英文解釈のおすすめ参考書をレベル別に紹介
英文解釈のおすすめ参考書を入門・標準・発展・最難関のレベル別に紹介…
FAST-UP
英文解釈のおすすめ参考書は「今の自分が英文の構造をどこまで取れるか」で選びます。文法を終えた直後なら入門書、GMARCHなら標準書、早慶なら発展書が基本です。何冊も買うより1冊を反復するほうが伸びます。
2026年10月時点の情報です。
英文解釈とは、一文のSVOC(主語・動詞・目的語・補語)と修飾関係を特定し、意味を確定させる作業です。単語・文法と長文読解をつなぐ段階にあたります。この記事では、レベル別のおすすめ参考書、志望校別のルート、正しい使い方と完成の基準、よくある失敗までまとめます。英語全体の進め方は【高校英語の勉強法】おすすめの参考書も解説で確認してください。
英文解釈の参考書おすすめ一覧|レベル別の難易度比較表
結論として、英文解釈のおすすめ参考書は4つのレベル帯に整理できます。自分の現状に近い行から読み進めてください。全部をやる必要はありません。
| レベル | 書名 | 志望校の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 入門 | 肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編 | 共通テスト基礎 | 例題→確認問題→発展問題の3段階構成 |
| 入門 | 高校英文読解をひとつひとつわかりやすく。 | 英語が苦手な高1・高2 | 書き込み式でわかりやすさ重視 |
| 入門 | 英文読解入門 基本はここだ! | 共通テスト・日東駒専 | 例文が短く講義型 |
| 入門〜標準 | 入門英文解釈の技術70 | 共通テスト・日東駒専 | 構文図解が手厚い演習型 |
| 入門〜標準 | 入門英文問題精講 | 共通テスト・中堅私大 | 問題→解説の順で演習できる |
| 標準 | 基礎英文解釈の技術100 | GMARCH・関関同立 | 100題で構文を網羅 |
| 標準 | 関正生の英文解釈ポラリス1 | GMARCH・関関同立 | 解説がビジュアル化されて見やすい |
| 標準 | 大学受験のための英文熟考 上 | 地方国公立・GMARCH | 準動詞・関係詞・接続詞が中心 |
| 標準〜発展 | ビジュアル英文解釈 PartI・PartII | 中堅私大〜難関国公私大 | 対話形式で読み方を学ぶ |
| 発展 | 大学受験のための英文熟考 下 | 早慶・旧帝大 | 1文に見開きで解説 |
| 発展 | 関正生の英文解釈ポラリス2 | 早慶・難関国公立 | 最新入試の英文を使用 |
| 発展 | ポレポレ英文読解プロセス50 | 早慶・旧帝大 | 特殊な構文を50題で扱う |
| 最難関 | 英文読解の原則125 | 旧帝大・早慶 | 125テーマで原則を整理 |
| 最難関 | 英文読解の透視図 | 東大・京大・一橋・医学部 | 倒置・省略など難構文中心 |
| 最難関 | 英文解釈教室 | 東大・京大(余裕がある人) | テーマ別に構文を整理した古典 |
対象レベルは模試や志望校によって幅があるため、あくまで目安です。各レベル帯から1〜2冊を選び、志望校に必要なところまで進めれば十分です。
そもそも英文解釈とは?英文法・長文読解・英文和訳との違い
英文解釈は「一文を正確に読む技術」です。英文法が部品の知識、長文読解が文章全体の流れをつかむ作業で、その間をつなぐ位置にあります。
| 用語 | 扱う単位 | 目的 | 主な出題形式 |
|---|---|---|---|
| 英文解釈 | 一文 | 構造を取って意味を確定する | 下線部和訳・構造説明 |
| 長文読解 | 文章全体 | 論の流れと筆者の主張をつかむ | 内容一致・空所補充・要約 |
