共通テスト英語の対策|勉強法と時間配分
共通テスト英語の対策を、リーディングとリスニングに分けて解説します。
FAST-UP
共通テスト英語の対策は、リーディングは「速く正確に情報を探す練習」、リスニングは「毎日音声に触れて1回読み上げに慣れる練習」を分けて積むのが基本です。単語と文法を固めてから、音読、速読、時間を計った演習へ進めます。
2026年10月時点の情報です。
リーディングは80分で大問8題、リスニングは解答時間30分で、前半は2回読み、後半は1回読みです。配点はリーディング100点・リスニング100点で、片方だけ伸ばしても合計は上がりません。この記事では傾向、時間配分、目標点別のやり方、参考書と問題集の選び方、よくある失敗までまとめます。
共通テスト英語の配点・試験時間・出題形式をまず確認する
共通テスト英語は、リーディングとリスニングが同じ配点の2本立てです。大学入学共通テストの英語は「外国語」の科目の1つで、全問マークシート方式です。まず試験の形を把握してから勉強の計画を立てます。形を知らないまま教材を増やすと、必要のない分野に時間を使うことになるからです。
| 項目 | リーディング | リスニング |
|---|---|---|
| 配点 | 100点 | 100点 |
| 試験時間 | 80分 | 60分(解答時間は30分) |
| 出題形式 | 全問が長文読解 | 音声を聞いて選択肢を選ぶ |
| 単独の文法・発音問題 | なし | なし |
センター試験との大きな違いは2つです。1つ目は配点比率で、センター試験はリーディング200点・リスニング50点でしたが、共通テストは1対1になりました。2つ目は出題内容で、発音・アクセント、語句整序などを単独で問う問題が出題されなくなり、読解と情報処理が中心になっています。
なお、大学によっては共通テスト英語のリーディングとリスニングの比率を独自に調整できます。志望校の配点は、大学の公式サイトで必ず確認してください。
リーディング:100点・80分・大問構成と語数の傾向
リーディングは全問が長文読解で、80分・大問8題の構成です。2025年の問題数は44問、総語数は5,612語でした。2024年度の約6,300語より減ったとはいえ、80分で読み切る量としては多い部類に入ります。
読むスピードの目安は1分あたり150語前後です。80分の半分を読む時間、残り半分を解く時間と考えると、この速度が必要になる計算です。
| 出題される文章のタイプ | 内容の例 |
|---|---|
| 案内・パンフレット | イベントの告知、施設の利用案内 |
| ブログ・Eメール | 個人の体験談、やり取りの文章 |
| 物語文 | 登場人物の行動や心情を追う文章 |
| 記事・エッセイ | 社会的なテーマの説明文、意見文 |
| 複数資料の統合 | 記事の要約、レポート作成のための情報収集 |
特徴は、図表やグラフを含む実用的な文章が多いことです。問題文の指示もすべて英語で書かれています。後半の大問ほど文章量が増えるため、前半で時間を使いすぎると最後まで解き切れません。
リスニング:100点・約30分・読み上げ1回の大問に注意
リスニングは大問6題で、第1問と第2問は2回読み、第3問以降は1回読みです。1回しか読まれない大問が配点のおよそ6割を占めるため、聞き逃しがそのまま失点になります。ここがセンター試験との最大の違いです。
読み上げの音声は、アメリカ英語だけでなくイギリス英語や英語を母語としない話者の発音も含みます。また、問題冊子には図表やイラストが印刷され、音声の内容と照らし合わせて答える設問が多く出ます。純粋な聞き取りだけでなく、読み取りと組み合わせた処理が必要です。
英語は1日目の最後の科目で、リーディング80分の後に実施されます。集中力が落ちた状態で30分間聞き続けることになるため、普段から通しで演習しておくことをおすすめします。
共通テスト英語の対策はいつから始める?学年別スケジュール
