慶應義塾大学の学費を全学部で解説|4年間総額と免除制度
物価高が叫ばれ、歴史的円安となる中で
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慶應義塾大学の4年間の学費は、文学部で約482万円、法学部で約485万円、理工学部で約690万円です。医学部は6年間で2200万円以上かかります。学部で負担が大きく異なります。
2026年9月時点の情報です。
慶應義塾大学の全学部の学費一覧
慶應義塾大学の学費は、文系学部が4年間で480万円台、理系・医療系で大きく上がる構造です。医学部と薬学部薬学科は6年制のため、6年間の合計を掲載します。
| 学部・学科 | 初年度納付金 | 在学生納付金 | 合計(4年制は4年間・6年制は6年間) |
|---|---|---|---|
| 文学部 | 1,353,350円 | 1,153,250~1,157,250円 | 4,813,100~4,825,100円 |
| 経済学部 | 1,358,350円 | 1,158,250円 | 4,833,100円 |
| 法学部 | 1,363,350円 | 1,163,250円 | 4,853,100円 |
| 商学部 | 1,359,850円 | 1,159,750円 | 4,839,100円 |
| 医学部 | 3,843,350円 | 3,643,250円 | 22,059,600円 |
| 理工学部 | 1,873,350円 | 1,673,250円 | 6,893,100円 |
| 総合政策学部 | 1,601,350円 | 1,401,250円 | 5,805,100円 |
| 環境情報学部 | 1,601,350円 | 1,401,250円 | 5,805,100円 |
| 看護医療学部 | 1,865,850円 | 1,665,750円 | 6,863,100円 |
| 薬学部薬学科 | 2,473,350円 | 2,273,250円 | 13,839,600円 |
| 薬学部薬科学科 | 2,193,350円 | 1,993,250円 | 8,173,100円 |
学部ごとの内訳と差がつく理由
同じ文系学部でも合計額に差が出ます。授業料が同じでも「その他の費用」が学部ごとに違うためです。
- 文学部:4年間で482万円前後です。在学生納付金に幅があるのは、2年以降に所属する専攻の研究会費や雑誌購読料などがそれぞれ異なるためで、年間2,500円~4,000円とバラバラです。費用負担の差は小さく、482万円前後と考えて問題ありません。
- 経済学部:4年間合計で約483万円と、文学部よりわずかに高くなります。授業料などは法学部・商学部と全く同じで、その他の費用の差が合計額の差につながっています。
- 法学部:4年間で約485万円です。その他の費用が年間13,350円かかり、文学部の最も安いケースと比べ4倍程度高くなっています。
- 商学部:4年間でおよそ484万円です。その他の費用が年間9,850円で、文学部や経済学部と比べるとやや高めです。
- 医学部:6年制で、何かと実験などが多いため、1年間の納付金だけで文系学部の3年間以上の学費に相当します。6年間の合計は2200万円以上で、授業料だけで304万円かかります。これに交通費などが加わります。
- 理工学部:4年間でおよそ690万円です。文系との差は授業料の高さで、文学部などが89万円で済むのに対し、理工学部は129万円です。
- 総合政策学部:4年間で580万円です。文理融合という点もあってか、文系学部よりも100万円ほど多くなります。
- 環境情報学部:総合政策学部と共通する講義などもあるためか、その他の費用まで含めて総合政策学部と全く同じです。
- 看護医療学部:医療系ということもあり、686万円ほどです。同じ湘南藤沢キャンパスの総合政策学部・環境情報学部と授業料は全く同じで、違うのは実験実習費と施設設備費です。
- 薬学部薬学科:6年制で合計は約1384万円、授業料は172万円です。
- 薬学部薬科学科:4年制で合計は817万円ほど、授業料は144万円です。授業料以外の費用は薬学科と全く同じで、どちらの授業料も看護医療学部を超えています。
早稲田・上智・東京理科大との学費比較
額面だけでは高いか安いかは判断できません。早慶上理(早稲田・慶應・上智・東京理科の4大学の総称)の他大学と並べると、慶應の位置づけが見えます。
早稲田大学との比較
4年間の総額で見ると、文系はほぼ同水準、理工は慶應のほうが安くなります。早稲田の文系学部は初年度で120万円もしくは120万円を切るところが目立ち、この時点で慶應より15万円ほど安い計算です。
ただし早稲田は入学金の減収分を2年目以降の授業料などに転嫁しているため、2年目以降も120万円前後で推移します。結果として文系学部の合計は480万円ほどで、慶應とあまり差がありません。
