慶應義塾大学の滑り止めはどう選ぶ?おすすめ大学も解説
「慶應義塾大学受験で滑り止めは受けるべき?」
FAST-UP
慶應義塾大学の受験では、滑り止めを受けるのが基本です。目安は慶應よりレベルを2段階下げ、模試でA判定が出ている大学。おすすめはMARCHや学習院大学、日東駒専、地域を問わないなら地方国立大学です。
2026年9月時点の情報です。
慶應義塾大学の受験に滑り止めを受けておく4つのメリット
滑り止めの最大の価値は、入試本番のリスクを分散できる点にあります。メリットは次の4つです。
- 本命の慶應義塾大学に落ちても浪人を回避できる
- 慶應義塾大学の受験前に入試を経験し場慣れできる
- 慶應義塾大学の入試を安心して受験できる
- さまざまな傾向の問題に慣れる
本命の慶應義塾大学に落ちても浪人を回避できる
滑り止めを受ける一番の理由は、浪人の回避です。併願校がない場合、慶應義塾大学の不合格が決まった時点で一年間の浪人が決まります。
浪人で予備校に入るとなれば、費用も大きくなります。また、浪人して成功するとも限りません。浪人の成功率は一割程度と言われます。それだけ浪人を成功させるのは難しいことです。滑り止めを受けておけば、こうしたリスクを減らせます。
慶應義塾大学の受験前に入試を経験し場慣れできる
滑り止めは、本命入試の予行練習になります。受験はたった数日の出来事ですが、そこまでに積み上げた勉強時間は莫大です。「これだけ頑張ってきたのだから失敗したくない」という気持ちになり、緊張しやすくなります。
大学入試を一度も経験していない状態なら、緊張はさらに大きくなります。一度経験すれば、次のような点が具体的にわかります。
- 会場にどれくらいの人がいるのか
- 問題はいつ配られるのか
- 開始までどれくらい時間があるのか
慶應義塾大学の入試を安心して受験できる
併願校の合格があると、本命で力を出しやすくなります。「ここで失敗できない」という気持ちが強すぎると、実力があっても発揮しにくいものです。
滑り止めを確保していれば、「落ちても進学先はあるから気楽にやろう」という状態に近づきます。余計な雑念をなくして力を出し切るうえで、滑り止めの受験は有効です。
さまざまな問題に慣れる
併願校の問題傾向は、慶應義塾大学と完全に同じにはなりません。普段とは違う傾向の問題を解くことで、いつもとは別の視点から知識を使う練習ができます。
学部ごとの出題の違いを押さえたい場合は、慶應義塾大学の受かりやすい学部の比較も併せて確認すると、併願の組み立てが具体的になります。
慶應義塾大学の受験に滑り止めを受けておく4つのデメリット
滑り止めには時間と費用、体力の負担が伴います。デメリットは次の4つです。
- 慶應義塾大学の受験勉強の時間が減ってしまう
- 入試などの費用がかさんでしまう
- 連日の入試で心身ともに疲れて体調不良の可能性がある
- 滑り止めに落ちた時にモチベーションが下がる
慶應義塾大学の受験勉強の時間が減ってしまう
併願校を増やすほど、本命の勉強時間は削られます。受験は時間との勝負で、本番までにどれだけ時間を確保し効率よく学ぶかの戦いだからです。
滑り止めを受けるなら、受験日そのものに加え、過去問を解くために数時間は取られます。そのため、滑り止めの数はできるだけ絞る必要があります。
入試などの費用がかさんでしまう
併願には、受験料と入学金の負担がかかります。目安は次のとおりです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 私立大学の受験料 | 1校あたりだいたい3万円 |
| 3校受けた場合の受験料 | 10万円ほど |
| 入学金 | だいたい20万円 |
入学金は、定められた期間内に納めなければ合格が取り消しになります。さらに、入学を取り消した場合でも納めた入学金は返ってきません。滑り止めを受けるとはどれだけの費用がかかることなのか、事前に把握しておきます。
連日の入試で心身ともに疲れて体調不良の可能性がある
入試は想像以上に疲れます。電車で数時間移動することも珍しくなく、見えない疲労がたまります。会場に着いてからも長時間の緊張状態が続くため、心身ともに消耗します。
疲労が残り、慶應義塾大学の受験を万全の状態で迎えられないとなれば本末転倒です。日程が近くない大学を選ぶなどの工夫が必要です。
