2科目受験できる大学一覧【関東・関西】
2科目受験できる大学を関東・関西の私立に分けて紹介します。
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2科目受験できる大学は私立を中心に多く、文系は英語+国語、英語+地歴公民、英語+数学が基本です。慶應義塾大学SFCやGMARCHの一部、関西大学などに2科目型があり、国公立はほぼありません。
2026年10月時点の情報です。
2科目受験とは?2教科で受けられる大学の入試方式の種類
2科目受験とは、合否判定に使う試験が原則2つの入試方式のことです。大学全体が2科目なのではなく、特定の学部・方式だけが2科目という形がほとんどです。そのため「大学名」ではなく「大学―学部―方式」まで固定して調べる必要があります。
方式の種類は大きく4つに分かれます。当日の試験内容も、準備する期間も変わります。
| 方式の種類 | 当日受ける試験 | 見落としやすい条件 |
|---|---|---|
| 大学独自の2教科型 | 英語+国語、英語+数学など | 選択できる科目の範囲、配点の差 |
| 共通テスト利用の2科目型 | 共通テストの指定2科目 | 高い得点率、同一教科内の科目指定 |
| 英語外部試験利用型 | 英語以外の1〜2科目 | 出願までに必要なスコアと期限 |
| 学力試験+小論文型 | 学力1科目+小論文 | 資料の読解量、論述の分量と時間 |
注意したいのは「高得点2科目採用」と呼ばれる形です。3科目受験して高得点の2科目で判定する方式は、勉強する科目数は減りません。科目数を減らす目的なら、受験する科目そのものが2つの方式を探します。
英語外部試験利用型(英検などのスコアを出願条件や得点に使う方式)は、当日の負担は軽くなります。ただし出願までにスコアを取る学習が必要です。当日1科目でも、実質的な準備は2科目分と考えておくと計算を間違えません。
2科目受験できる大学一覧【関東・東京の私立】
関東では早稲田大学・慶應義塾大学からGMARCH、成成明学、日東駒専まで、2科目で受けられる方式が各層に存在します。ただし数は多くありません。3科目型の方が募集人員も実施学部も多いのが基本です。
主な大学と科目の形を先に整理します。詳細は次の見出しで扱います。
| 大学 | 代表的な方式 | 主な科目の形 |
|---|---|---|
| 慶應義塾大学 | 総合政策学部・環境情報学部 | 選択した試験+小論文 |
| 青山学院大学 | 個別学部日程のB・C方式など | 英語+国語/英語+地歴公民/英語+数学 |
| 中央大学 | 学部別選抜の2教科型 | 英語+現代文 |
| 法政大学 | T日程(全学部統一) | 英語+国語または数学など |
| 成蹊大学 | 2教科型全学部統一入試(E方式) | 国語+英語/数学+英語 |
| 成城大学 | S方式(2教科型) | 英語+国語 |
| 獨協大学 | 全学科統一の2科目型 | 英語+国語・地歴公民・数学から1科目 |
早稲田大学・慶應義塾大学で2科目受験できる学部・方式
早慶で2科目型が確認できるのは、早稲田大学スポーツ科学部と慶應義塾大学の総合政策学部・環境情報学部です。いずれも一般的な3科目型とは出題の性格が違います。
早稲田大学スポーツ科学部は、共通テストで英語必須に国語または数学Ⅰ・Aを加え、大学独自の総合問題を課す形です。国語を選べば、使う教科は国語と英語に絞れます。
慶應義塾大学の総合政策学部・環境情報学部は、外国語・数学・情報などから選ぶ試験と小論文の組み合わせです。2027年度の募集人員は総合政策学部が225人、環境情報学部が225人です。小論文の配点が大きいため、知識の暗記だけでは得点になりません。資料を読んで筋道立てて書く練習が必要です。
2026年度の入試では、総合政策学部が受験者3,019人に対し最終合格者404人、環境情報学部が受験者2,434人に対し349人でした。科目数が少なくても競争は厳しい水準です。早稲田大学の学部ごとの難易度の違いは、早稲田大学の難易度と学部一覧にまとめています。
