青学の穴場学部5選と穴場受験方式
私立大学は多くの受験生に志願してもらおうと
FAST-UP
青山学院大学の穴場は、相模原キャンパスの地球社会共生学部とコミュニティ人間科学部、そして英語の比重が低い受験方式に集まります。倍率が高く見えても方式ごとに志願者は偏るため、方式選びで負担は変えられます。
2026年9月時点の情報です。
青学の倍率が高すぎると言われる理由
倍率が高く見える最大の要因は、入試方式の多さです。私立大学は多くの受験生に志願してもらおうと、さまざまな入試形式を用意しています。その結果、人気の方式に志願者が集中し、一方で意図しないところで志願者が少ない方式が生まれます。これが「穴場」と呼ばれる状態です。
つまり、学部単位の倍率だけを見ても実態はつかめません。同じ学部でも、方式によって偏差値の水準も科目の負担も変わります。2027年度入試で出願先を決めるときは、必ず最新の募集要項で方式と配点を確認してください。
青学の穴場学部5選
穴場の中心は、相模原キャンパスの学部と、英語の比重を下げられる方式を持つ学部です。以下は過去の入試データをもとにした傾向の整理です。
| 順位 | 学部 | 偏差値 | 穴場と言える理由 |
|---|---|---|---|
| 第1位 | 地球社会共生学部 | 60.0 | 全学部日程の倍率が10倍を割り込んだ |
| 第2位 | コミュニティ人間科学部 | 57.5 | 偏差値が低め。全学部日程が2.1倍まで下がった |
| 第3位(同順) | 教育人間科学部 | 62.5 | 個別学力試験が小論文で英語の負担が軽い |
| 第3位(同順) | 社会情報学部 | 57.5〜65.0 | 文系型と理系型に分かれ得意科目で戦える |
| 第5位 | 法学部 | 60.0〜62.5 | 一般選抜の合計が2.7倍まで下がった |
第1位:地球社会共生学部
地球社会共生学部は偏差値が60.0で、青山学院大学の中では低めです。コミュニティ人間科学部の水準は上回りますが、過去の出願速報では全学部日程の入試形式で10倍を割っており、大学全体で見ても穴場と言えます。この年は前年と比べて志願者を大きく伸ばしているため、反動が出れば倍率をさらに下げる可能性もあります。(参照:大学通信オンライン)
第2位:コミュニティ人間科学部
コミュニティ人間科学部は偏差値が57.5と低めで、穴場の要素を満たします。全学部日程は最終的に2.1倍まで下がった年があります。さらに、共通テストと個別学力試験の併用形式、共通テスト利用(大学入学共通テストの成績で合否を判定する方式)のみの形式でも倍率が低く、いずれも学内で最も低い水準でした。(参照:大学通信オンライン)
第3位(同順):教育人間科学部
教育人間科学部は偏差値62.5で、倍率だけを見ると年度間の変化が小さい学部です。穴場の要素は入試形式にあります。個別学力試験で小論文が用いられるため、共通テストの英語を克服すれば、「英語の青山」の洗礼とも言える英語入試をパスしながら入学を目指せます。英語にそこまで力を入れずに狙えるのは大きな利点です。
第3位(同順):社会情報学部
社会情報学部は偏差値が57.5〜65.0と高めに見えますが、65.0は1つの方式のみで、その他は57.5か60.0です。文理融合の学部で、文系用と理系用に分けた入試形式になっています。選べる幅が広いため、得意科目を狙い撃ちしながら受験できます。
第5位:法学部
法学部は偏差値が60.0〜62.5で、青山学院大学の中では平均的な部類です。過去には一般選抜の合計が2.7倍まで下がりました。ヒューマンライツ学科が新設された年も、一部入試方式で志願者を落とし、その分が新学科に流れています。文系学部の中では比較的穴場になりやすい学部です。(参照:東進)
入試方式ごとの穴場学部
穴場は学部単位より方式単位で見た方が見つけやすくなります。全学部方式と共通テスト利用方式に分けて整理します。
全学部方式の穴場学部3選
全学部方式(全学部共通の問題を同一日程で受け、複数学部に出願できる方式)では、次の3学部が狙い目です。
