慶應義塾大学は共通テスト利用なし|入試科目と方式
「慶應義塾大学の入試は共通テストの利用ができないって本当?」
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慶應義塾大学の一般選抜では、大学入学共通テストを利用する方式がありません。全10学部とも大学独自の試験だけで合否が決まります。そのため共通テストの得点で慶應に出願することはできず、学部ごとの個別試験対策が中心になります。
2026年9月時点の情報です。
慶應義塾大学の入試に共通テスト利用はない
慶應義塾大学の入試では共通テスト利用ができません。共通テスト利用とは、共通テストの得点で私大の合否が決まる入試方式のことです。慶應義塾大学の入試要項を見ても、共通テスト利用を実施しないことが書かれています。
出願から合否判定まで、すべて大学が作成した問題で完結します。慶應義塾大学を第一志望にする場合、学部ごとの個別試験に合わせた対策が中心になります。全学部で小論文や論述力、論文テストなど記述式の試験が課され、出題形式が学部ごとに異なるためです。
共通テスト利用がない理由
慶應義塾大学で共通テスト利用がない理由として、大学の理念に合っていないことが考えられます。
慶應義塾大学の理念は実学です。実学とは、科学的に実証をおこない、問題の真理を解決するための力のことを指します。
共通テスト利用は全国一律で行うテストの結果を使う方式です。慶應義塾大学の理念にそぐわないため、採用していない可能性があります。
共通テスト利用がないと難易度は上がる?
共通テスト利用がないことが、そのまま難易度の上昇を意味するとは限りません。志願者の層や倍率、合格最低点の動きを合わせて見る必要があります。
倍率から見た難易度の推移
学部別の2018〜2022年度の倍率は以下のとおりです。
| 学部・方式 | 18年度 | 19年度 | 20年度 | 21年度 | 22年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 文学部 文学 | 4.4倍 | 4.2倍 | 3.9倍 | 3.2倍 | 3.2倍 |
| 経済学部 A方式 | 4.2倍 | 3.9倍 | 3.8倍 | 3.1倍 | 3.1倍 |
| 経済学部 B方式 | 5.1倍 | 5.0倍 | 4.4倍 | 3.8倍 | 4.1倍 |
| 法学部 法律学科 | 5.3倍 | 5.4倍 | 3.8倍 | 4.2倍 | 4.3倍 |
| 法学部 政治学科 | 4.8倍 | 4.3倍 | 4.6倍 | 3.7倍 | 4.0倍 |
| 商学部 A方式 | 3.0倍 | 2.8倍 | 2.7倍 | 2.2倍 | 2.3倍 |
| 商学部 B方式 | 9.1倍 | 7.8倍 | 7.0倍 | 7.3倍 | 6.7倍 |
| 医学部 | 7.4倍 | 8.2倍 | 7.0倍 | 6.1倍 | 6.6倍 |
| 理工学部 全学科 | 3.4倍 | 3.4倍 | 3.1倍 | 3.0倍 | 2.8倍 |
| 総合政策学部 | 9.8倍 | 8.5倍 | 8.4倍 | 7.1倍 | 5.3倍 |
| 環境情報学部 | 8.6倍 | 10.1倍 | 9.4倍 | 7.7倍 | 5.5倍 |
| 看護医療学部 | 4.1倍 | 3.5倍 | 3.1倍 | 2.9倍 | 3.8倍 |
| 薬学部 薬学科 | 5.1倍 | 4.7倍 | 4.3倍 | 3.7倍 | 3.9倍 |
| 薬学部 薬科学科 | 2.5倍 | 2.6倍 | 3.0倍 | 3.1倍 | 2.7倍 |
同じ大学でも学部と方式で倍率の水準が大きく違います。学部選びの観点は慶應義塾大学の受かりやすい学部の解説や早慶上智の穴場学部ランキングも合わせて確認すると整理しやすくなります。
合格最低点から見た難易度の推移
学部別の2018〜2022年度の合格最低点は以下のとおりです。
| 学部・方式 | 18年度 | 19年度 | 20年度 | 21年度 | 22年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 文学部 文学科 | 228点 | 233点 | 250点 | 232点 | 218点 |
| 経済学部 A方式 | 207点 | 265点 | 234点 | 231点 | 209点 |
| 経済学部 B方式 | 243点 | 259点 | 240点 | 262点 | 239点 |
| 法学部 法律学科 | 246点 | 227点 | 252点 | 234点 | 239点 |