GMARCHで2科目受験できる文系学部・学科
GMARCHの中で大学独自の2教科型が目立つのは、青山学院大学・中央大学・法政大学です。明治大学・立教大学・学習院大学は、英語外部試験を使わない純粋な2科目型の文系学部が限られます。
| 大学 | 学部・学科 | 科目の組み合わせ |
|---|---|---|
| 青山学院大学 | 文学部英米文学科(B方式・C方式) | 英語+総合問題/英語+国語 |
| 青山学院大学 | 経済学部(B方式・C方式) | 英語+数学/英語+地歴公民 |
| 中央大学 | 総合政策学部・国際経営学部・国際情報学部 | 英語+現代文 |
| 法政大学 | T日程(14学部) | 英語+国語または数学など |
| 明治大学 | 国際日本学部(英語4技能試験活用方式) | 英語外部検定が条件、独自試験は国語のみ |
青山学院大学は、英語の配点が大きい方式や総合問題を課す方式があります。経済学部で数学を選べる点は、国語が苦手な受験生にとって選択肢になります。
中央大学は英語と現代文で受けられるため、古文・漢文や地歴公民を使わずに済みます。2026年度の結果では、国際経営学部の学部別一般が受験者1,028人に対し合格者235人、国際情報学部が922人に対し143人でした。
法政大学T日程は全国の複数都市で同じ日に実施され、複数学部を併願できます。ただし2026年度の国際文化学部T日程は受験者760人に対し合格者70人、現代福祉学部の臨床心理学科T日程は受験者230人に対し合格者18人でした。2科目だから倍率が低いとは言えません。
GMARCHの位置づけを確認したい場合は、MARCHと上智大学の比較も参考になります。
成成明学・日東駒専など東京のその他の2教科型
成成明学や日東駒専の層では、全学部統一型に2科目方式を置く大学が多く見られます。学部を横断して併願しやすいのが特徴です。
- 成蹊大学:経済学部・経営学部・法学部・文学部などの2教科型全学部統一入試(E方式)。英語外部検定の換算点も使えます
- 成城大学:全学部のS方式(2教科型)。文芸学部と社会イノベーション学部では英語外部検定も利用できます
- 獨協大学:全学部の全学科統一前期で、英語+1科目の形が取れます
- 明治学院大学:法学部や社会学部の一部で、英語と論述・講義理解力などを組み合わせる方式があります
- 日本大学:経済学部・商学部・危機管理学部・スポーツ科学部などのN全学統一方式で2科目型があります
- 東洋大学:すべての学部に2科目で受けられる入試があります
- 武蔵大学:全学部統一の2科目型で、英語・国語・選択科目から得意な2科目を選べます
成蹊大学E方式の2026年度は、現代経済学科13.8倍、総合経営学科10.3倍、日本文学科13.6倍、国際文化学科14.0倍、現代社会学科16.1倍でした。募集枠の小さい全学部統一型に受験生が集まるためと考えられます。
日東駒専より上の層をまとめて見たい場合は、日東駒専の上の大学一覧で全体像をつかめます。
2科目受験できる大学一覧【関西の私立】
関西では関関同立から産近甲龍まで、幅広い大学に2科目型があります。関東と比べて英語+数学の組み合わせが多いのが特徴です。
| 大学 | 方式 | 主な科目 |
|---|---|---|
| 関西大学 | 2教科型(学部により異なる) | 英語+数学、英語+国語、英数国から2科目 |
| 関西学院大学 | 関学独自方式日程 | 英語+数学(人間福祉学部は英語+国語も可) |
| 同志社大学 | 共通テスト利用入試(神学部など) | 英語+小論文など |
| 立命館大学 | 後期分割方式 | 文系は英語+国語、理系は理科+数学 |
| 京都産業大学 | スタンダード2科目型(前期・後期) | 英語+国語または数学(後期は地歴も可) |
| 近畿大学 | 一般入試前期など | 英語+国語、英語+数学、英語+理科 |
| 甲南大学 | 一般選抜中期日程 | 英語+国語 |
