慶應義塾大学の受かりやすい学部は?早慶比較も
偏差値70以上の学部がいくつもある慶應義塾大学。
FAST-UP
慶應義塾大学で受かりやすいとされるのは、倍率では商学部A方式・薬学部薬科学科・理工学部、偏差値では看護医療学部や文学部です。早稲田大学と比べると倍率・偏差値ともに慶應がやや狙いやすい傾向です。
2026年9月時点の情報です。
偏差値70以上の学部がいくつもある慶應義塾大学ですが、学部・方式によって難易度の差があります。以下では倍率と偏差値の両面から入りやすい学部を整理し、早稲田大学との比較、そして合格までの戦略までまとめます。なお本文中の倍率・偏差値は元の集計年度のものです。2027年度入試に向けて出願する際は、最新年度の倍率と募集人員の確認が必要です。
倍率から見る慶應義塾大学の受かりやすい学部
倍率で見ると、商学部A方式・薬学部薬科学科・理工学部が比較的低い水準にあります。いずれも数学を含む方式や理系学科で、受験者層が絞られる点が共通しています。
商学部A方式
| 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | |
|---|---|---|---|
| 商学部A方式 | 2.3倍 | 2.2倍 | 2.7倍 |
商学部A方式は英語と地歴、数学を用いる入試形式です。文系科目だけを勉強してきた学生にはハードルが高く、どちらかといえば国公立大学向けの勉強をしてきた文系学生が狙う方式です。倍率はここ数年2倍台のままで推移しています。
対して、数学ではなく論文テストを使うB方式は文系学生が狙いやすく、倍率は最低でも6.7倍、場合によっては10倍に迫ることもあります。商学部はA方式の方が入りやすいと言えます。A方式の方が募集人員が多く、英語と地歴、数学を使うため文系科目だけを勉強してきた受験生が避けやすいからです。
薬学部
| 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | |
|---|---|---|---|
| 薬学科 | 3.9倍 | 3.7倍 | 4.3倍 |
| 薬科学科 | 2.7倍 | 3.1倍 | 3.0倍 |
6年制の薬学科はおおむね4倍前後、4年制の薬科学科は3倍前後で、薬科学科の方が入りやすい状況です。薬剤師を目指して薬学科を志望する人が多いため、薬科学科は地味なポジションになりやすいものの、商品開発など研究する側に回る際に役立つ知識を多く入れられます。
理工学部
| 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | |
|---|---|---|---|
| 理工学部 | 2.8倍 | 3.0倍 | 3.1倍 |
理工学部の倍率は3倍前後で落ち着いています。受験者数が年々減っている一方で合格者数は増えており、結果的に倍率が下がっているためです。理工学部全体の受験者数は7,000人オーバーという規模です。偏差値を見る限りレベルが落ちたわけではなく、少数精鋭になったという考え方もできます。
経済学部A方式
| 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | |
|---|---|---|---|
| 経済学部A方式 | 3.1倍 | 3.1倍 | 3.8倍 |
経済学部A方式は商学部A方式と似た構造で、英語・数学・小論文を用います。商学部と同じくA方式の方が募集人員が多い分、倍率は若干A方式の方が低めです。
B方式は数学ではなく地歴を使うため、文系学生はB方式で勝負することになります。偏差値はA方式もB方式もさほど変わらないため、数学ができる学生ならA方式で勝負する選択も有効です。
文学部
| 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | |
|---|---|---|---|
| 文学部 | 3.2倍 | 3.2倍 | 3.9倍 |
文学部は受験者数が減りながら合格者数が増えている状況にあり、年々倍率が下がっています。1学科にまとめて試験が行われるため、大人数の中で競い合う形になります。倍率だけを見れば十分に入りやすい印象です。
偏差値から見る慶應義塾大学の入りやすい学部
偏差値で見ると、看護医療学部が最も低く、次いで薬学部・理工学部・商学部A方式・文学部が狙いやすい層になります。学部単位での比較は早慶上智の穴場学部ランキング5選も合わせて見ると全体像がつかめます。
看護医療学部
| 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | |
|---|---|---|---|
| 看護医療学部 | 60.0 | 60.0 | 60.0 |
看護医療学部は慶應の中で一番偏差値が低く、60.0で推移しています。2019年には57.5を記録しており、基本的に60.0を前後する形です。看護系に限ったランキングでは上位ですが、他を引き離しているわけではなく、複数の大学でトップグループを形成している状態です。
他の大学を志望していて、あと少し頑張れば慶應に手が届くという状態なら、思い切って狙う価値があります。
薬学部
| 薬学部 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 |
|---|---|---|---|
