大学受験の独学におすすめの参考書を教科別に解説
独学で大学受験に挑む場合、どの参考書で勉強をするかが重要になります。
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独学の参考書は、教科ごとにインプット用1冊とアウトプット用1冊を決め、やり切るのが基本です。英語なら総合英語Evergreenと英単語ターゲット1900、数学なら青チャートというように、定番を学力に合わせて選びます。
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独学では参考書選びが結果を左右する
独学の成否は、どの参考書を選び、どれだけ繰り返したかで大きく変わります。参考書は独学における相棒ですが、使いこなせなければ力は伸びません。自分の学力に対して難しすぎるものを選ぶと、理解が追いつかないまま別の1冊に手を出し、どれも中途半端になりやすくなります。
自分に合った1冊を見つけ、何周も解き直す。この作業をどれだけ積めたかが、独学の到達点を決めます。文系・理系を問わず、参考書の選び方は重要です。
参考書にはインプット教材とアウトプット教材があります。インプット教材は知識や読み方を覚えるための本、アウトプット教材は覚えた内容を問題で使う本です。この2つを組み合わせることが大切です。
教科別おすすめ参考書の一覧
8教科のおすすめ参考書を、インプット用とアウトプット用に分けて整理しました。詳細は各教科の見出しで解説します。
| 教科 | インプット用 | アウトプット用 |
|---|---|---|
| 英語 | 総合英語Evergreen/英単語ターゲット1900 6訂版 | Next Stage 英文法・語法問題/イチから鍛える英語長文 |
| 現代文 | 現代文 キーワード読解/入試現代文へのアクセス | 出口の現代文レベル別問題集/船口のゼロから読み解く現代文 |
| 古文 | 古文単語ゴロゴ/基礎からのジャンプアップノート古典文法・演習ドリル | 岡本梨奈の古文ポラリス/中堅私大古文演習 |
| 漢文 | 漢文ヤマのヤマ | 漢文道場 入門から実戦まで |
| 数学 | チャート式基礎からの数学(青チャート)/数学I・A単問ターゲット336 | Z会数学基礎問題集シリーズ/Focus Goldシリーズ |
| 日本史 | 詳説日本史B/日本史Bの点数が面白いほどとれる本 | 攻略日本史 テーマ・文化史 整理と入試実戦 |
| 世界史 | これならわかる!ナビゲーター世界史B/時代と流れで覚える! 世界史B用語 | 山川一問一答世界史/スピードマスター世界史問題集 |
| 政治経済 | 大学入試 マンガで政治・経済が面白いほどわかる本 | よくわかる政治・経済問題集/共通テスト政治・経済集中講義 |
英語の独学におすすめの参考書
英語は文法のインプットと単語のインプットを土台に、文法演習と長文演習へ進む流れが取りやすい教科です。
インプット用
- 総合英語Evergreen:多くの受験生に支持された「総合英語Forest」をバージョンアップした内容で、英文法が詰め込まれたインプット用参考書です。前作と違って音声ダウンロードサービスが追加され、音を聞きながら英文法のトレーニングが行えます。スキマ時間の活用にも向いています。
- 英単語ターゲット1900 6訂版:2020年に6年ぶりの改訂が行われた、英単語をインプットする参考書です。共通テスト(大学入学共通テストの略。多くの大学が利用する全国共通の試験)はもちろん、国公立大学の2次試験(国公立大学が共通テスト後に個別に課す試験のこと)や難関私大もカバーしています。改訂で「でる順」も更新され、より出やすい英単語がわかります。
アウトプット用
- Next Stage 英文法・語法問題:文法や語法の問題、会話表現、単語・語いなど入試で頻出する問題を1冊にまとめたアウトプット用の参考書です。難関私大レベルまでを網羅し、左のページに問題、右ページに解説が載っていて注意点も記載されています。音声データのダウンロードが行えるため、会話表現やリスニング対策にも使えます。
- イチから鍛える英語長文:和訳や空欄補充など、入試で頻繁に問われる問題形式を採用した本格的な英語長文の参考書です。長文問題に入る前に英単語の暗記の重要性を説くなど、長文読解の心構えを紹介しているのも特徴です。レベルはベーシックから300、500、700とあり、ベーシックを完璧にしたら300へ、という進め方ができます。