| 龍谷大学 | 共通テスト利用前期2科目方式 | 英語+1科目 |
関西大学は外国語学部や総合情報学部で2教科型があり、同じ日程で複数学部を併願できます。関西学院大学は英語+数学の組み合わせが中心で、文系でも数学が必要です。国語で勝負したい場合は方式が限られます。
立命館大学の後期分割方式は、文系が英語+国語、理系が理科+数学です。後期のみの実施なので、前期で結果が出なかった場合の受け皿として考えます。京都産業大学は英語必須に国語または数学を足す形で、英語資格のみなし得点制度も使えます。
このほか、摂南大学・追手門学院大学・桃山学院大学・大阪経済大学・神戸学院大学・佛教大学・関西外国語大学・京都外国語大学・同志社女子大学・京都女子大学・神戸女学院大学などにも2科目型があります。関西は選択肢が多い分、方式ごとの指定科目の確認が欠かせません。
文系の2科目受験で選べる科目の組み合わせと選び方
文系の2科目受験は、英語+国語が最も選択肢が広い組み合わせです。英語を必須にしている方式が多く、もう1科目を国語・地歴公民・数学から選ぶ形が主流です。
| 組み合わせ | 使える大学の多さ | 向いている受験生 |
|---|---|---|
| 英語+国語 | 多い | 読解が得意で、暗記科目に時間を割きたくない |
| 英語+数学 | 中程度 | 理系から文転した、数学で得点が安定している |
| 英語+地歴公民 | 少なめ | 日本史・世界史を仕上げてある |
| 英語+小論文 | 限られる | 慶應義塾大学SFCなど特定校を狙う |
選び方の基準は3つです。第1に、その組み合わせで受けられる大学が複数あるかどうか。1校しか使えない組み合わせは、併願の幅が極端に狭くなります。第2に、現時点で全国模試の偏差値が安定しているか。第3に、志望する学部の出題傾向と相性が合うか。
英語+国語を選ぶ場合、現代文のみで受けられる方式と、古文・漢文まで必要な方式があります。中央大学の2教科型は現代文のみです。範囲が狭いほど仕上げやすい一方、同じ範囲を狙う受験生が集まります。
英語+数学は、経済学部や経営学部、社会学部系で使える方式が多めです。関西学院大学のように英語+数学が中心の大学もあるため、関西を併願するなら有力な選択肢になります。
理系・薬学部で2科目受験できる大学と学部
理系の2科目受験は、英語+数学か、理科+数学の形が基本です。文系より方式の数は少なく、情報系・数学系の学科に集まる傾向があります。
| 大学 | 学部・学科 | 科目 |
|---|---|---|
| 東京理科大学 | 理学部第一部数学科(B方式)、創域理工学部数理科学科(S方式) | 数学+英語 |
| 明治大学 | 総合数理学部(学部別) | 数学+英語 |
| 青山学院大学 | 社会情報学部(B方式・C方式) | 英語+数学 |
| 法政大学 | T日程の理系学部 | 英語+数学 |
| 立命館大学 | 理工学部・情報理工学部・生命科学部(後期分割方式) | 理科(物理または化学)+数学 |
| 京都産業大学 | 理学部・情報理工学部・生命科学部(前期スタンダード2科目型) | 英語+数学 |
| 近畿大学 | 知能情報学部、フロンティアサイエンス学部 | 英語+数学、英語+理科 |
薬学部については、2科目で受けられる方式は限られます。関西では摂南大学の薬学部が理科+英語、神戸学院大学の薬学部が理科+英語、姫路獨協大学の薬学部医療薬学科が理科+英語・数学・国語のいずれかという形です。薬学部は入学後に化学と生物を多く使うため、理科を外す方式はほとんどありません。
東京理科大学はグローバル方式を使うと、英語外部試験のスコアに数学を加える形になります。英語の資格を早めに取っておくと、当日の負担を減らせます。
国公立大学は2科目だけで受験できる?共通テストとの関係
国公立大学で2科目だけで受験できるケースは、ほとんどありません。共通テストで多くの教科・科目を課すのが原則だからです。一般的な国公立の文系・理系では、共通テストで5教科以上、二次試験で複数教科が必要になります。
