早慶の併願は危険?理由とメリット・デメリット
ブランド力が高く、全国的な知名度も非常に高い早慶。
FAST-UP
早慶の併願は不可能ではありませんが、文系は慎重な判断が必要です。慶應義塾大学は国語がなく小論文が課され、早稲田大学は国語が私立最難関とされるため、対策が分散しやすいからです。理系は学部数も多く、併願が機能しやすい組み合わせです。
2026年9月時点の情報です。
早慶の併願は本当に危険なのか
危険とされるのは、無策のまま両方に手を広げた場合です。早稲田大学と慶應義塾大学は偏差値帯が近い一方で、出題の性格が大きく異なります。そのため、対策の時間配分を決めずに受験すると、どちらにも届かない結果になりやすくなります。
実際に早慶の両方を併願している受験生は、それほど多くないという指摘もあります。私立大学だけを受験する場合、早稲田なら早稲田、慶應なら慶應と、片方に専念する動きが傾向として存在します。
早稲田大学と慶應義塾大学の出題の違い
| 項目 | 早稲田大学 | 慶應義塾大学 |
|---|---|---|
| 国語 | 出題あり。私立大学の中でも最難関とされる | 出題なし |
| 小論文 | 一般的な構成には含まれない | 出題あり |
| 英語 | かなり難しい | かなり難しい |
| 文系の主流な科目構成 | 英語・国語・地歴公民の3科目 | 小論文を含む構成 |
早慶の併願が危険だと言われる理由
理由は大きく3つあります。小論文、科目ごとの集中度、そして受験そのものの負担です。
小論文の存在
慶應義塾大学の入試には国語がなく、代わりに小論文が課されます。国語がない分だけ楽に見えますが、この小論文が実際にはもっとも厄介です。文学部では読み応えのある課題文を読んだうえで書く必要があり、他の学部でも専門性のあるテーマに取り組むことになります。独立した対策の時間が必要になるため、早慶を併願するとここがネックになります。
集中して対策を立てないと厳しい
早稲田大学の国語は私立大学の中でも最難関とされ、英語は早慶どちらも難度が高いです。つまり、一筋縄ではいかない科目が双方に存在します。併願すると、本来は集中的に取り組むべき科目が手薄になり、どちらも不合格に終わる可能性が出てきます。
受験そのものの負担
早慶はどちらも難関レベルで、偏差値帯も近い位置にあります。滑り止めの位置づけで受ける入試であっても、プレッシャーを抱えながら会場に向かう負担は小さくありません。
さらに、早慶それぞれで複数の学部を受験すれば、その分だけ負担は増えます。試験日程が重なる、連続するといった物理的な問題も出てくるため、想像以上に消耗し、共倒れに終わる可能性も想定されます。
早慶併願のメリットとデメリット
最大のメリットは同じ難易度帯を狙えること、最大のデメリットは傾向が分散することです。
メリット
- 同じ偏差値帯、同じ難易度の大学を併願できる
- 早稲田が狙える学力なら慶應も射程に入り、どちらかに引っかかれば作戦は成功となる
- 早慶の英語は英検準1級レベルの語彙力が求められるため、両方の過去問に当たることで難関私大に通用する力を身につけられる
デメリット
- 早稲田と慶應で出題傾向がはっきり異なる
- 同じ大学でも学部学科の間で傾向が変わる
- 受験校を増やすほど、取り組むべき勉強の範囲が横に広がってしまう
偏差値帯や序列の全体像を整理したい場合は、早慶上智ICUの偏差値ランキングと序列もあわせて確認しておくと、併願先の位置づけが判断しやすくなります。
早慶の併願はやってもよいのか
文系は片方に絞る判断が有力で、理系は併願が機能しやすいという整理になります。
どちらかに絞ったほうが対策は深まる
早稲田と慶應では出題傾向が異なり、同じ大学でも学部学科によって違いが見られます。そのため、どっちつかずになることを避けたい場合は、早慶のいずれかに絞り、学部学科も1つないし2つに限定する判断が有効です。1つの道に専念すれば、同じ傾向に向けて勉強時間を積み上げられます。
文系で絞るなら早稲田大学
早稲田大学の一般入試は、英語と国語、地歴公民などの3科目が主流です。この組み合わせはMARCHなど他の大学を受験する際にもそのまま使えますが、慶應義塾大学のように小論文が入ると流用が難しくなります。文系で絞り込みを図るのであれば、早稲田大学に軸を置くのがよいでしょう。
理系の併願はおすすめ