理系も同様です。初年度は170万円台に収まり慶應と10万円ほどの差がありますが、2年目以降は入学金と相殺され、むしろ慶應のほうが10万円ほど安くなります。早稲田は入学金の減収分を2年目以降の授業料などに転嫁しているため、4年間トータルで見れば慶應の理工学部の方が20万円ほど低いです。
上智大学との比較
上智大学とは、初年度・2年目以降ともほぼ同水準です。上智は2023年度入学者から授業料などが値上げされており、初年度納付金は一番安い学部群で年間135万円、看護学科や理工学部では年間186万円かかります。これらは慶應の初年度納付金とほぼ同じ水準です。
上智は慶應と同じく入学金の分が翌年から減るため、2年目以降も慶應とほぼ変わりません。2022年以前の入学者と比べると慶應のほうが高かったものの、上智も物価上昇率を考慮して授業料が値上げされたため、結果的に同じ水準となりました。
東京理科大学との比較
東京理科大学は慶應より明確に安い大学です。理工学部の初年度納付金は数学科の159万円から応用生物科学科の167万円で、慶應より20万円ほど安くなります。さらに入学金が30万円と高く、翌年からは入学金分が丸々減るため、費用負担はより軽くなります。
4年間の合計は一番安くて548万円、高くても580万円です。慶應理工学部と比べ最低でも100万円以上安い計算になります。数万円の違いは微々たるものでも、100万円以上の差は無視できません。
GARCH各大学との学費比較
GARCH(学習院・青山学院・立教・中央・法政の5大学の総称)と比べると、青山学院大学以外は慶應より安い傾向です。初年度納付金の幅と、4年間での差をまとめます。
| 大学 | 初年度納付金(最安~最高) | 慶應との差(4年間) |
|---|---|---|
| 学習院大学 | 法学部 約126万円~理学部物理・化・生命科学科 約180万円 | 40万円前後安い |
| 青山学院大学 | 在学期間の合計で文学部英米文学科 493万4800円~理工学部 697万円 | 10万円近く高い |
| 立教大学 | 観光学部 約132万円~グローバル・リベラルアーツ・プログラム 205万3900円 | 20万円台安い |
| 中央大学 | 法学部・文学部 129万7300円~理工学部 183万8000円 | 文系40万円以上、理工30万円程度安い |
| 法政大学 | 文学部哲学科 131万2000円~機械工学科航空操縦学専攻 222万3000円 | 30万円ほど安い |
学習院大学
学習院大学は全体的に慶應より10万円前後安く、2年目以降は入学金が丸々なくなります。費用負担の差は4年間変わらないため、最終的に40万円前後の差になります。学費の内訳や奨学金は学習院大学の4年間の学費と免除制度の解説記事で詳しく扱っています。
青山学院大学
青山学院大学は主要大学の中では珍しく、在学期間の合計納付金を記載しています。最も安いのが文学部英米文学科で493万4800円、最も高いのが理工学部で697万円です。おおむね全体を通して慶應より10万円近く高くなっています。入試科目の難度も含めて比較したい場合は青山学院大学国際政治経済学部の英語の傾向と対策も参考になります。
立教大学
立教大学は観光学部が一番安く、初年度納付金は132万円ほどです。他大学で最安になりやすい法学部も、研究会費がわずかに高く133万円程度です。理学部は175万~182万円ほどで、実験実習費で違いが生じています。最も高いのはグローバル・リベラルアーツ・プログラムの205万3900円です。2年目以降は入学金が丸々減るため差が縮まらず、4年間で20万円台の差になります。学部選びの参考として立教大学の偏差値推移の解説も合わせて確認できます。
中央大学
中央大学は一番安いのが法学部と文学部で129万7300円、一番高いのが理工学部で183万8000円です。初年度は文系学部で8万円ほど、理工学部で4万円ほど安い水準です。入学金が24万円と慶應よりややかかる分、2年目以降はさらに差が生まれ、文系は4年間で40万円以上、理工学部で30万円程度安くなります。
法政大学
法政大学は最も安い文学部哲学科が131万2000円、最も高い機械工学科航空操縦学専攻が222万3000円、生命科学部応用植物科が188万4000円です。航空操縦学専攻はパイロット養成のため、3年次に600万円以上の学費がかかる予定です。初年度納付金で全体的に5万円ほど安く、入学金が24万円のため2年次以降はさらに差が開き、30万円ほど安くなります。
よくある間違い:初年度納付金だけで比べてしまう
初年度納付金だけで大学間を比べると判断を誤ります。入学金が2年目以降に無くなるか、授業料に転嫁されるかで総額が変わるためです。早稲田大学のように初年度が安く見えても、2年目以降の負担が下がらないケースがあります。
回避策はシンプルです。
- 初年度納付金ではなく、4年間(6年制は6年間)の合計で比較する