滑り止めに落ちた時にモチベーションが下がる
受験は予想どおりに進むとは限りません。
- 本番の緊張に負けて力を発揮できなかった
- 自分の苦手な範囲がたくさん出た
こうしたことが起こるため、余裕を持って合格できると考えていた大学で不合格になる場合があります。その際は、慶應義塾大学に向けた自信も揺らぎます。滑り止めの受験には、このリスクが伴います。
慶應義塾大学の滑り止め校の選び方7つ
選び方の軸は「合格の確度」と「本命への影響の小ささ」の2つです。具体的には次の7つで判断します。
- 慶應義塾大学よりもレベルを2段階下げた大学を選ぶ
- 興味のある学部を優先して選ぶ
- 進学してもよいと思える大学を選ぶ
- 模試でA判定の大学を選ぶ
- 入試科目や受験方式が大きく変わらない大学を選ぶ
- 合格者が多く門が広い大学を選ぶ
- 慶應義塾大学の受験日と近くない大学を選ぶ
慶應義塾大学よりもレベルを2段階下げた大学を選ぶ
滑り止め校選びで大切なのは、何があっても合格を取れる大学を選ぶことです。ここで不合格になると、本命前に自信を失います。当日39度の熱が出ても合格できるくらいが理想です。
目安は慶應義塾大学よりレベルが2段階下の大学です。慶應でA判定(模試の合否可能性判定で最も合格が見込める区分)が出ているならMARCHでも構いません。A判定でない場合は、MARCHでも当日の問題や体調によって不合格になり得ます。その場合は学習院大学、日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学の総称)あたりが候補です。
興味のある学部を優先して滑り止めを選ぶ
興味のない学部に入学すると、入学後に苦労します。4年間、関心のない分野を学び続けることになるからです。
たとえば法律を学びたかった人が文学部に入った場合、文学の歴史や研究の授業を受け続けることになります。場合によっては編入や退学を考えることにもなります。学部選びは、滑り止めでも自分の興味を基準にします。
慶應義塾大学に落ちた場合に進学してもよいと思う大学を選ぶ
滑り止めは、実際に通う可能性のある大学として選びます。「自分は第一志望に合格する」と考えていると、併願校に進学した場合を真剣に想像しないまま決めてしまいがちです。
しかし、受験生全員が第一志望に受かるわけではありません。慶應義塾大学合格への思いは強く持ちつつ、進学してもよいと思える大学を選びます。
模試でA判定の大学を選ぶ
滑り止めは、余裕を持って合格できる大学から選びます。学力が拮抗して対策が必要な大学を選ぶと、慶應義塾大学のための勉強時間が減るからです。
判断材料としては模試が使えます。受験生の大半が模試を受けているため、その中でA判定を取れているなら、実力に相応の余裕があると考えられます。
慶應義塾大学と入試科目や受験方式が大きく変わらない大学を選ぶ
科目や方式がそろっている大学を選びます。受験方式や入試科目が違うと、その対策のために別の勉強時間が必要になるからです。レベルを下げた大学でも、慶應義塾大学にない科目が課されれば対応しきれないことがあります。
滑り止めはあくまで滑り止めです。本命が慶應義塾大学である以上、できるだけ時間をかけずに合格を取りにいきます。
合格者が多く門が広い大学を選ぶ
合格者数の多い大学を選ぶ方法もあります。大学の中には、自校が滑り止めとして受験されることを前提に、多くの合格者を出すところがあります。
いわゆるマンモス校と呼ばれる大学です。たとえば日本大学は、慶應義塾大学やMARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学の総称)の滑り止めとして人気があります。
慶應義塾大学の受験日と近くない大学を選ぶ
本命と日程が近い大学は避けます。入試は移動も含めて一日がかりで、緊張状態が続くため疲労が残りやすいからです。慶應義塾大学の受験日と間隔が空く日程を選びます。
慶應義塾大学の滑り止めにおすすめは「MARCH」
第一候補はMARCHです。ただしMARCHの中にもレベル差があるため、現在の学力との距離を見て決めます。
| 慶應義塾大学の模試判定 | 滑り止めの候補 |
|---|---|
| A判定 | MARCHのどの大学でも可 |
| B判定 | MARCH内で比較的入りやすい中央大学、法政大学 |
| B判定より下 | 学習院大学、日東駒専 |