理系の場合は早慶の併願がおすすめです。理系は早慶それぞれで学部数が確保されており、偏差値的にも文系ほどではなく、競合相手も文系より多少は緩くなります。早慶それぞれの理系学部で大きな差があるわけではないため、両方を追いかけて痛い目を見る可能性は文系と比べれば小さくなります。
学部単位で入りやすさを比べたい場合は、慶應義塾大学の受かりやすい学部と早稲田大学との比較も参考になります。
よくある間違いと回避策
よくある間違いは、受験校を増やせば合格の可能性が上がると考え、早慶で4つの学部を均等に対策してしまうことです。
例えば早慶でそれぞれ2学部を受ける場合、4つに25%ずつ力を割くと、どっちつかずになり4つすべてを落とす可能性があります。そもそも4つ受けること自体がキャパシティーオーバーになることもあります。
回避策は、第一志望の学部を先に決め、志望順を明確に定めることです。そのうえで志望順に沿って対策の比重を変え、過去問を解く回数にも差をつけます。受験校の数ではなく、配分で勝負を決める考え方に切り替えます。
FAST-UPが見てきた早慶併願のつまずきどころ
指導現場で多いのは、併願の是非を決める前に過去問へ進んでしまうケースです。早稲田の国語と慶應の小論文はどちらも仕上げに時間がかかるため、どちらを主軸にするか決めないまま進むと、両方が中途半端な状態で入試期に入ります。
もう一つのつまずきは、英語の語彙と読解の土台が固まる前に学部別対策へ移ることです。早慶は学部ごとの出題差が大きいものの、英語の負荷はどの学部でも高い水準にあります。土台が揺れているうちに学部別の演習を始めると、得点が安定しません。
一方で、志望順を早い段階で言葉にできている受験生は、併願校が増えても勉強の軸がぶれにくい傾向があります。併願の設計は、科目の話より先に優先順位の話から入ると整理しやすくなります。
早慶でW合格した場合はどちらに進学すべきか
W合格(複数の大学に同時に合格すること)の場合は、まず合格した学部で決めるのがおすすめです。早慶にはそれぞれ看板学部(その大学を代表する、伝統と人気のある中心的な学部)があり、早慶の中でも憧れを持たれる学部が存在します。そこに合格していたなら、そちらを優先するとよいでしょう。
どちらも看板学部だった場合は、就職面やブランド面などで判断します。看板学部同士ではほぼ半々に分かれやすいため、最後はこれまでの実績や、実際に足を運んで印象が良かった方を選ぶようにしましょう。キャンパスの場所や所属学部を確認したい場合は、早稲田大学の全キャンパスと最寄り駅が参考になります。
早慶を併願する場合の対策のポイント
併願する場合は、英語の強化、基礎固めの期限設定、志望順の明確化の3点が軸になります。
とにかく英語を強化する
早慶で共通するのは、英語がとても難しい点です。語彙力はもちろん、自由英作文など一筋縄ではいかない出題が並びます。早慶で出題傾向が違っても、英語の難しさはほぼ同じです。英語の強化は、併願する際に最優先で進めるべき項目です。
基礎固めは1学期で終わらせる
早慶を併願すると、学部学科ごとに対策を立てる必要が出てきます。そこで基礎固めを1学期までに終わらせ、残りの期間を過去問などの対策に全力で注ぐ形が望ましいです。この基礎固めの完了がずれると、過去問などの対策が満足にできないケースもあります。併願する場合は、よりシビアにスケジュールを立ててクリアしていくことが問われます。
第一志望の学部を明確にする
志望順を決め、その順番に沿って対策の深さを変えます。狙い目になりやすい学部を知っておくと配分を決めやすくなるため、早慶上智の穴場学部ランキングも確認しておくとよいでしょう。
早慶受験者によくある併願校のパターン
併願先は私立、国立、理系で傾向が分かれます。
| 区分 | 大学 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 私立 | 上智大学 | 早慶と偏差値面で互角。早慶上智で括られる |
| 私立 | 明治大学 | MARCHの中で最も上位に位置する |
| 私立 | 青山学院大学 | 人気面で早慶を上回り、英語が難しい |
| 国立 | 横浜国立大学 | 早慶と偏差値的に近く、学部も人数も少なめ |
| 国立 | 一橋大学 | 経済などに強く、早慶の看板学部と併願されやすい |
| 国立 | 東京大学 | 早慶を押さえとして受験する層がいる |
| 理系 | 東京科学大学(旧・東京工業大学) | 理系国立の最高峰とされる |
