総合型選抜の志望理由書の書き方|構成・例文・NG例
総合型選抜の志望理由書に書く5つの要素、準備の4ステップ
FAST-UP
総合型選抜の志望理由書は、なぜこの大学・学部で学びたいのかを、自分の経験と大学の学びをつなげて説明する書類です。原体験、行動、学びたい内容、将来像、この大学でなければならない理由の5つを、矛盾なくつなげて書きます。
2026年9月時点の情報です。
総合型選抜の志望理由書とは?大学が見ているポイント
大学が見ているのは文章のうまさではなく、受験生の関心と大学の学びが合っているかどうかです。総合型選抜は、書類審査と時間をかけた面接などを組み合わせ、学ぶ意欲や目的意識を総合的に判定する入試だからです。志望理由書はその判定の中心になる書類です。
2027年度入試に向けて準備する場合も、見られるポイントは変わりません。まずは書類の役割を正しく理解してから作成に入ります。
志望理由書は「なぜこの大学で学びたいのか」を説明する書類
志望理由書は、その大学に入りたい理由を受験生本人の言葉で説明する書類です。大学によっては志願理由書やエントリーシートと呼ばれ、名称が違っても求められる内容はほぼ同じです。
高校から提出される調査書は、これまでの成績や活動の記録を示します。一方で志望理由書が示すのは、大学で何を学び、その学びを将来どう生かすのかという本人の考えです。役割が違うため、「有名だから」「就職に強そうだから」という理由だけでは志望動機として弱くなります。
押さえる点
- 大学・学部・学科を選んだ理由を書く
- 入学後に学びたい内容を具体的に書く
- 卒業後の目標まで書く
書類選考だけでなく面接の合否も左右する
志望理由書は、書類選考の軸であると同時に面接の素材にもなります。理由は2つあります。
1つ目は、活動報告書や成績証明書などの書類は断片的な情報にとどまり、志望理由書が一貫した説明を与える役割を持つためです。2つ目は、面接が志望理由書の記述に沿って進むためです。面接官は事前に書類を読み、疑問に思った点を質問します。
そのため、突っ込まれて困る内容ははじめから書かないのが基本です。背伸びした表現を入れると、質問を重ねられたときに説明できなくなります。面接でどこまで聞かれるかは、立教大学の自由選抜入試で聞かれやすい質問も参考になります。
大学側が評価する4つの観点(具体性・一貫性・大学との適合・自分の言葉)
評価の観点は、大きく4つに整理できます。どれか1つが強いだけでは足りず、4つがそろって初めて説得力が出ます。
| 観点 | 大学が確認していること | 志望理由書での示し方 |
|---|---|---|
| 具体性 | 学びたいことと将来の目標がどこまで細かいか | 分野名で止めず、テーマ・対象・方法まで書く |
| 一貫性 | 過去の経験、現在の関心、将来像がつながっているか | きっかけから将来像までを順につなげる |
| 大学との適合 | アドミッション・ポリシーや学びの内容と合うか | 授業・ゼミ・制度と自分のテーマを結びつける |
| 自分の言葉 | 本人が考えて書いたか | 面接で説明できる範囲の表現にする |
アドミッション・ポリシーとは、大学が求める学生像を示した入学者受け入れの方針です。ここに書かれた言葉をそのまま写しても適合は伝わりません。「主体性がある」と宣言するのではなく、主体的に考えて行動した経験を書く必要があります。
志望理由書・志願理由書・自己推薦書・活動報告書の違い
名称が似ていても、大学が確認したい内容は書類ごとに違います。募集要項の設問を読み分けてから書き始めます。
| 書類 | 主に伝える内容 | 軸になる問い |
|---|---|---|
| 志望理由書 | なぜその大学・学部で学びたいか | なぜ入りたいのか |
| 志願理由書 | 志望理由書の別の呼び方 | 設問の指示に合わせる |
| 自己推薦書 | 自分の強みや経験、大学で生かせる力 | なぜ入れるべきなのか |
| 自己PR | 強みと、それを裏づける経験 | 自分に何ができるか |
| 活動報告書 | 部活動・探究活動・資格・ボランティアなどの活動 | 何をしてきたか |
