早稲田の附属・系属高校7校の偏差値と特徴
早稲田大学には全国にいくつかの附属・系属高校があります。
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早稲田大学の附属・系属高校は全部で7校です。高校入試の偏差値が最も高いのは早稲田大学本庄高等学院で76、次いで早稲田実業学校と早稲田大学高等学院が75です。早稲田中学・高等学校は完全中高一貫で高校募集がありません。
2026年9月時点の情報です。
早稲田大学の附属校・系属高校一覧
早稲田大学の系列校は、附属高校が2校、系属高校が5校の計7校です。附属高校は早稲田大学が直接設置する学校で、系属高校は経営母体こそ早稲田大学とは別であるものの、理事などを早稲田大学から派遣し、附属高校に準じた扱いを受ける高校です。
| 区分 | 学校名 | 所在地 | 共学・別学 |
|---|---|---|---|
| 附属 | 早稲田大学高等学院 | 東京都練馬区 | 男子校 |
| 附属 | 早稲田大学本庄高等学院 | 埼玉県本庄市 | 共学 |
| 系属 | 早稲田実業学校 | 東京都国分寺市 | 共学 |
| 系属 | 早稲田中学・高等学校 | 東京都新宿区 | 男子校(完全中高一貫) |
| 系属 | 早稲田渋谷シンガポール校 | シンガポール | 共学 |
| 系属 | 早稲田摂陵中学校・高等学校 | 大阪府茨木市 | 共学 |
| 系属 | 早稲田佐賀中学校・高等学校 | 佐賀県唐津市 | 共学 |
エスカレーター式で早稲田大学へ進める点に魅力を感じ、中学受験や高校受験に挑む受験生は少なくありません。以下では7校それぞれの特徴を解説します。
早稲田大学の附属高校の特徴
附属高校は2校で、いずれも大学の学びを前倒しするカリキュラムが中心です。
早稲田大学高等学院
早稲田大学高等学院は、東京都練馬区にある附属高校で、男子校です。1899年に開設した「東京専門学校高等予科」が前身で、現在の上石神井に移転してきたのは1956年のことです。
校則が少なく自由な校風
早稲田大学高等学院の卒業者は起業家などが多く、その背景には自由な校風があると言われています。校則もほとんどなく、禁止されているのは半ズボンと下駄だけです。制服はなく、服装も自由で、部活動も自分たちで考えて練習を行っていきます。
学園祭を行う場合も、女子高生を集めるために雑誌を活用するなど、他の高校ではやらないようなことを行います。これらは教師たちがアドバイスするものではなく、生徒自らが考えて行っているものです。教師はあまり介入せず、生徒の自主性に任されているため、起業家や経営者が出てくるような土壌が醸成されていると言えます。
第二外国語も必須の大学型カリキュラム
早稲田大学高等学院には専任教員や非常勤講師を合わせて100人を軽く超え、200人に迫る教員が在籍しています。博士課程を終えた教員も多く、教科書に書かれていることを教えるだけにとどまらず、様々な角度から学びを深めていきます。
大学のようなカリキュラムと言われ、それを象徴するのが高校では珍しい卒業論文です。2年生から取り組み、3年生になると少人数制のゼミが作られ、1万字以上の論文にまとめます。第二外国語も必修科目で、英語以外の語学を学びます。高校の時点で大学生と同じ内容に触れるため、早稲田大学に進学した後、より高いレベルから勝負することが可能です。
早稲田大学本庄高等学院
早稲田大学本庄高等学院は埼玉県本庄市にある附属高校で、男女共学です。1982年の開設当初は男子校でしたが、2007年度から共学に切り替わりました。男子寮と女子寮があるのが特徴的で、中には新幹線で通学する学生もいます。
自然が多い環境で学べる
丘陵に囲まれている早稲田大学本庄高等学院は、早稲田大学のキャンパスを含めてもかなり広い敷地を誇り、自然の中に高校があるような環境です。様々な木々や動物が見られ、タヌキやウサギといった野生生物もいます。
美術の時間では周辺環境を写生するなど、自然にあふれたキャンパスならではの授業が行えます。周辺は遺跡とされ、様々な古墳があります。これらを研究する内容も授業に取り入れられており、好奇心旺盛な学生にとっては恵まれた環境で3年間学べます。
