教育学部の志望理由書の書き方|例文と構成・失敗
教育学部の志望理由書は、将来像・きっかけ・大学で学ぶ理由・入学後の…
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教育学部の志望理由書は、「将来どんな教育に関わりたいか」「そう考えたきっかけの体験」「この大学で学ぶ理由」「入学後の計画」の4要素をこの順でつなげて書きます。体験と大学の学びが線でつながると説得力が出ます。
2026年10月時点の情報です。
教育学部の志望理由書の基本構成と書く順番
結論として、教育学部の志望理由書は4要素を一本の流れにして書きます。理由は、大学が確認したいのが「なぜ教育学部か」「なぜこの大学か」「入学後に何を学ぶか」「卒業後にどう活かすか」の4点だからです。この4点に順番に答える形にすると、読み手が探している情報が探さずに見つかります。
将来像・きっかけ・大学で学ぶ理由・入学後の計画の4要素
書く順番は固定で構いません。先に将来像を1文で宣言し、そこへ至る体験、大学で学ぶ理由、入学後の計画と続けます。最初に結論を置くのは、審査する教授が大量の書類を読むため、冒頭で主張が分かる文章のほうが内容を追いやすいからです。
| 要素 | 書く内容 | 失敗しやすい点 |
|---|---|---|
| 1. 将来像 | どの校種・どの立場で、どんな教育に関わりたいか | 「教師になりたい」だけで止まる |
| 2. きっかけ・原体験 | その思いが生まれた具体的なエピソード | 感想だけで、考えたことが無い |
| 3. 課題意識 | 体験から見えた教育の課題・問い | 課題が大きすぎて自分と無関係 |
| 4. 大学で学ぶ理由 | 学科・コース・研究・授業との接続 | どの大学にも当てはまる内容 |
| 5. 入学後の計画 | 履修・実習・ボランティア活動などの計画 | 「頑張ります」で終わる |
4要素と書きましたが、実際は課題意識を独立させて5ブロックにすると整理しやすくなります。課題意識は、体験と学問をつなぐ接続部分だからです。ここが薄いと、どれだけ良い経験を書いても大学の学びに着地しません。
チェック
- 冒頭の1文だけ読んで、志望の方向が分かるか
- 体験から課題意識への「なぜ」が書いてあるか
- 大学名を他大学に差し替えたら成り立たなくなるか
- 入学後の計画に具体的な科目や活動の名前が入っているか
800字・600字・400字の字数別の配分と削り方
字数が短いほど「なぜこの大学か」を優先します。短い文章で差がつくのは、体験の描写ではなく大学固有の理由だからです。体験は誰でも書けますが、大学の研究内容に自分の関心を接続できる受験生は多くありません。
| 字数 | 原体験 | 課題意識 | 大学での学び | 将来像 | 削り方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 800字 | 150〜200字 | 150〜200字 | 200〜250字 | 150〜200字 | 4ブロックを均等に展開する |
| 600字 | 100〜120字 | 80〜100字 | 150〜180字 | 100〜120字 | 課題意識を簡潔にする |
| 400字 | 60〜80字 | 省略可 | 120〜150字 | 80〜100字 | 課題意識を原体験に統合する |
| 1000字 | 200〜250字 | 150〜200字 | 250〜300字 | 200〜250字 | 大学での学びを最も厚くする |
削る順番は次のとおりです。
- 体験の背景説明(いつ・どこで、を最小限にする)
- 感情の描写(「とても感動した」などを削る)
- 一般論(「教育は社会の基盤です」などの前置き)
- 同じ内容の繰り返し(冒頭と末尾の重複)
2000字クラスの指定がある大学では、経験・実績の記述を最も長く取り、大学で学びたいことを次に厚くする配分が目安になります。字数が増えるほど、一つの体験を深く掘る書き方のほうがまとまります。