| 薬学科 | 62.5 | 62.5 | 65.0 |
| 薬科学科 | 62.5 | 65.0 | 62.5 |
2つの学科は同じような偏差値で、年度によってそれぞれがリードする形です。どちらが上と断言するのは難しく、同レベルと考えるのが自然です。
薬学部は現状では偏差値が落ち着いています。元々別の大学と合併して誕生した学部で慶應色が薄く、イメージが定着しきっていないことが背景にあります。現状では東京理科大学の薬学部と同じ位置におり、この2校で他校を突き放しています。将来的な名前や学歴という観点からどちらを選ぶか決める考え方もあります。
理工学部
| 理工学部 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 |
|---|---|---|---|
| 学門A | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
| 学門B | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
| 学門C | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
| 学門D | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
| 学門E | 65.0 | 65.0 | 62.5 |
理工学部は学門(理工学部の募集単位。入学後に学科を決める仕組み)別に見るとおおむね65.0です。学門Eのみ、表の年度のうち一度62.5が出ています。62.5は上智大学や明治大学の一部学部と同じ水準にあたるため、その層を押さえている場合は慶應を狙う判断も出てきます。
ただし65.0の年が多く、2022年秋には65.0に回復しています。「楽な学科」を探すより、学門ごとの進学先を踏まえて選ぶ方が無理がありません。
商学部A方式
| 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | |
|---|---|---|---|
| 商学部A方式 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
| 商学部B方式 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
B方式と比べると、A方式の方が偏差値で下回っています。B方式には偏差値70.0の時代もあり、以前はさらに差がついていました。
数学が入ることで偏差値が下がりやすい傾向はありますが、経済学部ではA方式・B方式いずれも67.5で差は感じられません。商学部A方式が比較的狙いやすいことは確かです。
文学部
| 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | |
|---|---|---|---|
| 文学部 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
文学部の65.0は、人文科学系の中ではやや後れをとる水準です。国際基督教大学や上智大学が70.0、立教大学が67.5、青山学院大学に65.0の学科があり、慶應はそのあたりに位置しています。
もちろん上智大学や立教大学、早稲田大学、青山学院大学には55.0〜60.0の学科もあり、平均的に見れば慶應の方が上です。ただ偏差値の上限が慶應を上回る大学がいくつもある現状は、ある程度の入りやすさを感じさせます。各大学の位置関係は早慶上智ICUの偏差値ランキングと序列でも整理しています。
慶應義塾大学と早稲田大学はどちらが受かりやすい
倍率と偏差値のどちらで見ても、慶應義塾大学の方が若干狙いやすい傾向です。ここでは文学部、法学部、商学部、理工学部を比べます。
倍率での比較
以下は2022年度入試の倍率です。早稲田大学の理工学部は3つの理工系学部をまとめたものです。
| 慶應義塾大学 | 早稲田大学 | |
|---|---|---|
| 文学部 | 3.2倍 | 8.1倍 |
| 法学部 | 4.2倍 | 4.8倍 |
| 商学部 | 3.2倍 | 9.3倍 |
| 理工学部 | 2.8倍 | 3.7倍 |
早稲田の方が倍率が高く、激戦であることがわかります。特に商学部は10倍に迫る水準です。慶應の理工学部は3倍を切っており、倍率面では慶應が有利と言えます。
記念受験が減って少数精鋭になったという見方もできますが、これは早稲田でも同じ傾向であり、慶應だけの傾向とは言えません。
偏差値での比較
以下は2022年度入試の偏差値です。早稲田大学の理工学部は理工系3学部をまとめたものです。
| 慶應義塾大学 | 早稲田大学 | |
|---|---|---|
| 文学部 | 65.0 | 67.5〜70.0 |
| 法学部 | 67.5 | 67.5 |
| 商学部 | 65.0〜67.5 | 67.5〜70.0 |
| 理工学部 | 62.5〜65.0 | 62.5〜67.5 |
文学部と商学部は早稲田優勢、法学部は互角、理工学部は67.5の学部が少ないためどちらかといえば互角です。入りやすい学部として挙げた文学部は、早慶比較でも一枚下の位置にあります。
法学部は数年前まで慶應が70.0で上にいましたが、表の年度では同じ位置に並んでいます。偏差値面でも慶應がやや入りやすく、文学部以外はほぼ互角という評価になります。学部選びで迷う場合は、早稲田大学で心理学を学べる学部のように学べる内容から絞る方法もあります。