高大一貫教育で大学の学びにつなぐ
早稲田大学本庄高等学院は「高大一貫教育」を行っています。大学の教員や卒業生などによる講義、課外授業、キャリアデザインなど、様々な学びを受けていきます。
卒業基準を満たした学生は基本的に全員早稲田大学に進学できますが、ここでも3年次の卒業論文をはじめ、大学で行うような取り組みを実践し、それらが評価されて学部の振り分けが行われます。2022年からは日本医科大学とも連携し、医学部の推薦枠が作られています。
3年次の自由選択科目は政治学入門やスポーツサイエンスなど、普通の高校にはないものばかりです。これらの積み重ねによって、大学へ進学した後も授業にすんなり参加できるようになります。
早稲田大学の系属高校の特徴
系属高校は5校あり、推薦枠やコース制、立地の性格が学校ごとに大きく異なります。
早稲田実業学校高等部
早稲田実業学校は初等部と中等部、高等部のある学校で、東京都国分寺市にあります。1901年に開設され、一時は早稲田大学の敷地内にあったこともあります。以前は男子校でしたが、2002年に共学化しました。
変則的な週6日制で学習もクラブ活動も充実
公立高校では3学期制・週5日制が一般的ですが、早稲田実業では2学期制・週6日制を採用しています。一方で、水曜日と土曜日は12時半には授業が終わるため、この2日はクラブ活動をメインに行っていきます。
早稲田実業でも生徒の自主性を重んじているため、クラブ活動に精を出すのもよし、勉強に集中するのもよしと、自由に時間を活用できます。
早稲田大学との密な連携で単位も取得可能
早稲田実業では各学年で早稲田大学との高大連携を行っています。1年次から早稲田の教授が学部説明会を開催し、2年次には「高校生特別聴講制度」により、高校生でも早稲田大学の授業を受けることが可能です。試験で結果を残せば、大学の単位が取得できます。
3年次に早稲田大学推薦候補者となれば、学部ごとに特別授業が展開され、大学に入ってすぐに好スタートを切る準備が行えます。ICT教育も進んでおり、タブレット端末が渡され、多くの手続きがオンライン上で行えます。
早稲田中学・高等学校
早稲田中学・高等学校は東京都新宿区にある中高一貫の男子校です。高校からの編入を認めていない、完全中高一貫校でもあります。
6年間を2年ずつに分けた教育内容
中高一貫校というと中学3年・高校3年で区切るイメージを持つ人も多いですが、早稲田中学・高等学校では2年ずつでカリキュラムが組まれます。中2までの2年間は基礎固め、中3から高1は実力養成、残りの2年間で応用力完成という流れです。
中3の時点で高1で習う数学の範囲をすべて終わらせるほか、高2から文系・理系に分かれ、高3ではどの大学・学部も目指せるよう幅広いカリキュラムを設けて対応します。6年間をたっぷり使えるからこそできる進め方です。
利根川歩行・荒川歩行など変わった学校行事
早稲田中学・高等学校の学校行事は少し変わっています。その代表が「利根川歩行・荒川歩行」です。利根川の上流から千葉県銚子市の犬吠埼灯台までおよそ150キロを6年かけて歩きます。荒川歩行は荒川の始まりから終わりまでをすべて歩き切る行程です。
1日で歩き切るわけではなく定期的に歩くため、普段勉強に打ち込む生徒にとってはリフレッシュの機会にもなり、ゴールの達成感は格別です。
早稲田摂陵中学校・高等学校
早稲田摂陵中学校・高等学校は、大阪府茨木市にある男女共学校です。始まりは工業高校でしたが、のちに全日制となり、2009年に早稲田大学の系属高校となりました。中学校は2020年で募集を停止しており、今後は高校のみとなります。
進路に応じた複数のコース制
早稲田摂陵中学校・高等学校には複数のコースがあります。吹奏楽コースは系属高校になる前からあったコースで、2009年以降は1つのコースとして設けられました。Wコースは早稲田大学や国公立大学を目指すコースで、35名で構成されています。