教育学部の志望理由書の書き出しの作り方
書き出しは「将来像+志望学科」の1文にします。読み手が最初の数行で内容の見当をつけられるためです。「私は将来◯◯という教育を実現したいと考え、貴学教育学部◯◯学科を志望します」という型で十分です。
使わないほうがよい書き出しを挙げます。
| 避けたい書き出し | 理由 | 直し方 |
|---|---|---|
| 「私は子どもが好きです」 | 動機として多数派で、差がつかない | 好きだと感じた場面を1つに絞って書く |
| 「現代社会では教育の重要性が高まっています」 | 一般論で、自分の話が始まらない | 自分の問いから始める |
| 「貴学の充実した環境に魅力を感じました」 | どの大学にも書ける | 学科名と研究名を入れる |
| 「幼い頃から先生に憧れていました」 | 憧れだけでは学問につながらない | 憧れた理由を言語化する |
書き出しが決まらないときは、本文を全部書いてから最後に書き出しを作る方法もあります。結論が固まってから冒頭を書くほうが、全体と一致させやすいからです。
教育学部の志望理由書で大学が評価している観点
評価されるのは、教育への関心が本物かどうか、学びたい分野が具体的かどうか、卒業後のビジョンが描けているかの3点です。教育学部は教員や教育の専門家を養成する学部のため、意欲が実際の行動や学問的な問いに結びついているかが見られます。
| 観点 | 具体的に見られること | 書類での示し方 |
|---|---|---|
| 教育への関心の本物度 | 教える・支える経験があるか | 学習支援ボランティア活動、後輩指導などを書く |
| 学びたい分野の具体性 | 教育心理学・教科教育・特別支援など分野が絞れているか | 興味のある領域と教授の研究を挙げる |
| 卒業後のビジョン | どの校種でどんな教育を実現したいか | 校種と実現したい授業像をセットで書く |
| 一貫性 | 体験・課題・学び・将来がつながっているか | 「なぜ→だから」で各段落を接続する |
| 人と関わる力 | 子ども、保護者、教職員と関われるか | 関わった場面での自分の対応を書く |
経験が少なくても不利になるとは限りません。教育に関する本を読んだり、教育問題を自分で調べたりした実績もアピールになります。ただし、読んだ内容をそのまま書くのではなく、そこから生まれた自分の問いまで書く必要があります。
志望のきっかけ・原体験の見つけ方と掘り下げ方
きっかけは思い出そうとするのではなく、書き出して探します。頭の中だけで振り返ると、印象の強い出来事しか出てこないためです。紙に出すと、自分では平凡だと思っていた経験が志望理由の核になることがあります。
自分の体験を書き出して教育の課題につなげる手順
次の手順で進めます。
- 小学校から現在までで、学ぶこと・教えることに関わった場面を箇条書きにする
- それぞれに「そのとき何を感じたか」「何を考えたか」「何をしたか」を書き足す
- 似た感情が出てくる体験をまとめ、共通する関心を1行にする
- その関心を「◯◯はなぜ起きるのか」という問いの形に変える
- その問いを扱う学問分野を調べ、志望する学科と照らす
書き出す対象は学校の中だけに限りません。部活動の後輩指導、学校行事の運営、家族や親戚の子どもと接した経験、アルバイト、ボランティア活動なども材料になります。自分の興味と志望学科の接点を見つけることが目的です。
掘り下げるときは「なぜそう感じたのか」を3回繰り返します。1回目の答えは感想、2回目で状況の理解、3回目で自分の価値観が出てきやすいからです。3回目の答えが、志望理由書の課題意識にあたります。
教育格差・インクルーシブ教育・ICT活用など教育課題の取り入れ方
教育課題は、自分の体験と接続できるものだけを選びます。接点の無い課題を持ち出すと、知識を並べただけの文章になり、面接で深く質問されたときに答えられなくなるためです。