ただし例外があります。実技や小論文を中心に選抜する学部では、共通テストの科目指定が2教科2科目のケースがあります。
| 大学 | 学部・方式 | 2科目で受けられる条件 |
|---|---|---|
| 秋田公立美術大学 | 美術学部(前期) | 共通テストは2教科2科目以上。国語+英語の組み合わせが可能 |
| 長岡造形大学 | 造形学部(前期選択A) | 共通テストは国語・英語・数学から2科目選択 |
| 新潟県立大学 | 国際地域学部(C日程) | 共通テストは国語+英語の2教科2科目 |
| 富山大学 | 芸術文化学部(後期・芸術文化a) | 共通テストは英語必須+選択1科目 |
これらは実技試験や小論文、面接が課されるものがほとんどです。学科試験が2科目でも、実技や小論文の対策に時間がかかります。「科目数が少ない=負担が軽い」とは言えません。
国公立志望なら、科目を減らす前提ではなく、共通テスト全体でどう得点を作るかを考えるのが現実的です。
2科目受験のメリット
2科目受験の最大のメリットは、1科目あたりに使える勉強時間が増えることです。3科目を均等に割り振る場合と比べ、単純計算で1科目あたりの時間は1.5倍になります。
- 1科目の完成度を高めやすい:同じ総時間でも1科目に投じる時間が増えるため、細かい論点まで詰められます
- 苦手科目を避けられる:苦手な科目に時間を取られず、得意科目に時間を回せます
- 学習計画を立てやすい:管理する科目が減るので、週単位の予定が組みやすくなります
- 得意科目の配点比率が上がる:3科目なら1科目は約33%ですが、2科目なら50%です。得意科目の影響が大きくなります
- 試験当日の負担が軽い:試験時間が短く、集中力を保ちやすくなります
配点比率の話は具体的に考えると分かりやすくなります。英語が得意で社会が苦手な受験生の場合、英語80点・国語70点なら2科目では得点率75%です。ここに社会50点が加わると、3科目では約67%に下がります。苦手科目が全体の得点率を押し下げる構造です。
偏差値をどこまで伸ばす必要があるかを知りたい場合は、偏差値60の目安と勉強法を確認してください。
2科目受験のデメリットと出願前に知っておきたい注意点
2科目受験のデメリットは、1科目の失敗を取り返せないことです。配点比率が高いことはメリットと表裏一体で、1科目崩れると全体の得点率が大きく下がります。
- ミスの影響が大きい:3科目なら他でカバーできる失点が、2科目では直接響きます
- 高得点勝負になりやすい:他の受験生も同じ2科目に時間を集中させるため、完成度の高い層が集まります
- 志望校の選択肢が狭まる:3科目型と比べて実施学部が圧倒的に少なく、併願先を組みにくくなります
- 募集人員が少ない方式が多い:3科目型より枠が小さい方式が目立ちます
- 入学後の学習に影響することがある:使わなかった科目の知識が、進学後の学びで必要になる場合があります
出願前に必ず確認したいのは、過去問を数年分解いたときの得点の振れ幅です。点数に波があるなら、2科目型は危険度が上がります。常に安定して高得点を取れる状態でなければ、配点の集中が不利に働くからです。
2科目受験は難しい?倍率・合格最低点・募集人員から考える
2科目受験は「科目が少ない=簡単」ではありません。合格最低点が高く設定されやすく、募集人員も少ない方式が多いためです。
募集人員の差は具体的な数字に表れます。法政大学の例では、2科目で受けられるT日程の法学部法律学科が45名であるのに対し、3科目のA方式は198名です。約4倍の差があります。
倍率も低くはありません。慶應義塾大学は2026年度、総合政策学部が受験者3,019人に対し最終合格者404人、環境情報学部が受験者2,434人に対し349人でした。成蹊大学E方式では、現代社会学科が16.1倍、国際文化学科が14.0倍という結果が出ています。法政大学T日程でも、国際文化学部は受験者760人に対し合格者70人でした。
