるからです。設問はそれぞれ50点で、古文と漢文で100点近い点数をとれば、あとは現代文で漢字など取りこぼしてはいけない問題を正解し続けることでまとまった点数になります。理科の暗記分野の進め方は生物の勉強法の考え方も参考になります。
文法は主要なところを固める
古文の成績を左右するのは、単語と文法の質です。ここがあやふやだと、何が書かれているか分からなくなります。単語は重要語の丸暗記が基本ですが、文法は覚える量が多く、すべて丸暗記するのは現実的ではありません。動詞、形容詞、形容動詞、助動詞など主要な部分を中心に押さえます。使用頻度が高く、設問で問われる場面も多い部分です。
消去法で絞るクセをつける
理系が国語を苦手とする要因に、抽象的な表現が多く、答えを絞り切れないことがあります。共通テストでは一発で答えを導き出すのは難しいので、現代文でイライラする人も多いはずです。ポイントは、問題文で語られていない内容が選択肢に含まれていれば消していくことです。明らかに違う選択肢は意外と多く、絞り込みは進めやすくなります。事実をベースに組み立てる理系的な考え方が使えます。
分野ごとの勉強法
分野ごとに、やるべき順番が異なります。
現代文
現代文は語彙力を鍛えつつ、共通テストで出題される「実用的な文章」への対策が必須です。情報処理と要点整理の力も求められます。参考書で演習に取り組むのが中心の勉強法になります。解きっぱなしにせず、解説を読んだうえで、どのような着眼点を持つべきかを学びます。問題量をこなし、1回ごとに解説で確認し、再度解く。この繰り返しが現代文の勉強法です。
古文
古文は、単語と文法の知識を頭に入れることから始まります。スキマ時間で単語を覚え、定期的に文法を確認してから問題集に取り組みます。進め方は現代文と同じですが、解説の重みはより大きくなります。古文常識の有無で間違える問題が出るため、解説を読んで「これは古文常識だった」と気づくこともあります。覚えるべきものを覚え、間違いを糧にするのが効率的です。
漢文
漢文は句形と漢字の学習から始めます。漢文で使われる漢字は日常の漢字と意味合いが異なり、現代的な意味で考えて痛い目を見るケースがあります。そのうえでレ点や返り点を確認しながら演習問題に進みます。こちらも演習と解説の読み込みを繰り返します。最後に、複数の素材から読み解く問題を共通テスト対策問題集で確認して仕上げます。
高得点を取るための解き方・コツ
解く順番は古文と漢文から始めます。古文と漢文は勉強をすればするほど解きやすく、点数も確保しやすいからです。
時間配分の目安
| 分野 | 時間の目安 | 狙い |
|---|---|---|
| 漢文 | 短時間(15分以内で済むこともある) | サッと解いて高得点 |
| 古文 | 漢文と合わせて30分 | 知識で素早く処理する |
| 現代文 | 残りの50分 | じっくり読んで高得点 |
80分しかないため、漢文と古文で30分、残りの50分を現代文に充てるのが理想です。同じ形式の模試を何度も受ける中で、時間の感覚を体に入れておきます。
大事だと思った場所に線を引く
現代文では、重要だと思った部分に線を引いたり印をつけたりするやり方が有効です。どこが要点で、どこが注意すべき部分かがすぐに分かります。接続詞の前後で内容がガラッと変わり、筆者の主張が書かれていることがあるため、チェックしておくと答えを導きやすくなります。
登場人物の心情や変化に着目する
現代文が苦手な人は、主人公に感情移入したり「自分ならこうする」と考えたりして、方向がずれがちです。淡々と事実を確認することが重要で、その際に登場人物の心情と変化に着目します。なぜ心情が変わったのかを問われることが多く、その理由や出来事が答えになる可能性が高いです。前後の記述を踏まえて解けるようになります。
おすすめの参考書・問題集
分野別に、目的が分かれます。
現代文
| 参考書 | 特徴 |
|---|---|
| 田村のやさしく語る現代文 | 現代文を解くために必要なスキルをイチから学べる。苦手な人や理系にも取り組みやすい |
| 現代文読解力の開発講座 | 読解力を本格的に引き上げたい人向け。難しい単語も出るが、反復と解説読み込みで力がつく |
| 共通テスト 現代文 実用的な文章・図表の読解問題 | 鬼門となりやすい実用的な文章・図表に絞った一冊。グラフや写真、会話文の形式を練習できる |
古文
| 参考書 | 特徴 |
|---|---|
| 古文上達 基礎編 読解と演習45 | 基礎固め向け。内容がやさしく、苦手意識が強い人や理系にも適する。過去問の前に終えたい |
| 岡本梨奈の 1冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本 | 基礎から入試標準レベルまで文法を押し上げる。全37回構成で計画的に進められる |
