経済学部の志望理由の書き方|例文と将来の夢がない時の対処
経済学部の志望理由は「社会課題→経済学で分析したい理由→その大学固…
FAST-UP
経済学部の志望理由は、「関心のある社会課題」→「それを経済学で分析したい理由」→「その大学でしか学べない内容」→「卒業後にどう活かすか」の順でつなぐと通ります。お金や起業への興味だけでは評価されません。
2026年10月時点の情報です。
経済学部の志望理由でつまずく受験生の多くは、きっかけは書けても「なぜ経済学なのか」で止まります。きっかけは原体験でもニュースでも構いません。ただし、データ分析・理論・政策という経済学の手法で考えたい理由まで踏み込む必要があります。将来の夢が決まっていなくても、学びたい問いが具体的なら十分に書けます。以下で書き方の5ステップ、テーマ別の例文、よくある間違いと面接での答え方を解説します。
大学が経済学部の志望理由で見ているポイント
大学が見ているのは、熱意の強さよりも「社会の課題を経済学という道具で分析しようとしているか」です。経済学部のアドミッション・ポリシー(大学が求める学生像を示した方針)には、社会の仕組みへの知的好奇心、データに基づく論理的思考、現実の問題を多角的に分析する姿勢といった要素が共通して並びます。志望理由書はこの方針への回答として読まれます。
評価の観点を整理すると次のとおりです。
| 観点 | 具体的に見られること | 書くときの対応 |
|---|---|---|
| 関心と問題意識 | 格差・物価・雇用などへの関心が具体的か | 自分が引っかかった場面を1つに絞る |
| なぜ経済学か | 政治学や社会学ではなく経済学を選ぶ理由 | 理論・データ・政策評価という手法に触れる |
| 論理的思考と分析 | 感想で終わらず構造を考えているか | 原因と影響を分けて書く |
| 数理への姿勢 | 数式や統計から逃げないか | 数学やデータを扱う意欲を一言入れる |
| 大学・学部理解 | カリキュラムや研究分野を調べているか | 科目名・ゼミ名まで具体化する |
| 将来像とのつながり | 学びと進路が一本の線になっているか | 志と卒業後の目標を矛盾させない |
なぜ「なぜ経済学か」が重視されるのでしょうか。経済学部は志望者が多く、漠然とした理由で出願する受験生が一定数いるためです。学問としての経済学に関心を持ち、それを言葉にできる受験生は、その時点で区別されます。
志望理由書と自己PRの違いも押さえておきます。志望理由書は「大学で何を学び、どう社会に関わるか」を書く書類です。自己PRは「これまでの経験で何ができるようになったか」を伝える書類です。志望理由書に部活の成果だけを並べると、学びの話が薄くなります。
経済学部で学ぶ内容と、経営学部・商学部との違い
経済学部は、社会全体の資源の配り方と仕組みを分析する学部です。経営学部は企業の戦略や組織運営、商学部は市場での商品やお金の動きを扱います。視点の高さが違うと考えると整理しやすいです。
| 学部 | 主な視点 | 扱うテーマの例 |
|---|---|---|
| 経済学部 | 社会・国全体 | 物価、雇用、格差、貿易、税と財政 |
| 経営学部 | 企業の内側 | 経営戦略、組織運営、人材のマネジメント |
| 商学部 | 市場と商品 | マーケティング、流通、会計・ファイナンス |
同じ「牛肉」というテーマでも、経済学部は輸入と為替や畜産をどう守るかを考えます。経営学部は企業がどう経営を続けるかを考え、商学部はどんな商品が売れるかを考えます。志望理由書の内容が志望学部の守備範囲とずれると、学部研究が浅いと判断されます。
経済学部の主な分野(経済理論・国際経済・金融・公共政策)
経済学部の学びは、理論を土台に分野が広がる形になっています。学びたい分野を1つ名指しできると、志望理由の輪郭がはっきりします。
- ミクロ経済学:家計や企業など個々の経済主体の行動を分析する
- マクロ経済学:国全体の生産・物価・雇用などを分析する
