早稲田大学eスクールは落ちる?学費と学科を解説
大学の中には毎日通うのではなく、通信教育で勉強を行っていく
FAST-UP
早稲田大学eスクールは通信教育課程ですが、誰でも入れるわけではありません。書類選考と面接の二段階で選考があり、一般選抜では倍率も出ています。学費は単位料に登録単位数をかける方式で、通信制としては高めです。
2026年9月時点の情報です。
早稲田大学eスクールは落ちることがある
通信教育課程であっても、落ちる人は落ちます。誰でも入れるわけではありません。選考は1次が書類選考、2次が面接の二段階で行われ、2022年度の一般選抜では全体で1.6倍の倍率が出ています。
通信制大学の多くは落ちる可能性が低いとされますが、早稲田大学や慶應義塾大学の通信課程については落ちることもあります。「出願すれば通る」という前提で準備を進めないことが大切です。
なお、eスクールは学力試験の点数で合否を決める方式ではないため、一般的な学部の偏差値とは比べにくい入試です。学部ごとの難易度の動きを数値で追いたい場合は、立教大学の偏差値推移を学部ごとに解説した記事のように、一般選抜の指標を扱った情報を参照すると整理しやすくなります。
コースは2種類
eスクールにはαコースとβコースの2つがあります。出願できる人と卒業までの年数が異なります。
| 項目 | αコース | βコース |
|---|---|---|
| 入学の形 | 2年次からの編入 | 1年次から |
| 最短卒業年数 | 3年 | 4年 |
| 主な出願対象 | 他大学の卒業者、高専の卒業生、他大学を中退した人など | 高校卒業者、高等学校卒業程度認定試験・旧大検の合格者 |
| 科目の区分 | レベルA・レベルB・レベルC | レベル1〜レベル4 |
αコース
αコースは2年次から編入できるコースで、最短3年で卒業できます。四年制大学の卒業者は32単位が免除となるなど、卒業に必要な単位が軽減されます。
負担はある程度軽くなりますが、レベルA・レベルB・レベルCにそれぞれ必修科目があります。必修科目を落とさない履修計画が求められます。
βコース
βコースは最短4年で卒業するコースです。高校卒業者のほか、高等学校卒業程度認定試験(高校卒業と同等の学力を認める国の試験)や旧大検の合格者も出願できます。
レベル1からレベル4までの科目があり、ゼミや卒業研究も行います。他の学科の専門科目を多く履修できるため、学びたい分野を広く追えます。データリテラシーなどのリテラシー科目も置かれ、総合的な知識と学力が身につく構成です。
設置されている3学科
eスクールには3つの学科があります。いずれも学系に分かれており、関心のある領域を深掘りできます。
人間環境科学科
人間と環境に関する分野を学びながら、SDGsや持続可能な社会についての考え方を身につける学科です。ここでの「環境」は地球環境に限らず、人間を取り巻く環境、システム、これまでの文化や社会の在り方までを含みます。
この「環境」を生命の誕生から振り返るほか、社会学や考古学など複数の面から学ぶことで理解を深められます。学系は生物・環境系、文化系、社会系、心理・行動系の4つです。気になる学系を選んで掘り下げることもできます。
健康福祉科学科
健康福祉を考える学科です。社会の仕組みから考えるほか、医学や教育学など多様な観点から扱うのが特徴です。分野を横断して複数の学問を学び、深いところまで理解を進められます。
学系は健康・生命系、医工人間学系、保健福祉系、臨床心理系の4つです。満遍なく学ぶこともでき、1つに比重を置くこともできます。すでに資格を得て社会人として働く人が、今のキャリアに学びを活かし、本業に活用している例もあります。
人間情報科学科
コンピューターなどの技術に加え、情報に触れる際のシステムやデザインを科学的に学ぶ学科です。コミュニケーションを重ねる中での心境の変化などを、研究を通して学びます。
学系は情報科学系、認知科学系、人間工学系、教育工学系、コミュニケーション学系の5つです。情報そのものの研究、情報を認知すること、コミュニケーション自体の研究まで扱えます。卒業生には、自ら起業した経営者が学び直すケースもあります。
募集要項と入試日程
募集人員は3学科共通で、αコース・βコースそれぞれ50名ずつです。1学科100人、全体で300人となります。
入試は1次選考が書類選考、2次選考が面接です。2023年入学者を対象とした日程は次の通りでした。
| 区分 | 期間・日程 |
|---|---|
| 出願資格確認・審査の申請 | 2022年8月1日〜9月30日 |
| 出願期間 | 2022年10月17日〜10月31日 |
| 1次選考(書類)合格発表 | 2022年11月18日 |
| 2次選考(面接) | 2022年12月10日・11日 |
| 最終合格発表 | 2022年12月16日 |
「出願資格確認・審査」は、日本国外の高等教育機関の出身者が出願資格の有無を確認したり、過去に取得した単位がどれくらい認定されるかを前もって確認したりするために設けられています。これらに該当しない場合は、出願期間に向けて書類の準備を進めます。
早稲田大学eスクールの特徴
早稲田のブランド力で知名度が高い
最大の特徴は早稲田のブランド力です。過去にはフィギュアスケートの羽生結弦選手が卒業しており、多くの芸能人もeスクールで学んでいます。
こうした入学・卒業が知られることで知名度が高まり、同時に難易度も上がって落ちる人が出てくる状況になっています。
ほとんどの授業をeラーニングで完結
通信制では、スクーリング(通信制の学生が一定期間キャンパスに通って受ける授業)として大学に足を運ぶ必要があり、完全にネット上で完結することはほぼないとされています。慶應の通信制も一定期間は通う必要があり、海外に住む人にはそこがネックでした。
