慶應義塾大学の英語は難しい?学部別難易度と対策
私立大学で最も難しい大学とされる慶應義塾大学。
FAST-UP
慶應義塾大学の英語は学部差が大きく、商学部・理工学部・看護医療学部が比較的易しく、法学部、経済学部・文学部・医学部・薬学部と上がり、総合政策学部と環境情報学部が最難関です。
2026年9月時点の情報です。
慶應義塾大学の英語の難易度ランキング(学部別)
慶應義塾大学の英語は全体として難しいものの、学部ごとに難易度がはっきり分かれます。以下は難易度を4段階に分けた整理です。
| レベル | 該当学部 | 特徴 |
|---|---|---|
| レベル1 | 商学部、理工学部、看護医療学部 | 文法は4択など形式が穏やか。長文の難易度・語彙も標準的 |
| レベル2 | 法学部 | 年度による難易度の振れが大きく、語彙とジャンルの幅が負担 |
| レベル3 | 経済学部、文学部、医学部、薬学部 | 記述・英作文や超長文など、学部ごとに負担の中身が違う |
| レベル4 | 総合政策学部、環境情報学部 | 長文のみで総語数が多く、辞書なしで高い語彙力が必要 |
レベル1:商学部・理工学部・看護医療学部
レベル1は、慶應の中では比較的対応しやすい層です。他大学と比べれば十分に難しい点は変わりません。
文法問題が4択で出題されるなど出題形式に穏やかさがあり、長文の難易度もそこまで高くありません。単語も極端に難しいものは出てきません。
商学部の英語は慶應義塾大学の英語のベースと考えてよいです。ここをクリアできないと、レベル2以上の学部には到達しにくいためです。
レベル2:法学部
レベル2に該当するのは法学部のみです。
法学部の英語は年度によって難易度のバラつきが見られます。急に易化する年もあれば、一気に難化する年もあり、予測がつきにくい点が特徴です。
その一方で語彙はかなりの難易度が求められ、扱うジャンルも幅広いため、レベル2が妥当とされます。
レベル3:経済学部・文学部・医学部・薬学部
レベル3は、文系では経済学部と文学部、理系では医学部と薬学部が該当します。
医学部は英作文、和訳、和文英訳など解答に時間を要する問題が多く、一筋縄ではいきません。医学部の偏差値ランキングで最上位に位置することを踏まえると、英語の難易度の高さは水準どおりといえます。
文学部は大問1題にまとまっているものの、英語長文が2000語と非常に多く、紙の辞書の持ち込みが認められるほどの難度です。「紙の辞書があるから語彙力は鍛えなくてもよい」と考えていると痛い目を見ます。
※表記について:元の資料にある「刑事亜学部」は経済学部を指す誤記と判断し、本文では経済学部と記しています。
レベル4:総合政策学部・環境情報学部(慶應SFC)
慶應義塾大学の中で最も難しいのが、慶應SFCと呼ばれる総合政策学部と環境情報学部です。慶應SFCは、総合政策学部と環境情報学部が置かれる湘南藤沢キャンパスの通称です。
総合政策学部は大問3題で、すべて長文読解です。700語レベルが2題、1000語レベルが1題という構成で、1題あたりの語数は文学部より少なめですが、合計では文学部を上回ります。
さらに総合政策学部は紙の辞書の持ち込みが認められていません。英検準1級クラスの語彙力を仕上げておかないと太刀打ちできません。英検準1級は、実用英語技能検定の級で、大学中級程度とされる水準です。
慶應義塾大学の英語を制する対策方法
最初にやることは語彙力を英検準1級レベルまで引き上げ、その上で志望学部の過去問に当たって傾向を知ることです。学部によって出題形式が大きく異なるためです。
インタビュー形式の問題がある法学部、抽象的な題材が目立つ文学部のように、傾向は分かれています。共通して必要な語彙を先に固め、そこから学部別の形式に合わせる順番が無理がありません。
レベル1の学部の過去問から解き始め、慶應の英語に慣れていくやり方も効果的です。早稲田大学や上智大学など同じ水準の大学の過去問に挑戦し、さまざまな角度から演習を重ねる方法も実力につながります。他大学の英語の傾向を知る足がかりとしては、青山学院大学国際政治経済学部の英語の傾向と対策も参考になります。