| エントリーシート | 志望理由や活動歴をまとめて記入する出願書類 | 設問ごとに役割を分ける |
同じエピソードを志望理由書と自己推薦書の両方で使っても問題はありません。ただし切り口を変えないと、どちらの内容も薄くなります。
総合型選抜の志望理由書に書くべき5つの要素
盛り込む要素は5つです。この順で並べると、読み手が理由を追いやすくなります。
| 要素 | 書く内容 | 確認する質問 |
|---|---|---|
| 1. きっかけ・原体験 | 関心を持った出来事 | なぜその分野に興味を持ったのか |
| 2. 調べたこと・行動 | 自分で動いた事実 | 関心のあと何をしたのか |
| 3. 大学で学びたい内容 | 授業・ゼミ・学習計画 | 入学後に何を学ぶのか |
| 4. 卒業後の目標 | 実現したいこと | 学びをどう生かすのか |
| 5. なぜこの大学か | 他大学では代替できない理由 | なぜここでなければならないのか |
1. 興味を持ったきっかけ・原体験
原体験は、大きな実績である必要はありません。授業で気になったテーマ、家族との出来事、学校行事、部活動で悩んだ経験でも材料になります。
重要なのは、その出来事から何を考えたかです。出来事の描写だけで終わると、読み手には関心の強さが伝わりません。「そのとき何に違和感を持ったのか」「なぜ印象に残っているのか」まで書きます。
2. 自分で調べたこと・行動したこと
原体験の次に、自分で調べた・動いた事実を書きます。ここが入ると志望理由の説得力が一段上がります。関心が一時的な感想ではなく、継続した問題意識であることを示せるためです。
書ける行動の例
- 関連する本や記事を読み、疑問をノートに整理した
- 探究活動でアンケートや聞き取りをした
- 地域の活動やボランティアに参加した
- 関係する資格や検定の勉強を始めた
3. 大学で学びたい具体的な内容
学びたい内容は、学科名やキーワードで止めず、学習計画の形まで落とします。シラバス(授業ごとの内容や進め方をまとめた計画書)や、ゼミ(少人数で特定のテーマを研究する授業)の名前まで調べて書くと具体的になります。
「経済学を学びたい」ではなく、「地域の小規模事業者の経営継続について、どの科目でどの手法を身につけるか」まで書きます。
4. 卒業後に実現したいこと
卒業後の目標は、職業名を挙げるだけでは足りません。「管理栄養士になりたい」より、「管理栄養士として、けがをしにくい身体づくりを栄養面から支えたい」のほうが、目的意識の高さが伝わります。
職業が決まっていない場合は、関わりたい課題や解決したいテーマで書けば問題ありません。
5. なぜこの大学・学部でなければならないのか
ここが志望理由書で最も差がつく部分です。将来の目標と今の自分の差を示し、その差をその大学で埋めるのが最も合理的だと説明します。
書く手順
- 将来実現したいことを書く
- そのために足りない知識や力を書く
- それを埋められる授業・ゼミ・制度を挙げる
- その環境で何をどう学ぶかを書く
設問に合わせて構成の順番を調整する
5つの要素の順番は固定ではありません。大学の設問に合わせて並べ替えます。設問と答えがずれていると、どれほど良い文章でも評価につながらないためです。
- 設問が「志望理由を述べよ」だけ → 原体験から将来像まで通して書く
- 設問が複数に分かれている → 要素を重複させず振り分ける
- 字数が少ない → 原体験を短くし、学びたい内容と大学の理由を厚くする
志望理由書を書き始める前に準備する4ステップ
いきなり本文を書き始めるより、材料を集めてからのほうが早く仕上がります。募集要項の確認、自己分析、大学のリサーチ、骨子づくりの順に進めます。
募集要項で設問・文字数・提出形式(紙かWebか)を確認する
最初に確認するのは募集要項と実際の提出用紙です。確認する項目は次のとおりです。
- 設問の文言と数
- 文字数や枚数、指定用紙の有無
- 提出形式が紙の郵送かWeb出願の入力か
- 手書き指定かパソコン入力か
- 提出期限と郵送の方法
紙の場合は清書と郵送の時間が必要で、Web入力の場合は改行や記号の扱いに制限があることがあります。どちらかで作業量が変わるため、最初に確認しておきます。