| 教育課題 | 内容の要点 | 接続しやすい体験 |
|---|---|---|
| 教育格差 | 家庭環境によって受けられる教育に差が出る問題 | 子ども食堂や学習支援のボランティア活動 |
| インクルーシブ教育 | 障害の有無にかかわらず共に学ぶ教育の考え方 | 特別支援学級の友人との関わり、放課後等デイサービス |
| ICT活用 | デジタル機器を使った授業や学習支援 | 1人1台端末を使った授業の経験、オンライン授業 |
| 不登校 | 学校に通えない児童生徒への対応 | 身近な友人の様子、保健室や相談室の見学 |
| 多文化共生 | 日本語指導が必要な子どもへの教育 | 地域の日本語教室、留学経験 |
| 教員の働き方 | 教職員の業務量と指導の質の関係 | 部活動や行事での教員の様子の観察 |
課題に触れるときは、現状の説明だけで終わらせず「現場でどう対応するか」まで書きます。教育学部の小論文や課題レポートでも、教育格差・特別支援・ICT教育・多文化共生などのテーマが頻出で、実践的な視点が求められるためです。志望理由書と小論文で主張がずれないよう、同じ課題意識を使うと準備も効率的です。
「なぜこの大学の教育学部なのか」を示す方法
大学固有の理由は、公式サイトと募集要項から探します。パンフレットのキャッチコピーではなく、学科の構成、科目名、教員の研究テーマを見るのが近道です。他大学でも書ける内容を外していくと、残ったものが志望理由になります。
学科・コース・ゼミ・研究内容の調べ方と志望理由書への盛り込み方
調べる順番を示します。
- 学部の中にどの学科・コース・専攻があるかを確認する
- 志望する校種の免許が取れる課程かを確認する
- カリキュラム表で1年次から4年次までの科目名を見る
- 教員紹介のページで研究テーマと担当科目を確認する
- 気になった教授の論文タイトルや著書の紹介文を読む
- 教育実習、附属学校、地域連携のプログラムの有無を調べる
- オープンキャンパスや大学公式の動画で、模擬授業や学生の話を聞く
盛り込むときは「研究名+自分の問いとの接点」をセットにします。研究名だけ書くと、調べただけに見えるからです。「◯◯教授の学習動機づけに関する研究は、ボランティアで感じた疑問と直結している」のように、自分の経験と結ぶ形にします。
アドミッション・ポリシー(大学が求める学生像を示した方針)も読んでおきます。そこで使われている言葉と自分の書いた内容がずれていないか確認するためです。
国公立教育学部と私立の教育系学部で求められる内容の違い
大きく言えば、国公立は教員養成の色が濃く、私立は教育学の研究や教育に関わる幅広い進路を含むことが多い傾向です。ただし大学ごとに差があるため、実際には募集要項と課程の名称を確認する必要があります。
| 観点 | 国公立の教育学部で意識したいこと | 私立の教育系学部で意識したいこと |
|---|---|---|
| 将来像 | どの校種・教科の教員になるかを明確にする | 教員以外も含め、教育にどう関わるかを示す |
| 地域との関係 | 地元の学校や地域の教育課題に触れる | 学部の研究領域と自分の関心を結ぶ |
| 学びの計画 | 教育実習や附属学校での実践を具体化する | ゼミ・研究テーマ・副専攻などを具体化する |
| 共通して必要 | 体験と課題意識の接続、大学固有の理由 | 体験と課題意識の接続、大学固有の理由 |
教員養成課程と、教員免許の取得を必須としない教育学研究系の課程では、書き分けが必要です。前者では教壇に立つ自分の姿を、後者では研究したい問いを前面に出します。志望する課程がどちらかを募集要項で確認してから書き始めてください。私立の教育系学部の具体例は早稲田大学の推薦入試の条件・評定・倍率でも触れています。
教育学部の志望理由書の例文【校種・専攻別】
例文は型を確認するために使い、文章は自分の言葉に置き換えます。以下はいずれも短縮版で、◯◯の部分には実際の学科名・研究名を入れてください。
小学校教員を志望する場合の例文と書き方
