【物理の勉強法】分野ごとの勉強のコツやおすすめ参考書をレベル別に紹介
文系にとっては苦戦しやすく、理系にとっては履修する人がとても多い物…
文系にとっては苦戦しやすく、理系にとっては履修する人がとても多い物理。共通テストで理科2科目を受ける人にとって、物理を最初に選ぶ人は少なくありません。そんな物理ですが、高校で学ぶことはたくさんあります。
今回は高校物理の特徴や正しい勉強法、物理に関するおすすめの参考書を偏差値別にまとめました。
高校物理の概要
高校物理では、主に5つの分野を学びます。その内容や特徴などを詳しくご紹介していきます。
高校物理で学ぶ内容
力学
運動エネルギーや位置エネルギー、運動量、引力など力に関することを全般に扱うのが力学です。その範囲は広く、計算問題も数多く出題されます。圧力や運動量保存の原則など覚えるべきものが多く、ベクトルなど数学的な要素も多分に含まれるため、苦手な人が多い分野でもあります。
波動
光の屈折や音波など波に関するものを扱うのが波動です。波の基本原理から、振動、光の反射などを取り扱います。覚えることが多い一方、基本原則をしっかりと学習し、メカニズムをズバリと指摘できるかどうかがポイントになります。
熱力学
熱量や気体などを扱うのが熱力学です。5分野の中では範囲は狭めですが、覚えるべきことはしっかりとあり、油断できない分野となっています。気体に関するメカニズムを始め、計算問題までビシッと解けるかどうかが問われます。
電磁気
電流や電場、電気回路など、電気関係を扱うのが電磁気です。中学で学んだフレミングの法則を始め、オームの法則や電力と電力量など、力学と同様、覚えるべきことと計算問題がとても多い分野です。
原子
電子や粒子性と波動性などを扱うのが原子です。原子の構造など、こちらも覚えることは一定数存在し、電子のメカニズムも理解していく必要があります。ただ範囲は狭いため、暗記で覚えるべきものを覚えておけば、そこまでの負担にはなりにくい分野かもしれません。
高校物理の特徴
暗記だけで高得点は狙えない
地歴公民のように、歴史的な事柄などを必死で暗記すれば高得点が狙えるわけではないのが高校物理です。覚える公式は膨大にある一方で、正しくそれを使えるかどうかを見られています。しかも、「この時使うべき公式はなんでしょう?」なんて問題は出ず、どんな公式を使うべきかを指定せず、具体的な数値を問う問題を出しており、暗記だけでどうにもならないことは明らかです。暗記だけではダメという認識を強く持つべきです。
数学的な思考力が問われる
理科系科目の中で物理が一番数学的な知識を問う科目です。ベクトルを始め、高校数学で学んだことを多分に用いることが多く、なぜこの答えに行きついたのかを論理的に示す必要があります。この数学的思考力がないと物理で高得点を狙うのは大変です。ゆえに文系が物理を苦手とし、理系が物理を比較的得意とするのは、数学的な能力を持ち合わせているかどうかと大いに関係がありそうです。
基本を忠実に学べば問題ない
物理を苦手とする人、これから物理を学ぶ人にとって、物理の問題はとっつきにくく感じるでしょう。しかし、教科書に一切出ていないことが出てくることはまずありません。教科書に書かれていることが問われるだけです。つまり、基本を忠実に学べば何ら問題はないのです。苦手分野をそのまま放置する人もいるでしょうが、その苦手分野が色々な問題に波及していれば当然苦戦します。苦手分野に根気強く向き合って、苦手を1つでもなくすことは物理の成績アップを狙う上で必要なことなのです。
【高校化学の勉強法】分野ごとの勉強のコツや入試対策・参考書について解説
高校物理での間違った勉強法とは?
高校物理を学ぶ際に間違った勉強法で立ち向かう人もいるようです。どんな間違った勉強法があるのか、解説します。
公式を丸暗記する
5分野で覚えるべき公式は非常に多く、力学の暗記だけでキャパシティオーバーになるのではないかと思えるほど、膨大にあります。これをすべて覚えるのは大変であり、当然パンクします。しかも、覚えたのはいいものの、適切に公式を活用することが難しいケースも。これは公式を単に暗記しているだけで、パターン別に公式を活用するために覚えることができていないからです。なぜこの公式になるのか、その成り立ちを知らないと苦戦します。
基本を理解しないで先に進める
大問の最初の問題で躓き、そこから次の小問、さらに次の小問と連続で外し続けて痛い目を見るケースもあります。最初の小問は基本的な問題を問うことが多く、そこで躓けば他の問題も躓きます。基礎がしっかりしなければ応用はできません。逆に基礎がしっかりとしていれば本来応用はできるようになっています。本当に基礎、メカニズムを理解しているのか、人に説明できるレベルまで習得しているのかを肝に銘じ、勉強を行っていくべきです。
演習問題を解かずに暗記がメインに
演習問題を解くには前提となる知識が必要です。それが公式であり、それぞれの現象のメカニズムです。知識としてつかむには暗記が大事であり、暗記をすること自体は必要なことです。しかし、暗記をしてそれで満足するやり方では、物理の成績は上がりません。演習問題を何度も解いて、公式を適した形で活用し、計算ミスをしないようにしないと、成績は安定しないでしょう。インプットで満足していてはいけません。アウトプットまで徹底しましょう。
高校物理の正しい勉強法とは?
