【大学受験】英検準1級の優遇と使える大学を解説
英検準1級は大学受験で最も優遇されやすい英語資格です。
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大学受験で英検準1級が使える形は「出願資格」「試験免除」「得点換算(満点換算を含む)」「加点」「判定優遇・実績評価」の5つです。大学・学部・方式ごとに条件が違い、取得時期やスコアを外すと使えません。
2026年10月時点の情報です。
英検準1級が大学受験で有利になる5つの優遇パターン
優遇のかたちは5つに整理できます。日本英語検定協会の活用校検索でも、出願資格・得点換算・加点・試験免除・判定優遇という分類が使われています。まず志望校の方式がどれに当たるかを把握することが、英検の勉強にどれだけ時間を割くかの判断材料になります。
| 優遇パターン | 何が起きるか | 向いている受験生 |
|---|---|---|
| 出願資格型 | 基準を満たさないと出願できない | 受験できる方式を増やしたい |
| 試験免除型 | 当日の英語を受けずに他科目で判定 | 英語以外に得意科目がある |
| 得点換算型・満点換算型 | 英語の得点が換算値に置き換わる | 英語の得点を安定させたい |
| 加点型 | 英語または総点に点数が上乗せされる | スコアをさらに伸ばせる |
| 判定優遇・実績評価型 | 合否判定や書類審査の参考になる | 推薦・総合型も併用したい |
どの型になるかは受験生が選べません。各大学の学部・学科・方式ごとに決まっているためです。得点換算だと思っていたら出願要件だった、という取り違えが起きやすい部分です。
出願資格型|準1級を持っていないと出願できない方式
出願資格型は、準1級の合格や指定スコアがないと出願自体ができない方式です。スコアの高さではなく「基準を満たしているか」だけが問われます。
例として、青山学院大学文学部英米文学科のD方式は英検準1級が出願資格とされています。中央大学の学部別選抜英語外部試験利用方式や、明治大学国際日本学部の英語4技能試験活用方式でも準1級以上が条件になる方式があります。
出願資格型は推薦系の入試でも採用されます。一般選抜とは別の合格ルートを増やせる点が利点です。ただし基準に1点でも届かなければ出願できないため、余裕をもったスコアを狙う必要があります。
試験免除型|英語の試験を受けずに他科目だけで判定される
試験免除型は、当日の英語試験を受けずに済む方式です。法政大学の英語外部試験利用入試では、準1級があればほとんどの学部を国語または数学の1科目で受験できます。
注意点は、残る科目の難易度です。英語が免除される分、他科目の合格ラインは上がりやすくなります。英語以外に得点源が1つもない状態でこの型に賭けるのは危険です。
早稲田大学文化構想学部・文学部の英語4技能テスト利用方式も、基準を満たすと当日の英語がなくなります。CSE総点2200点以上かつ各技能500点以上が基準で、合否は国語と地歴の得点で決まります。スコアに応じた追加の加点はありません。
得点換算型・満点換算型|英語が満点または高得点に置き換わる
得点換算型は、英検の級やスコアが英語の得点に読み替えられる方式です。満点換算型はその中でも効果が最も大きく、英語が満点扱いになります。
明治大学の全学部統一入学試験(英語4技能3科目方式など)では、準1級合格で外国語が満点換算となります。立教大学は共通テスト利用入試と一般入試で、CSEスコア2300で85%相当の得点に換算されます。上智大学の共通テスト利用方式(3教科型・4教科型)では、CEFR B2(CSEスコア2300以上)で共通テストの外国語が180点に換算されます。
多くの大学では、換算された得点と当日の得点のどちらか高いほうが採用されます。この仕組みがあるため、英語が本番で崩れたときの下支えになります。
加点型|CSEスコアに応じて総点に上乗せされる
加点型は、級やCSEスコアに応じて点数が上乗せされる方式です。上乗せ幅は大学によって差が大きく、数点にとどまる場合もあります。