| 英文和訳 | 一文〜数文 | 構造を日本語で正確に再現する | 国公立二次・難関私大の記述 |
英語学習の基本的な流れは、単語・熟語 → 英文法 → 英文解釈 → 長文読解です。伸び悩む受験生の多くは文法から長文へ一気に飛んでいます。その結果、知っている単語をつなぎ合わせた「なんとなく読み」から抜け出せません。
設問で狙われる箇所は、関係詞の二重限定や挿入、省略、倒置、長い主語など、構造が複雑な一文に集中しやすい傾向があります。だからこそ一文を正確に読む練習が、長文の得点に直結します。
英文解釈の参考書の選び方4つの基準
選び方の軸は4つです。知名度やランキングだけで決めると、レベルが合わずに途中で止まります。順に確認してください。
今の学力と志望校のレベルに合っているか
最優先は難易度です。目安は「今の自分より少しだけ上」。例題を3つ読み、構造は取れないが解説を読めば納得できる状態がちょうどよい難易度です。解説を読んでも理解できないなら、1段階下げます。
逆に、志望校で必要な到達点を超えて難しい本に進むのは時間対効果が下がります。英文解釈に全受験生が無制限に時間を使えるわけではないからです。「東大・京大志望でなければ発展レベルまでで十分」という判断も戦略として成り立ちます。
SVOCの構造図解が付いているか
独学なら構造図解の有無を必ず確認します。全訳しか載っていない本だと、訳が合っていたのか、たまたま合っただけなのかを自分で判別できないからです。
構造図解が手厚いタイプとしては、『入門英文解釈の技術70』『基礎英文解釈の技術100』『肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』が挙げられます。
インプット用(講義型)かアウトプット用(演習型)か
英文解釈の参考書には、読み方のルールを学ぶインプット用と、学んだルールで演習量を積むアウトプット用があります。順番はインプットが先です。
| 種類 | 役割 | 向いている人 |
|---|---|---|
| インプット系 | 文構造の読み方・ルールを学ぶ | 英文解釈が何か説明できない人 |
| アウトプット系 | 学んだルールで初見の英文を演習する | インプットを終えた人 |
ルールを学ばないまま演習書に入ると、答えを覚えるだけの勉強になりがちです。インプット1冊とアウトプット1冊の組み合わせが基本的な構成になります。
音声や解説の詳しさが自分の勉強法に合うか
英文解釈の仕上げは、構造を意識した音読です。音声が付いていれば、正しい区切りとリズムを耳で確認でき、返り読みの癖を直しやすくなります。同じレベルで迷ったら音声付きを選ぶのが無難です。
解説の詳しさも相性で選びます。図やレイアウト重視でわかりやすさを取るか、一文ごとの説明の細かさを取るかで、進めやすさが変わります。
【入門・基礎レベル】英文解釈のおすすめ参考書
入門レベルの目的は、SVOCという考え方そのものを身につけることです。扱う英文は短く、単語も基本語が中心です。ここを飛ばすと、後で戻ることになります。
肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編
英文解釈の1冊目として扱いやすい参考書です。例文の単語が基本語中心なので、単語でつまずかずに構造へ集中できます。
33のテーマに分かれ、例題→確認問題→発展問題の3段階で進みます。文法事項を「読解のため」という視点で並べ直しているため、文法の知識を読解へ橋渡ししやすい構成です。注意点は、図解が親切なぶん「わかったつもり」になりやすいことです。発展問題は難関大の入試英文を含み、他のパートと難易度の差があります。
英文読解入門 基本はここだ!