ただし、募集人員が少ないことが必ず高倍率に直結するわけではありません。中央大学の2026年度は、国際経営学部の学部別一般が受験者1,028人に対し合格者235人でした。方式ごとに結果は異なるため、志望校の前年の受験者数と合格者数を自分で確認する必要があります。
判断の目安は、得点率で考えることです。2科目に絞るなら、その2科目で高い得点率を安定して出せる状態が前提になります。中途半端に得意な程度では、同じ科目に時間を集中させてきた受験生との勝負で押し切れません。
2科目受験が向いている人・向いていない人
2科目受験が向いているのは、使う2科目が突き抜けて得意で、かつ1科目を深く掘り下げ続けられる受験生です。逆に、全科目が平均的で、どれも大きな穴がない受験生は3科目型の方が有利になります。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 使う2科目が得意で、模試でも安定している | 得点に波があり、調子に左右される |
| 苦手科目がはっきりしていて克服の見込みが薄い | 全科目が平均的で大きな穴がない |
| 受験勉強の開始が遅く、時間が足りない | 高校1〜2年生で時間に余裕がある |
| 同じ科目を黙々と続けられる | 科目を切り替えないと集中が続かない |
| 分からない点をとことん突き詰められる | 解説を読んで分かった気になりやすい |
高校1年生・2年生の段階で科目を絞るのは勧められません。時間が確保できるなら3科目型の方がリスクは小さいからです。受験できる方式が多く、1科目の失敗を他でカバーできます。
地歴公民は暗記の比重が高く、勉強した分が点数に反映されやすい科目です。時間があるなら、社会を仕上げて3科目で戦う方が全体の得点が安定しやすいという考え方もあります。
2科目受験でよくある間違い
2科目受験で起きる失敗は、科目を減らす判断そのものより、減らし方と確認不足にあります。代表的な3つを挙げます。
苦手科目を早い時期に捨ててしまう
高校1〜2年生の段階で苦手科目を切るのは避けます。この時期の「苦手」は、まだ本格的に取り組んでいないだけの場合が多いからです。
回避策:高校2年生の間は3科目を続け、模試の結果を複数回見てから判断します。判断の材料は、1回の結果ではなく複数回の推移です。実際に切るかどうかを決めるのは、過去問を解いて得点の構造が見えてからで間に合います。
方式の科目指定や配点を確認せずに出願する
同じ大学の同じ学部でも、方式が違えば科目も配点も変わります。「青山学院大学は2科目で受けられる」といった大学単位の覚え方は誤りのもとです。青山学院大学の経済学部はB方式が英語+数学ですが、A方式は3科目です。
回避策:出願前に「大学―学部―学科―方式―科目―配点」の6点をメモします。ネットの一覧記事は古い年度の情報が混ざることがあるため、必ず大学公式の入学者選抜要項で最終確認します。
2科目に絞ると他の方式を受けられないと思い込む
2科目型に出願することと、3科目型を受けないことは別です。同じ大学で複数方式に出願できる場合が多く、2科目型と3科目型を両方受ける選択肢があります。
回避策:志望校の募集要項で、方式間の併願可否を確認します。3科目型も受けられる状態を保っておけば、受験機会が増えます。科目を絞るのは学習の優先順位の話であり、出願先を狭めることとは分けて考えます。
共通テストの「地歴公民2科目」「理科2科目」とは意味が違う点に注意
共通テストで言う「地歴公民2科目」「理科2科目」は、1つの教科の中で2科目を選ぶという意味です。本記事で扱う2科目受験(教科をまたいで2つに絞る方式)とは意味がまったく違います。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 地歴公民2科目 | 地歴公民という1教科の中から2科目を選ぶ | 世界史と政治・経済 |
| 理科2科目 | 理科という1教科の中から2科目を選ぶ | 物理と化学 |