| 法学部 政治学科 | 249点 | 224点 | 258点 | 235点 | 236点 |
| 商学部 A方式 | 265点 | 258点 | 244点 | 252点 | 240点 |
| 商学部 B方式 | 293点 | 288点 | 309点 | 288点 | 302点 |
| 医学部 | 305点 | 303点 | 303点 | 251点 | 308点 |
| 理工学部 全学科 | 260点 | 280点 | 309点 | 266点 | 340点 |
| 総合政策学部 数学 | 301点 | 267点 | 246点 | 254点 | 261点 |
| 総合政策学部 情報 | 272点 | 285点 | 246点 | 261点 | 269点 |
| 総合政策学部 外国語 | 277点 | 261点 | 246点 | 243点 | 260点 |
| 総合政策学部 数学および外国語 | 300点 | 277点 | 246点 | 260点 | 275点 |
| 環境情報学部 数学 | 257点 | 250点 | 246点 | 254点 | 234点 |
| 環境情報学部 情報 | 260点 | 274点 | 246点 | 238点 | 248点 |
| 環境情報学部 外国語 | 258点 | 263点 | 246点 | 278点 | 234点 |
| 環境情報学部 数学および外国語 | 263点 | 277点 | 246点 | 267点 | 238点 |
| 看護医療学部 | 293点 | 273点 | 297点 | 270点 | 310点 |
| 薬学部 薬学科 | 204点 | 208点 | 196点 | 196点 | 204点 |
| 薬学部 薬科学科 | 204点 | 207点 | 195点 | 195点 | 209点 |
目標点を決めるときは、過去の合格最低点ちょうどではなく上積みを見込んだ設定が安全です。同じ学部でも年度によって合格最低点が上下しているためです。
大学間の位置づけを確認したい場合は早慶上智ICUの偏差値ランキングと序列の解説も参考になります。
よくある間違い:共通テストを最初から切ってしまう
よくある間違いは、慶應義塾大学が第一志望だからという理由だけで、共通テストの受験そのものをやめてしまうことです。慶應の一般選抜では使えませんが、他大学には共通テスト利用方式を設けているところがあります。
回避策は、併願校を先に決め、その出願方式を一覧にしてから共通テストを受けるかどうかを判断することです。国公立大学や共通テスト利用方式の私大を併願に入れるなら、受験が前提になります。
慶應義塾大学の入試方式
慶應義塾大学には一般選抜のほか、学部ごとに特色ある選抜方式が用意されています。
一般選抜
一般選抜は慶應義塾大学全10学部で実施される入試制度です。入学定員の大多数を一般選抜に割いています。最も受験者数が多く、オーソドックスな入試方式といえます。
自主応募制による推薦入学者選考
自主応募制による推薦入学者選考は文学部のみを対象にしています。書類や記述式の考査で意欲と適性を見る総合型選抜のひとつです。1994年の入試から導入されており、30年近い歴史のある入試制度です。
慶應義塾大学の文学部に入りたい人をターゲットにしており、高校3年間の評定平均が4.1以上の学生に出願資格が与えられます。評定平均とは、高校の成績を5段階で平均した数値です。
試験は日吉キャンパスで開催されます。総合考査ⅠとⅡがあり、総合考査Ⅰでは小論文形式のテスト、総合考査Ⅱではテーマを与え、それに関する記述で判定します。
FIT入試
FIT入試は法学部のみで行われます。2006年度から始まった制度で、慶應義塾大学の法学部を第一志望としている生徒を獲得する目的で始まりました。FITは「良好な相性」から来ています。
FIT入試にはA方式とB方式の2つがあります。A方式は一般的な推薦方式で、外国語の取り組み、運動などでの実績、ボランティア活動などが出願要件です。B方式では地域ブロック方式を採用しており、その地域で優秀な人物が合格できます。評定の要件があり、外国語と数学、国語、地歴公民の評定などが4.0以上であることが求められます。
第1次選考はいわゆる書類選考です。第2次選考はA方式の場合は論述試験と口頭試問、B方式では総合考査と面接を実施します。論述試験は最初に模擬講義が行われ、その模擬講義に関する論述試験が出題されます。口頭試問では受験生1人に対し複数人の教員がディスカッションを行います。
AO入試
