早慶上智は就職に強い?上智の就職先も公開
私立大学における最上位グループにいるのが早慶上智の3校。
FAST-UP
早慶上智はいずれも有名企業への就職率が高く、MARCHや学習院大学、国際基督教大学と比べても抜けた水準にあります。3校内では早慶が互角で、上智大学は卒業生の規模差から就職者数では下回ります。
2026年9月時点の情報です。
早慶上智は就職に強いのか
有名企業への就職率で見る限り、早慶上智の3校は私立大学の中で明確に上位です。慶應義塾大学は私立トップ、早稲田大学と上智大学もそれに続く位置にあります。
有名企業就職率で見る早慶上智
大学通信は毎年「有名企業への就職に強い大学」ランキングを発表しており、ここでは2021年度版を見ていきます。有名企業400社とは、大学通信が選んだ主要企業400社の集まりです。
2021年に大学を卒業した学生のうち、有名企業400社に就職したのは全国570大学で5万3310人。2020年の卒業生と比べると7500人程度減っており、2021年卒業組が厳しい就職環境にあったことがわかります。(参照:東洋経済オンライン)
早慶上智の内訳は次のとおりです。
| 大学 | 有名企業就職率 | 全体順位 | 卒業生数 | 大学院進学者 | 有名企業400社就職者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 慶應義塾大学 | 40.9% | 3位 | 7,938人 | 1,239人 | 2,740人 |
| 早稲田大学 | 32.9% | 10位 | 1万2281人 | 1,937人 | 3,402人 |
| 上智大学 | 29.2% | 15位 | 3,304人 | - | 864人 |
慶應義塾大学は私立大学のトップで、全体でも3位。卒業生の規模を考えれば高い水準です。早稲田大学は私大4番目で、トップ50に入る大学の中では卒業生が最も多く、有名企業400社への就職者数だけで見れば慶應義塾大学を上回ります。上智大学は私大5番目で、卒業生数は早慶の半分以下ですが、864人が有名企業400社に就職しました。
他の難関大学の有名企業就職率
全体の上位は国立大学や工業系大学が占めています。
| 大学 | 有名企業就職率 | 全体順位 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 一橋大学 | 56.7% | 1位 | 卒業生1,013人のうち528人が有名企業へ |
| 東京工業大学 | 54.0% | 2位 | 卒業生の大半が大学院へ進学 |
| 豊田工業大学 | 38.7% | 4位 | 卒業生148人、院進学55人、有名企業36人 |
東京工業大学の数値が高く出ているのは、卒業生の大半が大学院へ進学しているためです。その点、一橋大学は大学院進学者が少なく、名実ともに有名企業への就職率が高い大学といえます。(参照:東洋経済オンライン)
MARCHなどとの比較
早慶上智とMARCH、そして比較対象になりやすい大学との間には差がついています。
| 大学 | 有名企業就職率 |
|---|---|
| 明治大学 | 24.2% |
| 国際基督教大学 | 23.1% |
| 青山学院大学 | 22.1% |
| 立教大学 | 21.2% |
| 中央大学 | 19.3% |
| 学習院大学 | 18.0% |
| 法政大学 | 16.7% |
偏差値帯や序列の全体像を押さえたい場合は、早慶上智ICUの偏差値ランキングと序列も合わせて確認すると位置関係がつかみやすくなります。
結論:早慶上智は就職に強い
これらのデータを見る限り、早慶上智は就職に強いと言えます。早稲田大学は卒業生が多くても多数を有名企業に送り込み、上智大学は大学院進学者が少ないため、実就職率(就職希望者を基準にした就職割合)で見れば順位がさらに上がる余地があります。慶應義塾大学は私大トップであり、3校が就職面で強いことは明らかです。