小学校志望では、全教科を横断して子どもの学びを支える視点が中心になります。学習のつまずきや自己肯定感といったテーマと相性が良いです。
私は、学習につまずいた子どもが「わかった」と感じられる授業をつくる小学校教員になりたいと考え、貴学教育学部初等教育学科を志望します。高校2年の時、地域の学習支援に参加し、小学生の算数を担当しました。同じ問題でも、計算の手順が苦手な子、文章の読み取りが難しい子と、つまずきの原因が一人ひとり違うことに驚きました。ここから、つまずきの原因をどう見分けるかという問いを持ちました。貴学では、◯◯教授の学習動機づけに関する研究に関心があります。外発的動機づけから内発的動機づけへ移る過程の研究は、私が現場で感じた疑問と直結します。入学後は教職課程と並行して教育心理学の演習に参加し、模擬授業で理論を確かめます。将来は、個別の声かけと学級全体のつながりを両立させた学級経営を実践します。
書くときのポイント
- つまずきの具体例を1つ挙げる(教科と場面を特定する)
- 教育心理学や個別最適な学びなど、扱う分野を明示する
- 模擬授業や教育実習など、実践の機会に触れる
中学・高校教員を志望する場合の例文と書き方
中高志望では、教科の専門性と生徒理解の二つを軸にします。小学校志望との差がここで出るためです。教科教育法、生徒指導、キャリア教育、思春期の発達支援などが論点になります。
私は、生徒が自分の言葉で語る面白さを感じられる国語の授業を実践したいと考え、貴学教育学部◯◯専攻を志望します。高校1年の現代文で、先生が「作者はなぜこの一文を選んだと思うか」と問いかけた時、教室の空気が変わりました。正解を覚える教科だと思っていた国語が、他者の思考に迫る学問に見えた瞬間です。高校2年では中学生の読書会の補助に入り、生徒が「間違えたら恥ずかしい」と感じて発言をためらう場面を何度も見ました。ここから、対話が生まれる授業をどう設計するかに関心を持ちました。貴学では、対話型授業と言語的思考力の育成に関する◯◯教授の研究に共鳴しています。国語科教育法に加え、教育社会学のゼミにも参加し、学校という場が生徒の自己表現に与える影響を学びたいと考えています。
書くときのポイント
- 教科を選んだ理由を、授業で起きた出来事から書く
- 思春期の生徒に特有の課題に触れる
- 教科の指導法と生徒理解の両方の科目に言及する
特別支援教育・幼児教育を志望する場合の例文と書き方
特別支援や幼児教育では、なぜその領域なのかの掘り下げと、どんな支援・環境づくりを実現したいかの具体性が重視されます。対象となる子どもの発達段階が限定されるため、その段階に固有の課題に触れられるかが分かれ目になります。
私は、障害の有無にかかわらずすべての子どもが学べる環境をつくりたいと考え、貴学教育学部特別支援教育専攻を志望します。小学5年の時、発達障害のある同級生が一斉授業のペースについていけず孤立していく様子を見ました。なぜ学校は一つのペースで全員を動かすのかという疑問が残り続けています。高校では放課後等デイサービスで週1回のボランティア活動を続け、環境を調整すれば子どもが力を発揮する場面を何度も見ました。貴学では、ユニバーサルデザインを活用した授業設計に関する◯◯教授の研究に関心があります。通常学級と特別支援学級の両方で使える授業づくりを学び、実習で支援の技術を身につけたいと考えています。
幼児教育志望の場合は、遊びと学びの関係、保護者支援、小学校への接続などが切り口になります。異文化理解を軸に、独自の教育プログラムを取り入れた園の運営を目指すといった将来像も、学びたい分野と結びつけば成立します。
家庭科・体育・音楽など実技系の専攻を志望する場合の書き方
実技系は「技能の高さ」ではなく「その教科を通じて何を育てたいか」を書きます。技能だけなら他の進路もあるため、教育学部を選ぶ理由にならないからです。
| 専攻 | 教科を通じて育てたい力の例 | 触れたい教育課題 |
|---|---|---|