早稲田大学国際教養学部の一般選抜は20点満点の加点枠があり、準1級合格で14点、1級合格で20点、2級合格で7点が加算されます。明治大学経営学部の方式では、CSE2467以上で20点、2630以上で30点の加算があります。青山学院大学国際政治経済学部D方式は、CSEスコア2300点以上で10点加点です。
加点型は「準1級に受かったら終わり」ではありません。スコアが上がるほど加点が増える設計の大学があるためです。二次試験のスピーキングまで含めてスコアを積み上げる意味があります。
判定優遇・実績評価型|合否判定の参考として使われる
換算も加点もない大学でも、取得実績を出願書類の資格欄に書ける場合があります。合否判定で資格を参考にする大学があるため、無駄にはなりにくい扱いです。
ただし、どの程度効くかは公表されないことが多い型です。期待値は低めに見積もり、学力試験の得点で勝負する前提で準備するほうが安全です。
英検準1級が使える私立大学一覧|早慶上智・GMARCH・関関同立・日東駒専
私立大学は英検利用の方式が多く、準1級の使いどころも広がっています。英語外部試験の利用は多くの私立大学に広がり、方式の種類も細かく分かれています。
| 大学群 | 準1級の主な使われ方 |
|---|---|
| 早慶上智 | 出願資格・加点・みなし得点。大学ごとに方針が大きく違う |
| GMARCH | 得点換算、満点換算、出願資格、試験免除まで幅広い |
| 関関同立 | 満点換算型の方式があり、英語が苦手でも使いやすい |
| 日東駒専 | スコア帯で段階的に換算される方式が多い |
英検利用の専用枠は、一般の募集枠より募集人数が少ない傾向があります。倍率や合格最低点も確認したうえで、一般方式と比べてどちらが有利かを判断してください。
早慶上智|学部・方式ごとに扱いが大きく違う
早慶上智は3校で方針がはっきり分かれます。早稲田大学は使える、上智大学は全学部で使える、慶應義塾大学は限定的、という整理になります。
| 大学 | 優遇の形 | 内容 |
|---|---|---|
| 早稲田大学 文化構想・文 | 出願資格 | CSE2200点以上かつ各技能500点以上で出願。当日は国語と地歴 |
| 早稲田大学 国際教養 | 加点 | 一般選抜で準1級合格は14点、1級合格は20点、2級合格は7点 |
| 上智大学 全学部 | 加点・みなし得点 | 併用方式はCEFR B2で共通テスト外国語に20点加点、共通テスト利用方式は180点に換算 |
| 慶應義塾大学 文学部 | 得点換算 | CSE総合2500点以上で外国語の得点に換算(換算方法は非公表) |
慶應義塾大学は注意が必要です。文学部の制度に必要なCSE2500点以上は、準1級の合格ライン2304点を大きく超えています。準1級に合格しただけでは届かないため、慶應を目指す場合は当日の学力試験対策を優先する判断になります。
早稲田大学国際教養学部では、2027年度入試から共通テスト利用入試が新設されますが、英検を使う場合は1級合格が要件とされています。同じ学部でも方式で扱いが変わるため、先に方式を決めてください。
GMARCH|大学別の優遇内容と対象学部
GMARCHは準1級の恩恵が最も大きい大学群です。満点換算から試験免除まで、型がそろっています。
| 大学 | 優遇の形 | 内容の例 |
|---|---|---|
| 明治大学 | 得点換算・出願資格・加点 | 全学部統一で準1級合格は外国語を満点換算。経営学部はCSE2467以上で20点加算 |
| 青山学院大学 | 出願資格・加点 | 文学部英米文学科D方式は準1級が出願資格。国際政治経済学部D方式はCSE2300点以上で10点加点 |
| 立教大学 | 得点換算・高得点採用 | 共通テスト利用入試と一般入試でCSE2300は85%相当に換算 |
| 中央大学 | 出願資格・加点・換算 | 学部別選抜の英語外部試験利用方式で準1級が出願資格となる学部がある |
| 法政大学 | 試験免除 | 英語外部試験利用入試で準1級があれば14学部の多くを1科目で受験可能 |
| 学習院大学 | 出願基準・得点換算 | プラス型の方式で級とスコアに応じて扱いが変わる |