自己分析で志望につながる経験を掘り下げる
自己分析では、実績を探すのではなく、何に関心を持ち、どう考えてきたかを整理します。
モチベーショングラフ(時期ごとの意欲の上下を書き出す自己分析の方法)を使うと、経験を思い出しやすくなります。横軸を時間、縦軸を意欲にして出来事を書き込み、「なぜ上がったのか」「なぜ落ち込んだのか」を考えます。つらかった経験も書き出します。落ち込んだ経験の中に、志望の動機につながる問題意識が含まれていることがあるためです。
書き出したら、経験・価値観・興味・進路などに分類します。
アドミッション・ポリシーとシラバス・ゼミまで大学をリサーチする
大学研究は、オープンキャンパスとアドミッション・ポリシーの確認だけでは足りません。そこまでは多くの受験生が行うため、それだけでは「なぜこの大学か」に差が出ないからです。
| 調べる対象 | 見るところ | 志望理由書への使い方 |
|---|---|---|
| アドミッション・ポリシー | 大学全体と学部・学科の両方 | 自分の経験との共通点を探す |
| カリキュラム・シラバス | 科目名、扱うテーマ、進め方 | 学習計画の根拠にする |
| ゼミ・研究室 | 研究テーマ、進め方 | 大学での到達点を書く |
| 教授の研究 | 論文や著書のテーマ | 自分の関心との重なりを示す |
| 留学・実習制度 | 対象学年、内容 | 目標達成の手段として書く |
| 卒業生の進路 | 業界や職種の傾向 | 将来像の現実味を高める |
在学生から話を聞ける機会があれば、授業や研究会の様子など、パンフレットに載らない情報が手に入ります。
自分の経験と大学の学びを結びつけて骨子をつくる
自己分析と大学リサーチの結果をつなぐのが骨子づくりです。ここで書く順番と各要素の分量を決めます。
骨子の作り方
- 書きたい要素を箇条書きで全部出す
- 設問に対応しない内容を削る
- 原体験 → 行動 → 学び → 将来像 → 大学の理由の順に並べる
- 各ブロックにおおよその字数を割り振る
- 隣り合うブロックが理由でつながっているか確認する
いつから書き始め、いつ完成させるかのスケジュール
書き直しが前提になるため、早く始めるほど有利です。次の日程は目安として使えます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 出願1か月前まで | 志望学部・学科の情報収集、アドミッション・ポリシーの確認、研究室やカリキュラムの調査 |
| 出願3週間前まで | 自己分析と経験の整理、志望理由の骨子作成、構成の検討 |
| 出願2週間前まで | 下書きの作成、添削を受ける、修正と推敲 |
学校の先生のサインや調査書の準備が必要な場合は、さらに時間がかかります。学校に総合型選抜を受けることと出願日を早めに伝えておきます。
志望理由書の書き出し・書き始めの3つの型
書き出しに唯一の正解はありません。自分が最も具体的に説明できる内容に合わせて型を選びます。
結論型・原体験型・問題意識型の使い分け
| 型 | 始め方 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 結論型 | 大学で学びたいことや将来像を先に書く | 学びたいテーマが固まっている |
| 原体験型 | 進路を考えるきっかけの出来事から書く | 具体的な経験を説明できる |
| 問題意識型 | 社会や身近な環境の課題から書く | 探究活動や調査の経験がある |
結論型の例:私は貴学の地域政策学部で、地域の小規模事業者が経営を続けられる仕組みについて学びたい。
原体験型の例:高校生のとき、祖父が利用する介護施設で職員の方から話を聞き、本人の意思と家族の希望を両立させる難しさを知った。
問題意識型の例:観光客の増加は地域経済に利益をもたらす一方で、住民の生活環境に負担を与える場合がある。
原体験型は経験を長く書きすぎないのがコツです。書き出しでは簡潔に示し、すぐに学びたい内容につなげます。問題意識型では、課題を挙げるだけで終わらせず、自分の経験や調査との接点を続けて書きます。
避けたい書き出しの例