| 2教科2科目 | 異なる2教科から1科目ずつ | 国語と英語 |
| 本記事の2科目受験 | 合否判定に使う試験が原則2つ | 英語+国語 |
私立大学の共通テスト利用入試で2科目型を使う場合は、同一教科内の科目制限に注意します。「2教科2科目」と書かれていれば、国語と英語のように教科をまたぐ必要があります。「2科目」とだけ書かれている場合は、同じ教科から2科目を選べるかどうかを要項で確認します。
あわせて、共通テスト利用の2科目型は高い得点率が求められやすい点にも注意します。独自試験がない分、同じ科目を受ける母集団全体での比較になるためです。
2科目に絞る時期と、2科目型・3科目型を組み合わせた併願の考え方
科目を絞る判断は、夏までは保留にするのが基本です。夏の時点では3科目で計画を立て、年間の学習を進めます。切り替えを本気で検討するのは秋以降、過去問を解いて得点の構造が見えてからです。
| 時期 | 取る行動 |
|---|---|
| 春〜夏前 | 3科目で年間計画を立てる。2科目型の方式を候補としてリスト化しておく |
| 夏 | 3科目を進めつつ、志望校の過去問を1年分解いて現状を把握する |
| 秋 | 模試と過去問の結果を照合し、絞るかどうかを判断する |
| 11〜12月 | 絞る場合は出願校を確定させる。3科目型の出願も残すか決める |
| 直前期 | 原則として科目構成は変えない |
直前期の科目変更は限定的なケースです。他の条件がそろって初めて成り立つため、計画の一部としては考えない方が安全です。
併願の組み方は、第1志望を3科目型で受けつつ、併願校を得意な2科目型で押さえる形が現実的です。同じ科目構成の方式を横に並べると、対策が重なって効率が上がります。たとえば英語+国語で揃えるなら、中央大学の2教科型、成蹊大学E方式、成城大学S方式、法政大学T日程を同じ軸で準備できます。
一方、慶應義塾大学SFCは小論文の配点が大きいため、英語1科目型の併願先として同列に扱えません。別枠で対策時間を確保します。
★FAST-UPが見てきた、2科目受験に切り替えた受験生が伸び悩む共通点
科目を絞ったのに成績が伸びない受験生には、共通した状態があります。FAST-UPが日々の学習を見ている中で繰り返し出てくるのは、次のような場面です。
空いた時間の使い道が決まっていない。3科目分の時間が2科目に回るはずが、実際には総学習時間そのものが減っています。科目を減らすと計画に余白ができ、その余白が埋まらないまま日が過ぎます。絞った直後こそ、空いた時間を1日単位で割り振り直す必要があります。
同じ教材を繰り返すだけになる。時間が増えた分、同じ問題集を何周もする形に流れがちです。回数は増えても、できない問題が減っていない状態が起きます。何ができるようになったかを確認する仕組みがないと、時間を使った実感だけが残ります。
得意科目をさらに伸ばす方向に偏る。2科目のうち得意な方に時間が寄り、もう1科目が置き去りになります。配点が集中している以上、両方が同じ水準まで仕上がっていないと得点が安定しません。2科目型では、得意ではない側を引き上げる作業の優先度が高くなります。
過去問を解く時期が遅れる。科目を減らした安心感から、基礎固めの期間を長く取りすぎる受験生がいます。2科目型は方式ごとの出題の癖が強いため、早い段階で出題形式に触れておかないと、仕上げの時間が足りなくなります。
切り替えの判断を自分1人で下している。模試の結果が悪かった直後など、気持ちが揺れている時に決めてしまうケースが目立ちます。判断材料は複数回の推移と過去問の得点です。1回の結果だけで方針を変えると、後からまた戻すことになります。
★2科目受験できる方式を自分で確認する手順(募集人員・配点・科目指定・出題範囲)
方式の確認は、順番を決めて進めると漏れがなくなります。まとめ記事だけに頼ると、古い年度の情報をそのまま使ってしまう危険があります。入試は学部・方式の単位で毎年変わるためです。