- 入学金の金額と、翌年以降に差し引かれるかどうかを確認する
- 実験実習費・施設設備費など、学部で変わる項目を個別に見る
慶應義塾大学の学費免除制度と奨学金
慶應義塾大学は給付型の奨学金が充実しており、入学前に結果が分かる制度もあります。学費の高さを理由に出願を外す前に、制度の種類を押さえておくと選択肢が広がります。
入学前から予約可能な奨学金
入学前に予約できるのが「学問のすゝめ奨学金」です。慶應に入学したいと強く願う首都圏在住の学生を対象としており、入学前に予約を行い、一般選抜(学力試験を中心に合否を決める入試方式)の出願前に採用の可否が決まります。
金額は入学初年度が最大で入学金相当額を加えた80万円、医学部は110万円、薬学部は100万円です。2年目以降は成績優秀であれば医学部が最大150万円、一番安いケースでも年額80万円まで増えます。毎年の審査は必要ですが、最大4年間受け取り続けることができ、返済は不要です。
学内奨学金
学内奨学金はいくつも用意されています。慶應義塾大学給費奨学金では25万円もしくは50万円が支給され、私費外国人留学生も利用できます。新型コロナウイルスの影響で困窮する学生が増えたことで枠が増えた慶應義塾大学就学支援奨学金は、学費の範囲内で支給され、平均の支給額は年間30万円ほどです。
寄付型奨学金
慶應は卒業生のネットワークが強固で、寄付金を活用した寄付型奨学金が多彩です。
- 指定寄付型奨学金:数多くの団体からの寄付で成り立つ奨学金です。「〇〇三田会」という名前の奨学金が多いほか、ビジネス、法曹など様々な分野からも提供されています。
- 維持会奨学金:より優秀な学生を育て、勉学に集中してもらうために立ち上げられた制度です。首都圏以外の学生を優先しており、文系学部は50万円、理系学部・医療系学部は80万円が付与されます。首都圏の学生も応募でき、人数的には首都圏の学生が多いものの、全国から来た学生にも給付されています。各都道府県のページが用意され、奨学金を受け取った学生の感謝の言葉が掲載されています。
家計急変・災害被災時の奨学金
近年頻発する自然災害や家計の急変で学費の捻出が難しくなる場合に備え、複数の制度が用意されています。就学支援奨学金のほか「食の支援」という項目もあります。食生活に不自由さを感じる学生を対象とし、アルバイトができず生活が苦しい学生が利用しています。キャンパスで使える3,000円分の食券が支給されます。
FAST-UPが見てきた学費と志望校選びのつまずき
指導現場でよく見るのは、学費を調べるタイミングが遅すぎるケースです。出願直前に家庭で費用の話になり、志望校を急に変えて対策が間に合わなくなる流れが典型です。
もう一つのつまずきは、学部単位で費用を見ていない点です。同じ大学でも文系と理系、医療系では負担が大きく変わります。学部ごとの総額を早い段階で家族と共有しておくと、受験直前に揺れずに済みます。
予約型の奨学金を見落とす例も少なくありません。出願前に申請期限が来る制度があるため、学習計画を立てる段階で募集時期も一緒にメモしておくと取りこぼしが減ります。学費の話を先に片づけた受験生ほど、直前期の勉強に集中できている印象があります。
まとめ
慶應義塾大学の学費は基本的に高めですが、早稲田大学のように入学金を翌年度の授業料に転嫁する方式は取っていません。奨学金も充実しており、勉学に励む学生にとって支えのある環境です。
貸与型の奨学金は金利が発生し、これまで利用した学生の多くが卒業後に返済で苦しみ、社会問題となってきました。慶應義塾大学は給付型の制度を広く整えており、経済的に厳しい状況でも学び続けられる仕組みがあります。志望校を決める際は、学費と奨学金をセットで確認しておくと判断しやすくなります。
よくある質問
Q. 慶應義塾大学で学費が最も安い学部はどこですか。 A. 文系学部では文学部で、4年間482万円前後です。経済学部が約483万円、商学部が約484万円、法学部が約485万円と続きます。授業料は同額で、研究会費などその他の費用の差が合計の違いになっています。
Q. 理工学部の学費は6年間でいくらになりますか。 A. 学部段階の4年間は約690万円です。本記事で扱うのは学部4年間の納付金で、大学院の修士課程に進む場合は別途その分の学費がかかります。学部の授業料は129万円で、文学部などの89万円より高く設定されています。
Q. 入学前に申し込める奨学金はありますか。 A. 「学問のすゝめ奨学金」があります。首都圏在住の学生が対象で、一般選抜の出願前に採否が決まる予約型です。初年度は最大80万円、医学部は110万円、薬学部は100万円で、返済は不要です。
Q. 早稲田大学と比べると学費は高いのですか。 A. 文系は4年間でどちらも480万円ほどで大きな差はありません。理工系は2年目以降の負担が逆転し、4年間では慶應のほうが20万円ほど低くなります。初年度だけを見ると判断を誤りやすい点に注意が必要です。