次のような書き出しは、読み手に伝わりにくくなります。
私は昔から人の役に立つことが好きで、貴学は有名で設備も充実しているため志望しました。オープンキャンパスの雰囲気もよく、先輩方が優しかったのでここで学びたいと思いました。
伝わりにくい理由
- 「人の役に立ちたい」が広すぎて学びたい内容が分からない
- 知名度・設備・雰囲気は他の大学にも当てはまる
- 本人の経験と問題意識が書かれていない
- 入学後に何を学ぶのかが見えない
オープンキャンパスの内容を書くこと自体は問題ありません。どの授業や研究を知り、自分の目的とどうつながったかまで書けば、志望理由として成立します。
総合型選抜の志望理由書の例文と解説
ここからは学部系統別の例文を紹介します。分量の都合で要旨のみを示すため、実際には設問と字数に合わせて肉付けします。
例文1:社会科学系(経済・法・商学部)
私は貴学の経済学部で、地方の小規模な商店が事業を続けられる条件を学びたい。祖父母が営む商店の閉店に立ち会った際、理由は売上だけでなく、後継者の不在と情報発信の弱さにもあると知った。その後、商店街の店主に聞き取りを行い、価格競争より顧客との関係づくりが収益を支えている店があることを知った。貴学の地域経済のゼミでは、統計データと現地調査を組み合わせて地域の産業を分析すると知り、自分の疑問を数値でも検証したいと考えた。卒業後は、地域金融の現場で小規模事業者の経営を支えたい。
解説
- 身近な出来事を原体験にし、実績の大きさに頼っていない
- 聞き取りという行動が入り、関心が継続していることが分かる
- ゼミの手法と自分の疑問が結びついている
- 将来像が職業名だけで終わっていない
例文2:国際・語学系
私は貴学の国際教養学部で、日本で暮らす外国籍の子どもが学習につまずく要因を学びたい。地域の学習支援ボランティアで、日常会話はできても教科の言葉が理解できずに授業から離れていく子どもに出会ったことがきっかけである。第二言語習得に関する入門書を読み、生活で使う言葉と学習で使う言葉は習得の速さが異なると知った。貴学では、言語教育と多文化共生を横断して学べる科目が置かれており、留学で受け入れ側の制度も比較したい。卒業後は、学校と地域をつなぐ日本語教育の仕組みづくりに関わりたい。
解説
- 語学力そのものではなく、解決したい課題を軸にしている
- 本を読んで疑問を整理した過程が書かれている
- 留学制度を目的達成の手段として位置づけている
例文3:理工・情報系
私は貴学の情報学部で、高齢者が使いやすい情報サービスの設計を学びたい。祖母がスマートフォンの手続き画面を操作できず、窓口に行き直していた場面を見たことが出発点である。文化祭の受付システムを作った際、同じ画面でも文字の大きさと手順の数で操作時間が変わることを体感した。貴学のヒューマンインタフェースの研究室では、利用者の行動を観察したうえで設計を改善すると知り、作って終わりにしない開発を学びたい。卒業後は、年齢に関係なく使える公共サービスの開発に携わりたい。
解説
- 開発経験を並べず、経験から得た気づきを書いている
- 研究室の進め方と自分の考えが一致している
- 技術と目的がつながっている
例文をそのまま使ってはいけない理由
例文や合格者の文章をそのまま使うと、評価が下がるおそれがあります。理由は2つあります。
1つ目は、経験していない内容や自分で考えていない内容は、面接で深掘りされたときに説明できなくなるためです。2つ目は、他人の文章を土台にすると、大学が知りたい「自分にしか書けない内容」が消えるためです。
参考にするときの使い方
- 構成の順番だけをまねる
- 抽象と具体の切り替え方を見る
- 自分の原体験に置き換えて、同じ流れで書き直す
評価されにくい志望理由書によくある間違いと直し方
よくある間違いは、内容が抽象的なまま提出することです。回避策は、書き終えた文章に「なぜ」「具体的には」「ほかには」と問いを当て、答えられない部分を書き直すことです。
| よくある間違い | 評価されにくい理由 | 直し方 |
|---|---|---|
| どの大学にも当てはまる | 志望校である必然性が伝わらない | 授業名・ゼミ名まで調べて自分のテーマと結ぶ |