単語・文法・音読は高2のうちから、共通テスト形式の本格的な演習は高3の秋からが目安です。形式演習だけ早く始めても、語彙と構文の土台がなければ点数は安定しません。
| 時期 | 主にやること |
|---|---|
| 高1 | 教科書レベルの単語と文法、授業の音源で音読 |
| 高2 | 単語帳1冊を回す、英文解釈で1文を正確に読む、毎日英語音声を聞く |
| 高3 春(5〜6月) | 過去問を1回分だけ解き、形式と時間感覚を体感する |
| 高3 夏 | 長文演習の量を増やす、リスニングを週単位で固定する |
| 高3 秋(10月〜) | 時間を計った共通テスト形式の演習を本格化 |
| 高3 冬(12月〜1月) | 過去問・予想問題パック、解く順番とマークの運用を固定 |
高3の5〜6月に過去問を1回分解くのは、点数を出すためではありません。出題形式と時間のテンポを知り、その後の模試や学習の方向を決めるためです。夏が終わった時点で目標に届いていない場合は、遅くとも11月には共通テスト対策を本格的に始めてください。
浪人生や既卒生も同じ流れで問題ありません。ただし基礎が仕上がっている場合は、春の段階から演習の比率を上げられます。
共通テスト英語の勉強法を5つのステップで解説
勉強の順番は「単語・熟語 → 文法と構文 → 音読 → 時間を計った長文演習 → 過去問・予想問題」です。この順番を守る理由は、土台が抜けたまま演習に入ると、間違えた原因が語彙なのか構文なのか時間なのか切り分けられなくなるからです。
ステップ1:単語・熟語を共通テストのレベルまで固める
最初にやるのは語彙の固定です。共通テストで必要な語彙量は、英検2級レベル(高校卒業程度)の4,500〜5,000語程度が目安とされています。語彙が不足していると、本文の内容把握に時間がかかり、設問を解く時間が足りなくなります。
覚え方のポイントは3つです。
- 単語帳は1冊に絞り、何周もして記憶を上塗りする
- 1語につきまず1つの意味を確実に入れる
- 音声を使い、発音と意味をセットで覚える
音声を使う理由は、音と文字が結びついていないとリスニングで聞き取れないからです。単語学習の段階からリスニング対策を兼ねられます。熟語も同様で、長文でもリスニングでも頻繁に出ます。
ステップ2:文法と構文で1文を正確に読めるようにする
共通テストには文法の単独問題が出ませんが、文法の学習は必要です。英文の構造を正しく理解できることを前提に、内容把握や選択肢の判断が求められるためです。文法が曖昧だと、選択肢の細かい違いを判断できません。
やることは次の2つです。
- 標準的な文法問題集を1冊仕上げる
- 英文解釈の参考書で、主語・述語・修飾関係を取る練習をする
英文解釈とは、1文の構造を分解して正確に意味を取る学習のことです。ここを飛ばすと、長文で読み返しが増えて速度が落ちます。私大の個別試験では文法・語法問題が出る大学も多いので、1冊仕上げておけば両方に効きます。
ステップ3:音読で読む速度と音の理解を同時に上げる
音読は、読む速度と聞く力の両方を伸ばせる学習です。英文のリズムや意味の切れ目を体で覚えられるため、前から順に理解する読み方が身につきます。1日10分でも継続する形にしてください。
音読の進め方は次のとおりです。
- 構造と意味を理解した英文を用意する(未知の文章では効果が薄い)
- ゆっくり、意味を思い浮かべながら読む
- 音声を聞き、発音とリズムを確認する
- 音声と同じ速さで読めるまで繰り返す
- 1段落読んだら本文を閉じ、内容を自分の言葉で説明する
最後の「内容を説明する」工程が重要です。読み返さないと説明できない状態は、本当の意味で読めていません。説明できるまでやると、理解の精度が上がります。
あわせてスラッシュリーディングも有効です。カンマ、接続詞、前置詞、関係詞の前後で意味のかたまりに区切って読む方法で、日本語に訳し直す時間を減らせます。どこで区切るか分からないときは、文法知識の穴が見つかったサインです。