学部別の出題傾向と対策
文学部
文学部は大問1題のみで、2000語の英語長文が出されます。抽象的な内容が多く、読み解くのに苦労します。
現代文のように「筆者は何が言いたいのか」を軸に読み進めると内容把握がしやすくなります。過去問を通じて抽象的な英文を読み解く訓練を重ねることが効果的な対策です。
経済学部
経済学部は長文3題、和文英訳と自由英作文が各1題です。長文の総語数は文学部を上回りますが、テーマの抽象度は低く読み進めやすい特徴があります。
鬼門は英作文です。経済学部では長文の内容理解を前もって済ませておくことが求められます。自由英作文が長文の題材を引用する形で出され、英作文に取りかかる時点で時間があまり残らないためです。
過去問を解くときは、英作文の前にどれだけ時間が残るかに着目してください。残り時間を基準に改善点を探すと、読解のスピードアップにつながります。
法学部
法学部は語彙が難しく、専門性の高い単語まで習得する必要があります。加えて、法学部ならではのインタビュー問題が年度によって高難易度になります。
インタビュー問題は傾向をつかめばそこまで難しくなく、取りこぼしが許されない出題形式になりつつあります。法学部向けに知識を詰め、出題形式に慣れることを目標に過去問へ取り組みましょう。
商学部
商学部はレベル1とされ、求められる語彙はそこまで高くなく、英文法も基本的な内容が問われます。
英語長文は内容が詰まっている分だけ難度が上がります。基礎を固め、長文演習と過去問をこなしていけば十分に対応できます。
医学部
医学部は専門性を含めて語彙がハイレベルで、正確な内容理解がないと対応できません。
長文の中身は現代文的な内容が目立ち、医学部に関連した題材が多く出ます。「筆者は何を言いたいのか」という視点で読み進めてください。
理工学部
レベル1に該当する理工学部では、求められる語彙も基本的なものが中心です。まず基礎を固めることが必要です。
理工学部に関連した単語を覚え、長文を正確に読み解く練習も重ねます。長文の語数はやや少なめですが、その分だけ中身が難しいため、理系の基礎知識も押さえておきたいところです。
総合政策学部
総合政策学部はすべてにおいてハイレベルです。記述式の問題がないのに難しいのは、長文の内容が非常に難しく、日本語訳を読んだとしても内容把握に時間を要しやすいためです。
語彙力を高めるのは当然として、過去問を通じて出題されそうなジャンルと予備知識を押さえることが重要です。予備知識の有無は内容理解のスピードに大きく影響します。
環境情報学部
難易度の高さは総合政策学部と同等で、語彙の水準や内容の難しさを含め、必要な対策も共通します。さらに設問そのものが英語なので、設問を正しく把握するところから始める必要があります。
環境情報学部は理系の要素が入ります。理系にちなんだ題材や用語を覚え、素早く読める速読力を身につけることも必要です。
看護医療学部
看護医療学部はレベル1の扱いです。大問は多く自由英作文も出ますが、求められる語彙は平均的です。基礎固めから応用までをこなし、英文法を一通り理解できる領域を目指しましょう。
自由英作文は自分の考えを述べる問題が中心です。看護医療学部にちなんだ題材について意見を述べられるよう、専門性のある単語を覚えつつ、実際に書いて添削してもらうことをおすすめします。
薬学部
薬学部は文学部にやや似た傾向で、文章の中身がやや抽象的なものが目立ちます。
薬学部にちなんだ専門性の高い単語も多く出ます。筆者の考えを推察しながら読み進め、過去問を通じて抽象的な文章に慣れていきましょう。
よくある間違い:辞書が持ち込めるから語彙は後回しにする
よくある間違いは、文学部の紙の辞書持ち込みを理由に語彙の仕上げを後回しにすることです。超長文を限られた時間で処理する形式では、辞書に頼る読み方では対応しきれません。
回避策は、単語帳で語彙を仕上げたうえで、辞書は意味の確認に使う位置づけに限定することです。過去問演習のときに引いた単語を記録しておくと、不足している語彙の傾向も見えてきます。
FAST-UPが見てきた慶應英語のつまずき