- 法学部:ヒューマンライツ学科の新設で注目度が高まりましたが、新学科の人気はたいていすぐに収まり、翌年は様子見ムードになる場合があります。新設年の全学部入試でどちらの学科も高い数字を残しており、その後に下落する可能性があります。
- 教育人間科学部:青山キャンパスにある学部で、全学部方式の倍率が最も低かった学部です。教育学科が前年度より減少、心理学科が現状維持となった年があり、その後の動向が注目されています。
- 地球社会共生学部:全学部方式の倍率が学内で最も低かった学部です。志願者を増やしながらも唯一10倍を割り込んでおり、反動が起きた年には倍率が落ち込む可能性があります。
共通テスト利用方式の穴場学部3選
- 社会情報学部:共通テスト利用入試は英語の配点が高めになりがちですが、社会情報学部は英語の配点が他2科目と同じです。英語が得意でなくても他科目でリカバリーでき、不安を抑えられます。
- 国際政治経済学部:3教科型と4教科型があり、4教科型の倍率が低くなっています。国公立大学を志望し、併願先を探している受験生に向きます。
- コミュニティ人間科学部:志願者数が少ない学部です。10人の枠に600人以上が集まった総合文化政策学部に対し、コミュニティ人間科学部は127人でした。規模的に一気に増えるとは考えにくく、倍率は低めで安定しやすいでしょう。(参照:大学通信オンライン)
学部ごとの穴場受験方式
学部ごとに、負担を下げやすい方式があります。まず全体像を表で確認してください。個別学部日程は、学部ごとに日程と問題が設定される入試方式です。
| 学部 | 狙い目の方式 | ポイント |
|---|---|---|
| 文学部 | 全学部方式 | 個別学部日程のハイレベルな英語を避けられる |
| 教育人間科学部 | 個別学部日程 | 独自問題が小論文。共通テストのボーダーも下がる |
| 経済学部 | 個別学部日程 | 文系A方式は外国語+地歴公民、B方式は数学+外国語の2教科 |
| 法学部 | 個別学部日程 | 個別A方式に英語がなく、国語の比重が高い |
| 経営学部 | 共通テスト利用 | 国語・英語・もう1教科がすべて100点 |
| 国際政治経済学部 | 共通テスト利用4教科型 | 3教科型よりボーダーが低い |
| 総合文化政策学部 | 全学部日程 | 英語のレベルが落ち着きやすい |
| 理工学部 | 個別A方式 | 必要な偏差値が下がり、英語の比重が低い |
| 社会情報学部 | 全学部B方式 | 数学250点、英語150点の配点 |
| 地球社会共生学部 | 全学部日程・個別学部日程 | 独自問題が論述で対策しやすい |
| コミュニティ人間科学部 | 個別学部日程・全学部日程 | 共通テスト2教科+論述100点 |
文学部
文学部では全学部方式が穴場です。個別学部日程では文学部特有のハイレベルな英語を克服しなければなりませんが、全学部方式は理工学部の志願者も地球社会共生学部の志願者も同じ問題を受けるため、文学部の個別学部日程ほど英語のレベルが上がりにくいからです。少しでも英語に不安がある場合は、全学部方式で狙う価値があります。
教育人間科学部
個別学部日程がおすすめです。共通テスト利用入試よりも共通テストのボーダーが数%下がり、独自問題は小論文です。英語と違って対策を立てやすく、力を入れやすい点が有利に働きます。
経済学部
倍率だけでは穴場を見つけにくい学部ですが、英語のレベルを考えると個別学部日程が向きます。文系の個別A方式は外国語と地歴公民、個別B方式は数学と外国語で、いずれも2教科です。地歴公民または数学が得意な場合は希望を持ちやすい方式です。
法学部
個別学部日程がおすすめです。法学部は個別学力試験の配点が高く、共通テストだけでは差がつきにくいです。ボーダーの点数は7割前半と低く、個別A方式は現代文と地歴公民の総合問題で英語が登場しません。しかも国語の比重が英語を上回るため、国語が得意な場合にぴったりです。
経営学部