ステップ4:時間を計った長文演習で処理速度を上げる
精読ができるようになったら、量を読む段階に移ります。長文を読むのが遅い最大の原因は、読む速度そのものより返り読みが多いことです。一度で意味を取る練習を重ねると、自然に速度が上がります。
- 自分が辞書なしで読める少し易しめの文章から始める
- wpm(1分あたりに読める語数)を記録し、150wpmを目標にする
- 知らない語は前後の文脈から推測してから調べる
- 数十本読んだら1段階レベルを上げる
センター試験の過去問は、情報整理の練習にはなりませんが、精読と多読の素材としては良質です。共通テストの過去問は時間を計って本番形式で使いたいので、普段の読み込みは別素材を使うと無駄がありません。
ステップ5:過去問・予想問題で本番形式に慣れる
仕上げは本番形式の演習です。共通テストは他の入試問題と比べて形式の独自性が高いため、形式に慣れるかどうかで同じ英語力でも得点が変わります。
| 教材 | 使う目的 | 使う時期 |
|---|---|---|
| 共通テスト過去問 | 本番と同じ質で形式・時間配分を固める | 春に1回分、秋から本格的に |
| 予想問題集・実戦問題集 | 初見の問題に対応する練習、マーク形式の慣れ | 秋〜直前期 |
| 予想問題パック | 本番と同じ日程・順番で通す | 直前期 |
2025年度から大問構成が変わったため、新課程に対応した過去問の数は限られます。旧課程の共通テスト過去問は、複数の資料から情報を読み取る形式が共通しているので演習として有効です。足りない分は予想問題で補ってください。
共通テスト英語リーディングの対策と時間配分のコツ
リーディングで最も失点につながるのは、時間切れです。実力があっても、1つの長文に固執して時間を浪費すると最後まで解き切れません。解く前に自分の時間配分を決めておくことが得点の安定につながります。
80分の時間配分の目安と時間切れを防ぐ解き方
大問ごとに目安の時間を決め、超えたら切り上げます。前半を素早く処理し、文章量の多い後半に時間を残す形が基本です。
| 大問 | 目安時間 | 備考 |
|---|---|---|
| 第1問 | 4分 | 短い案内文。ここで時間を使わない |
| 第2問 | 7分 | ブログ記事などの読み取り |
| 第3問 | 6分 | 物語の読み取り |
| 第4問 | 7分 | エッセイと修正案 |
| 第5問 | 12分 | メール文など情報量が増える |
| 第6問 | 15分 | 物語と修正案。分量が多い |
| 第7問 | 15分 | 記事の読み込みと要約 |
| 第8問 | 12分 | 複数資料から情報を集める |
第1問から第4問を約25分で終え、第5問以降に約55分を残すのが理想のペースです。時間切れを防ぐには、次の3つを演習から習慣にしてください。
- 迷った問題は問題番号に印をつけて飛ばし、後で戻る
- 大問の目安時間を1分超えたら、解けていなくても次へ進む
- 解いた直後にマークする(まとめ塗りをしない)
設問を先に読んで必要な情報を探す
本文に入る前に設問を確認すると、探すべき情報が決まります。目的を持って読めるので、読み直しの回数が大きく減ります。これが分量の多いリーディングを時間内に終える基本の型です。
手順はシンプルです。
- 設問文と選択肢に目を通し、キーワードを頭に入れる
- 複数資料がある場合、どの資料を重点的に見るか決める
- 本文を読みながら、該当しそうな箇所に印をつける
- 印を頼りに選択肢と照合する
答えの手がかりは、キーワードの周辺や段落の変わり目にあることが多いです。固有名詞や数字は本文で探しやすいので、丸で囲んでおくと照合が速くなります。
本文と選択肢の言い換え(パラフレーズ)を見抜く