例文が短く、文法の延長のような英文が多い講義型の1冊です。例文の難易度は入門レベルの中でも易しめで、ポイントをコンパクトにつかめます。
図解は多くないため、文章を読むのが苦でない人に向きます。これ1冊だけでは大学受験には足りないので、次の演習書につなぐ前提で使ってください。
入門英文解釈の技術70
構文図解が手厚い演習型の定番です。70題を通じて、SVOCを振りながら訳す練習を積めます。単語ごとに訳が振られ、並列関係も視覚的に確認できます。
1題が複数文のまとまりになっていることも多く、文脈を踏まえた和訳の練習になります。一方で意訳が多いという声もあるため、訳の一致だけで答え合わせをせず、解説で構造を確認する使い方が必要です。
入門英文問題精講/はじめの英文読解ドリル
『入門英文問題精講』は、まず問題を解いてから解説を読む構成です。単語の注釈が多く、解説も丁寧なので、インプットを終えた人の最初の演習書に向きます。解説ページの小見出しや問いに自分の言葉で答えられるかを確認しながら進めると、定着の精度が上がります。
『はじめの英文読解ドリル』は、SVOCがまだ不安な人向けのドリル形式です。構文や全文にSVOCが振ってあり丁寧ですが、形容詞句・形容詞節などの文法用語が多めなので、解説を読む力は必要です。英語が苦手なら『高校英文読解をひとつひとつわかりやすく。』のような書き込み式から入る手もあります。
【標準レベル】日東駒専・GMARCH志望におすすめの英文解釈参考書
標準レベルは、GMARCH・関関同立・国公立が求める英文解釈の水準です。カンマや挿入、省略、倒置が入り、一文が長くなります。入門レベルを飛ばして初手で使うと失敗しやすいゾーンです。
基礎英文解釈の技術100
100題で入試英文の構造理解を鍛える演習書です。短文和訳問題への対応力がつき、構文図解も手厚い作りになっています。
解説はやや硬めで、ある程度の下地がある人のほうが使いこなせます。『入門英文解釈の技術70』を終えてから進むと段差が小さくなります。
関正生の英文解釈ポラリス1
解説がビジュアル化されていて見やすい演習書です。名詞句・形容詞句・副詞句の整理から始まり、和訳で差がつきやすい名詞構文にも紙面を割いています。
日東駒専レベルの英文から入り、最終的にGMARCH・国公立レベルの英文を訳せる力を目指す構成です。注意点は、解説が親切なため読んで満足しやすいことです。自分で構造を取ってから解説を読む手順を崩さないようにします。
大学受験のための英文熟考 上
1文ずつ和訳していく70題の演習書です。準動詞・関係詞・接続詞という基礎分野を中心に扱います。1文に見開き2ページを使う解説で、「この訳でもよい」「この訳では不可」といった補足もあり、独学で進めやすい構成です。
量は多めなので、高2のうちから始められる人や、解釈に時間を回せる人に向きます。
ビジュアル英文解釈/基礎英文問題精講
『ビジュアル英文解釈』はPartIが共通テスト・中堅私大・地方国公立、PartIIが難関国公私大までを対象にした2冊構成です。対話形式で読み方を学び、返り読みをせずに語順どおり捉えるコツを身につけられます。
『基礎英文問題精講』は難関国公立二次・難関私大までが対象です。構文編と文脈編に詳しい解説が付き、応用問題編は最新の入試傾向を反映しています。短めの例文で重要構文を学べるので、速く英文解釈の力をつけたい人に向きます。
【発展レベル】早慶・難関国公立志望におすすめの英文解釈参考書
発展レベルは、早稲田大学・慶應義塾大学や難関国公立を目指す人の領域です。標準レベルの英文をスラスラ訳せることが前提になります。
ポレポレ英文読解プロセス50
難関大特有の特殊な構文を50題で扱う参考書です。初見で訳しにくい英文が並び、動詞だと思った語が名詞だったというように、思い込みを崩してきます。
例題数が少ないので周回しやすい一方、準備なしで取り組むとほとんど解けません。図解は多くなく文章での解説が中心のため、標準レベルを終えてから入るのが前提です。
大学受験のための英文熟考 下
『上』の続きで、私大難関から最難関レベルに対応します。各回のテーマに沿った例文、文構造と単語の解説、英文分析という流れで、なぜその構造になるのかを納得しながら進められます。