早慶上智の主な就職先
就職先の顔ぶれは3校で大きく異なります。早稲田大学は公務員が目立ち、慶應義塾大学は金融、上智大学はIT・通信や語学力を評価する企業が並びます。
早稲田大学の主な就職先
2020年9月または2021年3月に卒業した早稲田大学の卒業生1万2281人のうち、最も多かった就職先は次のとおりです。
| 就職先 | 人数 |
|---|---|
| 富士通 | 85人 |
| NTTデータ | 81人 |
| 楽天グループ | 78人 |
| 国家公務員一般職 | 55人 |
| 国家公務員総合職 | 44人 |
| 東京都職員Ⅰ類 | 52人 |
国家公務員の割合は慶應義塾大学や上智大学より高く、政財界を含めた早稲田大学のネットワークの広さがうかがえます。キャンパスや学部の違いも志望校選びに関わるため、早稲田大学の全キャンパスと所属学部も確認しておくと進路のイメージが具体になります。
慶應義塾大学の主な就職先
慶應義塾大学は早稲田大学と傾向が変わり、金融機関が中心です。
| 就職先 | 人数 |
|---|---|
| 東京海上日動火災保険 | 8人 |
| 三菱UFJ銀行 | 76人 |
| 慶應義塾 | 74人 |
メガバンクへの就職者数が多く、国立大学を含めても就職者数で全体1位になっている企業が目立ちます。国家公務員や東京都職員を選ぶ学生もいますが、金融機関を目指す学生が早稲田大学より多い点が特徴です。
上智大学の主な就職先
上智大学の上位は次のとおりです。
| 就職先 | 人数 |
|---|---|
| 楽天グループ | 34人 |
| KDDI | 20人 |
| りそなグループ | 19人 |
卒業生数が早慶と倍以上違うため単純比較はできませんが、楽天グループには上智大学の卒業生全体の1%以上が就職しており、早慶より高い比率です。楽天グループは英語が社内の公用語となっており、語学力が問われやすいことが背景にあると考えられます。
早慶上智内での就職力ランキング
ここまでの要素を踏まえると、就職力の順位は早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学の順に整理できます。
第3位:上智大学
特定の業界で突出した存在感を示しているわけではなく、就職先の分布は分散しています。卒業生の人数自体が少ないため、大手への就職者数は物理的に少なくなり、3校の比較では下位という評価になりがちです。一方でMARCHや学習院大学、国際基督教大学と比べれば有名企業就職率は抜きん出ています。早慶との比較では劣りますが、それ以外の私大との比較では上智大学が圧倒します。
第2位:慶應義塾大学
日本経済新聞と日経HRが調査した2021年の就職力ランキングには、企業の人事担当者から見た大学イメージ調査があります。この調査で慶應義塾大学は総合18位でした。2021年2月時点でジャスダックなどを含む全上場企業を調査対象としたもので、慶應義塾大学は私大2位ながら多くの国立大学に先行され、千葉大学と同率でした。実就職率では私大1位でしたが、上場企業の人事担当者の評価では早稲田大学が上に位置しています。(参照:日経HR)
学部ごとの入りやすさも併せて考えたい場合は、慶應義塾大学の受かりやすい学部で学部間の差を確認できます。
第1位:早稲田大学
同じ就職力ランキングで、早稲田大学は私大1位、全体では9位タイにランクインしています。上位は旧帝大や東京一工などの国立大学が並び、同率9位には一橋大学がいます。卒業生が多い分、上場企業に満遍なく卒業生がおり、要職に就く人数も多くなることが強さの要因と考えられます。
早慶と上智は就職で同等の評価をされるのか
各種指標を見る限り、早慶と上智の間にはやや差があります。割合で見れば互角でも、就職者の人数では早慶と上智に差が出ます。卒業生の数が倍以上違うためです。差を人数で埋めるには上智大学の卒業生を増やす必要があり、現実的とは言えません。