共通テスト利用入試がおすすめです。得点率のボーダーは他学部と同じ8割前半ながら、国語と英語、もう1教科の配点がすべて100点です。英語が少し苦手でも、日本史や政治経済などで100点に近い成績を出せば挽回できます。
国際政治経済学部
共通テスト利用入試の4教科型が狙い目です。3教科型は共通テストで9割程度のボーダーが求められますが、4教科型は7割後半のボーダーです。国語と数学、外国語、選択科目1科目で構成され、数学と外国語が200点です。数学も英語と同じくらい得意な場合は有効です。
総合文化政策学部
全学部日程がおすすめです。個別A方式は共通テストで英語を利用しない代わりに、英語の外部検定試験を利用することになり、負担は変わりません。同じ偏差値65.0が必要であれば、英語のレベルが落ち着きやすい全学部日程の方が狙いやすいでしょう。ただし、個別A方式の出願要件である英検CSE(英検の成績を級ではなく点数で表すスコア指標)2100点、つまり英検2級と準1級の間の点数をとれているなら、個別A方式で受ける選択もあります。
総合文化政策学部の独自問題の形式は、青学総合文化政策学部の総合問題の傾向と対策でも詳しく整理しています。
理工学部
複数の学科がありますが、基本的に狙い目は個別学部日程です。中でも共通テストを利用しない個別A方式が有力で、求められる偏差値が下がり、英語の比重もそこまで高くありません。理工学部の英語のレベルはさほど高くないと言われます。共通テストを利用する個別B方式は偏差値が若干上がります。
社会情報学部
数学が得意な場合は全学部B方式が向きます。2教科400点満点で数学が250点、英語が150点となっており、この方式の偏差値は57.5です。文系の受験生としては偏差値65.0の個別A方式を避けるのが現実的ですが、英語を完全に避けることはできません。数学が得意な受験生にとっては相当な穴場です。
地球社会共生学部
全学部日程と個別学部日程がおすすめです。共通テストのみの利用入試よりも個別学部日程の方がボーダーが若干下がり、独自問題も論述なので対策が立てやすいです。状況に応じてどちらを選んでも構いません。
コミュニティ人間科学部
個別学部日程がおすすめです。共通テストは国語と英語の2教科で各100点、そこに論述の100点が加わります。全学部日程も偏差値57.5で狙えるため、取り組みやすい方を選べば十分です。
穴場学部になりやすい特徴
穴場になりやすい学部には共通点があります。次の3つに当てはまる学部は、志願者が分散しやすくなります。
相模原キャンパスにある学部
相模原キャンパスの学部は穴場になりやすいです。表参道や渋谷に近い青山キャンパスの学部に人気が集まりやすく、志願者の偏りが生まれるためです。もともと高校生人気の高い青山学院大学では穴場はできにくいものの、キャンパスによる差は残ります。
出願要件がある学部
総合文化政策学部の個別A方式のように、英検2級を上回る点数を事前に出しておけば出願資格となり、英語なしで挑める方式があります。英検で良い点をとれても入試で同じように点数をとれるとは限らないため、事前に不安を消せるのは利点です。一方で、英検CSEのスコアを先に取得している受験生は限られます。個別A方式が6倍と低くなった年もあり、共通テストのボーダーも若干下がるため狙い目です。(参照:東進)
一般的な学部名かどうか
経済学部、法学部、文学部などは全国の大学にあり、非常にポピュラーです。聞いたことのない学部名への警戒感は意外に強く、保守的な受験生は敬遠しがちです。地球社会共生学部やコミュニティ人間科学部のように学んでいる内容が実用的でも、名称がユニークなだけで候補から外す受験生がおり、それが穴場を生みます。学部名と人気の関係は、中央大学の人気学部と学部序列の構図とも重なります。
青学の穴場を探す際の注意点
穴場探しで失敗しやすいのは、倍率と募集人数の読み方です。次の3点を押さえてください。
個別A方式はかなり難しい