早稲田大学eスクールでは、講義に加え、質問はBBS(学内の掲示板型の質問・議論システム)で行い、レポートもネットで提出できます。海外に住んでいても学び続けられます。講義の受講、BBSでの質問、レポートの提出がいずれもインターネット上で完結するためです。
インターネットを最大限に活用した通信教育課程は、早稲田大学eスクールが日本で初めて行いました。コロナ禍のように外出がためらわれた時期でも自宅で学べた点は、eスクールならではと言えます。なお、卒業研究発表の際は所沢キャンパスに行く必要がありますが、足を運ぶのはその程度です。
他の通信制大学と比べて卒業率が高い
通信制は友人ができにくく、限界を感じて多忙を理由に中退するケースも少なくありません。過去の調査では通信制大学の平均卒業率は15%程度で、キャンパスで4年間学ぶ一般の学生と比べると大きく下回ります。
出席していれば単位がもらえる授業が通信制にはなく、内容を理解しているかを常に求められ、シビアに判定されるのも難しさです。一方でeスクールでは過半数が卒業しており、2割ほどが大学院へ進学しています。モチベーションの高い人が集まっていると考えられます。
クラス制で手厚いサポートが受けられる
eスクールはクラス制です。各科目の上限が30人程度のため、1人ずつに教育が行き届きやすく、指導がきめ細かくなりやすい設計です。
クラスには担当の教員に加え、教育コーチがつきます。教育コーチは学位を持ち、自らも研究を行う専門家です。BBSへの質問対応や採点、ゼミの担当など、さまざまな役割を担います。
学費は通信制の中では高め
学費は他の通信制大学と比べると高めです。授業料が単位料に登録単位数をかける方式で決まるため、履修する単位が増えるほど総額も上がります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 単位料 | 1単位 35,200円 |
| 授業料 | 単位料×登録単位数 |
| 上限の40単位を受講した場合 | 140万円以上 |
| 入学金を加えた場合 | 160万円 |
| 4年間 | 500万円近い |
| 他の通信制大学(1年次入学) | だいたい50〜70万円で収まる大学もある |
通信制大学の中には4年間で100万円を切るところもあり、金額の差は明らかです。卒業率が高い背景には、これだけの学費をかけて辞めるわけにはいかないという意識もあると考えられます。通学課程の学費と比べたい場合は、学習院大学の4年間の学費をまとめた記事も合わせて確認すると判断しやすくなります。
奨学金制度が充実
eスクールは奨学金制度が充実しており、学費の負担を軽くする手段として活用できます。
- eスクール一般給付奨学金:一定の在学期間を経た学生を対象に、1単位あたり1万円が給付される
- eスクール特別給付奨学金:障害を抱えている場合や児童養護施設の出身者などに、1単位あたり1万円が給付される
- 小野梓記念奨学金・校友会給付奨学金:早稲田大学の一般の奨学金
- 日本学生支援機構の奨学金(国の奨学金事業を担う独立行政法人):貸与型として利用できる
よくある間違い
「通信教育課程だから書類を出せば入れる」と考え、準備を出願直前まで後回しにしてしまうのが典型的な失敗です。eスクールは1次が書類選考、2次が面接で、書類の内容がそのまま合否に関わります。
回避策は、出願期間から逆算して準備を始めることです。日本国外の高等教育機関の出身者や単位認定を確認したい人は、出願期間より前に「出願資格確認・審査」の申請期間があります。学びたい学系と卒業後の見通しを言葉にしておけば、書類と面接の両方で使えます。面接対策の進め方は、立教大学の自由選抜入試の面接で聞かれやすい質問をまとめた記事の考え方が参考になります。
FAST-UPが見てきた通信課程でつまずく人の共通点
指導現場で見ていると、通信課程でつまずく人は「学習時間の確保」ではなく「学習の区切り方」で止まっています。出席で単位が出る仕組みがないため、理解したかどうかを自分で判定し続ける必要があり、ここが曖昧なまま進むと提出物が溜まります。
もう1つの傾向は、志望理由が「早稲田で学びたい」のままで、学科や学系まで落ちていないことです。eスクールは学系ごとに学ぶ内容が大きく違うため、書類でも面接でも「どの学系で何を扱いたいか」を問われます。関心のある領域を具体的な研究テーマの形に言い換えられる人は、入学後の履修計画も安定しやすい印象があります。
まとめ
ほとんどキャンパスに足を運ばず、オンライン上で学習が完結するのがeスクールの強みです。忙しい人でも学べる一方、学費は通信制の中で高めです。奨学金が充実しているため、ある程度の負担軽減は可能です。
意識の高い学生が多く、卒業率も高い環境のため、改めて学び直したい人に向いています。ただし選考はあり、書類と面接の準備が必要です。
よくある質問
Q. 早稲田大学eスクールに落ちることはありますか? A. あります。1次が書類選考、2次が面接の二段階で選考され、2022年度の一般選抜では全体で1.6倍の倍率が出ています。通信教育課程でも誰でも入れるわけではありません。
Q. 偏差値はどのくらいですか? A. eスクールは学力試験の点数で合否を決める方式ではなく、書類選考と面接で選考されます。そのため一般選抜の偏差値のような指標では難易度を測れません。出願書類と面接で何を語れるかが中心になります。
Q. キャンパスに通う必要はありますか? A. 講義の受講、BBSでの質問、レポート提出はインターネット上で完結します。卒業研究発表の際に所沢キャンパスへ行く必要がありますが、足を運ぶのはその程度です。
Q. 学費の負担を軽くする方法はありますか? A. eスクール一般給付奨学金やeスクール特別給付奨学金では、1単位あたり1万円が給付されます。小野梓記念奨学金や校友会給付奨学金、貸与型の日本学生支援機構の奨学金も利用できます。