高校物理を学ぶ、勉強する上での正しい方法とはなにか、学習ステップはそれぞれの分野の勉強のコツなどから探っていきます。
高校物理の学習ステップ
❶覚えるべき公式を暗記する
公式を一切知らずに物理の問題を解くことはほぼ不可能です。公式を覚えて、それを正しく活用することが高得点につながります。そのためにまずは覚えるべき公式を一通り暗記するところから始めましょう。インプットを徹底しなければ、到底はアウトプットはできません。覚えるべき公式は1つでも多く暗記していきましょう。
❷暗記した内容を踏まえて演習問題を解く
分野ごと、もしくはその分野の中で細分化して、覚えるべきことを覚えたら演習問題を解いていきます。正確に公式を覚えているのか、うまく当てはめられているのか、公式を正しく用いることはできているか、そして計算を正しくできているのかを見ながら解答を行います。
❸解説を読んで、暗記レベル、理解度などを確認する
ただ単に答え合わせをするのではなく、先ほどの公式の活用などが行えているかどうかを解説を読んで確認します。別の公式を誤って使っていたのであれば、なぜそんなことになったのかを解説を読みながら判断していくと、自分の暗記レベルや理解度がおのずとわかるようになります。
❹知識的に不足していれば再び暗記を行う
一通り暗記は行ったものの、知識的に不足する部分があればそれを補うことも大変重要です。もしその部分がテストで出てしまえば、現状では点数を稼げないからです。すぐに完ぺきにできるものではありませんが、何度も暗記する中で強固なものになっていきます。
❺再度演習問題を行っていき、安定してきたら次の単元へ
あとはインプットとアウトプットを繰り返していくことで、知識が確実に定着します。安定的に解けて成績も確保できるようになってから、次の単元に進みましょう。それを一通り終えて過去問などを解き始め、またできないところから出てきたら、インプットとアウトプットを繰り返せばいいのです。
高校物理の勉強のコツ
力学
力学で必要な知識は多く、暗記だけで相当量となります。しかし、よく見ると、力学の公式は結構シンプルで、公式の成り立ちも理解しやすいのが特徴的です。公式を覚えることはもちろん、公式の成り立ちまでセットで覚え、あとはどの場面で使っていくべきかにポイントを当てて勉強をしていくとそこまで負担を感じずに暗記ができ、演習問題にも取り組めます。「力学が物理のベース」になっており、電磁気や熱力学にも応用されるので、力学をマスターできれば、物理の基礎をそれなりに固められたといっても過言ではありません。
波動
波動は覚えるべき公式が少ない一方、苦手とする人が結構いる分野です。理由として、イメージが湧きにくく、グラフを見てもさっぱりわからないケースがあるからです。例えば、波は本来上下に振動をしているだけであり、進行方向に向かって進んでいくものではありません。グラフだけではそれがイメージできないために、いまいち波動が理解できないケースが出てきます。身近なことに置き換え、イメージしやすい、イラストなどを活用した参考書で波動を学んでいくのがわかりやすく、理解しやすいです。
熱力学
熱力学は力学のカテゴリーに近いため、力学の基礎知識が備わっているかが重要です。基礎知識がまだ定着していなければ力学を完璧にしてからでも十分間に合います。あとは暗記をするだけですが、力学と同じく、公式とその成り立ちまでセットで覚えて、うまく活用できるようになることが求められます。
電磁気
電磁気に関しても、力学の知識がベースになるため、力学を最初にマスターしておく必要があります。電磁気は、電子の運動であり、力学にも通じるからです。そして、力学で用いる公式が電磁気でも使えることが多々あるため、先に力学を学び、そこから電磁気を行うのがおすすめです。
原子
原子は最近になって必修となった分野で、入試問題で多く出てきたわけではないため、勉強法はあまり定まっていないのが実情です。ただやるべきことは、暗記を徹底して演習問題を解くという基本的なやり方でいいでしょう。公式自体は少なく、あとは成り立ちを覚え、計算問題でミスなく活用することが求められます。
高校物理におすすめの参考書をレベル別に解説
高校物理で学ぶ際に欠かせない参考書。ここでは偏差値別に分けて、おすすめの参考書を解説していきます。
偏差値50以下の人(初心者)におすすめの参考書
宇宙一わかりやすい高校物理
宇宙一わかりやすい高校物理は、高校物理をイチから理解する上でタメになる参考書です。左側にはテキスト、右側にはイラストが載っているので、力学や波動などをわかりやすく学ぶことができます。力学・波動編と電磁気・熱・原子編に分かれており、力学・波動編を完璧にさせてから力学の知識をベースとする電磁気や熱力学などが掲載されているもう1冊に挑む感覚で大丈夫です。
橋元の物理基礎をはじめからていねいに