英語の基礎をもう一段さかのぼって固めたい場合は、英検対策の教材を併用する方法もあります。進め方は英検4級の勉強法とおすすめ参考書で解説しています。
現代文の独学におすすめの参考書
現代文は語彙のインプットと読み方の習得を先に行うと、演習の効果が上がりやすくなります。
インプット用
- 現代文 キーワード読解:読解問題でよく出るキーワードをジャンル別にまとめ、出やすいテーマや小説で頻繁に出てくる重要な言葉をまとめたインプット用参考書です。語彙力が足りないと長文読解をスピーディーに解けません。共通テストから東京大学の受験まで幅広く対応します。
- 入試現代文へのアクセス:問題演習を通じて読み方と解き方、語彙力を高められるインプット用参考書です。シリーズになっており、基本編は偏差値40の人でも利用できる内容です。苦手意識がある場合は基本編から読み方と解き方を学び、段階的にレベルを上げます。
アウトプット用
- 出口の現代文レベル別問題集:長い解説文を排除し、ピンポイントに解説をつけて読みやすくしたアウトプット用参考書です。答えにたどり着くまでの道筋が明快で、レベル1の超基礎編から難関編まで6段階あります。
- 船口のゼロから読み解く現代文:中学生が読んでも理解できるほど基礎的な、現代文の読み方や解き方がわかる参考書です。ゼロから学べる作りで、現代文でつまずきやすい表現もフォローしています。
古文の独学におすすめの参考書
古文は単語と文法の語彙力を高めてから長文読解に挑むのがセオリーです。
インプット用
- 古文単語ゴロゴ:古文の単語をゴロで覚えるインプット用参考書です。コミカルな印象ですが、1冊を網羅すると難関私大・国公立大学レベルの古文に対応する語彙力が身につきます。娯楽感覚で進められるため、古文単語の暗記が苦手な人に向きます。
- 基礎からのジャンプアップノート古典文法・演習ドリル:古典文法を網羅したインプット用参考書です。書き込めるのでどこが理解できていないかがすぐにわかり、冊子が薄いため何周もしやすい点が魅力です。
アウトプット用
- 岡本梨奈の古文ポラリス:入試問題で頻繁に登場する14題の長文を掲載し、読解のやり方、押さえるべき文法や単語をまとめた参考書です。基礎レベルと標準レベルがあり、基礎レベルでも中堅私立レベル、標準レベルでは国公立大学対策まで行えます。
- 中堅私大古文演習:本格的な演習問題を掲載した参考書です。解説が詳しく、読み込むだけでも学べます。最難関大学を目指すには物足りなく感じることもありますが、そう感じられた時点で古文の力は相当ついています。
漢文の独学におすすめの参考書
漢文は句法の知識を講義形式で入れ、演習でチェックする流れが短期間で進めやすい教科です。
インプット用
- 漢文ヤマのヤマ:漢文初心者や漢文を苦手とする人を対象にしたインプット用参考書です。講義形式で進むため文章に堅苦しさがなく、幅広い範囲を網羅しています。
アウトプット用
- 漢文道場 入門から実戦まで:漢文の基礎知識だけでなく、実際に入試で出た問題やオリジナル問題まで収録しています。所々に語彙や句法のチェック項目があり、知識が抜け落ちない工夫があります。解説も充実しており、漢文対策に時間をかけたくない場合にも向きます。
数学の独学におすすめの参考書
数学は網羅系の参考書を軸に据え、例題から演習問題へ進めるのが基本の形です。
インプット用
- チャート式基礎からの数学(青チャート):学校でも採用されることが多く、インプット用としては王道の参考書です。演習問題も用意され、難易度に応じて解く問題を変えるなど使い方の幅があります。
- 数学I・A単問ターゲット336:一問一答形式で数学I・Aの問題が解ける参考書です。336の問題それぞれに解法があり、数学を解く手順が身につきます。数学II・Bなど他の範囲版もあります。
アウトプット用
- Z会数学基礎問題集シリーズ:基礎レベルの問題が多く収録されています。難問は少ない一方で思考力を問う問題が多く、解き切ると数学の力がついた手応えを得やすくなります。
- Focus Goldシリーズ:青チャート同様に全範囲を網羅した参考書で、独学者向けの学習法も掲載されています。難易度は青チャートより若干難しいものの、解説が詳しい点が特徴です。
日本史の独学におすすめの参考書