共通テストでは、本文の内容が設問や選択肢で別の表現に置き換えられます。これをパラフレーズと呼びます。単語の意味を知っているだけでは対応できず、文全体の意味のつながりを理解する必要があります。
練習方法は次のとおりです。
- 復習のとき、本文のどの表現が選択肢でどう言い換えられたかノートに書き出す
- 書き出したノートを「言い換えリスト」として見返す
- 英作文で「同じ意味を別の表現で書く」練習をする
解く順番も決めておきます。先に本文中の根拠になる箇所を特定し、それから選択肢と照合します。選択肢を先に見て言い換えを想像すると、思い込みで誤答を選びやすくなります。迷ったら消去法を使い、明らかに本文と食い違う選択肢から消していきます。
図表・事実と意見の問題を整理して処理する
図表やグラフを含む設問では、情報を頭の中だけで処理しないことが大切です。情報量が多いと処理しきれず、読み返しで時間を失います。問題冊子の余白を使って整理してください。
- 登場人物には印をつけ、特徴を短くメモする
- 出来事の並べ替え問題は、時系列を余白に書き出す
- 比較の問題は、簡単な表や相関図にする
事実と意見を区別する問題も出ます。見分け方は、客観的に確認できる記述か、書き手の判断や評価が入っているかです。数値や出来事の記述は事実、good、should、I think などの評価や推測を含む記述は意見に寄ります。本文に線を引くときに、事実と意見で記号を変えると処理が速くなります。
共通テスト英語リスニングの対策と勉強法
リスニングは毎日続けることが前提です。短期間で得点を上げるのが難しい一方、受験生によって練習量に差が出やすい分野なので、継続すれば差をつけやすくなります。
リスニングが聞き取れない原因を切り分ける
聞き取れない原因は人によって違います。原因を特定せずに音声を流し続けても効果は薄いので、まず切り分けてください。
| 原因 | 確認方法 | 対処 |
|---|---|---|
| 語彙・文法の不足 | スクリプトを読んでも意味が分からない | 単語・熟語と文法に戻る |
| 音と文字が結びついていない | スクリプトを読めば分かるが聞くと分からない | 音読とシャドーイング |
| 日本語に訳そうとしている | 訳している間に次の文が流れる | 状況をイメージして聞く練習 |
| スピードについていけない | 内容は分かるが追いつかない | 音読の速度を音声に合わせる |
語彙力と読解力が不足したまま音声だけ聞いても効果は限定的です。スクリプトを読んで分からない文は、聞いても分かりません。まず読んで分かる状態を作るのが近道です。
シャドーイング・ディクテーションの進め方
シャドーイングは、音声から1〜2語遅れて同じ発音・速度で復唱する練習です。音のつながりや弱く読まれる部分に慣れられます。ディクテーションは聞いた英文を書き取る練習で、どの音が聞き取れていないかを特定できます。
| 練習 | 向いている場面 | 1回の目安 |
|---|---|---|
| 音読 | 音と意味を結びつける土台作り | 短い文章を数回 |
| シャドーイング | 速度と音の変化に慣れる | 同じ素材を繰り返す |
| ディクテーション | 聞き取れない音を特定する | 短い区間に絞る |
進め方は次のとおりです。
- 共通テストやセンター試験の過去問音声を題材にする
- まず設問を解き、答え合わせをする
- スクリプトを見ながら聞き、分からなかった箇所を確認する
- スクリプトを音読し、内容を説明できる状態にする
- スクリプトを見ずにシャドーイングする
- 慣れたら1.25倍速で練習する
いろいろな音声に手を広げるより、同じ音声を完全に理解できるまで繰り返すほうが効果が出ます。内容を第三者に説明できるレベルまでやり込んでください。
選択肢と図表の先読みで1回読みに備える
1回読みの大問に備える最大の武器が先読みです。音声が流れる前に「状況と問い」を読む時間が与えられるので、その間に選択肢と図表を確認します。状況は日本語ですが、問いと選択肢は英語で書かれているため、読み切る速さが必要です。