- 計量経済学:統計の手法でデータから関係を検証する
- 経済史:過去の経済の変化をたどり、現代の理解を深める
- 国際経済学:貿易や国際金融など国をまたぐ経済関係を扱う
- 財政学・公共政策:税や政府支出など公共部門の役割を扱う
- 金融論:金融市場の仕組みと金融機関の役割を扱う
これらを学ぶことで、論理的思考力、問題解決能力、分析能力、情報収集力といった力が身につきます。志望理由書では「どの分野の知識を、どの課題に活用したいか」をセットで書きます。
「ビジネスに興味がある」では経営学部・商学部と区別がつかない
「ビジネスの仕組みに興味がある」という表現は、経営学部でも商学部でも通ってしまう言い方です。読み手は「この受験生はうちの学部を理解しているのか」と疑います。結果として、志望度が低いと見なされます。
書き換えの方向は決まっています。企業がどう儲けるかではなく、社会全体で資源がどう配られているかに話の軸を移します。
| 言い換え前 | 言い換え後 |
|---|---|
| ビジネスの仕組みに興味がある | 価格が需要と供給でどう決まるのかを理論で理解したい |
| マーケティングを学びたい | 消費行動の変化が国内の物価や雇用に与える影響を分析したい |
| 企業経営を学びたい | 中小企業の生産性を左右する要因をデータで検証したい |
経済学部の志望理由書の書き方を5ステップで解説
書き方の結論は、5つのパートを順に積み上げることです。字数配分の目安も決めておくと、途中で崩れません。
| パート | 内容 | 800字での目安 |
|---|---|---|
| 1. 志の宣言 | 経済学で取り組みたい課題を1文で示す | 約80字 |
| 2. きっかけ・原体験 | その関心を持った具体的な場面 | 約160字 |
| 3. 課題分析 | 課題を経済学の視点で構造として捉える | 約160字 |
| 4. 手段と将来像 | 学びをどう活かすか | 約80字 |
| 5. 大学・学部の理由 | ゼミ・科目・プログラムなど固有の情報 | 約240字 |
この配分では、大学・学部の理由が最も厚くなります。理由は単純で、ここが受験生ごとに最も差が出る部分だからです。他の部分は似た内容になりやすく、大学固有の情報だけは調べた人しか書けません。
書き出しで結論(学びたい問い)を示す
書き出しは、学びたい問いの宣言から始めます。「私は〜という課題を経済学的に分析し、〜に貢献したい」という1文です。読み手は大量の書類を読むため、冒頭で主題が分からない文章は印象に残りません。
悪い書き出しは「私は昔から経済に興味がありました」です。関心の表明は誰でも書けます。代わりに、関心の対象を限定します。「地方都市の中小製造業の生産性」「東南アジアの所得格差」のように、対象と論点を名詞で言い切ります。
きっかけ・原体験の掘り下げ方
きっかけは、具体的な一場面を描写します。授業で学んだ、家族の仕事を通じて知った、地域の変化を見た、アルバイトで気づいたなど、入口は何でも構いません。重要なのは、その場面から問いが生まれるところまで書くことです。
掘り下げの手順は次のとおりです。
- 気になった出来事を1つ書き出す
- そのとき自分が感じた違和感を言葉にする
- 「なぜそうなるのか」と3回繰り返して原因をたどる
- 個人の問題ではなく社会の構造の問題として言い直す
- その構造を調べる手段として経済学を置く
例えば、コンビニのアルバイトで売上管理や発注を担当した経験は、そのままでは仕事の感想です。ここから「数字の背後にある消費者の動き」へ関心を広げ、理論と実務のつながりを理解したいという方向に展開すると、経済学への接続ができます。
きっかけが派手である必要はありません。高校の政治経済の授業で税の仕組みを知り、税制が生活や社会に与える影響に関心を持った、という入口でも十分に通ります。大事なのは、そこから先の掘り下げの深さです。
大学で学びたいことをゼミ・カリキュラムと結び付ける