大学群ごとの位置関係を整理したい場合は、早慶上智ICUの偏差値ランキングと序列、学部単位で狙い目を探す場合は早慶上智の穴場学部ランキングも参考になります。
地域にこだわらないのであれば国立大学もおすすめ
進学先の地域を限定しないなら、地方国立大学も候補になります。偏差値帯としては慶應義塾大学より下に位置するため、併願先として機能します。
ただし受験科目は増えます。
| 区分 | 一般的な受験科目 |
|---|---|
| 私立大学 | 3教科 |
| 国立大学 | 5教科7科目であることがほとんど |
科目が増えればその分の勉強時間も必要です。慶應義塾大学の対策時間を削らずに回せるかどうかで判断します。
よくある間違い:滑り止めを「出願するだけ」で決める
もっとも多い失敗は、校名とレベルだけを見て滑り止めを決めることです。進学後の学部内容や日程、科目の相性を確認しないまま出願すると、本命の勉強時間を削られたうえ、合格しても進学したくない大学だけが残ります。
回避策は、出願前に3点を紙に書き出すことです。
- その学部に4年間通う前提で納得できるか
- 慶應義塾大学の受験日と日程が離れているか
- 追加の科目対策が不要か
3つとも満たす大学だけを候補に残すと、併願の数も自然に絞れます。
FAST-UPが見てきた併願校選びのつまずき
指導現場で目立つのは、併願校を決める時期が遅れるパターンです。本命の過去問演習が本格化する時期に出願先を考え始めると、情報収集と手続きに時間を取られ、肝心の演習が止まります。
もう一つは、併願校の過去問をまったく解かずに本番を迎えるケースです。出題形式や時間配分が本命と違うと、学力が足りていても解き切れません。1年分でも通して解いておくと、当日の処理手順が決まります。
反対に、併願校の対策に熱が入りすぎる受験生もいます。滑り止めの演習量が本命を上回り始めたら、配分を見直す合図です。併願は本命の合格可能性を上げるための手段である、という位置づけを崩さないことが大切です。
慶應義塾大学しか受けないのは危険?
専願は、浪人を覚悟できるなら選択肢になります。専願のデメリットは、不合格だった場合に進学先がないことです。浪人の費用などを保護者と話し合い、浪人してもよいと結論が出ているなら専願も成り立ちます。
ただし現在の学力は考慮が必要です。現時点の偏差値が志望校と大きく離れていると、浪人しても慶應義塾大学に合格するのは簡単ではありません。
学部間併願という方法もある
どうしても慶應義塾大学に行きたい場合、同じ大学内で複数学部に出願する学部間併願という方法があります。以下は2021年の実志願者占有率で、志願者の中でどれだけ併願している人がいるかを表した数値です。
| 実志願者占有率 | |
|---|---|
| 単願者 | 67.5% |
| 2学部併願者 | 22.9% |
| 3学部併願者 | 6.8% |
| 4学部併願者 | 2.0% |
| 5学部以上併願者 | 0.7% |
合計で約30%の人が学部間併願をしていることがわかります。慶應義塾大学への進学を最優先するなら、この戦略も有効です。
よくある質問
Q. 滑り止めは何校받受ければよいですか。 A. 決まった校数はありません。受験日に加えて過去問演習にも数時間が必要になるため、できるだけ数を絞るのが前提です。模試でA判定が出ている大学の中から、日程と科目が本命と無理なく両立するものを選びます。
Q. 国立大学を慶應義塾大学の滑り止めにできますか。 A. 地域にこだわらないのであれば、地方国立大学は候補になります。偏差値帯は慶應義塾大学より下に位置します。ただし国立大学は5教科7科目であることがほとんどで、私立大学の3教科より負担が増える点に注意します。
Q. 滑り止めに不合格だった場合、どう立て直せばよいですか。 A. まず原因を「学力不足」と「形式への不慣れ」に切り分けます。時間配分や出題形式が原因なら、本命の対策とは別の問題です。本命の過去問で得点の再現性を確認し、取り切れている設問を数えて現状を把握し直します。
Q. 慶應義塾大学の専願に向いているのはどんな人ですか。 A. 浪人の費用と期間について保護者と合意が取れていて、現時点の学力が志望学部と大きく離れていない場合です。条件が整わない場合は、学部間併願や他大学の併願で進学先を確保する形が現実的です。