- 選択肢に共通する語と、異なる語に印をつける
- 図表やワークシートは、何を比べる表なのかを先に把握する
- 設問が複数ある大問では、どの設問を優先して先読みするか決めておく
先読みは演習で順番を固定しておきます。本番でその場で考えると間に合わないからです。練習の段階から「この大問はここから見る」というルールを作ってください。
イギリス英語など話者の違いに慣れておく
共通テストでは、アメリカ英語以外の発音も使われます。イギリス英語や、英語を母語としない話者の発音が含まれるため、1種類の発音にしか慣れていないと戸惑います。
対策は、普段から複数の話者の音声に触れておくことです。過去問の音声には複数の話者が登場するので、まずは過去問を繰り返すだけでも効果があります。余裕があれば、英語資格・検定試験のリスニング教材など、話者の幅がある素材を加えてください。
共通テスト英語の参考書・問題集・アプリの選び方
教材は目的別に選びます。段階に合っていない教材を使うと、解いても復習ができず、学習が進みません。今の自分がどの段階にいるかを決めてから選んでください。
| 段階 | 必要な教材 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 語彙 | 単語帳・熟語帳(音声付き) | 長文で知らない語が多すぎる |
| 構文 | 文法問題集、英文解釈の参考書 | 1文の意味が取れないことがある |
| 読解 | 易しめの長文問題集 | 意味は取れるが遅い |
| 形式 | 共通テスト形式の問題集 | 読めるが時間内に終わらない |
| 実戦 | 過去問、予想問題パック | 形式には慣れた |
リーディング用の問題集を選ぶ基準
最優先は過去問です。本番と同じ質で作られているため、形式と時間感覚を身につける素材として最も信頼できます。赤本は共通テストの過去問を8回分、黒本はセンター試験分を含めて13回分収録しています。解説の詳しさで選んでください。
選ぶときの基準は3つです。
- 解説に「なぜその選択肢が誤りか」が書かれている
- 本文全体の構造や言い換えの解説がある
- 自分の現在地より少し上のレベルで、復習を回せる分量である
テクニック系・解法系の問題集は、大問ごとの解き方を整理するのに役立ちます。ただし、基礎が伴わない段階でテクニックだけ入れても点数は伸びません。共通テストは小手先の技術より英語の本質的な理解が問われるためです。基礎に不安があるなら、そちらを先に固めてください。
リスニング用の教材とアプリの使い分け
リスニング教材は、基礎用と実戦用を分けます。いきなり過去問を聞いて歯が立たない場合は、短い英文のディクテーション教材から始めてください。音声がダウンロードでき、スクリプトと和訳が付いているものを選びます。
| 使う場面 | 向いている教材 | ポイント |
|---|---|---|
| 机に向かう時間 | 過去問、リスニング問題集 | 解く→答え合わせ→スクリプト確認まで通す |
| 通学・移動時間 | 音声アプリ、既習教材の音源 | 一度解いた素材の聞き直しに使う |
| 寝る前の短時間 | 単語帳の音声 | 音と意味の結びつけを維持する |
アプリや音声プレーヤーは、通学時間を使うのに向いています。ただし、初見の音声を流し聞きするだけでは効果が出にくいので、すでに内容を理解した素材の復習に使うのが基本です。大学入試センターの公式サイトには過去問が掲載されているので、音声素材の入手先として確認してください。
目標点別の対策:6割・8割・9割・満点で変わるやるべきこと
目標点によってやるべきことは変わります。6割と9割では、足りないものが違うからです。近年の平均点はリーディング・リスニングともに60点前後で推移しているので、6割は平均前後、8割以上は上位層という位置づけになります。