学びたいことは、科目名とゼミ名まで落とします。「幅広く学びたい」は、どの大学にも当てはまるため、志望理由になりません。
調べ方の順番を決めておくと早いです。
- 学部サイトでカリキュラム表を開き、学年ごとの必修と選択を確認する
- 「大学名 学部名 ゼミ」で検索し、ゼミの研究テーマ一覧を見る
- 気になった教員の研究内容や担当科目を確認する
- フィールドワーク、留学制度、連携プログラムの有無を確認する
- 自分の問いと重なる要素を2〜3個選び、理由をつけて書く
1年次の少人数セミナーで文献検索やレポート作成、プレゼンテーションを学べる大学もあります。こうした入学直後の科目に触れると、入学後の学習計画を考えていることが伝わります。
その大学でなければならない理由の調べ方
ここは志望理由書で最も差がつく部分です。「貴学の充実したカリキュラム」のような一般論を書くと、志望校研究が浅いと判断されます。公式サイト、パンフレット、オープンキャンパスの説明をもとに、他大学では書けない固有名詞を入れます。
偏差値や入試方式の情報も、志望校の全体像をつかむ材料になります。学部ごとの特色や難易度を知りたい場合は立教大学経済学部の偏差値と学科ごとの特徴や明治大学政治経済学部の入試情報と就職状況も確認しておくと、学部研究の土台ができます。
卒業後の進路・将来像につなげる
卒業後の進路は、冒頭の志と一貫させます。「地域経済の衰退に問題意識を持った」と書き出したのに、結びが「外資系金融で働きたい」では、話がつながりません。
経済学部の主な進路は次のとおりです。
| 進路 | 経済学の活かし方 |
|---|---|
| 公務員 | 自治体や国の機関で経済政策の立案・分析に関わる |
| 企業就職 | 分析力を活かし、幅広い職種で働く |
| 金融・研究 | 市場や経済指標を分析する専門職に進む |
| 起業 | 市場の動きを読み、事業を立ち上げる |
経済学部は就職先の幅が広く、入学時点で進路を1つに絞る必要はありません。ただし面接がある入試では、「お金を扱い人々の生活を支える仕事を今は考えている」程度の方向付けは示したほうが安全です。方向がまったく見えないと、学部とのマッチングを判断できないためです。
経済学部の志望理由を4タイプに分けて自分の軸を決める
FAST-UPの指導現場で、経済学部志望の生徒が書いた志望理由を並べると、関心はおおむね4つのタイプに分かれます。自分がどこに近いかを先に決めると、調べる範囲が絞れて作業が速く進みます。
| タイプ | 関心の出発点 | 相性の良い分野 | 想定される将来像 |
|---|---|---|---|
| 生活・地域型 | 地元の商店街、家族の仕事、身近な価格の変化 | 地域経済論、産業組織、中小企業 | 自治体、地域金融、まちづくり |
| 国際型 | 留学、語学研修、海外ニュース | 国際経済学、開発経済学 | 国際機関、商社、海外事業 |
| 政策・公共型 | 税、社会保障、選挙、ニュースの政策論争 | 財政学、公共経済学 | 公務員、政策関連の職 |
| データ・金融型 | 株価、金融危機、統計やグラフへの興味 | 計量経済学、金融論 | 金融機関、分析職、研究 |
つまずきやすいのは、4つを全部入れようとするケースです。関心が広い生徒ほど、地域も国際も政策も書きたくなります。その結果、どのテーマも浅くなり、読み手に残るものがなくなります。軸を1つに決めて、残りは背景として一言触れる程度にとどめるのが現実的です。
もう1つの傾向として、タイプが決まらないまま例文を探し始める生徒がいます。先に例文を読むと、自分の経験ではなく例文の型に合わせて話を作ってしまい、面接の深掘りで答えられなくなります。順番は、自分のタイプを決める、調べる、書く、の順です。
テーマ別・経済学部の志望理由の例文
例文はそのまま使うものではなく、構造を真似るものです。各例文で、志の宣言→原体験→課題分析→将来像→大学の理由という流れがどう展開しているかを確認します。