多くの学部学科の個別A方式は、出願資格が必要だったり、その方式だけ偏差値が高かったりして、狙いにくいのが実情です。複数方式がある場合は文系と理系に分かれていることがほとんどで、数学が得意な受験生に有利に働くケースが目立ちます。中身を吟味することが求められます。
倍率の変動に注意
前年度に一気に倍率を落とした学部学科は、不祥事などがない限りほとんど翌年に回復します。そして回復した倍率を見て敬遠され、再び倍率が落ちる隔年現象が起こりがちです。倍率で一喜一憂せず、どの方式なら点数が最大化するかを考えた方が建設的です。
募集人数に注意
募集人員は学部学科でかなりばらつきがあり、共通テスト利用入試では10人規模の募集も行われます。募集人員が少ない方式では、募集人員を大幅に上回る合格者が出ないこともあります。大学の定員厳格化(入学者数が定員を超えすぎないよう国が求める仕組み)の影響で、入学者数を抑える必要があるためです。コミュニティ人間科学部では12人の募集に対して共通テスト利用入試の合格者が13人、共通テストとの併用入試では34人の募集で34人の合格者という年がありました。多めにとるケースが目立つとはいえ、例外もあります。
よくある間違いと回避策
よくある間違いは、前年に倍率が下がった方式だけを見て出願先を決めてしまうことです。隔年現象が起きれば、翌年は志願者が戻り、倍率は上がります。
回避策は、配点と科目構成を基準に選ぶことです。英語の配点が他科目と同じ方式、独自問題が小論文や論述の方式、2教科で完結する方式といった「自分の得点が最大化する条件」で絞り込みます。倍率は最後の微調整に使えば十分です。併願校選びでも同じ発想が使えます。選択科目から併願先を広げる考え方は、立教大学の地理受験の可否と対策も参考になります。
FAST-UPが見てきた青学の穴場選びのつまずき
指導現場で多いのは、穴場という言葉を「楽に受かる方式」と受け取ってしまうパターンです。青山学院大学の穴場は、偏差値の水準がもともと高い中での相対的な低さにすぎません。基礎が固まっていない段階で方式探しから始めると、過去問に入っても手が動かず、方式だけを何度も変えることになります。
もう一つのつまずきは、英語を避けた方式を選んだのに、結局そこでも英語が決め手になるケースです。小論文や論述の方式は対策が立てやすい一方、共通テストの英語や外部検定のスコアが前提になることが多くあります。英語の土台を作りながら、負担の軽い方式を選ぶという順番で考えると、途中で計画が崩れにくくなります。
学部名の印象だけで候補を外してしまう受験生も目立ちます。学べる内容を調べてから判断すると、志望の幅が自然に広がります。
まとめ
青山学院大学にも穴場学部は存在します。ただし、穴場といっても偏差値60前後の受験生にとっての穴場であり、偏差値50レベルにとどまる受験生から見れば難関校であることは変わりません。まずは基礎的な学力を身につけ、近道をせずに勉強を積み上げることが前提になります。
よくある質問
Q. 青学の倍率はなぜ高すぎると感じるのですか。 A. 入試方式が多く、1人が複数方式に出願できるためです。志願者は人気の方式に集中するので、学部全体の倍率は高く見えても、方式ごとに見ると差があります。方式単位で倍率と配点を確認してください。
Q. 偏差値50台でも穴場学部なら合格できますか。 A. 穴場は偏差値60前後の受験生にとっての相対的な狙い目です。偏差値50台の段階では、方式選びより基礎固めが先になります。基礎が固まった後に、得点が最大化する方式を選ぶ流れが現実的です。
Q. 穴場学部は毎年同じですか。 A. 同じとは限りません。倍率が下がった方式は翌年に志願者が戻り、その翌年に再び下がる隔年現象が起きがちです。穴場の判断は、倍率よりも配点や科目構成の有利さを軸にした方が安定します。
Q. 英語が苦手でも青学を狙えますか。 A. 英語の配点が他科目と同じ方式や、独自問題が小論文・論述の方式を選ぶ余地があります。ただし共通テストの英語や外部検定のスコアが要件になる方式もあるため、英語の基礎は並行して固める必要があります。