| 家庭科 | 生活を自分で設計する力 | 食育、金融教育、生活の自立 |
| 保健体育 | 体を動かす楽しさと健康観 | 運動が苦手な生徒への対応、部活動のあり方 |
| 音楽 | 表現する楽しさと他者との協働 | 表現に抵抗がある生徒への支援 |
| 美術 | 発想を形にする力 | 評価が難しい教科での指導 |
| 国語・数学など教科専攻 | 教科固有の考え方 | 学力差への対応、学習意欲 |
実技系では、自分の技能の経験を課題意識に変換します。たとえば「部活動で後輩に教えたとき、できる子とできない子で必要な声かけが違った」という経験は、指導法への問いに直接つながります。
教員以外を目指す場合(教育学研究・教育行政・企業)の書き方
教員以外を目指す場合は、将来像を具体的な立場で示します。教育学部=教員という前提で読まれるため、説明しないと動機が伝わりにくいからです。
- 教育学研究:扱いたい問いを明確にし、その問いを研究している教員の名前を挙げる
- 教育行政:学校現場と政策の関係に関心を持ったきっかけを書く。生徒会活動などで制度が学習環境に与える影響を感じた経験は材料になる
- 企業の教育事業・人材育成:学校の外で学びを支える必要性を感じた場面を書く
- 生涯学習・社会教育:学校教育以外の学びの場に関わった経験を書く
どの進路でも、教育学の知識がなぜ必要かを説明します。「その仕事に就きたい」だけでは、教育学部で4年間学ぶ理由にならないためです。
教育学部の志望理由書でよくある間違いと直し方
落ちる文章の多くは、動機が感情のまま止まっているか、大学と結びついていないかのどちらかです。順に直し方を見ます。
「子どもが好き」「先生に憧れた」で終わっている
よくある間違いは、「子どもが好きだから教育学部を志望する」で説明を終えることです。この動機は多くの受験生が書くため、それだけでは根拠として弱くなります。
回避策は、感情の背景を3段階で言語化することです。
- 「好き」「憧れた」と感じた具体的な場面を1つ挙げる
- その場面から生まれた問いや課題意識を書く
- 教員や教育の仕事を通じて、その思いをどう実現するかを書く
「先生に憧れた」も同じです。憧れた先生が何をしたのか、その行為のどこに価値があると考えたのかまで書けば、自分の教育観の説明になります。先生の人柄を褒めるだけで終わると、自分が見えません。
「教師になりたい」だけで大学の学びと結びついていない
職業名だけを書いて終わる文章も評価されにくいです。大学は4年間の学びの場であり、職業への意欲と同時に学問への意欲を見ているためです。
直し方は、将来像を「どんな授業・支援を実現したいか」まで分解し、それに必要な知識を学科の科目名で示すことです。たとえば「学習のつまずきを見分けたい」なら教育心理学、「学校制度を変えたい」なら教育行政や教育社会学、と対応させます。
例文をそのまま写す・どの大学にも出せる内容になっている
例文の丸写しは避けます。提出書類の水準は年々上がっており、似た文章は読み手に気づかれやすいからです。加えて、自分の体験が入っていない文章は面接で深掘りされた瞬間に答えられなくなります。
インターネットのQ&Aサイトや例文集は、構成の型を確認する用途に限って使います。文章そのものを借りるのではなく、「どの順番で何を書いているか」だけを抜き出すイメージです。
どの大学にも出せる内容になっていないかは、次のテストで確認できます。
- 大学名を別の大学に差し替えても文章が成立するか
- 学科名を消しても意味が通るか
- 「充実した」「豊富な」といった形容詞を消したとき、中身が残るか
成立してしまうなら、大学固有の情報が足りていません。カリキュラムや研究内容を調べ直します。
★FAST-UPが見てきた教育学部の志望理由書でつまずく段階の分け方
FAST-UPのコーチが日々の面談で見ていると、志望理由書が進まない原因は段階ごとに違います。どこで止まっているかを先に見分けると、書き直しの回数を減らせます。