| 実績の羅列 | 経験から何を考えたかが分からない | 1つの経験に絞って掘り下げる |
| 熱意だけ | 根拠がなく判断材料にならない | 調べたこと・行動したことを加える |
| 書類ごとに内容がずれる | 一貫性がないと判断される | 志望理由書を軸に他の書類と照合する |
どの大学にも当てはまる内容になっている
「教育に力を入れている」「設備が充実している」など、調べれば分かる大学の特徴だけを書くと、志望理由になりません。大学名を他校に入れ替えても文章が成立してしまうためです。
書き直すときは、大学の特徴の紹介で終わらせず、「自分が深めたいテーマのために、この授業で何を学ぶか」までつなげます。
活動実績を並べるだけで終わっている
部活動や生徒会の実績を並べただけでは、学びたい内容との関係が読み手に伝わりません。大学が知りたいのは実績の大きさではなく、その経験から何を考え、次にどう動いたかだからです。
直し方は、活動の説明を短くし、気づきと行動の変化に字数を回すことです。全国大会や生徒会長のような経歴がなくても、志望理由書は書けます。
熱意だけで根拠となる経験・行動がない
「どうしても学びたい」「強く関心がある」といった表現を重ねても、判断材料にはなりません。熱意は、行動の事実によって裏づけられて初めて伝わります。
書ける行動が思いつかない場合は、出願までにできる行動を実際に増やします。関連書籍を読む、公開講座に参加する、探究のテーマを絞り直すなど、短期間でも動けることがあります。
使うと評価が下がるNGワード・NG表現
避けたい表現を整理します。
| NGの種類 | 例 | 言い換えの方向 |
|---|---|---|
| 感情的な表現 | 憧れている、素晴らしい | 何をどう学びたいかを具体的に書く |
| 抽象的な表現 | 人の役に立ちたい、成長したい | 誰のどんな課題に関わるかを書く |
| 私的な理由 | 家から近い、友人が進学するから | 学びの内容に理由を移す |
| 第三者に依存した理由 | 先生にすすめられた、親が卒業生 | 自分が調べて判断した過程を書く |
| 他大学との比較 | 他大学より優れているから | 志望校の学びと自分の目的の一致を書く |
| 高校時代と無関係な内容 | 学びたい分野と関係のない話 | 関係のある経験に差し替える |
文字数・文体・書式のルール
書式は評価の前提条件です。指示に従っていない書類は、内容以前の問題になります。
文字数の目安と指定字数のどこまで埋めるか
文字数は大学によって違い、一般的な目安は1,000〜2,000字程度とされています。実際の指定は必ず募集要項で確認します。
指定字数がある場合は、指定に近いところまで書くのが原則です。大幅に余らせると、調べた内容や考えた量が少ないと受け取られるおそれがあります。字数が足りないときは、表現を水増しするのではなく、行動や学習計画の具体を足して埋めます。
「です・ます」と「だ・である」はどちらで書くか
どちらでも構いません。大学の指定がある場合はそれに従います。重要なのは、1つの書類の中で文体を統一することです。
- 字数が限られる場合は「だ・である」が短く収まりやすい
- 面接での話し方と合わせたい場合は「です・ます」でもよい
- 途中で文体が混ざると、見直し不足と受け取られる
手書き・改行・誤字脱字と書き間違えたときの対処
手書き指定の場合は、丁寧さより読みやすさを優先します。文字の美しさより、最後まで同じ丁寧さで書くことが大切です。
| 項目 | 対処 |
|---|---|
| 書き間違えた | 募集要項に修正方法の指示があればそれに従う。指示がなければ書き直しが無難 |
| 途中で字が乱れた | 時間に余裕を持って清書し、一気に書き切る |
| 改行 | 内容のまとまりごとに段落を分ける。Web入力では改行の可否を確認する |
| 誤字脱字 | 印刷または一晩おいてから読み返し、他の人にも確認してもらう |
| 用紙 | 大学指定の用紙かコピー可かを確認する |
一文を短くして読みやすくする文章の整え方
一文が長いと主語と述語がずれ、意味が伝わりにくくなります。1文は1つの内容に絞り、短く切ります。