中央大学は英検を使える学部数が多い大学の1つです。法政大学は試験免除型が中心で、英語以外の1科目に集中できる点が特徴になります。立教大学は英語の独自試験を実施しない方式があり、共通テストの英語の得点と換算得点を比べて高いほうが使われます。
関関同立|関西の大学での準1級の使いどころ
関西の難関私大でも準1級は広く使えます。満点換算型が使える方式があり、英語が苦手でも得点を固定できる点が利点です。
関西大学の一般入試2教科型【英語外部試験利用方式】では、CSEスコア2300点以上で満点換算となります。対象は法・文・経済・政策創造・人間健康・社会安全の各学部です。文学部の共通テスト利用入試(前期)2科目型【英語外部試験重視方式】でも、CSEスコア2300点以上で満点換算の扱いがあります。外国語学部の一般入試2教科型【英語+1教科選択方式】では、CSE2300以上2539点未満で150点満点中120点に換算されます。
立命館大学の一般入試にも、準1級で英語を満点扱いにする方式があります。同志社大学も英検を利用できる方式を設けています。関西の大学を併願する場合、満点換算型が使える方式を1つ入れておくと、英語の得点が読みやすくなります。
日東駒専・産近甲龍|満点換算されやすい方式
日東駒専や産近甲龍は、準1級なら英語が満点換算される方式が多い層です。基準スコアが相対的に低く、準1級の水準を満たしやすいためです。
| 大学 | 換算の例 |
|---|---|
| 日本大学 | 統一の換算表でCSE2304/2142/1980の3段階、学部ごとに70〜150点に換算 |
| 東洋大学 | 一般はCSE2304で100点、2150で90点、1980で80点。共通テスト方式は200/180/160点 |
| 専修大学 | CSE2304以上または準1級以上で100点、2級かつCSE2150以上で90点、CSE1980以上で80点 |
| 駒澤大学 | CSE1950以上で英語75点を保証(当日が75点以上なら当日得点を採用) |
近畿大学のように、外部試験利用の制度で加点や換算を行う大学もあります。産近甲龍の多くでも準1級は有利に働きます。
英語の得点が確定すれば、残りの時間を国語や社会に回せます。社会の進め方は大学受験における社会の勉強法、国語は大学受験における国語の勉強法でまとめています。
英検準1級が使える国公立大学と理系学部での扱い
国公立大学では、共通テストの英語を満点換算する大学と、合計点に加点する大学に分かれます。個別試験の英語そのものを免除する大学は多くありません。
| 大学 | 優遇の形 | 内容 |
|---|---|---|
| 広島大学 | 得点換算 | 全学部の一般選抜で、CEFR B2(CSE2300以上)で共通テスト英語を満点扱い |
| 九州大学 共創学部 | 得点換算 | CSE2300以上で共通テスト英語を200点(満点)扱い |
| 東京藝術大学 音楽学部 | 得点換算 | 準1級合格で共通テスト英語の得点が満点扱い |
| 東京都立大学 | 得点換算 | CSEに応じて共通テスト外国語を換算。CSE2450点で満点。高いほうを採用 |
| 千葉大学 | 加点 | 一般選抜前期でCSE2300点以上なら10〜40点加点(学部・コースで異なる) |
| 秋田大学 国際資源学部 | 試験免除・換算 | 個別試験の英語を満点換算 |
| 国際教養大学 | 得点換算 | 共通テストの英語を満点換算 |
理系学部でも扱いはあります。東京都立大学はシステムデザイン学部の情報科学科・航空宇宙システム工学科などや、都市環境学部の複数学科が対象です。千葉大学は理・工・情報データ・園芸・薬・看護といった理系学部も加点の対象に含まれます。東京理科大学のA方式ではCSE1950以上が出願資格となり、加点はありません。
国公立志望で準1級の優先度が高くなるのは、共通テスト英語がみなし満点になる大学を第一志望にする場合です。英語1科目分の得点が読め、数学や理科に時間を回せるためです。理数の進め方は大学受験数学の勉強法や大学受験における理科の勉強法を参照してください。