| 目標 | 優先してやること | 捨て問の考え方 |
|---|---|---|
| 6割 | 単語・熟語と文法の基礎、前半の大問を確実に取る | 後半の長い大問は部分的に取れれば可 |
| 7割 | 共通テスト形式の演習、時間配分の固定 | 迷った問題は飛ばして戻る |
| 8割 | 速読と情報処理、言い換えの判別、リスニングの先読み | 取り切れない設問は1〜2問までに抑える |
| 9割 | 二次・個別試験レベルの読解力、リスニングの1回読み精度 | ほぼ捨てない前提で見直し時間を作る |
| 満点 | ケアレスミスの撲滅、見直しの手順化 | 捨て問を作らない |
7割前後なら、基礎を固めて形式に慣れることで十分に狙えます。一方、8割以上を安定させるには、共通テスト用の教材だけでは足りません。語彙力・読解スピード・情報処理力に加えて、二次試験や個別試験にも対応できる読解力が必要になるためです。難関大を目指すなら、早い段階から個別試験対策も並行してください。
英語が苦手な人がまず取り組むこと
苦手な人ほど、演習より基礎に時間を使ってください。読めない原因のほとんどは語彙と構文です。この状態で問題集を解いても、答え合わせで終わってしまいます。
立て直しの手順は次のとおりです。
- 単語帳を1冊決め、毎日の範囲を固定して回す
- 中学〜高校基礎レベルの文法を短期間でさらう
- 英文解釈の参考書で、1文の構造を取る練習をする
- 教科書や易しい長文を、音声付きで音読する
- センター試験の過去問で、読める英文の量を増やす
- 共通テスト形式の演習に移る
ステップ1〜4だけでも、読む速度と聞く力の土台はできます。時間がない場合でも、単語と音読は毎日続けてください。両方ともリーディングとリスニングの共通の土台になるからです。
共通テスト英語対策でよくある間違い
よくある間違いは「問題を解くだけで復習をしない」ことです。解きっぱなしだと、同じ形式で同じミスを繰り返します。回避策は、解いた後に必ず3つを確認することです。どの大問で時間を使いすぎたか、間違いの原因は語彙か構文か処理か、本文と選択肢がどう言い換えられていたか。この3点をノートに残せば、次の演習で修正できます。
ほかにも次のような失敗が目立ちます。
| よくある間違い | 何が起きるか | 回避策 |
|---|---|---|
| 基礎なしでテクニックに走る | 設問の該当箇所を探せず、結局時間が足りない | 単語・文法・解釈を先に固める |
| リスニングを直前まで放置する | 1回読みの大問で大きく失点する | 高2から毎日短時間でも音声に触れる |
| 単語帳が終わらないまま演習に入る | 知らない語で読みが止まり、復習量も増える | 単語帳は範囲を区切り、演習と並行して回し切る |
| 時間を計らずに演習する | 本番でペースが崩れる | 1回分通しで、時計を見ながら解く |
| マークをまとめて塗る | ずれや空欄が発生する | 1問解くごとにマークする |
「全文を読まずに設問の周辺だけ見る」解き方も、使いどころを間違えると危険です。設問の先読みは探す対象を決めるための手段で、本文を読まなくてよいという意味ではありません。文章全体の流れを問う設問では、拾い読みでは答えが出せません。
★FAST-UPが見てきた共通テスト英語で伸び悩む人の3タイプと打ち手
FAST-UPのコーチが毎日の学習を見ていて、共通テスト英語で点数が止まる受験生には、つまずき方に共通のパターンがあります。どのタイプかを見分けないまま演習量だけ増やしても、得点は動きません。
タイプ1:語彙・構文の土台が足りない
長文を解いた後に和訳させると、単語は訳せるのに文全体の意味がずれる人がいます。修飾関係が取れていないことが多く、設問の該当箇所を見つけても誤読します。打ち手は演習の中断です。単語帳と英文解釈に戻り、1文を説明できる状態を作ります。遠回りに見えますが、ここを飛ばすと演習の復習が成立しません。