| つまずく段階 | 表れ方 | 先にやること |
|---|---|---|
| 体験が出てこない | 「書くことがない」と言う | 時系列で出来事を箇条書きにする |
| 体験はあるが課題に変わらない | 感想文のようになる | 「なぜ」を3回繰り返す |
| 課題はあるが学問に届かない | 社会問題の説明で終わる | その課題を扱う学問分野を調べる |
| 学問は分かるが大学と結ばれない | どの大学でも書ける文章になる | 教員紹介とカリキュラムを読む |
| 全部あるが文章がつながらない | 段落ごとに話が飛ぶ | 段落の冒頭に接続の一文を足す |
多いのは3段階目です。教育に関心はあり、課題も挙げられるのに、その課題を大学のどの学問で扱うのかが分からず止まります。ここは調べ物の問題なので、自己分析を続けても解決しません。学科のカリキュラムを開き、科目名から逆引きするほうが早く進みます。
もう一つ目立つのが、書き直しの途中で元の良さが消える現象です。指摘を受けるたびに言葉を足し、自分の体験が薄まっていきます。コーチが伴走する場合も、削る指示と足す指示を分けて出すようにしています。1回の書き直しで直す観点を1つに絞ると、文章の軸が崩れにくくなります。
進め方としては、毎日の学習管理の中に「志望理由書の作業を15分だけ入れる」形を取ることが多いです。まとまった時間を取ろうとすると後回しになり、提出直前に慌てる受験生が多いためです。
総合型選抜・学校推薦型・指定校推薦で書き方はどう変わるか
選抜方式によって、重点を置く部分が変わります。評価の材料が方式ごとに違うためです。
| 方式 | 重点を置く内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 総合型選抜 | 課題意識と大学での学びの計画 | 書類の後に小論文・面接があり、内容を掘り下げられる |
| 学校推薦型(公募) | 学校での学習と活動の積み重ね | 評定や出願条件を先に確認する |
| 指定校推薦 | 学校の代表として学ぶ姿勢 | 校内選考の時点で提出を求められることがある |
総合型選抜では、志望理由書が書類選考の中心になり、その後の面接や小論文にも影響します。書いた内容がそのまま質問の材料になるためです。
推薦方式ごとの出願条件や英語資格の扱いは大学差が大きいので、個別に確認してください。英語資格の条件については立教大学の指定校推薦に英検は必要か、総合型選抜の全体像は青山学院大学の総合型選抜の特徴と対策が参考になります。
書き上げてから提出するまでの推敲とチェックリスト
推敲は、日を置いてから行います。書いた直後は自分の意図が頭に残っていて、説明不足に気づけないためです。最低でも一晩空けてから読み返します。
提出前チェックリスト
- 冒頭の1文に将来像と志望学科が入っている
- 体験が1つに絞られ、場面が具体的である
- 体験から課題意識への理由が書かれている
- 学科名・科目名・研究名が入っている
- 入学後の計画に実習やゼミなど具体的な活動がある
- 大学名を変えたら成立しない内容になっている
- 字数の過不足がない(指定の9割以上)
- 誤字脱字、「貴学」「貴校」の表記ゆれがない
- 一文が長すぎない
- 面接で全ての文について理由を説明できる
添削は複数の人に頼みます。学校の先生は教育現場の視点、国語科の先生は文章構成の視点と、見る観点が違うからです。ただし全員の意見を反映すると軸がぶれるので、最終判断は自分で行います。
作成のスケジュールは、出願の数か月前から始めるのが安全です。自己分析と大学研究に時間がかかり、書き直しも複数回必要になるためです。初稿を早く作り、情報を追加しながら作り直す進め方が現実的です。
志望理由書を書いた後の面接・小論文対策
面接は、志望理由書の内容を掘り下げる形で進むことが多いため、書いた内容を自分の言葉で説明できるようにします。書類に書いた一文ごとに「なぜそう考えたのか」を答えられる状態が目標です。