京都大学の特色入試のように、学部独自の選抜で英語資格が条件や評価対象になる例もあります。理系の特色入試・推薦型は募集要項の公表が早い場合があるため、早めの確認が必要です。
英検準1級のレベルは大学受験でどのくらいか|2級との差とMARCHに必要かどうか
英検準1級は大学中級程度の英語力とされ、英検の中で2番目に難易度の高い級です。GMARCHの英語は2級と準1級の中間程度のレベルと評価されることが多く、準1級の実力があれば英語で不利になりにくい水準です。
合格に必要なCSEスコアと出題内容から見た難易度
準1級の合格ラインはCSEスコア2304点です。一次試験は1792点、二次試験は512点が合格基準で、試験回によって変わりません。素点ではなく、技能ごとにスコア化された力で合否が決まります。
出題内容は次のとおりです。
- リーディングは長文読解が中心で、題材が専門的
- ライティングは要約とエッセイの2題
- リスニングは約30分で、設問が印刷されないパートがある
- スピーキングは面接官との一対一で、社会的な話題を扱う
必要な語彙は約7,500〜9,000語とされます。英検2級と比べて2,500〜4,000語を新たに覚える必要があり、ここが最大の壁です。合格までの学習時間は約300〜500時間が目安とされます。1日1〜2時間なら半年から1年ほどの期間になります。
英検2級と準1級で優遇の手厚さはどれだけ変わるか
優遇の手厚さは、2級と準1級の間で段差がつけられています。2級までは加点や出願資格にとどめ、準1級ではじめて満点換算の対象にする大学があるためです。
| 級 | 優遇の目安 |
|---|---|
| 英検2級(CSE1980〜2150) | 日東駒専で80〜90点換算。東京理科大学A方式の出願資格(CSE1950以上)を満たす |
| CSE2100〜2150 | 青山学院大学総合文化政策学部A方式の出願資格(CSE2100以上)、中央大学商学部(CSE2150以上)に到達 |
| 英検準1級(CSE2304〜) | 明治大学全学部統一で満点換算。東洋大学・専修大学で100点換算。早稲田大学国際教養学部で14点加点 |
| CSE2450以上 | 立教大学で100%相当の換算。東京都立大学で共通テスト外国語が満点 |
2級しか持っていない場合でも、日東駒専や一部のGMARCHの方式は狙えます。2級の満点は2600点で、準1級の合格ライン2304点を上回ります。2級の受験でも高得点を出せば準1級相当のスコアになる計算です。ただし「準1級以上を受験した場合のスコアに限る」と指定する方式では使えません。
MARCH・早慶志望に準1級は必須か|「準1級があればノー勉で受かる」は正しいか
準1級は必須ではありません。英検を使わない一般方式で合格している受験生が多数いるためです。準1級は選べる方式を増やす手段であって、合格の条件ではありません。
「準1級があればノー勉で受かる」という言い方も、そのまま受け取らないほうが安全です。理由は3つあります。
- 優遇が効くのは英語だけで、国語・地歴・数学の得点は別に必要
- 英検利用の専用枠は募集人数が少ない傾向があり、倍率が読みにくい
- 準1級の出題形式と大学独自の問題は形式が違い、そのまま得点に直結しない部分がある
英語の仕上げ方そのものは大学受験のための英語勉強法で解説しています。準1級の対策と並行して、志望校の過去問に合わせた形式練習が必要です。
級の合格とCSEスコアの違い|不合格でもスコアが使える場合がある
大学の募集要項は「級の合格」で基準を書く方式と「CSEスコア」で基準を書く方式に分かれます。この読み分けができていないと、取った資格が使えません。
例として、明治大学の全学部統一入学試験で満点換算を受けるには準1級以上の級合格が条件で、CSEスコアだけでは代用できません。一方、中央大学総合政策学部の英語外部試験利用方式は出願資格がCSE2304以上で、受験級と合否は問われません。東洋大学も、不合格でもスコアを利用できる方式があります。
確認する順番は次のとおりです。
- 基準が「◯級合格」か「CSE◯◯以上」かを見る