FAST-UPが指導現場で見ている「入りやすい学部」のつまずき
指導の場で多いのは、入りやすい学部を見つけた時点で満足し、その学部特有の出題に手を付けないまま時間が過ぎるケースです。慶應は学部ごとに科目構成も設問形式も違うため、学部を決めた後の対策量で差がつきます。
もう一つ目立つのが、数学から逃げた結果として受験できる方式が狭まるパターンです。商学部A方式や経済学部A方式は数学が必要で、そこを避けると倍率の高い方式に集まることになります。早い段階で数学を残す判断をした受験生は、出願時に選べる手札が増えます。
小論文や論文テストを後回しにする傾向も見られます。英語と社会の仕上がりは順調でも、記述の練習を始める時期が遅く、形式に慣れないまま本番を迎えがちです。過去問に触れる順番を学部単位で決めておくと、この遅れは起きにくくなります。
よくある間違い:倍率の低さだけで受験校を決める
倍率が低い学部を見つけて、科目や出題形式を確認せずに志望校を決めてしまう例が多くあります。慶應の低倍率方式は数学必須や理系学科が中心で、受験者層が絞られている結果として倍率が下がっているだけです。
回避策は、倍率を見た後に必要科目・配点・出題形式を必ず確認し、自分の得意科目と照らし合わせることです。そのうえで、今の学習内容で間に合う方式かどうかを判断します。倍率は候補を探す入口として使い、最終判断は科目適性で行うと失敗が減ります。
慶應義塾大学に受かるための戦略
合格に近づく順序は、入試分析と得点戦略を先に固め、そのうえで基礎の反復と学習環境を整えることです。
入試を分析し得点戦略を練る
まず慶應の入試を分析します。慶應の場合、特定の科目に多めに配点されているほか、学部によっては足きり(基準点に届かない受験生を選考対象から外す仕組み)があります。それを避けるために何に力を入れるのかを決めることで、効果的な勉強ができます。
英語なら英語で得点を稼ぐ、得点調整で点数が下がっても耐えられるよう正答率を高める、そのために何を頑張るのかという順で考えていけば、合格の可能性は高まります。
基礎の反復で知識を高める
慶應は難問ばかりという印象を持たれがちですが、基礎固めを行い、過去問で形式に慣れればイメージはつかめます。そして、1度出てきた問題は次は解けるようにするというスタンスが重要です。
地理歴史のように、1度は聞いたことがあってもつい忘れてしまう単語は多く、それが出やすい傾向があります。裏を返せば、いかにそれを拾えるかが慶應の入試で効いてきます。
集中力をキープできる環境で勉強する
猛勉強が前提ですが、いかに集中できるかが結果を左右します。時間をかけるだけでよいなら誰でも寝る間を惜しんで勉強します。そうではなく、効果的かつ効率的、合理的に勉強できるかが大事です。
家で邪念を捨てて勉強できるならそれが最善ですが、時に図書館やコワーキングスペースを使い、短時間で集中する形に切り替えると学習効果につながります。キャンパスの雰囲気を知りたい場合は早稲田大学の全キャンパスと最寄り駅のような情報も動機づけに使えます。
モチベーションを高めて机に向かう
なぜ慶應義塾大学に入りたいのかを常に考え、やる気を持ち続けることが、質の高い学習を長期に続ける鍵になります。誰かを見返すためといったネガティブな動機だけでは長続きしにくいものです。
大学に入って何をしたいか、どの学びに触れたいかという前向きな理由の方が、少ないエネルギーで維持しやすくなります。その状態に入れば、あとは習慣づけで進みます。
まとめ
入りやすい学部はどの大学にもあり、慶應にも早稲田にもあります。ただし入りやすい学部は専門性が強い学部が多く、関心がないまま入って苦労することもあります。安易に入りやすさだけで狙うより、やりたいことを見つけて勉強した方が身になります。
偏差値や倍率は目安であり、それが全てではありません。自分のレベルアップに努め、過去問を徹底的に解き、余裕のある状態で本番に臨めるようにしておくことが現実的な備えになります。一般入試以外の道を検討する場合は早稲田大学の推薦入試の条件・評定・倍率も参考になります。
よくある質問
Q. 慶應義塾大学で一番入りやすい学部はどこですか。 A. 偏差値で見ると看護医療学部が最も低く、60.0で推移しています。倍率で見ると商学部A方式が2倍台で、薬学部薬科学科や理工学部も3倍前後です。指標によって答えが変わるため、両方を見て判断するのが現実的です。
Q. 早稲田大学と慶應義塾大学はどちらが受かりやすいですか。 A. 文学部・法学部・商学部・理工学部の比較では、倍率・偏差値ともに慶應義塾大学がやや狙いやすい傾向です。特に文学部は早慶比較でも慶應が一枚下の位置にあります。法学部はほぼ互角です。
Q. 慶應義塾大学の理工学部に楽な学科はありますか。 A. 学門別の偏差値はおおむね65.0で横並びで、学門Eのみ一度62.5が出ています。差は小さいため、楽かどうかで選ぶより、学門ごとに進める学科を確認して選ぶ方が納得しやすくなります。
Q. 数学が苦手でも慶應義塾大学は狙えますか。 A. 商学部B方式や経済学部B方式のように、数学を使わない方式があります。ただしB方式は倍率が高く、商学部B方式は最低でも6.7倍、場合によっては10倍に迫ります。数学を残せる場合はA方式の併用が有効です。