指導現場で多いつまずきは、志望学部の過去問から入ってしまうことです。レベル4の問題で手が止まり、原因が語彙なのか読解速度なのか切り分けられないまま時間が過ぎていきます。
もう一つ目立つのは、英作文と超長文を「本番に近い時間配分」で解いていないケースです。解き切る力はあるのに、英作文に入る前に時間を使い切る形で崩れます。
逆に伸びが早いのは、レベル1の学部で読解の型を固めてから志望学部へ上げていく進め方をした場合です。併願先の難易度を見比べる際は、立教大学の偏差値推移のように学部単位の変化も確認しておくと計画を立てやすくなります。
慶應義塾大学の英語におすすめの参考書
参考書は目的ごとに役割を分けて使います。
| 目的 | 参考書 |
|---|---|
| 単語の基礎固め | システム英単語、ターゲット1900 |
| 語彙の上積み | 速読英単語 |
| 専門テーマの語彙 | リンガメタリカ |
| 文法・語法の網羅 | 総合英語 Evergreen |
| 文法の演習 | 頻出英文法語法問題1000 |
| スキマ時間の演習 | NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition |
| 長文の段階演習 | レベル別長文問題集 |
| 慶應の過去問演習 | 慶應の英語 |
単語
まず「システム英単語」や「ターゲット1900」で基礎を固めます。終わったら「速読英単語」でより高い語彙力を目指し、「リンガメタリカ」で専門性の高い単語を学びます。リンガメタリカは専門的な内容が出やすい学部では欠かせない存在になりやすいです。
文法
「総合英語 Evergreen」で英文法と語法の知識を網羅できます。その知識をベースに「頻出英文法語法問題1000」を解くことで理解が深まります。「NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition」は持ち運びやすく、スキマ時間の演習に向きます。
応用
長文は「レベル別長文問題集」をこなし、「慶應の英語」で慶應の過去問に効率よく触れます。全学部の問題がまんべんなく収録されているため、複数学部を受ける場合やいろいろな問題に当たりたい時期に向きます。
過去問演習
「慶應の英語」に加え、各学部の過去問や模擬演習を何度も解き、完璧な状態にしておくことが重要です。出題形式がいきなり大きく変わる可能性は低く、事前に対策を立てて語彙力を一定以上にしておけば対応しやすくなります。
過去問を解く中で得意と苦手は必ず見えてきます。苦手分野を潰し、得意分野を伸ばしていきましょう。
まとめ
2027年度入試に向けては、英検準1級レベルの語彙力を身につけ、リンガメタリカのように専門的な単語が収録された単語帳でインプットを行い、英文法と英文解釈を磨いてから長文読解に進むのが理想形です。
慶應各学部の英語長文は、語彙力なしには歯が立たないものばかりです。最初は高い壁に感じても、過去問を繰り返す中で手ごたえが出てきます。そこで止めず、演習量を積み上げてどの形式にも動じない状態まで引き上げていきましょう。
よくある質問
Q. 慶應義塾大学の英語で最も難しい学部はどこですか。
A. 総合政策学部と環境情報学部です。長文のみの構成で総語数が多く、紙の辞書の持ち込みも認められていないため、英検準1級クラスの語彙力が前提になります。
Q. 慶應対策はどの学部の過去問から始めるとよいですか。
A. レベル1にあたる商学部などから始める方法が効果的です。商学部の英語は慶應の英語のベースにあたり、ここをクリアできないとレベル2以上の学部には到達しにくいためです。
Q. 文学部は紙の辞書を持ち込めるので語彙対策は軽くて済みますか。
A. 済みません。2000語の抽象的な長文が出るため、語彙を仕上げたうえで辞書は確認用に使う前提で準備してください。
Q. 他大学の過去問も使ったほうがよいですか。
A. 同じ水準の早稲田大学や上智大学の過去問に取り組む方法は有効です。出題形式の違う問題に当たることで、読解と語彙の弱点が見つけやすくなります。