AO入試は理工学部、総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部の4学部で実施します。
理工学部の場合は一般的なAO入試となっており、5つの学門から第2志望までを選ぶ形になっています。出願に必要な要件は全教科の評定平均4.1以上、かつ数学と理科の評定が平均4以上であることです。
総合政策学部と環境情報学部は春AOと夏秋AOの2回行われます。SFCの2学部は国内初のAO入試を実施し、多彩な卒業生を輩出してきました。一時は年4回のAO入試を行いましたが、現在は2回のみです。ユニークなやり方として、受験生全員が3分間のプレゼンビデオを提出します。春AOの合格者は、その年の9月もしくは翌年4月のいずれかのタイミングで入学できます。
看護医療学部の場合は一般的なAO入試の流れがとられていますが、B方式の評定平均のハードルが高いのがポイントです。他の学部が4や4.1だったのに対し、看護医療学部は評定平均4.5。かなりハードルが高く、若干名の採用とかなりの狭き門といえます。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜は、指定校からの学校長推薦に基づく推薦入学制度です。個性豊かな学生を求め、学業以外にも優れた実績を持つ学生を募ります。例年6月頃に高校へ募集要項が送られてきます。
帰国生入試
帰国生入試は帰国子女を対象にした入試です。海外で教育を受けた受験生の学歴背景を尊重し、優秀な生徒を幅広く受け入れたいという意図で始められました。7月あたりからエントリーが開始され、その後一次選考、二次選考が行われます。帰国子女を対象にした入試は他の大学にもありますが、慶應義塾大学はその中でも最も人気の高い大学です。
IB入試
IB入試は国際バカロレア資格取得者を対象にした入試制度です。国際バカロレアとは、いわゆる「世界共通の教育プログラム」です。慶應義塾大学では法学部のみで採用されており、7月あたりからエントリーが開始され、その後一次選考、二次選考が行われます。
外国人留学生入試
外国人留学生入試は外国人留学生を対象にした入試制度です。一次選考、二次選考があり、一次選考は書類審査、二次選考は試験になります。エントリー開始は10月からです。1月に一次審査の合格発表が行われ、その一週間後には二次選考の試験があります。
PEARL入試
PEARL入試とは、慶應義塾大学経済学部が実施しているPEARLプログラムの受講生を募集する入試制度です。PEARLプログラムとは一学年100人という少人数で、全カリキュラムを英語で行うもので、グローバルリーダーの育成を目的としています。
年3回、出願機会があるのが特徴です。PEARLプログラムに落ちても、その他の入試制度での慶應義塾大学受験が可能です。
慶應義塾大学の全学部の入試科目
一般選抜の科目は学部・方式で異なります。科目名は旧教育課程の表記を含むため、出願前に最新の募集要項で確認してください。
| 学部・方式 | 試験科目 |
|---|---|
| 文学部 | 外国語(英語・ドイツ語・フランス語・中国語から1科目選択)/地理歴史(世界史B・日本史Bから1科目選択)/小論文(資料を与えて、理解と表現の能力を総合的に問う) |
| 経済学部 A方式 | 外国語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ)/数学(数学Ⅰ・Ⅱ・A・B)/小論文(高校生にふさわしい知識、理解力、分析力、構想力、表現力を問う) |
| 経済学部 B方式 | 外国語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ)/地理歴史(世界史B・日本史Bから1科目選択)/小論文(高校生にふさわしい知識、理解力、分析力、構想力、表現力を問う) |
| 法学部 | 外国語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ)/地理歴史(世界史B・日本史Bから1科目選択)/論述力(資料を与えて、理解、構成、発想、表現の能力を問う) |
| 商学部 A方式 | 外国語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ)/地理歴史(世界史B・日本史B・地理Bから1科目選択)/数学(数学Ⅰ・Ⅱ・A・B) |
| 商学部 B方式 | 外国語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ)/地理歴史(世界史B・日本史B・地理Bから1科目選択)/論文テスト(資料を与えて、論理的理解力と表現力を問う) |