| マドンナ古文常識217 | 古文常識に絞った一冊。読むうえでの予備知識と作品の背景を習得できる |
漢文
| 参考書 | 特徴 |
|---|---|
| 漢文ヤマのヤマ | 基本的な句形・句法をまとめた一冊。66の句法を扱い、書き下し文や直訳の練習にもなる。共通テスト対応 |
| 漢文早覚え速答法 | 暗記を少なくし、漢文に慣れることを優先。30年以上改訂を重ね、特有の読み方や出題意図の解説が多い |
| 漢文道場 入門から実戦まで | 基礎・錬成・実践と段階的に進む。語彙と句法の確認に加え、大学入試の実際の問題で総仕上げができる |
必要な勉強時間の目安
どこまでの得点を狙うかによりますが、1週間で数時間程度、1年で200時間程度は確保しておきたいところです。過去問を解く時間も含みます。スキマ時間で単語・文法・句形のインプットを行い、机に向かう時間は問題演習に充てるのが理想的です。受験校数によって必要な対策量も変わるため、併願の考え方と合わせて計画を立てると無理が出にくくなります。
点数が伸びない人の特徴
伸び悩みの原因は、読解力そのものより進め方にあることが多いです。
- 解く順番が悪い
- 問題文をすべて読んでから解き始める
- 自分の考えが入り込む
1つ目の設問から順番通りに解くと、時間切れになる可能性が高くなります。国語に限らず、数学や英語でも解きやすいところから始めるのがセオリーです。現代文に時間がかかりやすいため、古文と漢文を後回しにすると、点を稼げる分野で時間を失います。
3つ目は、冷静に文章を読めていない状態です。小説や評論で自分の考えとは異なる内容を目にしたとき、「それは違う」と思ってしまう人は少なくありません。読書としては自然でも、試験では相いれない意見も冷静に読む必要があります。多くの問題を解き、解説を読み込んで基準を他人の文章側に合わせていきます。
よくある間違い:問題文を最初から全部読んでしまう
問題文は長く、読み込むだけで相当な時間がかかります。すべて読んでから解き始めると、それだけでタイムロスになります。
回避策は、設問で問われている部分をピンポイントで読む進め方です。要領を得なければ、そこから読む範囲を広げれば足ります。最初から全文を読む必要はありません。演習の段階から、設問→本文の順で視線を動かす練習をしておきます。
FAST-UPが見てきた国語でつまずく生徒の共通点
指導現場で目立つのは、知識不足よりも「演習の使い方」でつまずくケースです。問題を解いて丸付けをして終わり、という進め方だと、同じ種類の失点が何度も続きます。
もう一つ多いのが、古文単語と漢文句形を後回しにするパターンです。現代文は伸びを実感しにくいため、手応えを求めて現代文ばかり解き、暗記で埋まる分野が最後まで空いたままになります。先に暗記分野を進めた生徒は、模試で時間配分の余裕が生まれ、現代文の読み込みにも手が回るようになります。
時間配分を本番で初めて考える生徒も少なくありません。順番と持ち時間を決めずに模試を受けると、毎回違う崩れ方をして、原因が特定できなくなります。順番は演習段階で固定しておくほうが、振り返りが機能します。
まとめ
国語の共通テストは平均点が6割程度で推移しており、古文が低い点数になりがちです。一方で、古文も漢文も覚えるべき語彙が絞られているため、覚えるほど武器になります。現代文も冷静に読み、事実と照らし合わせれば安定した点数が見込めます。あとは演習をどれだけこなし、解説を理解する姿勢を持てるかどうかにかかっています。
よくある質問
Q. 理系でも国語に時間を割く必要はありますか。 A. 国公立大学を受ける場合、国語は必須であることが多く、対策は必要です。読解力の養成に時間をかけるより、古文の文法と漢文の句形という暗記分野から着手するほうが、短い時間で得点につながります。
Q. 解く順番はどうすればよいですか。 A. 古文と漢文から始め、最後に現代文を解く順番が基本です。漢文は文章が短く、15分以内で済むこともあります。古文と漢文で30分、現代文に50分という配分を模試で体に入れておきます。
Q. 国語の勉強時間はどれくらい必要ですか。 A. 狙う得点によりますが、1週間で数時間程度、1年で200時間程度が目安です。過去問を解く時間も含みます。単語や句形はスキマ時間、問題演習は机に向かう時間に割り振ります。
Q. 現代文はセンスで決まるのでしょうか。 A. 演習と解説の読み込みを繰り返すことで、着眼点は身につきます。重要な箇所に線を引く、登場人物の心情の変化を追う、選択肢から本文に書かれていない内容を消すといった手順を固定すると、得点が安定しやすくなります。