よく聞かれる質問を挙げます。
| 質問 | 答え方の軸 |
|---|---|
| なぜ教師を目指したのか | 体験から課題意識への流れを短くまとめる |
| どんな教師になりたいか | 実現したい授業や支援を具体的に話す |
| 関心のある教育問題は何か | 書類で挙げた課題を使い、現場での対応まで話す |
| なぜ本学なのか | 学科・研究・プログラムの名前を出す |
| 入学後に何を学ぶか | 科目名と、それが将来にどうつながるかを話す |
練習は、家族や学校の先生に質問役を頼んで本番に近い形で行います。質問のされ方が一定でないほうが、本番で対応しやすくなるためです。面接で聞かれやすい質問の具体例は立教大学の自由選抜入試で聞かれやすい質問も参考になります。
小論文では、教育格差、特別支援と個別最適な学び、ICT教育、多文化共生時代の学級経営といったテーマが出やすいです。日頃から教育関連のニュースや書籍、文部科学省の白書に触れておくと、論点を整理した文章を書く力が育ちます。志望理由書と小論文で課題意識を揃えておくと、準備の負担が減り、一貫した印象を与えられます。
志望理由書の準備と一般選抜の勉強を両立させる進め方
両立の基本は、時間帯を固定して分けることです。書類作成は気分に左右されやすく、やる気のある日にまとめて進めると教科の勉強が止まるためです。
| 時期の目安 | 志望理由書の作業 | 教科学習 |
|---|---|---|
| 準備期 | 自己分析、大学研究 | 英語・国語の基礎固めを継続 |
| 執筆期 | 初稿作成、添削依頼 | 1日の学習時間は維持する |
| 仕上げ期 | 書き直し、面接練習 | 過去問演習に入る |
| 出願後 | 面接・小論文対策 | 一般選抜の演習を主にする |
推薦や総合型で不合格だった場合に備え、教科の勉強は止めないほうが安全です。出願から合格発表まで時間がかかり、その間に学力が落ちると一般選抜で苦しくなるためです。浪人生の総合型選抜の受験可否や注意点は浪人生でも総合型選抜が受けられる大学とメリット・デメリットにまとめています。
よくある質問
Q. 教育に関するボランティア活動の経験がありません。不利になりますか。 A. 経験が無くても書けます。教育に関する本を読んだ、教育問題を自分で調べたといった取り組みも材料になります。ただし、調べた内容をそのまま書くのではなく、そこから生まれた自分の問いまで書いてください。部活動での後輩指導や学校行事の運営も、教える・支える経験として使えます。
Q. 志望理由書はいつから書き始めるべきですか。 A. 出願の数か月前から始めると余裕が生まれます。自己分析と大学研究に時間がかかり、書き直しも複数回必要になるためです。完璧な初稿を目指さず、まず最後まで書いてから情報を足していく進め方が現実的です。
Q. 例文をそのまま使ってもよいですか。 A. 避けてください。自分の体験が入っていない文章は、面接で掘り下げられた時に答えられなくなります。例文は「どの順番で何を書いているか」という構成の確認に使い、中身は自分の経験に置き換えます。
Q. 志望する校種がまだ決まっていません。どう書けばよいですか。 A. 先に校種を決めてから書き始めることをすすめます。校種によって触れるべき教育課題も、学ぶべき分野も変わるためです。決まらない場合は、自分の体験がどの年齢の子どもと関わったものかを基準に考えると絞りやすくなります。
Q. 「貴学」と「貴校」はどちらを使いますか。 A. 大学宛てには「貴学」を使います。文章中で表記がゆれていると読みにくくなるので、提出前に統一されているか確認してください。
Q. 教員にならない予定でも教育学部を志望してよいですか。 A. 問題ありません。教育行政、教育研究、企業の人材育成など進路は幅広くあります。ただし、教育学部=教員という前提で読まれやすいので、なぜ教育学の知識が必要なのかを説明してください。志望する課程が教員免許の取得を前提とするかどうかも、募集要項で確認します。