| 医学部 | 理科(物理(物理基礎・物理)、化学(化学基礎・化学)、生物(生物基礎・生物)から2科目選択)/数学(数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B)/外国語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ) |
| 理工学部 | 理科(物理(物理基礎・物理)、化学(化学基礎・化学))/数学(数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B)/外国語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ) |
| 総合政策学部 | 「数学または情報」「外国語」「数学および外国語」から選択/小論文(発想、論理的構成、表現などの総合的能力を問う) |
| 環境情報学部 | 「数学または情報」「外国語」「数学および外国語」から選択/小論文(発想、論理的構成、表現などの総合的能力を問う) |
| 看護医療学部 | 外国語(コミュニケーション英語基礎・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ)/数学(数学Ⅰ・Ⅱ・A・B)、化学(化学基礎・化学)、生物(生物基礎・生物)から選択/小論文(高校生にふさわしい知識、理解力、分析力、構想力、表現力を問う) |
| 薬学部 | 理科(化学(化学基礎・化学))/外国語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ)/数学(数学Ⅰ・Ⅱ・A・B) |
早稲田大学の入試は共通テストを利用できる?
早稲田大学には、共通テストの成績を利用する方式を設けている学部があります。慶應義塾大学とは出願の仕組みが異なるため、早慶を併願する場合は学部ごとに方式を確認する必要があります。
併願の組み方を考えるときは、個別試験の科目が重なるかどうかも判断材料になります。早稲田大学側の情報は早稲田大学で心理学を学べる学部の解説のような学部単位の記事も合わせて確認しておくと、志望理由と科目設計をそろえやすくなります。
FAST-UPが見てきた慶應受験のつまずき
指導の現場で多いのは、英語と社会の仕上がりに意識が向きすぎて、小論文や論述の対策が後回しになるケースです。慶應義塾大学では学部ごとに記述式の試験名も問われ方も違うため、直前期にまとめて埋めようとすると間に合いません。
もうひとつ目立つのは、方式の選び分けを曖昧にしたまま学習を進めることです。経済学部や商学部のように数学と地歴で方式が分かれる学部では、途中で方式を変えると演習量が分散します。早い段階で方式を決め、その方式の過去問を軸に進度を管理すると、学習の無駄が減ります。
学部・受験方式ごとの細かい対策に不安がある場合は、FAST-UP逆転塾の公式LINEで無料のカウンセリングを実施しています。
よくある質問
Q. 慶應義塾大学は共通テスト利用で受験できますか? A. できません。慶應義塾大学の入試要項にも共通テスト利用を実施しないことが書かれており、全10学部とも大学独自の試験で合否が決まります。
Q. 慶應義塾大学が第一志望なら共通テストは受けなくてよいですか? A. 慶應義塾大学だけを受けるなら不要ですが、国公立大学や共通テスト利用方式のある私大を併願する場合は受験が必要です。併願校の方式を確認してから判断してください。
Q. 共通テストがない分、慶應義塾大学は受かりやすいのでしょうか。 A. 一概には言えません。学部と方式で倍率に差があり、合格最低点も年度で上下しています。志望学部の数値を個別に確認するほうが実態に近づきます。
Q. 一般選抜以外にはどのような入試がありますか。 A. 文学部の自主応募制による推薦入学者選考、法学部のFIT入試とIB入試、理工学部・総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部のAO入試があります。ほかに学校推薦型選抜、帰国生入試、外国人留学生入試、経済学部のPEARL入試も実施されています。
Q. 小論文はいつから対策すべきですか。 A. 英語や地歴の基礎が固まる前に書き始めても題意をつかみにくいため、基礎固めと並行して早めに答案作成の機会を作る進め方が有効です。学部ごとに論述力、論文テストなど形式が異なる点にも注意してください。