タイプ2:読む速度が足りない
時間をかければ解けるのに、本番形式だと後半が白紙になる人です。多くの場合、原因は目の速さではなく返り読みです。音読を習慣にしていないケースが目立ちます。打ち手は、理解済みの英文を使った音読とシャドーイングを毎日の予定に固定することです。読める英文を声に出す量が増えると、前から理解する読み方が身につきます。
タイプ3:設問処理の手順が決まっていない
実力はあるのに、回によって得点が大きく揺れる人です。設問を先に読む回と読まない回があったり、迷った問題で止まったりと、手順が毎回違います。打ち手は手順の固定です。先読みの範囲、印のつけ方、1つの大問に使う時間の上限、飛ばす判断のタイミングを紙に書き出し、演習のたびに同じ形で解きます。
もう1つよく相談されるのが、リーディングとリスニングのどちらを優先するかです。コーチが見ている範囲では、配点が同じである以上、どちらか片方だけ伸ばしても合計は頭打ちになります。判断の材料は、現状の得点差と残り時間です。リスニングは毎日の短時間の積み上げが効きやすいので先に習慣化し、机に向かうまとまった時間はリーディングの演習に充てる、という分け方をすすめています。
模試の使い方と直前期・本番当日の進め方
模試は点数を知るための場ではなく、手順を試す場です。本番と同じ時間配分、同じ解く順番で受け、うまくいかなかった点を次に修正します。
共通テスト模試の復習で見るポイント
復習では点数より中身を見ます。確認するのは次の5点です。
- どの大問で時間を使いすぎたか
- 間違いの原因(語彙・構文・読み違い・時間切れ・マークミス)
- 本文と選択肢の言い換えのパターン
- リスニングで聞き取れなかった箇所と、その原因
- 解く順番と飛ばす判断がうまくいったか
大手予備校の共通テスト模試は、形式に沿って作られているため演習素材として使えます。返却を待たず、受けた当日のうちに自己採点と原因の分析をしてください。記憶が残っているうちのほうが、どこで迷ったかを正確に振り返れます。
リスニングの復習では、必ずスクリプトを確認します。聞き取れなかった箇所が、知らない単語だったのか、知っているのに音で分からなかったのかで、次にやることが変わるからです。
直前期にやること・当日の解く順番とマークミス対策
直前期は新しい教材を増やさず、解いた問題の復習を優先します。間違えた問題と時間がかかった問題を解き直し、同じミスを繰り返さない状態にするほうが、得点につながりやすいからです。
- 過去問・予想問題パックを時間どおりに解く
- 大問ごとの時間配分と、解く順番を最終決定する
- 毎日リスニング音声に触れる時間を確保する
- マークシートを実際に塗って練習する
マークミスの対策は、普段の演習から型にしておきます。当日いきなりできるものではありません。
| 対策 | やり方 |
|---|---|
| 即マーク | 1問解いたらその場で塗る。まとめ塗りをしない |
| 指でトレース | 問題番号に触れ、同じ指で解答欄までスライドする |
| 位置合わせ | 5問ごとに番号が合っているか確認する |
| 飛ばす印 | 保留した問題は問題番号に印をつける |
| 最終確認 | 解き終わったら1〜2分でずれがないか見る |
当日は、英語が1日目の最後の科目になります。疲れている前提で、解く順番を決めておいてください。第1問から順に解くか、得意な大問から入るかは、模試で試して自分に合うほうを選びます。見直しでは、マークのずれと、受験番号・氏名の記入漏れを先に確認してから、不安な設問に戻ります。
私大一般入試の英語対策・共通テスト利用との両立
共通テスト対策だけでは、私大の個別試験には対応しきれません。共通テストは情報処理が中心で、発音・アクセントや文法の単独問題が出ないのに対し、私大の個別試験では文法・語法問題や、より難度の高い長文が出る大学が多いためです。
両立の方針は次のとおりです。