単語の解説も詳しいので、語彙を確認しながら演習できます。上下あわせると分量が多いため、取り組む時期は早めに決めておきます。
関正生の英文解釈ポラリス2
早慶・難関国公立を対象にした演習書です。扱う英文自体は発展レベルの中では極端に難しくなく、構造の説明がビジュアル化されています。
文章だけの解説が読みづらいと感じる人は、『ポレポレ英文読解プロセス50』よりこちらから入ると進めやすくなります。
【最難関レベル】東大・京大・医学部向けの英文解釈参考書とオーバーワークの見極め
最難関レベルの参考書は、必要な人だけが使います。GMARCH・関関同立志望にはオーバーワークになるため、志望校の出題と自分の到達度で判断してください。
英文読解の透視図
倒置や省略、等位接続詞、後置修飾など、多くの受験生が苦手とする発展事項を中心に扱います。東京大学・京都大学・大阪大学・早慶上智や医学部で高得点を狙う人向けです。
目安として、全国模試で安定して高い偏差値が出ている段階で取り組む本です。標準レベルが固まっていない段階で手を出すと、解説を追うだけで終わります。
英文解釈教室/英文読解の原則125
『英文解釈教室』は、テーマ別に構文を整理した古典的な名著です。ただし現在の大学入試では、ここまで難しい英文解釈が必要な場面は限られます。時間に余裕がある人や、合格後も見据えて英語力を高めたい人向けです。
『英文読解の原則125』は125テーマで原則を整理する構成で、旧帝大・早慶レベルが対象です。どちらも、過去問で構造が取れない一文が繰り返し出る場合にだけ追加する位置づけが安全です。
★同じレベルでも中身は違う|英文解釈の参考書を講義型・網羅型・演習型・難構文特化型の4タイプで整理する
FAST-UPのコーチが指導現場で感じるのは、「同じレベル帯だから、どれを選んでも同じ」という誤解が多いことです。実際には役割が違い、組み合わせ方を間違えると学習が噛み合いません。4タイプで整理します。
| タイプ | 役割 | 代表的な性格 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 講義型 | 読み方の考え方を言葉で学ぶ | 語り口調・解説中心 | 英文解釈が何かを説明できない段階 |
| 網羅型 | 構文パターンをテーマ別に整理する | テーマ数が多い・辞書的 | 知識の抜けを一気に埋めたいとき |
| 演習型 | 学んだ型で初見の英文を処理する | 問題→解説の反復 | 読める実感が出てきた段階 |
| 難構文特化型 | 誤読しやすい構造だけを集中的に扱う | 題数は少なく密度が高い | 過去問で特定の構造だけ崩れるとき |
指導の場で目立つのは、講義型を2冊続けて読み、演習型に入らないまま長文へ進むケースです。負荷がかからないまま進むため、初見の英文で手が止まります。逆に、講義型を飛ばして演習型から入ると、答え合わせが訳の照合になりがちです。
難構文特化型は、志望校の過去問で崩れる場所が特定できてから使うほうが効きます。弱点が見えていない段階で使っても、どの構造が自分の穴なのか判断できないためです。
志望校レベル別・英文解釈の参考書ルートと何冊やるべきか
基本は、インプット1冊とアウトプット1冊で各レベルを通過し、志望校に必要なところで止めることです。何冊やるべきかは志望校で変わりますが、同レベルの本を何冊も重ねる必要はありません。
| 志望校 | ルートの目安 | 止める位置 |
|---|---|---|
| 共通テストのみ | 入門の講義型 → 入門の演習型 | 入門レベルまで |
| 日東駒専 | 入門の講義型 → 入門の演習型 | 入門レベルまで |
| GMARCH・関関同立 | 入門 → 標準(ポラリス1または基礎100) | 標準レベルまで |
| 早慶・難関国公立 | 入門 → 標準 → 発展(ポレポレまたは熟考 下) | 発展レベルまで |
| 東大・京大・医学部 | 入門 → 標準 → 発展 → 最難関(透視図など) | 必要に応じて最難関 |
共通テストのみ・共通テスト8割を狙う人のルート