| 理系 | 東京理科大学 | 私立理系で最も歴史が古い |
| 理系 | 芝浦工業大学 | 四工大の1つ。滑り止めとして機能する |
私立で併願されやすい大学3選
- 上智大学:早慶と偏差値面で互角を演じる大学で、早慶上智と括られることもあります。早慶に落ちて上智に受かる人もいれば、上智に落ちて早慶に受かる人もおり、調子次第で結果が変わる面もあります。併願先としては申し分ありません。
- 明治大学:MARCHの中で最も上位に位置します。上智などと括られることもあり、偏差値の上昇もポイントです。早慶との関係性も古く、ラグビーの早明戦、慶明戦は早慶戦に準じた扱いを受けます。滑り止めとして受ける人もいる有力校です。
- 青山学院大学:人気面で早慶を上回る大学です。人気ランキングで常に上位を争い、英語が難しく「英語の青山」と呼ばれるほどです。ブランド力は年々高まっており、早慶に届かなかった場合でもステップアップを目指せます。
国立で併願されやすい大学3選
- 横浜国立大学:早慶と偏差値的に近く、難易度も似た部分があります。学部が少なく人数もやや少ないため、じっくり学べます。ネームバリューも十分で、学歴フィルター(採用選考で出身大学によって扱いが変わる慣行)に引っかかりにくく、早慶と両方受かると悩む人もいます。
- 一橋大学:経済などに強い大学で、早慶の看板学部と併願する人も少なくありません。旧帝大(戦前に帝国大学として設置された国立大学群の呼び方)に準じた存在で、ブランド力は東京大学や京都大学にも匹敵します。学生の自主性を重んじる自由な校風です。
- 東京大学:東京大学志望者が早慶を併願するケースもあります。押さえとして考える人もいれば、早慶でも申し分なしと考えて受ける人もいます。東大受験はリスクが大きく、猛勉強したからといって合格が保証されるものではありません。早慶に受かっていれば、心の安定はそれなりに得られます。
理系の早慶受験者が併願しがちな大学3選
- 東京科学大学(旧・東京工業大学):理系の国立大学では最高峰に位置します。一本で勝負する人は少なく、早慶などの理系学部を併せて受ける人が大半です。私立で偏差値が高い早慶は選択肢に入ります。
- 東京理科大学:私立の理系大学で最も歴史が古い大学です。偏差値では早慶を下回るものの、就職実績では互角を演じており、手に職をつける傾向を背景に需要が高まっています。
- 芝浦工業大学:四工大(東京の私立理工系4大学をまとめた呼び方)の1つで、偏差値では早慶と差が開きます。滑り止めとして機能するほか、就職面ではMARCHの理系学部と同じような位置にあり、専門性のある大学としての信頼度もあります。
学部選びの段階で学べる分野から考えたい場合は、早稲田大学で心理学を学べる学部のように、分野別に学部を整理した記事も併願設計の材料になります。
まとめ
早慶の併願が危険になるのは、無策のまま両方に手を広げた場合です。対策を立てていれば、恐れるほどのものではありません。コツコツ勉強する、基礎固めを早めに終わらせる、志望順を決めるといった当たり前のことを徹底することが出発点になります。
よくある質問
Q. 早慶の併願は文系でも可能ですか。 A. 可能ですが、慶應義塾大学の小論文と早稲田大学の国語という、仕上げに時間がかかる科目を同時に抱えることになります。両方の対策時間を確保できない場合は、片方に絞る判断が有効です。
Q. 文系で片方に絞るなら、どちらがよいですか。 A. 早稲田大学が選びやすいです。英語・国語・地歴公民の3科目構成はMARCHなど他大学の受験にもそのまま使えるため、併願全体の効率が上がります。
Q. 理系はなぜ併願しやすいのですか。 A. 早慶それぞれで理系の学部数が確保されており、偏差値的にも文系ほどではなく、競合相手も文系より多少は緩くなります。早慶の理系学部間で大きな差があるわけではないためです。
Q. 国立大学志望でも早慶を併願すべきですか。 A. 横浜国立大学、一橋大学、東京大学の志望者が早慶を併願するケースはあります。国立の対策時間を削らずに私立の過去問演習を組み込める場合は、押さえとして機能します。
Q. 早慶の両方に合格したらどう選べばよいですか。 A. まず合格した学部で判断します。看板学部に合格していればそちらを優先し、どちらも看板学部なら就職面やブランド面、キャンパスの印象で決める形が現実的です。