日本史は流れをつかむインプットと、テーマ史・文化史の演習を分けて進めると穴が埋まりやすくなります。
インプット用
- 詳説日本史B:全国の高校で教科書として採用されている山川出版社の参考書です。重要用語だけでなく歴史の流れが細かく書かれています。共通テストで日本史を使う場合は、この1冊を網羅しておくと高得点を狙いやすくなります。
- 日本史Bの点数が面白いほどとれる本:時代の流れをわかりやすくまとめたインプット用の参考書です。教科書代わりでも問題がないと評されるほど評価が高く、共通テストに向けた対策や解説も収録されています。
アウトプット用
- 攻略日本史 テーマ・文化史 整理と入試実戦:受験生が苦手にしやすいテーマ史や文化史を中心に扱った参考書です。インプットで学んだ内容をぶつけることで、どこが弱いかがはっきりします。政治史以外の分野をまとめた参考書は貴重です。
世界史の独学におすすめの参考書
世界史は流れの理解と用語の暗記を並行させ、一問一答と問題集で定着させる形が取りやすい教科です。
インプット用
- これならわかる!ナビゲーター世界史B:世界史の流れを理解するために欠かせない参考書です。基礎から学びたい人に向き、教科書を作る山川出版社の本だけに共通テストで扱われる事柄も数多く載っています。
- 時代と流れで覚える! 世界史B用語:入試で出やすい頻出用語を3000語覚えられるインプット用参考書です。図も入っていて目で覚えやすく、コンパクトなのでスキマ時間にも使えます。
アウトプット用
- 山川一問一答世界史:一問一答形式で教科書レベルの知識を問う参考書です。スキマ時間に使えるほか、学校の試験対策にも効果的とされています。基礎を固めて次のステップへ進む叩き台として使えます。
- スピードマスター世界史問題集:30日で世界史の基礎を固めることを目的とした問題集です。得意科目に時間を回したい一方で、基礎は手早く固めたい場合に向きます。
政治経済の独学におすすめの参考書
政治経済は仕組みのイメージを先につかみ、分野別の問題演習で確認する流れが進めやすい教科です。
インプット用
- 大学入試 マンガで政治・経済が面白いほどわかる本:マンガで政治経済を学ぶインプット用参考書です。普段ニュースを見ない人にとって政治の仕組みは複雑に見えますが、マンガと講師の解説を合わせて読むことで理解しやすくなります。
アウトプット用
- よくわかる政治・経済問題集:政治経済の基本を学べるアウトプット用の参考書です。一問一答でチェックでき、分野別の問題に加え、誤りの選択肢がなぜ間違いなのかという解説までついています。
- 共通テスト政治・経済集中講義:共通テストの傾向を分析して作成されたアウトプット用の参考書です。50のテーマが収録され、それぞれに演習問題がついています。共通テストを想定した問題演習にも取り組めます。
理科の参考書選びも考え方は同じです。生物を選択する場合は生物の勉強法とおすすめ参考書もあわせて確認できます。
独学での参考書選びのポイント
参考書は「わかりやすさ」「定番かどうか」「今のレベルとの差」の3点で選ぶと迷いにくくなります。
基礎から始める場合はわかりやすさを重視
基礎をやり直す場合は、できるだけわかりやすく親しみのあるものを選びます。古文単語ゴロゴのようにギャグの要素があるものは、苦にせず単語を覚えられます。マンガで解説する本も出ており、興味を持たせる仕組みがちりばめられています。
学びに対する好奇心が生まれれば、熱中して学びたくなります。この状態になると1日10時間の勉強も苦になりません。最初はわかりやすさを優先し、基礎を固めてから別の参考書に移ります。
迷ったら定番の参考書を選ぶ
迷ったら人気の参考書を選ぶのが手堅い方法です。多くの受験生に使われ続ける参考書は、使いやすさと効率の良さが評価されているためです。塾や予備校で話題になり、学校でも使われるため馴染みがある点も人気が続く要因です。
「みんなと同じ参考書では差がつかないのでは」と思うかもしれません。実際に差がつくのは勉強量と勉強の質です。定番を選んだうえで、志望校のレベルに応じて難易度を合わせていきます。
新しい参考書を買うならレベルを上げる
新しい参考書を買うなら、レベルを一段上げたものを選びます。同じレベルのものを買っても、前の参考書をもう1周するのと内容が重なるためです。シリーズ化された参考書なら、難易度別の次の段階に進むとよいでしょう。