共通テストのリーディングは和訳問題が出ないため、分厚い解釈書を何冊も積む必要はありません。ただし制限時間に対して語数が多い試験なので、返り読みの癖があると時間が足りなくなります。
そのため、入門レベルの薄い本を1〜2冊仕上げる進め方が現実的です。『英文読解入門 基本はここだ!』と『入門英文解釈の技術70』を組み合わせる形が目安になります。この2冊分の精読力が、8割を狙う際の土台になります。
日東駒専・GMARCH志望のルート
日東駒専なら入門レベルで足ります。GMARCH・関関同立を狙うなら、入門を終えてから標準レベルへ進みます。長文で一文が崩れる原因は、カンマや挿入、省略で文が長くなったときに構造を見失うことが多いためです。
標準レベルは『関正生の英文解釈ポラリス1』か『基礎英文解釈の技術100』のどちらか1冊で構いません。図解の見やすさを重視するならポラリス1、題数で押したいなら基礎100という選び方になります。
早慶・難関国公立志望のルート
早慶や難関国公立では、発展レベルまで進めます。標準レベルの英文を初見で処理できることが条件です。発展書は1冊に絞り、繰り返すほうが効果的です。
『ポレポレ英文読解プロセス50』は題数が少なく周回しやすい一方、解説が文章中心です。図解で確認したい人は『関正生の英文解釈ポラリス2』、1文を深く詰めたい人は『大学受験のための英文熟考 下』という選び方ができます。
東大・京大・医学部志望のルート
東京大学・京都大学・一橋大学・医学部を狙う場合は、発展レベルを終えた後に最難関レベルを検討します。ただし全員に必須ではありません。時間が限られているなら、過去問演習を優先する判断もあります。
『英文読解の透視図』は、発展レベルで構造が取れるようになった後に使うと効果が出ます。順番としては、ポレポレなど発展書が先、透視図が後です。難易度の段差が大きいためです。
英文解釈の参考書はいらない?必要な人と不要な人の線引き
「英文解釈はいらない」という意見は、「志望校によっては重い解釈書までは不要」という主張が単純化されたものと考えられます。必要量は志望校と現状の学力で変わります。
| 必要な人 | 不要に近い人 |
|---|---|
| 長文を読むと意味があいまいなまま進む | 初見の英文で下線部の構造を自力で説明できる |
| 単語はわかるのに一文の意味が取れない | 和訳がほとんど減点されない |
| 文法・単語は取れるのに読解で落とす | 英文をそのまま処理できる状態にある |
| 英文解釈とは何かを説明できない | 模試の長文で安定して得点できている |
判定は簡単です。過去問や模試の長文から複雑な一文を選び、SVOCを振って和訳を書いてみてください。詰まる箇所があるなら、英文解釈をやる価値があります。
国公立大学の二次試験や難関私大では下線部和訳が定番です。和訳の採点は、どの語がどこにかかるか、省略された要素は何かという構造の理解を見ています。ここは英文解釈そのものなので、和訳が出る大学を志望するなら配点に直結する分野です。
英文解釈の参考書はいつから始める?単語・文法のどこまで終えてから手を付けるか
始める条件は、基礎的な単語力と英文法を一通り終えていることです。単語の意味や文法がわからないと、英文解釈以前に意味が取れません。
目安は次のとおりです。
- 英単語帳の基礎レベルを一通り覚えている
- 英文法の参考書を1周し、品詞と文型の区別がつく
- 関係詞・準動詞・接続詞の基本を説明できる
時期としては、受験生なら夏前から夏頃に取り組むのが一つの目安です。文法に不安が残るなら先に文法を固めます。文法の穴を抱えたまま解釈に進むと、解説の文法用語が理解できず、結局そこで止まるからです。語法に不安があるなら【英語の語法の勉強法】おすすめの参考書や頻出フレーズも解説も合わせて確認してください。
英文解釈の参考書の正しい使い方と勉強法の手順
使い方の軸は、自力で構造を取ってから解説を読むことです。順番を逆にすると、解説をなぞるだけの勉強になります。
- 英文のSVOCMを自分で書き込む
- 構文どおりに和訳を書く
- 解説と照らして構造のズレを確認する
- 知らなかった文法事項と単語を調べて覚える
- 音読で読む速度に乗せる