Aコースは関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学の総称)などを目指す生徒で構成され、早稲田への特別推薦枠はありません。ただし成績が優秀なら、その上のスーパー特進コース・Bコースへの編入が認められており、様々な形で勉学に励むことができます。
関東・関西の難関大学への合格実績
柔軟なコース設定もあってか合格実績は優秀で、早稲田大学へは26名が進学し、関関同立やMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政の5大学の総称)には100名以上が合格しています。国公立大学や医学部への進学もあります。
系属高校によって早稲田への推薦枠は異なり、早稲田摂陵は他と比べると枠が少なめです。その中でも少数精鋭の生徒を大学に送り込んでいます。
早稲田佐賀中学校・高等学校
早稲田佐賀中学校・高等学校は佐賀県唐津市にある学校で、2010年に設立された附属・系属の中で最も新しい学校です。大隈重信の出身地が佐賀だったことから、唐津に作られました。
大手予備校と連携し進路実現を目指す
早稲田佐賀でも2年ずつのカリキュラムで、基礎固めから応用力養成へと進みます。高校からの編入を認めているため、高校から入った生徒は長期休みの時期に演習授業を行います。中学から在籍する内部進学生とは学習の進度が異なるためです。
これとは別に、大手予備校と連携した対策講座を行うほか、長期休みには大学別・難易度別など数多くの講座を実施し、希望する進路へ進めるようサポートします。
行事や学習活動を通じて人間性を育む
早稲田佐賀では「アウトキャンパススタディ」と呼ばれる課外授業を展開し、唐津で行われるイベントへ参加しています。唐津を代表するお祭りである「唐津くんち」への参加や、日本三大松原の1つである「虹の松原」の清掃活動も行います。
唐津は海に面し、観光スポットも多いエリアなので、自然環境で行えるイベントにも積極的に参加します。これらの活動を通じて人間性を育むことが大きな目的です。
早稲田渋谷シンガポール校
早稲田渋谷シンガポール校はシンガポールにある教育施設です。シンガポールに住む日本人を対象としており、早稲田大学と渋谷教育学園が共同で設立しました。別名「早稲渋」と呼ばれ、2002年に系属校となりました。
英会話授業で英語力を伸ばす
英語を使って議論ができるよう、本来大学生から始めるプログラムをシンガポール校で行っています。ネイティブスピーカー1人に生徒数名という形で授業が展開されるほか、メールのやり取りを英語で行うなど、英語習得を目指します。
授業は日本語で行われるため英語に不安のある生徒もいますが、ネイティブスピーカーとの英会話授業を通じて英語力の向上につなげられます。
シンガポール文化を学ぶ国際教育
シンガポール校ではシンガポール文化を学ぶ国際教育を行っています。シンガポール大学ツアーや外国人の学生たちとの交流を展開し、異文化交流から様々な学びを得ています。
早稲田大学の附属・系属高校の偏差値ランキング
偏差値が最も高いのは早稲田大学本庄高等学院です。高校入試の偏差値で見ると、次のような並びになります。
| 順位 | 学校名 | 偏差値 |
|---|---|---|
| 1位 | 早稲田大学本庄高等学院 | 76 |
| 2位 | 早稲田実業学校<br>早稲田大学高等学院 | 75 |
早稲田大学本庄高等学院の偏差値76は、全国の高校で見ても10位タイの水準です。その次に早稲田実業学校と早稲田大学高等学院が続きます。
早稲田中学・高等学校には高校の偏差値がありません。高校からの編入を認めていない完全中高一貫校で、高校入試の募集自体がないためです。
大学側の難易度や学部の位置づけを合わせて知りたい場合は、早慶上智ICUの偏差値ランキングと序列の解説も参考になります。
よくある間違い:偏差値ランキング=進学しやすさの順ではない
偏差値の高い順が、そのまま早稲田大学への進みやすさの順になるわけではありません。系属高校では学校ごとに推薦枠の規模が異なり、早稲田摂陵中学校・高等学校のように枠が少ない学校もあります。同じ学校の中でも、Aコースのように早稲田への特別推薦枠を持たないコースがあります。