- 受験級の指定(準1級以上など)があるかを見る
- 技能別の下限スコアが別に設定されていないかを見る
技能別の下限スコアが設定されている場合の対応
技能別の下限が設定されている方式では、総合スコアが足りていても1技能が基準未満なら使えません。早稲田大学文化構想学部・文学部の英語4技能テスト利用方式は、CSE総点2200点以上に加えて各技能500点以上が必要です。
対応は苦手技能の底上げです。スピーキングやライティングで落ちる受験生が多いため、ここを優先します。S-CBTは2025年4月から同一検定回内で最大3回受験できるようになり、スコアを取り直す機会が増えています。
リスニングの底上げは大学受験リスニングの勉強法が参考になります。1技能だけ低い状態は、総合点で合格していても出願で弾かれる原因になります。
英検準1級はいつまでに取るべきか|有効期限2年と学年別スケジュール
結論は、高3の夏までに取得を終える計画が安全です。多くの大学が出願時点で2年以内のスコアを有効としており、秋の受験回まで引っ張ると、結果が出る前に出願期限が来る方式があるためです。
| 学年 | 動き方 |
|---|---|
| 高1 | 2級の取得を目指す。語彙と長文の土台を作る |
| 高2前半 | 2級合格後すぐ準1級の単語に着手する |
| 高2後半〜高3春 | 準1級を複数回受験し、スコアを積み上げる |
| 高3夏 | 未取得ならここで最後の勝負。以降は過去問優先に切り替える |
高3になってから急に準1級対策を始めると、他科目の勉強時間を削ることになります。高1・高2のうちに英語を進めておくほうが、受験勉強全体が回りやすくなります。
有効期限「2年以内」の数え方と受験回の選び方
「2年以内」の起点は大学ごとに違います。入試の年度から逆算した特定の日付を基準にする大学が多く、起点日の書き方もさまざまです。
| 大学の例 | 有効とされる受験時期の書き方 |
|---|---|
| 早稲田大学 | 2024年2月1日以降に受験したもの(2026年度入試の場合) |
| 慶應義塾大学 | 2024年1月1日〜2025年12月31日に受験したもの(2026年度入試の場合) |
| 東京理科大学 | 2024年4月1日以降に受験したもの(2026年度入試の場合) |
| 中央大学 | 出願期間初日から2年以内 |
| 青山学院大学 | 方式により期限なし、または2年以内 |
上の日付は2026年度入試の例です。2027年度入試では起点がずれるため、志望校の最新の要項で必ず確認してください。要項の公表時期は大学ごとに異なり、11月に入ってから公開される大学もあります。
選ぶ受験回の考え方は次のとおりです。
- 高2の冬から高3の春にかけて、有効期限内に収まる回を複数押さえる
- 従来型とS-CBTを組み合わせて受験回数を増やす
- 併願先の中で最も起点が遅い大学に合わせて、受験回を選ぶ
高3の夏・秋から狙う場合に間に合う条件
高3の夏以降から準1級を狙うなら、条件は限られます。2級に合格済みで、語彙の追加だけが課題という状態が目安です。準1級は最低でも3〜4か月の集中的な学習が必要とされるためです。
間に合いにくいのは次の場合です。
- 2級に未合格で、語彙が大きく不足している
- 他科目の仕上がりが遅れていて、英検に時間を割けない
- 志望校の出願期限が早く、結果発表が間に合わない
秋から始める場合は、出願期限と結果発表日を先に調べてください。結果が出願に間に合わないと、準1級に合格しても使えません。間に合わないと判断したら、英検は打ち切って一般方式の過去問に切り替えるほうが得点は伸びます。
推薦・総合型選抜での英検準1級の使われ方
推薦・総合型選抜では、準1級が出願資格そのものになる方式が目立ちます。英語力を書類で証明できる資格として扱いやすいためです。
青山学院大学の自己推薦入学試験では、文学部(英米文学科・史学科・比較芸術学科)、地球社会共生学部、コミュニティ人間科学部などで英検が出願条件として使われます。日本大学の推薦入試でも英検が出願条件になる方式があります。国公立でも、東京都立大学のグローバル人材育成入試、埼玉大学や大阪大学、神戸大学の総合型・学校推薦型で英語資格の基準が設けられています。