SVOCを振ってから自力で訳す
最初にやるのは、主語・動詞・目的語・補語・修飾語の把握です。カッコや記号を使い、どこまでが主語で、どの句がどこにかかるかを目に見える形にします。
和訳は頭の中で済ませず、必ず書きます。書くと、曖昧なまま流していた箇所が表に出るからです。訳すときは単語の意味を並べるのではなく、構造に沿った日本語にします。
解説と照らして構造のズレを修正する
答え合わせでは、訳の一致ではなく構造の一致を見ます。おおまかな意味が合っていても、構造を取り違えていれば入試では減点されやすいためです。
合っていた問題も含めて解説を読みます。見落としていた文法事項や、誤読しやすいポイントが書かれていることがあるからです。英文解釈は「わかった」と「できる」の差が大きい分野なので、自分の言葉で構造を説明できるかまで確認します。
音読と復習で読む速度に乗せる
構造が取れた英文は音読で定着させます。構造を意識しながら読むことで、返り読みの癖が減り、前から処理する感覚が育ちます。音声が付いている教材なら、区切りとリズムを耳で確認できます。
復習は、同じ英文に何度か取り組む形が基本です。白文(記号や訳が入っていない英文)が付いている教材なら、そこで構造を取り直すと確認になります。
1冊を仕上げたと言える基準|初見の英文で構造が取れるかで判断する
完成の基準は「初見の英文で構造が取れるか」です。参考書の英文を覚えたかどうかではありません。
判断の目安は次のとおりです。
- 掲載英文のSVOCを、何も見ずに振り直せる
- なぜその句が副詞句なのかを自分の言葉で説明できる
- 過去問や模試の長文から複雑な一文を抜き出し、構造を取って訳せる
- 確認テストや演習問題で、安定して正しく構造を取れる
本番の試験では「今回は関係詞がテーマです」とは示されません。参考書ではテーマが単元名で示されているため、構造が取れたように見えることがあります。テーマを隠した状態で解けるかを確かめてください。
英文解釈の参考書でよくある間違いと直し方
失敗の型は決まっています。どれも回避策があるので、当てはまるものがあれば進め方を変えてください。
和訳を暗記して進めてしまう
よくある間違いの代表が、和訳を覚えて先へ進むことです。答え合わせが「訳が似ているかどうか」の確認になると、構造を取る力は伸びません。
回避策は、答え合わせの対象を訳ではなく構造にすることです。自分が振ったSVOCと解説の図解を一つずつ照合し、違った箇所だけをもう一度訳し直します。
レベルを飛ばして難しい1冊から始める
背伸びして難しい本から始めると、解説を読んでも理解できず挫折しやすくなります。標準・発展レベルの本は、基礎の組み合わせで長くなった文を扱うため、短い文で構造が取れない段階では歯が立ちません。
回避策は、購入前に例題を3つ読むことです。解説を読んで納得できるかで判断し、できなければ1段階下げます。
何冊も買って1冊も終わらない
同レベルの本を複数買うと、どれも中途半端になります。英文解釈は何冊やるかより、1冊をどう使うかで差がつきます。
回避策は、各レベル帯で使う本をあらかじめ1冊に決め、完成の基準を満たすまで次を買わないことです。参考書選び全般は大学受験の独学におすすめの参考書を教科ごとに徹底解説も参考になります。
★FAST-UPが見てきた、英文解釈の参考書でつまずく受験生の共通点
FAST-UPのコーチが日々の学習管理で見ていると、英文解釈でつまずく受験生にはいくつかの共通点があります。
第一に、文法の穴を放置したまま解釈に進んでいることです。分詞構文や関係詞の理解が曖昧だと、解説の用語が入ってこず、図解を眺めるだけで終わります。解釈が進まない原因が、実は文法にあるケースは珍しくありません。
第二に、答え合わせが和訳の一致確認になっていることです。訳の雰囲気が合っていると丸にしてしまい、どの語がどこにかかるかを確認しないまま次へ進みます。確認の対象を構造に変えるだけで、同じ教材でも定着の質が変わります。
第三に、音読が棒読みになっていることです。意味の区切りを意識せずに読むと、構造が頭に残りません。日々の学習を管理する中では、どこで切って読むかを声に出して説明させると、理解の曖昧な箇所がすぐ見えてきます。