地域活性化・地域経済をテーマにした例文
私は、地方都市の中小製造業の生産性を阻む構造的な要因を分析し、地域産業政策の改善に貢献したいと考えています。きっかけは、祖父が営む町工場を訪ねたことです。高い技術を持ちながら受注単価が長年変わらず、従業員を減らしてようやく経営を保っている状況を知りました。祖父の「技術はあるのに値段を上げられない」という言葉が、個別の経営判断ではなく産業構造の課題に見えてきました。付加価値の高い工程へ移るための情報・資金・人材が不足していることが背景にあると考えています。卒業後は、自治体の産業振興部門で中小企業の競争力強化に関わる政策づくりに携わりたいです。貴学部の地域産業分析のゼミでは、自治体の産業データを用いた実証研究が行われており、生産性を左右する要因を統計的に検証できます。産業集積地を訪問して企業へのヒアリングを行う科目もあり、理論と現場を往復できる環境が自分のテーマに合っています。
地域活性化を書くときの注意点があります。「地元を元気にしたい」という感情だけで終えると、経済学部である必然性が消えます。観光客を増やす、企業を誘致するといった単純な解決策を結論にしないことも大切です。志望理由書の段階で解決策を出す必要はなく、経済学で分析したいという姿勢を示せば十分です。
公務員・政策をテーマにした例文
私は、税制が家計に与える影響を分析し、公平で持続可能な制度の設計に関わりたいと考えています。高校の政治経済の授業で税の仕組みを学び、同じ税率でも世帯によって負担感が大きく異なることを知りました。税は生活に直結する一方で、制度の変更が消費や貯蓄の行動まで変えます。この連鎖を感覚ではなくデータと理論で検証したいと考えるようになりました。貴学部では財政学と公共経済学を基礎から学び、政策の効果を評価する手法を身につけたいです。ゼミでは社会保障の給付と負担の関係をテーマに研究し、卒業後は自治体の財政部門で制度の設計に関わることを目標としています。
株・金融・データ分析をテーマにした例文
私は、金融市場の変動が実体経済に波及する仕組みを分析したいと考えています。関心を持ったきっかけは、ニュースで株価の急落が企業の投資や雇用にまで影響する過程を知ったことです。金融は数字の世界に見えて、人々の生活と直結しています。貴学部では金融論とあわせて計量経済学を学び、統計の手法でデータから関係を検証する力を身につけたいです。数学を使う分析に抵抗はなく、むしろ積極的に扱いたいと考えています。卒業後は、金融機関や調査部門で市場と経済指標を分析する仕事に就き、変動の予兆を読み取れる人材になりたいです。
このテーマでは、投資で儲けたいという書き方を避けます。金融市場の動きが雇用や物価にどう波及するかという社会全体の視点に置き換えます。なお、数学を使う入試方式を併願する場合は、青山学院大学経済学部の数学の傾向と対策のような学部別の情報も早めに確認しておくと計画が立てやすくなります。
国際経済・グローバルをテーマにした例文
私は、新興国の経済成長が所得格差を広げる仕組みを分析し、成長と分配を両立させる方法を学びたいと考えています。問題意識の原点は、語学研修で訪れた都市です。中心部には高層ビルが立ち並ぶ一方、少し郊外に出ると生活環境がまったく異なる地区が広がっていました。現地の方の「経済は成長しているが、恩恵は一部にしか届かない」という言葉が残っています。成長の果実が都市部や特定の産業に集中する現象は、再分配だけでは解決できず、産業構造や教育投資、金融へのアクセスの不均衡を含めて分析する必要があります。貴学部では開発経済学を軸に、家計調査のデータを扱う分析手法を学びたいです。協定校での調査に参加できる制度を活用し、現地でのデータ収集と分析の実践力を養いたいと考えています。
400字・600字・800字で書き分けるときの調整方法
字数が変わっても、削る順番と厚くする順番を決めておけば対応できます。
| 字数 | 構成 | 配分の考え方 |
|---|---|---|