- 大学公式サイトで最新年度の入試概要を探す。「入学者選抜要項」「入試ガイド」という名前で公開されています
- 学部・学科・方式まで絞り込む。同じ学部でも方式ごとに科目が違います
- 科目と配点を書き出す。合計点と各科目の点数を確認します。配点が偏っている方式は、対策の重心が変わります
- 科目指定の細かい条件を読む。国語なら古文・漢文の有無、数学なら出題範囲、地歴公民なら選べる科目を確認します
- 募集人員を確認する。同じ学部の他方式と比べて、どのくらいの枠かを把握します
- 前年の受験者数と合格者数を調べる。入試結果のページに掲載されています
- 英語資格の扱いを確認する。出願要件なのか、得点換算なのか、加点なのかで準備が変わります
- 過去問を1年分解く。出題形式と時間配分を体感してから、最終的に受けるかを決めます
確認した内容は、1つの表にまとめて保存しておきます。FAST-UPでは、生徒ごとにこの表を作ってから出願校を組み立てています。方式の情報が1か所に揃っていないと、出願直前に条件を見落とす事故が起きやすいためです。
よくある見落としは、英語資格の有効期限です。スコアの取得時期に条件がある場合、すでに持っている資格が使えないことがあります。出願要件の但し書きまで読みます。
よくある質問
Q. 1科目だけで受験できる大学はありますか? A. 限られますが存在します。同志社大学の文学部英文学科はA方式で英語1科目のみの受験が可能です。また、中央大学の国際経営学部・国際情報学部の英語外部試験利用方式や、法政大学の英語外部試験利用、明治大学国際日本学部の英語4技能試験活用方式は、英語の資格を出願条件として当日の試験が国語のみという形です。ただし資格取得の学習が必要なので、実質的な負担は1科目分ではありません。
Q. 2科目受験は3科目受験より簡単ですか? A. 簡単とは言えません。募集人員が3科目型より少ない方式が多く、同じ科目に時間を集中させた受験生が集まるため高得点勝負になりやすいからです。法政大学ではT日程の法学部法律学科が45名、3科目のA方式が198名という差があります。方式ごとの前年の受験者数と合格者数を確認したうえで判断してください。
Q. 英検などの英語外部試験を使うと科目を減らせますか? A. 当日の試験科目を減らせる方式があります。中央大学・法政大学・明治大学国際日本学部などで、英語資格のスコアを出願条件や得点として使い、当日は国語などの1科目という形が取れます。ただし必要な級やスコア、有効期限が方式ごとに決まっています。出願に間に合う時期に受検する計画が必要です。
Q. 科目を2つに絞るのはいつ決めればよいですか? A. 夏までは3科目で進め、秋に過去問と模試の結果を見てから判断するのが基本です。高校1〜2年生の段階で絞るのは避けます。時間が確保できる状況なら3科目型の方が受験機会が多く、1科目の失敗をカバーできるためです。直前期の変更は条件が揃った限定的なケースと考えてください。
Q. 2科目型に出願すると3科目型は受けられませんか? A. そのようなことはありません。多くの大学で同じ学部の複数方式に出願できます。2科目型と3科目型を両方受けることで受験機会が増えます。ただし方式間の併願可否は大学によって異なるため、募集要項で確認してください。
Q. 2科目受験で地歴公民は使えますか? A. 使える方式はありますが、英語+国語に比べると数は少なめです。関東では青山学院大学の経済学部C方式が英語+地歴公民です。関西では京都産業大学の後期スタンダード2科目型で地理歴史を選べます。日本史や世界史を仕上げてある場合は選択肢になりますが、併願先が限られる点は考慮してください。
Q. 2科目受験で狙える大学のレベルはどのくらいですか? A. 慶應義塾大学SFCやGMARCHの一部まで方式自体は存在します。ただし合格に必要な得点率は高く、2科目とも安定して高い水準を出せることが前提です。慶應義塾大学の学部別偏差値ランキングで、学部ごとの難易度の違いを確認しておくと志望校選びの参考になります。