回避策はシンプルです。志望校を絞る前に、次の3点を学校ごとに確認します。
- 附属か系属か、早稲田大学への推薦の仕組みはどうなっているか
- コース制がある場合、どのコースに推薦枠が設定されているか
- 卒業要件や学部振り分けの評価方法(卒業論文・定期試験など)
FAST-UPが見てきた附属・系属志望のつまずきどころ
指導現場で目立つのは、「入学すれば自動的に早稲田大学へ進める」という前提で受験校を決めてしまうケースです。実際には校内での成績評価が学部振り分けに直結するため、入学後も学習量を落とせません。入学を目標にしすぎた生徒ほど、入学後に伸び悩む傾向が見られます。
もう1つは、附属・系属の受験と一般入試の併願を同じ勉強で乗り切ろうとするケースです。附属・系属の入試は記述量が多く、思考過程を書かせる設問も出ます。0から難関私大を目指す場合、出題形式の違いを踏まえて演習の中身を組み替える必要があります。
学部選びの視点を早めに持っておくと、入学後の学部振り分けでも迷いにくくなります。学部ごとの性格を知りたい場合は、早慶上智の穴場学部ランキングや早稲田大学のキャンパスと所属学部の一覧が手がかりになります。
早稲田大学の附属・系属高校出身の有名人
附属高校で最初にできた早稲田大学高等学院は、ソニーの創業者である井深大氏をはじめ、ソニーの元会長を務めた出井伸之氏、早稲田大学在学中に起業して早々に株式上場を行ったリブセンスの村上太一氏などが出身者です。
早稲田中学・高等学校は多くの国会議員を輩出しているほか、ソニーの久夛良木健氏が卒業しています。永六輔氏やサトウハチロー氏も早稲田高等学校の出身者です。
偏差値1位の早稲田大学本庄高等学院からは、横浜市長を務める山中竹春氏やアメリカンフットボール選手として活躍した河口正史氏などが出ています。
まとめ
早稲田大学の附属・系属高校は7校で、それぞれ個性的な校風を持ち、自主性を重んじる点が共通しています。偏差値では早稲田大学本庄高等学院が最も高く、早稲田実業学校と早稲田大学高等学院が続きます。
一方で、推薦の仕組みやコース制、立地は学校ごとに異なります。偏差値の序列だけでなく、進学の仕組みまで確認して選ぶことが重要です。
よくある質問
Q. 早稲田大学の附属高校と系属高校は何が違いますか。
A. 附属高校は早稲田大学が直接設置する学校で、早稲田大学高等学院と早稲田大学本庄高等学院の2校です。系属高校は経営母体が早稲田大学とは別ですが、理事などを早稲田大学から派遣し、附属高校に準じた扱いを受けます。早稲田実業学校、早稲田中学・高等学校、早稲田渋谷シンガポール校、早稲田摂陵中学校・高等学校、早稲田佐賀中学校・高等学校の5校です。
Q. 偏差値が一番高いのはどの高校ですか。
A. 早稲田大学本庄高等学院で、偏差値は76です。次いで早稲田実業学校と早稲田大学高等学院が75です。早稲田中学・高等学校は高校募集がないため、高校の偏差値はありません。
Q. 附属・系属に入れば早稲田大学へ進学できますか。
A. 学校ごとに条件が異なります。早稲田大学本庄高等学院のように、卒業基準を満たした学生は基本的に全員早稲田大学に進学できる学校がある一方、系属高校では推薦枠の規模が学校やコースによって異なります。志望前に各校の推薦の仕組みを確認してください。
Q. 高校から入学できない学校はありますか。
A. 早稲田中学・高等学校は高校からの編入を認めていない完全中高一貫校です。中学受験での入学が前提になります。早稲田佐賀中学校・高等学校のように、高校からの編入を受け入れている学校もあります。
Q. 関西や九州から早稲田大学を目指す選択肢はありますか。
A. 大阪府茨木市の早稲田摂陵中学校・高等学校、佐賀県唐津市の早稲田佐賀中学校・高等学校があります。早稲田摂陵には早稲田大学や国公立大学を目指すWコースがあり、早稲田佐賀は大手予備校と連携した対策講座を行っています。一般入試での進学も含めて比較したい場合は、慶應義塾大学と早稲田大学の入りやすい学部の比較も確認しておくと選択肢が広がります。