橋元の物理基礎をはじめからていねいには、物理を苦手とする人、初めて学ぶ人におすすめの1冊です。高1で履修することがある物理基礎の参考書であり、まさに基礎中の基礎の内容が出てきます。どのように公式が成り立つのかをイラストを使ってチェックできるので、公式とその成り立ちをセットで暗記したい人にとって大変役に立ちます。
偏差値51~60の人におすすめの参考書
エクセル物理 総合版
エクセル物理 総合版は、基本的な演習問題が数多く収録されている参考書です。解説がとても丁寧であるほか、学校の教科書ともリンクした内容になっているので、定期テスト対策にも十分使える1冊です。例題、基本問題、発展問題の数が非常に多いため、暗記した内容が正しく活用できるのかをチェックするのにもおすすめです。
漆原の物理(物理基礎・物理)明快解法講座
漆原の物理(物理基礎・物理)明快解法講座は、入試で出やすい問題に絞って解説された参考書です。イメージを持ってもらうためにイラストを多く使っており、理解しやすさに気を遣っています。苦手克服から得意科目への足がかりとして、基礎を固めてステップアップする過程において欠かせない1冊です。
偏差値61~70の人におすすめの参考書
良問の森 物理
良問の森 物理は、難関大学を志望する人が最初に取り組むべき参考書です。過去に出た問題を組み直して出されており、どんな問題が出やすいかがわかります。巻末を見ると、論述問題まで収録されており、国立2次対策になるほか、力学などの知識、理解がより深まるため、これ以上の偏差値を求める際には欠かせない1冊となっています。
漆原の物理 最強の88題
漆原の物理 最強の88題は、1つ1つの問題の解説がとても多い参考書です。難易度の高い参考書の中には解説が少なく、解説を読んでも理解できないケースも。しかし、この参考書は詳しく解説されているので、偏差値が60以下の人でも解説を読めば理解できるような代物です。一通り物理の内容を確認しておきたい人におすすめの1冊です。
偏差値71以上の人におすすめの参考書
名問の森 物理
名問の森 物理は、難関大学で物理を使う人なら必ず確保しておきたい参考書です。その理由は、過去50年まで遡って問題を分析し、数十年間出続けたパターンを示しており、単元ごとに出やすい問題をピックアップしています。できるだけ自力で解いてみて、解説を読んで改めてもう1度解いてみることを繰り返し、物理の理解力を高めていくのに使えます。
物理 重要問題集
物理 重要問題集は、別冊の解答だけで150ページ以上もある解説が大変詳しい参考書です。詳しい答えの中身、イラストを使った説明などが紹介されているので、解き方を確認できるほか、国立2次や私立入試の問題形式にも対応したものも出てくるため、より上のレベルを狙いたい人、精度を高めたい人におすすめです。
高校物理の試験対策
学校で物理を履修している場合、物理を入試で活用する場合に関する試験対策についてまとめました。
定期テスト対策
高1で物理基礎、それ以降に物理を履修する学生の場合、授業で学習した内容を必ず復習することが定期テストでの高得点につながります。少しずつ暗記をしていき、覚えていくことができれば、暗記の負担が少なく、演習問題にかける時間もそれだけ増えます。授業で使ったプリント、ノート、教科書でテストで出そうな場所を確認するだけでなく、参考書を使ってより深いところまで理解力をつけて、テストに備えましょう。
共通テスト(センター試験)対策
2021年に行われた共通テストでは、大問こそ減ったものの、設問やマーク数が増えており、1問あたりにかけられる時間はやや減ったとみるべきでしょう。これまで選択問題で回避することもできた原子の問題も登場しており、範囲はより広がったとみるべきでしょう。グラフの読み取り問題など、共通テストならではの問題や試行調査でも出てきた会話文の問題などもあり、共通テスト対策を謳った参考書で新たな問題形式に慣れていくことが求められます。
国立2次・私立入試対策
国立2次や私立入試では、解答を導くまでに計算のプロセスまで簡潔に示す必要があるなど、解き方まで問われるケースが一気に増えます。計算問題を始め、関係式の問題など様々なパターンが登場し、これを限られた時間でこなす必要があります。難易度の高い参考書を、時間制限を設けて解けるかどうかを試しましょう。出来ない場合、すぐに理解しきれないか、計算スピードが遅いか、いずれかになるため、アウトプットを積極的に行い、数をこなし、正しい解き方、手数が一番少なく答えを導ける美しい解き方などを参考書の解説を見て自分なりに考えていくのもいいでしょう。
まとめ
物理は覚えるべきことが多い一方、どんどん演習問題を解いて、公式をうまく活用していく練習が必要になります。他の理科系科目以上にインプットとアウトプットが大事で、どちらがうまくいかなくても成績は上がりません。逆にどちらも気を付けて取り組めば好成績は狙えます。苦手を作らず、1つ1つ学んでいく姿勢が問われます。
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