| 400字 | 2段落 | きっかけと将来像を短くし、学びたいことを厚くする |
| 600字 | 3〜4段落 | 課題分析を1段落として独立させる |
| 800字 | 4〜5段落 | 大学・学部の理由を最も厚く書く |
400字で削るのは、原体験の描写と将来像の説明です。800字で増やすのは、課題分析と大学固有の情報です。面接で話す原稿にする場合は300字程度まで縮めます。丸暗記した話し方は評価されにくいため、流れだけを頭に入れます。
将来の夢がない・志望理由が思いつかないときの作り方
将来の夢がなくても志望理由は書けます。必要なのは職業名ではなく、学びたい問いだからです。問いが具体的であれば、進路は「この問いを扱える場所」として後から説明できます。
問いの作り方を手順にします。
- 最近のニュースや日常で、引っかかった出来事を5つ書き出す
- それぞれについて「誰が得をして、誰が負担しているか」を考える
- 答えが出ないものを1つ選ぶ(答えが出るものは研究テーマになりません)
- その出来事に関係する統計やデータを1つ探す
- 「なぜこうなるのか」を問いの形に書き直す
よくある間違いは、将来の夢が決まっていないことを理由に、志望理由書の作成を後回しにすることです。回避策は、仮の志望校と仮の問いを置いて、一度最後まで書き切ることです。書いてみると調べ足りない部分が分かり、次に何を調べるかが決まります。志望校が未定のまま書くと内容があいまいになるため、仮でも学校名を決めて作ります。
関心の入口は、自分の生活から探すのが近道です。アルバイトで感じた地域ごとの違い、家族の介護で知った社会保障の課題、物価の上昇で変わった買い物の仕方など、身近な経験は掘り下げる材料になります。
経済学部の志望理由でよくある間違いと書き直し例
落ちる志望理由には共通点があります。ここでは代表的な2つを取り上げます。
「お金に興味がある」「起業したい」で止まっている
この書き方が評価されない理由は2つあります。1つは、経済学部が扱うのは資源の配分であり、お金儲けの方法ではないためです。もう1つは、起業や経営への関心は経営学部・商学部でも成立し、学部選択の理由にならないためです。
| 書き直し前 | 書き直し後 |
|---|---|
| 昔からお金の仕組みに興味があり、貯金が好きでした | 授業で金融政策を学び、金利の変化が家計の消費行動を変える仕組みに関心を持ちました |
| 将来は経営者になりたいので経済学部を志望します | 企業の投資判断が地域の雇用にどう波及するかを分析し、産業政策に関わりたいです |
| 数学が得意なので経済学が向いていると思いました | 統計の手法を使い、政策の効果をデータから検証する力を身につけたいです |
ニュースを見た感想で終わっている/大学固有の情報がない
ニュースをきっかけにするのは問題ありません。問題は、「見て関心を持ちました」で止まることです。読み手は、関心の有無ではなく、そこから何を調べたかを見ています。
回避策は、ニュースに対して自分で調べた一次的な情報を1つ加えることです。「地方の人口が減っている」と書くより、人口が減った市町村の割合など、出典のある数値を添えたほうが説得力が出ます。数値を使うときは、必ず公的機関の統計など出典を確認してから書きます。
大学固有の情報がない場合も同じ扱いになります。カリキュラム、ゼミの研究テーマ、特徴的な科目名、フィールドワークや連携プログラムの名称を入れます。オープンキャンパスの説明をメモしておくと、ここで使えます。
FAST-UPが見てきた、経済学部の志望理由が通る受験生の準備の進め方
FAST-UPのコーチが日々の学習を見ていると、志望理由が通る生徒とつまずく生徒の差は、文章力ではなく準備の順番に出ます。通る生徒は、書き始める前に調べ終えています。つまずく生徒は、書きながら調べようとして、手が止まります。
通る生徒に共通する進め方は次のとおりです。
- 関心のテーマを1つに絞り、関連するニュースを継続して追っている