整え方の手順
- 段落ごとに、伝えたいことを1つに決める
- 結論→理由→具体例→結論の順(PREP法)で並べる
- 「〜し、〜ので、〜が」と続く文を分ける
- 主語と述語が対応しているか確認する
- 同じ言葉の繰り返しを減らす
書き上げた後の添削と提出前チェックリスト
志望理由書は、書き終えてからの推敲で完成度が変わります。自分では論理の飛びに気づきにくいため、第三者に読んでもらう工程を必ず入れます。
誰に、何を見てもらうか
見てもらう相手によって、気づける点が違います。複数の人に読んでもらうと、偏りが減ります。
| 相手 | 見てもらう内容 |
|---|---|
| 学校の先生 | 誤字脱字、文体の統一、設問への対応 |
| 面接経験のある指導者 | 論理の飛び、深掘りされたときの弱点 |
| 志望校の在学生 | 授業やゼミの記述が実態と合っているか |
| 家族や友人 | 読んで意味が通じるか、人物像が伝わるか |
ただし、指摘をすべて受け入れる必要はありません。自己分析で確認した自分の軸を崩さない範囲で取り入れます。他人の言葉で整えすぎると、自分の言葉で説明できなくなるためです。
提出前チェックリストとコピーの保存
提出前に次の項目を確認します。
- 設問に正面から答えているか
- 原体験から将来像までが理由でつながっているか
- 「なぜこの大学か」が授業やゼミに即して書かれているか
- 具体的なエピソードが入っているか
- 活動報告書や自己推薦書と内容が矛盾していないか
- 文体が統一され、誤字脱字がないか
- 指定字数・指定用紙・提出方法を守っているか
- 提出期限と郵送にかかる日数を確認したか
提出前に、必ず全文のコピーを手元に残します。面接は志望理由書をもとに進むため、控えがないと直前の確認ができなくなるからです。
志望理由書を面接でどう深掘りされるか
面接では、志望理由書に書いた内容が質問の出発点になります。書いた文の裏側にある理由や具体を問われると考えて準備します。
聞かれやすい質問
- なぜその分野に興味を持ったのですか
- その経験から何を学びましたか
- なぜ本学でなければならないのですか
- 書かれている授業やゼミで、具体的に何をしたいですか
- 卒業後の目標に向けて、今取り組んでいることはありますか
準備の方法
- 志望理由書の各文に「なぜ」「具体的には」「ほかには」と問いを当てる
- 答えられない箇所を書き直すか、答えを用意する
- 書いていない周辺知識(関連する本、ニュース、統計の傾向)を補う
- 声に出して説明し、書類と話す内容がずれていないか確認する
FAST-UPが整理した志望理由書の4つの型と自分に合う型の選び方
FAST-UPの指導現場では、志望理由書の組み立て方を大きく4つの型に分けて考えています。どの型でも評価されますが、自分の持っている材料と合わない型を選ぶと、途中で書けなくなる傾向があります。
課題解決型・探究継続型・職業直結型・環境志向型の特徴
| 型 | 中心になる内容 | 向いている受験生 |
|---|---|---|
| 課題解決型 | 身近な課題や社会課題を示し、解決の方向を描く | 探究活動やボランティアで課題に向き合った |
| 探究継続型 | 高校で始めた探究を大学で深める | 研究テーマがすでに絞れている |
| 職業直結型 | 目指す職業から逆算して学びを組み立てる | 進みたい進路や資格がはっきりしている |
| 環境志向型 | 大学の制度やカリキュラムを使って学びを設計する | 留学やゼミなど、使いたい環境が明確 |
型を選ぶときは、自分がいちばん長く説明できる材料から逆算します。語れる経験が課題との出会いなら課題解決型、続けてきた調べものがあるなら探究継続型が書きやすくなります。将来像が固まっていない場合に職業直結型を選ぶと、根拠の薄い職業名に引きずられやすくなります。
書き進められなくなる受験生に共通する原因
手が止まる原因は、文章力ではなく材料の不足であることがほとんどです。指導の中でよく見えるのは次の状態です。
- 大学のリサーチが浅く、「なぜこの大学か」に書くことがない
- 原体験を大きな実績の中から探そうとして、身近な経験を切り捨てている