推薦・総合型を併用する場合、取得時期の重要性が一段と上がります。出願が一般選抜より早く、夏から秋に締め切る方式が多いためです。推薦を視野に入れるなら、高3の春までに取得を終える計画にしてください。
英検準1級を取るメリットとデメリット|取りにいくべき人の条件
メリットとデメリットの両方を見てから判断します。準1級は取得コストが高く、全員に勧められる選択ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 英語の得点が安定する。受験回数が多く取り直せる。本番一発勝負のリスクを減らせる |
| メリット | 使える方式が増え、一般方式との併願で合格機会が増える場合がある |
| デメリット | 専用枠は募集人数が少ない傾向がある |
| デメリット | 換算で得点が固定され、当日9割取れる実力があっても8割で計算される場合がある |
| デメリット | 対策に時間がかかり、他科目の進度が遅れるおそれがある |
取りにいくべき人の条件は次のとおりです。
- 志望校に満点換算型または試験免除型の方式がある
- 高2のうちに2級を取得済み、またはそれに近い実力がある
- 英語以外に得点源の科目が1つ以上ある
- 推薦・総合型選抜も併用する予定がある
逆に、高3で他科目が大幅に遅れている場合は、準1級より志望校の過去問を優先する判断が現実的です。英語の自習の進め方は英語の独学での勉強法でまとめています。
英検準1級の優遇でよくある間違いと出願前の確認手順
よくある間違いは、「準1級を取れば志望校すべてで有利になる」と思い込むことです。優遇は方式単位で決まっており、同じ大学・同じ学部でも方式が違えば使えません。回避策は、志望校を決めた時点で学部・方式単位の一覧表を自分で作ることです。大学名ではなく方式名まで書き出すと、取り違えが減ります。
もう1つ多いのが、2級の受験で高スコアを取り「準1級相当だから大丈夫」と考えるケースです。「準1級以上を受験した場合のスコア」と指定する方式では無効になります。回避策は、要項の受験級の指定を先に確認し、必要なら準1級そのものを受け直すことです。
取得時期・方式指定・証明書の提出でつまずくケース
出願でつまずく原因は、おおむね次の4つに集約されます。
- 取得時期が有効期間の外だった
- 技能別の下限スコアを1技能だけ満たしていなかった
- 証明書の形式(原本・コピー・デジタル)が指定と違った
- 証明書の取り寄せに時間がかかり、提出期限に間に合わなかった
証明書の扱いは大学で異なります。確認すべき項目は次のとおりです。
- 従来型のみ有効か、S-CBTも認められるか
- 級が不合格でもCSEスコアを認めるか
- 原本かコピーか
- 郵送かウェブからのアップロードか
- 本人が送るか、試験実施団体からの電子送信か
デジタル証明書への対応も大学ごとに違います。出願直前に調べ始めると取り寄せが間に合わないため、出願の1か月以上前に確認してください。
★FAST-UPが見てきた、英検準1級を取った受験生のつまずき方
指導現場では、準1級を持っているのに一般選抜で伸び悩む受験生を一定数見てきました。多いのは、英検の得点力と入試の得点力を同じものだと考えている状態です。
もう1つの傾向は、準1級の取得が目的化してしまうことです。志望校のどの方式で使えるかを調べないまま対策を続け、取得後に「自分の志望学部では使えない」と気づくケースがあります。FAST-UPのコーチは、英検の学習を始める前に方式の確認から入るようにしています。
★優遇の効き方で志望校を4タイプに分けて併願を組む
併願を組むときは、大学名ではなく優遇のタイプで分けると設計がしやすくなります。タイプごとに必要な準備が違うためです。
| タイプ | 特徴 | 併願での役割 |
|---|---|---|
| 英語免除型 | 当日の英語がない。他科目の合格ラインが上がる | 他科目の得意が確立している場合に組み込む |