- 志望校の学部サイトを自分で開き、ゼミと科目を書き出している
- 下書きを早い段階で人に見せ、指摘を受けて直す回数を増やしている
- 書いた内容について「なぜ」と聞かれたときの答えを用意している
- 一般入試の勉強と並行して進め、どちらかを止めていない
つまずきやすいのは、総合型選抜の準備を始めた途端に教科の学習が止まるケースです。書類は通っても、学力試験や併願校で苦しくなります。FAST-UPでは毎日の学習をコーチが管理するため、書類作成の時期でも学習量を保つ設計にしています。
もう1つの傾向は、添削を1回で終わらせることです。志望理由書は、書く力ではなく直す回数で質が決まります。1回目の下書きを早く出し、指摘を受けて何度も書き直した生徒のほうが、面接でも落ち着いて答えられます。
面接で経済学部の志望理由を聞かれたときの答え方
面接では、志望理由書を暗唱するのではなく、要点を30秒から1分で話せるようにします。最初に結論、次にきっかけ、最後に大学で学びたいことという順番です。
話す内容の骨格は次の3点に絞ります。
- 経済学で取り組みたい課題(1文)
- その関心を持ったきっかけ(短く1〜2文)
- この大学のどの学びで取り組むか(科目名・ゼミ名を含めて1〜2文)
総合型選抜・学校推薦型・一般入試の面接での違い
入試方式によって、面接で見られる点が変わります。
| 方式 | 面接の重点 | 準備の方向 |
|---|---|---|
| 総合型選抜 | 学問への関心と大学とのマッチング | 関心テーマを深く掘り、調べた内容を話せるようにする |
| 学校推薦型(公募) | 学力と志望理由の両立 | 評定や学習状況と志望理由をつなげて説明する |
| 指定校推薦 | 入学意思と学習意欲の確認 | 入学後の学習計画を具体的に話す |
| 一般入試の面接 | 志望の一貫性 | 書類の内容と話す内容をそろえる |
総合型選抜は、学力試験以外の要素を含めて多面的に評価する入試です。小論文やプレゼンテーションを課す大学もあり、志望理由と内容をそろえておくと一貫性が出ます。
志望理由から派生する深掘り質問への備え方
深掘り質問は、志望理由書に書いた言葉から出ます。自分の文章に出てくる単語を1つずつ拾い、「これはどういう意味か」と自問しておくと備えになります。
想定される質問と準備の方向は次のとおりです。
- 「なぜ経営学部ではなく経済学部なのですか」→ 社会全体の資源配分を分析したい理由を答える
- 「その課題について、どんなデータを見ましたか」→ 調べた統計を1つ挙げる
- 「うちのゼミで何を研究したいですか」→ ゼミ名と研究テーマを答える
- 「数学は得意ですか」→ 得意不得意ではなく、学ぶ意欲を答える
- 「他にどんな大学を受けていますか」→ 志望テーマとの関係で答える
答えに詰まる質問が出たら、分からないことを認めたうえで、どう調べるかを話します。知ったかぶりは追加質問で崩れるため、避けたほうが安全です。
提出前のセルフチェックリストと添削の受け方
提出前に確認する項目を決めておくと、見落としが減ります。次の項目を1つずつ確認します。
- 冒頭1文で、学びたい課題が分かるか
- 「なぜ経済学なのか」に答えているか
- きっかけが具体的な場面として書かれているか
- 課題を個人の問題ではなく構造として捉えているか
- 大学固有の情報(ゼミ・科目・プログラム)が入っているか
- 冒頭の志と卒業後の将来像が一貫しているか
- 数値を使った箇所に出典があるか
- 誤字脱字、文体の統一(だ・である/です・ますの混在)がないか
- 指定字数の9割以上を使っているか
添削は、立場の違う3者に見てもらうと精度が上がります。
| 誰に見てもらうか | 見てもらう観点 |
|---|---|
| 高校の先生 | 日本語の正確さ、志望理由としての形式 |
| 塾や予備校の指導者 | 学部研究の深さ、構成、面接での答えやすさ |
| 自分の家族や友人 | 読んで内容が伝わるか |