加えて、解釈の勉強にはまり込み、長文演習の量が足りなくなる受験生もいます。精読はできるのに、共通テストや二次の長文で時間が足りないという状態です。解釈はあくまで長文を読むための土台なので、目的が達成されたら演習へ移る判断が必要です。
国公立二次・和訳問題の対策に使う参考書と構文集の違い
英文解釈の参考書と構文集は、目的が違います。混同すると対策がずれます。
| 種類 | 目的 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 英文解釈の参考書 | 初見の一文の構造を取る力を鍛える | 長文に入る前の土台づくり |
| 構文集 | 頻出の重要構文を例文ごと覚える | 知識の抜けを埋める・英作文にも使う |
| 和訳問題集 | 答案として日本語に再現する練習 | 国公立二次・記述対策の仕上げ |
国公立二次の英文和訳対策では、まず英文解釈で構造を取れるようにし、その後に和訳の答案練習へ進みます。和訳の採点は構造の理解を見ているので、構文を暗記しただけでは対応しきれません。
和訳が難しい大学を志望する場合は、問題量の多い参考書を選び、構文どおりに訳せているかを毎回チェックします。名詞構文のように、構造は取れても自然な日本語にしにくい形を扱う教材が役立ちます。
英文解釈の参考書を終えた後は長文読解と過去問にどうつなぐか
英文解釈を終えたら、長文演習へ移ります。解釈はテーマが示された状態の練習なので、テーマが示されない実戦の文章で使えるかを確かめる必要があるからです。
つなぎ方の手順は次のとおりです。
- 志望校より易しいレベルの長文問題集から始める
- 解いた後、意味が取れなかった一文にSVOCを振り直す
- 構造を取り違えた原因を、解釈の参考書の該当テーマに戻って確認する
- 構造が取れた英文を音読し、前から読む速度を上げる
- 過去問で、時間を計って同じ流れを回す
長文の復習で「どこを直せばいいか分からない」となる場合は、解釈の段階に戻るサインです。他教科とのバランスを含めた学習計画は【大学受験のための英語勉強法】おすすめの参考書もレベルごとに解説で確認してください。
よくある質問
Q. 英文解釈の参考書はどれが一番いいですか。 A. 全員に共通する一番はありません。今の自分より少しだけ上の難易度で、構造図解が付き、解説を読めば納得できる本が最適です。英文解釈が何かを説明できない段階なら講義型、説明できるなら演習型を選びます。
Q. 『ポレポレ英文読解プロセス50』と『英文読解の透視図』はどちらを先にやるべきですか。 A. 一般にはポレポレが先です。透視図は倒置や省略などの発展事項を中心に扱い、難易度がさらに上がるためです。ポレポレの英文を初見で処理できるようになってから透視図へ進むと、解説を追うだけの状態を避けられます。
Q. 『入門英文解釈の技術70』と『英文読解入門 基本はここだ!』の違いは何ですか。 A. 役割が違います。『基本はここだ!』は読み方の考え方を学ぶ講義型で、例文が短めです。『入門英文解釈の技術70』は構文図解の付いた演習型で、題数が多く実戦に近い形で練習できます。講義型で学んでから演習型でアウトプットする組み合わせが基本です。
Q. 英文解釈の参考書は何冊やるべきですか。 A. 各レベル帯で1〜2冊が目安です。共通テストのみなら入門の1〜2冊、GMARCHなら入門と標準で2〜3冊、早慶なら発展まで加えて3〜4冊が目安になります。同レベルの本を重ねるより、1冊を初見の英文で構造が取れるまで反復するほうが得点につながります。
Q. 共通テストだけなら英文解釈はやらなくてよいですか。 A. 分厚い解釈書は不要ですが、入門レベルは役立ちます。共通テストは語数に対して時間が短く、返り読みをしていると間に合わないためです。薄い1〜2冊で一文を前から処理する練習をしておくと、読む速度が安定します。
Q. 高2から英文解釈を始めても早すぎませんか。 A. 単語と文法の基礎が固まっていれば、高2から始めても問題ありません。むしろ量の多い教材に取り組める時間があるため、標準レベルまで進めやすくなります。文法が途中なら、先に文法を終えてから入ります。