| 満点換算型 | 英語の得点が確定する | 英語の波を消す土台として入れる |
| 加点型 | スコアが伸びるほど効く | スコアを伸ばし続けられるときに有効 |
| 出願資格型 | 基準を満たせば受験機会が増える | 合格ルートを1本増やす目的で使う |
4タイプのうち2つ以上を併願に混ぜると、英検が効かない場合の損失を抑えられます。1つの型だけに寄せると、そこが不発だったときに立て直せません。
★準1級の実力が入試本番の得点に変わりにくい理由
準1級を持っていても、大学独自の問題で得点が伸びないことがあります。問われ方が違うためです。
現場でよく見るのは、和訳や内容説明の記述でつまずくパターンです。英検は選択式の比重が大きく、日本語で正確に説明する練習量が不足しがちです。もう1つは、文法・語法の細かい設問です。準1級の学習は読解と語彙が中心になりやすく、設問形式への慣れが追いつきません。
加えて、英検対策に時間を取られた分だけ他科目が遅れている受験生もいます。英語が仕上がっていても、国語や社会で届かなければ合格しません。準1級を取ったあとは、志望校の過去問に軸足を移す切り替えが必要です。切り替え方の具体は大学受験のための英語勉強法で扱っています。
英検準1級合格に向けた対策の進め方と単語帳の使い方
対策の順番は、語彙を先に厚くしてから、技能別の演習に入る流れが効率的です。準1級は約7,500〜9,000語の語彙が求められ、ここが足りないと長文もリスニングも崩れるためです。
進め方の目安は次のとおりです。
- 準1級レベルの単語帳を1冊決め、毎日同じ範囲を回す
- 語彙が一定量入ったら、長文を時間を計って解く
- ライティングは型(導入・本文・結論)を固め、添削を受ける
- リスニングはシャドーイングとディクテーションを組み合わせる
- スピーキングは本番形式で声に出す練習をする
- 過去問で時間配分を確認する
単語帳の使い方で差がつくのは回転数です。1周に時間をかけるより、短い周期で何度も触れるほうが定着します。日本語訳だけでなく例文も目を通すと、ライティングやスピーキングで使える表現が増えます。
教材の選び方や具体的な進め方は高校生が英検準1級に合格するための勉強法でまとめています。参考書の全体像は大学受験の独学におすすめの参考書も参考になります。
よくある質問
Q. 大学受験で英検は何級から使えますか。 A. 2級(CSE1980点以上)から使える大学が多く、GMARCH以上の難関大学では準1級やCSE2300点台以上が目安になります。ただし大学・学部・方式ごとに基準が違うため、志望校の募集要項の確認が必要です。
Q. 英検に不合格でもCSEスコアは大学受験に使えますか。 A. 使える方式があります。中央大学総合政策学部の英語外部試験利用方式のように、出願資格をCSE2304以上とし受験級と合否を問わない例があります。一方、明治大学の全学部統一入学試験の満点換算のように級の合格を条件とする方式では使えません。
Q. S-CBTと従来型はどちらを受けるべきですか。 A. 大学が従来型のみを指定していないかを先に確認してください。指定がなければ、受験機会を増やせるS-CBTを組み合わせる使い方が現実的です。スコアは同一試験日のものを使うルールが一般的で、別の回の技能スコアを組み合わせることはできません。
Q. 英検準1級EXのような上位スコア表記は入試で使えますか。 A. 大学が見るのは級の合格状況とCSEスコアです。要項に書かれた基準を満たしているかで判断されるため、表記の名称ではなく、提出するスコアが基準に届いているかを確認してください。
Q. 共通テストでも英検は使えますか。 A. 共通テストそのものに英検のスコアを提出する仕組みはありませんが、大学側が共通テストの英語の得点を英検スコアで換算する方式はあります。広島大学や九州大学共創学部、東京都立大学などが該当します。
Q. 準1級を取れば英語の勉強はやめてよいですか。 A. やめないほうが安全です。志望校のすべての方式で使えるとは限らず、一般方式では当日の英語が必要になります。加点型の方式ではスコアを伸ばすほど有利になる設計もあります。