生成AIで下書きを作る方法については、注意が必要です。AIが作った文章は一般論になりやすく、大学固有の情報や自分の経験が入りません。面接で深掘りされたときに答えられない危険もあります。使うなら、ゼミの一覧を調べる作業や、書いた文章の読みにくい部分を指摘してもらう使い方にとどめます。志望理由の中身は自分で考えることが前提です。
志望理由を深めるために読んでおきたい本とニュースの集め方
本とニュースは、関心を深めるために使います。志望理由書に書名を並べるためではありません。読んだ結果として問いが変わったなら、その変化を書きます。
読む順番の目安は次のとおりです。
- 高校生向けの経済学入門書で、経済学が何を扱う学問かをつかむ
- 経済用語の図解本で、ニュースを読むための語彙をそろえる
- 関心テーマに近い新書を1冊読み、論点を知る
- 古典や現代の代表的な研究書に触れ、議論の背景を知る
経済学の古典では、市場の仕組みを論じた著作や、現代の格差を分析した研究書などが挙げられます。難しい場合は入門書や解説書から入って構いません。重要なのは、読んだ内容を自分の問いに結びつけることです。
ニュースの集め方も決めておきます。
- 毎日決まった時間に経済面を確認し、気になった記事を1つメモする
- 記事に出てきた統計の出典元(省庁や国際機関のサイト)を確認する
- 同じテーマの記事を3か月分ためて、変化を追う
- オープンキャンパスの模擬授業で出た論点を、後から調べ直す
オープンキャンパスは、志望理由の材料を集める場として使います。学部の雰囲気だけでなく、在学生の活動内容、卒業生の進路、教員の話した研究テーマをメモします。参加できない場合は、公式サイトの動画や学部のシラバス(授業の計画表)で代替できます。
大学全体の情報を知ることも、志望理由の土台になります。4年間の費用面を含めて検討したい場合は立教大学の4年間の学費と奨学金、併願校の選び方を考える場合は日東駒専の経済学部の順位とおすすめ併願校も参考になります。
よくある質問
Q. 経済学部の志望理由書は何字くらいで書くのが一般的ですか。 A. 大学によって異なりますが、A4用紙1枚程度で600〜800字に収まることが多いです。400字なら2段落、800字なら4〜5段落を目安に構成します。指定字数がある場合は9割以上を埋めます。
Q. 将来の夢が決まっていなくても総合型選抜は受けられますか。 A. 受けられます。ただし面接がある入試では、まったく方向性が見えないとマッチングを判断できません。「お金や経済を通じて人々の生活を支える仕事を考えている」といった方向付けまでは示したほうが安全です。
Q. 経済学部と経営学部で迷っています。どう決めればよいですか。 A. 自分の関心が「社会全体の仕組み」にあるか「企業の中の動き」にあるかで判断します。物価や雇用、格差、税といったテーマに惹かれるなら経済学部、戦略や組織運営に惹かれるなら経営学部が近いです。
Q. 数学が苦手でも経済学部の志望理由書は書けますか。 A. 書けます。ただし経済学は数理的な分析を多く使うため、数学から逃げる姿勢は評価されにくいです。得意だと書く必要はなく、統計やデータを扱う学びに取り組みたいという意欲を示します。
Q. 志望理由書に統計データを入れたほうがよいですか。 A. 経済学部では入れることをすすめます。データに基づいて議論できるかを見られるためです。使うときは、省庁や国際機関など出典が明確な数値を選び、どこの調査かを添えます。
Q. 例文をそのまま使ってもよいですか。 A. すすめません。例文は構成を学ぶためのものです。同じ文章を使うと内容が自分の経験とずれ、面接の深掘り質問で答えられなくなります。構造だけ真似て、中身は自分の体験と調べた内容で埋めます。
Q. 一般入試でも志望理由を聞かれることはありますか。 A. 面接を課す方式では聞かれます。書類と話す内容がそろっているかを見られるため、提出した書類の控えを保管し、本番前に読み返しておきます。