レベルを上げた瞬間に解きにくさを強く感じた場合は、基礎が固まりきっていない可能性があります。前のレベルに戻してもう1周解き直し、再びチャレンジします。
よくある間違い:参考書を増やして満足する
よくある間違いは、1冊を終える前に新しい参考書を買い足すことです。書店で評判の良い本を見かけるたびに手を出すと、どの本も最初の数十ページだけ進んだ状態で止まります。
回避策は、教科ごとにインプット用とアウトプット用の冊数を先に決め、終わるまで買い足さないルールを作ることです。買う候補はメモに残し、1冊終えた時点で改めて必要か判断します。新しく買う場合も、前の参考書よりレベルを上げたものに限定します。
参考書を使った独学勉強法のコツ
参考書は、作り手が想定した順番どおりに進めるのが基本です。そのうえで記録とスキマ時間の使い方を整えます。
効率的なやり方で勉強する
参考書には想定された進め方があります。青チャートのように最初に例題を解き、それを踏まえて演習問題に入る形が代表例です。効率性や利便性を考えて作られているものは、参考書通りに進めるのがおすすめです。変にオリジナリティを出す必要はありません。
今日学んだことをノートにまとめる
独学では、ノートに答えを書き、間違えた問題に印をつけている人が少なくありません。これなら2回目、3回目に解いたときの変化がわかります。一方でインプットの場合、その日何を学んだかを思い出そうとすると意外と出てきません。目で読んでいるだけになるからです。
そこで1日学んだことをノートにまとめます。学んだ内容を改めてチェックでき、書く分だけ覚えやすくなります。アナログな方法ですが、無駄にはなりません。
ハンディタイプの参考書でスキマ時間を使う
通学中には必ずスキマ時間が生まれます。電車の待ち時間や乗車時間をかき集めれば、30分、1時間と積み上がります。ここでハンディタイプの参考書があれば学習に回せます。
一問一答形式の参考書は英語、数学、地歴公民など幅広く出ています。国語なら漢字を覚える時間にも使えます。一度入れた知識は多少なりとも残り、次に見たときに定着しやすくなります。1教科1冊用意しておくと使い回しやすくなります。
FAST-UPが見てきた独学のつまずきどころ
指導現場で多いのは、参考書の質ではなく使い方で止まっているケースです。1冊を1周しただけで「合わなかった」と判断し、別の本へ移る。この繰り返しで、どの教科も基礎が固まらないまま時間が過ぎていきます。
もう一つ多いのが、インプットばかりが厚くなる偏りです。講義系の本を読むと理解した感覚が残るため、演習に移る前に満足してしまいます。読んだ内容を問題で使って初めて、抜けている箇所が見えます。
逆に伸びる人は、同じ1冊を周回し、間違えた問題に印をつけて差分だけを追い直します。やることが絞られている分、1日の勉強の着手が速い傾向もあります。
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まとめ
参考書は数多く出ていますが、人気を集めるラインナップは大きく変わりません。長く使われる本には理由があります。学力に合うもの、興味を持てるものを選び、インプットとアウトプットを組み合わせて周回します。
併願の組み方まで含めて受験計画を立てたい場合は、大学受験の併願校の決め方も参考になります。
よくある質問
Q. 独学でも大学受験は戦えますか。 A. 勉強のやり方が定まっていれば進められます。教科ごとにインプット用とアウトプット用を決め、同じ本を周回して抜けを埋める形が基本です。やり方が決まらないまま参考書だけ増える状態が続く場合は、第三者に進め方を相談する選択肢もあります。
Q. 参考書は1教科あたり何冊そろえればよいですか。 A. できるだけ少ない方がよく、やり切ることが重要です。目安はインプット用とアウトプット用を組み合わせる形です。終わらないうちに買い足すと、どれも中途半端になりやすくなります。
Q. 新しい参考書に切り替えるタイミングはいつですか。 A. 今の1冊を周回し、解けない問題がほぼ残らなくなったタイミングです。切り替える際はレベルを一段上げます。新しい本が極端に解きにくいと感じたら、前のレベルに戻して解き直します。
Q. スキマ時間には何をすればよいですか。 A. 一問一答形式やハンディタイプの参考書が向きます。英単語、古文単語、地歴公民の用語、漢字などが候補です。通学の待ち時間や乗車時間を合わせると、まとまった学習時間になります。