| 時期 | 共通テスト対策 | 私大個別試験対策 |
|---|---|---|
| 〜夏 | 単語・文法・解釈の基礎(共通の土台) | 同じ基礎を共有 |
| 秋 | 形式演習を週に組み込む | 志望校の過去問を開始 |
| 冬 | 時間を計った通し演習 | 頻出形式の対策を継続 |
| 1月以降 | 本番 | 個別試験の演習に戻す |
秋以降は、曜日でテーマを分けると両方の感覚を保てます。たとえば、平日は個別試験向けの長文と文法、週末に共通テスト形式を1回分通す、という組み方です。志望校の英語の傾向は大学・学部で差があるので、早めに過去問で確認してください。
学部ごとの傾向は個別記事にまとめています。早稲田大学・慶應義塾大学の英語の難易度と参考書ルートは早慶の英語難易度・レベルはどれくらい?対策や参考書ルートも解説、明治大学の傾向は【明治大学の英語の入試傾向と対策】勉強法やおすすめの参考書も紹介、青山学院大学は青学英語の傾向と対策!何割必要かやおすすめの参考書も紹介を参照してください。GMARCH全体の難易度の比較はMARCHの英語難易度はどの程度?英語難易度ランキングも発表にまとめています。
共通テスト利用入試では、英検などの外部検定のスコアを英語の得点に換算できる大学もあります。立教大学の扱いは立教大学の共通テスト利用で英検は活用可能?何点に換算されるかも解説、必要な得点率の目安は立教大学の英語で共通テストを用いる場合は何割必要なのか?で確認できます。志望校の方式ごとに条件が違うので、出願前に募集要項を必ず読んでください。
よくある質問
Q. 共通テスト英語は独学で対策できますか。 A. 教材が充実しているため、独学でも進められます。ポイントは順番と復習です。単語・文法・解釈を固めてから形式演習に入り、解いた後に原因を分析する流れを守ってください。独学で止まりやすいのは、間違いの原因を語彙・構文・時間のどれか切り分けられないときです。その場合は学校の先生に本文と解答を見せて相談すると早く進みます。
Q. 私大の共通テスト利用で戦うには何割必要ですか。 A. 大学・学部・方式によって大きく違うため、一律の基準はありません。志望校の募集要項と、過去の合格者の得点状況を確認してください。立教大学については立教大学の英語で共通テストを用いる場合は何割必要なのか?で扱っています。一般に、共通テスト利用は募集人数が少なく、個別試験より高い得点率を求められる方式が多いので、併願先は一般方式と組み合わせて考えるのが安全です。
Q. リスニングは1日何分やればいいですか。 A. 時間より頻度を優先してください。短時間でも毎日続けるほうが、週末にまとめて聞くより効果が出やすくなります。音読やシャドーイングは1日10分でも継続する形で習慣化し、週に1回は本番形式で通して解く日を作ると、集中力の持続も確認できます。
Q. 高3の秋から共通テスト英語を始めても間に合いますか。 A. 単語と文法がある程度できているなら、形式演習に絞って進める形で対応できます。基礎が抜けている場合は、演習と並行して単語と解釈を詰める必要があり、負荷は高くなります。夏の時点で目標に届いていないなら、遅くとも11月には本格的な対策を始めてください。
Q. リーディングとリスニングはどちらを先に対策すべきですか。 A. 配点が同じなので、どちらも必要です。ただし進め方は分けられます。リスニングは毎日の短時間の積み上げが効くので先に習慣化し、まとまった学習時間はリーディングの演習に使う形が組みやすいです。現状の得点が低いほうに時間を厚く配分してください。
Q. 英検などの資格は共通テスト英語の対策になりますか。 A. リスニングの練習素材としては役立ちます。英検2級レベルの語彙は共通テストでも多用されるので、学習が重なる部分があります。ただし共通テストは図表の読み取りや情報の統合が中心で、形式は異なります。形式慣れは過去問と予想問題で別途行ってください。