ただし早慶と上智の差はわずかで、上智大学と他の私大との間にはブランド力の差が開いています。出身大学別の年収ランキングでも傾向は同じです。
| 指標 | 早慶 | 上智大学 |
|---|---|---|
| 出身大学別年収ランキング(私大内) | 1位・2位 | 4位 |
| 25歳から45歳までの想定年収アップ額 | 500万円以上 | 500万円以上 |
薬科系大学を除き、私大で500万円以上を確保しているのは早慶上智のみです。早慶と上智で比べれば差はありますが、その他と比べればほぼ同じ評価と考えるのが自然です。(参照:働きがい研究所)
よくある間違い:就職率の数字だけで大学を比べる
有名企業就職率の数字だけで比べると実態を読み違えます。大学院進学率や卒業生数の違いで数値が動くためです。東京工業大学のように院進学者が多い大学は数値が高く出やすく、豊田工業大学のように卒業生の少ない大学も割合が振れやすくなります。
回避策は3つの情報をセットで見ることです。
- 卒業生数と大学院進学者数(分母の条件)
- 就職者の実数(何人が有名企業に入ったか)
- 自分が志望する業界・企業が就職先上位に入っているか
割合と実数の両方を確認すれば、「率は高いが人数は少ない」「率は低めだが業界内の層は厚い」といった違いが見分けられます。
FAST-UPが見てきた早慶上智志望者のつまずきどころ
指導現場で多いのは、就職実績を志望校選びの入口にしながら、学部ごとの入試科目の違いを後回しにしてしまうケースです。就職の話は大学単位で語られることが多く、学部単位の対策とかみ合いにくいためです。
もう一つの傾向は、3校を横並びに見て併願を広げすぎるパターンです。早慶上智はMARCHから一段難易度が上がり、大学・学部ごとの出題の癖に合わせた対策が求められます。併願先を増やすほど1校あたりに割ける演習量が薄くなり、過去問の分析が浅いまま本番を迎えがちです。
対策としては、受ける学部を早い段階で絞り、科目構成の近い学部でまとめることが有効です。狙い目を知りたい場合は早慶上智の穴場学部ランキング、学びたい分野から逆算したい場合は早稲田大学で心理学を学べる学部のような学部単位の情報から当たると、入試対策と進路の希望を両立させやすくなります。
まとめ
早慶上智は就職に強く、同じ会社で働き続けた場合は年収1000万円に届くケースもあります。キャリアを足がかりに起業してさらに稼ぐ道もあるでしょう。3校の中で見れば早慶が互角で、甲乙つけがたい状況です。社会人になって何をしたいかも重要であり、大学の4年間でやりたいことを見つけられるのが理想です。
よくある質問
Q. 上智大学は就職で「勝ち組」と言えますか? A. 有名企業就職率ではMARCHや学習院大学、国際基督教大学を上回り、年収ランキングでも私大4位に入っています。早慶と比べると就職者数では下回りますが、私立大学全体で見れば上位の評価です。
Q. 上智大学で就職に強い学部はどこですか? A. 本記事で扱ったデータは大学単位のものため、学部別の順位は示せません。就職先上位に楽天グループやKDDIが並び、楽天グループでは英語が社内公用語であることから、語学力を活かせる進路を考える場合は学部ごとの語学カリキュラムを比較すると判断しやすくなります。
Q. 早慶と上智では、どちらが就職で有利ですか? A. 割合では大きな差はありませんが、就職者の人数では早慶が上回ります。卒業生数が倍以上違うためです。企業ごとの採用人数やOB・OGの層の厚さを重視する場合は早慶が有利になりやすく、他の私大との比較では上智大学も十分に強い位置にあります。
Q. 有名企業に就職したいなら大学院に進むべきですか? A. 一概には言えません。東京工業大学のように卒業生の大半が大学院へ進学する大学では有名企業就職率が高く出ますが、一橋大学は大学院進学者が少ない状態で全体1位です。志望する業界が大学院修了を前提としているかどうかで判断するのが現実的です。