- 将来像を先に決めようとして、経験との接続が後回しになっている
- 設問を読み込まないまま書き始め、途中で設問とずれていると気づく
- 書き直しを重ねるうちに、他人の言葉に置き換わっている
止まったときは、文章を直すのではなく材料を増やす作業に戻ります。シラバスを読み直す、関連する本を1冊読む、経験を時系列で書き出すといった作業のほうが、結果的に早く進みます。
早慶上智・GMARCHの総合型選抜で求められる志望理由書の水準
難関私大では、手順そのものは同じでも、一つひとつの精度が問われます。志願者が多く、同じ分野に関心を持つ受験生が集まるため、オープンキャンパスとアドミッション・ポリシーの確認だけでは差がつきにくいからです。
精度を上げるポイント
- シラバスや研究内容まで読み込み、学習計画を科目単位で書く
- 自分の関心を、学問上のテーマとして言語化する
- 書類と面接、小論文やプレゼンテーションで主張をそろえる
- 自分の長所を他人の視点からも確認し、思い込みを減らす
大学ごとの方式や選考の流れは大きく異なります。学部別の対策は立教大学の総合型選抜の学部別解説、慶應義塾大学については慶應義塾大学の総合型選抜の募集要項と難易度も確認しておくと、必要な準備が見えやすくなります。
一般選抜の勉強と両立させる進め方
総合型選抜だけに絞らず、一般選抜の学力対策と並行するのが現実的です。総合型選抜は合否が読みにくく、不合格だった場合に学力の準備が止まっていると立て直しに時間がかかるためです。
| 時期の目安 | 志望理由書まわり | 学力対策 |
|---|---|---|
| 出願より前の時期 | 自己分析・大学リサーチを進める | 英語と主要科目の基礎を固める |
| 出願直前期 | 骨子づくりから清書・添削に集中する | 演習量を落としつつ毎日続ける科目を決める |
| 合格発表後 | 面接・小論文の対策、または切り替え | 過去問演習へ移行する |
書類作成に使う時間をあらかじめ決めておくと、学力対策が止まりにくくなります。総合型選抜そのものの利点と注意点は、総合型選抜のメリット・デメリットで確認できます。
よくある質問
Q. 目立った実績や資格がなくても志望理由書は書けますか? A. 書けます。大学が見ているのは実績の大きさではなく、経験から何を考え、どう行動したかです。授業で興味を持ったテーマ、家族との出来事、部活動で悩んだ経験なども材料になります。
Q. 将来の夢が決まっていない場合はどう書けばよいですか? A. 無理に職業名を決める必要はありません。関心のある課題や、大学で確かめたい問いから書きます。「この課題に関わる仕事に就きたい」という方向性まで書ければ、目的意識は伝わります。
Q. 生成AIに志望理由書を書いてもらってもよいですか? A. 本文をそのまま書かせるのは避けます。自分の経験や考えではない文章になり、面接で深掘りされたときに説明できなくなるためです。募集要項に生成AIの利用に関する注意事項が示される場合もあるため、必ず確認します。使うなら、情報の整理や誤字の確認など、補助の範囲にとどめます。
Q. 併願する大学で同じ志望理由書を使い回してもよいですか? A. 原体験や将来像は共通で構いませんが、そのままの使い回しは避けます。「なぜこの大学か」は授業やゼミに即して書く部分で、大学ごとに内容が変わるからです。設問や字数も大学ごとに違います。
Q. 志望理由書の提出が不要な大学では、準備しなくてよいですか? A. 準備は必要です。提出が不要でも、面接で志望理由を聞かれることが多いためです。また、書類名が自己推薦書でも、記入項目に志望理由が含まれる場合があります。提出の要否は募集要項で確認します。
Q. 句読点は文字数に含まれますか? A. 大学の指示があればそれに従います。指示がない場合は、句読点も含めて数えておくと字数超過になりにくく安全です。原稿用紙形式では、マス目の使い方の指定も合わせて確認します。
Q. 大学ごとのテンプレートはありますか? A. 共通のテンプレートはありません。設問も様式も大学ごとに異なるため、志望校の募集要項と提出用紙を入手し、その設問に合わせて構成を組み直します。


