早稲田大学の文系学部|特徴と入試・学費
早稲田大学は多様な文系学部を設置する大学でもあり
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早稲田大学の文系学部は、政治経済・法・文・商・社会科学・教育・国際教養・文化構想・人間科学・スポーツ科学です。学科やコースで細分化され、入試科目や学費は学部ごとに異なります。
2026年9月時点の情報です。
早稲田大学の文系学部一覧
早稲田大学の文系学部は、次の学部から構成されています。
- 政治経済学部
- 法学部
- 文学部
- 商学部
- 社会科学部
- 教育学部
- 国際教養学部
- 文化構想学部
- 人間科学部
- スポーツ科学部
他の私立大学より細分化された学部構造が特徴であり、専門性を極めやすい環境と言われています。学部内の分かれ方は次のとおりです。
| 学部 | 学部内の分かれ方 |
|---|---|
| 政治経済学部 | 政治学科/経済学科/国際政治経済学科 |
| 法学部 | 学科による細分化なし。分野別に体系的に学ぶ |
| 文学部 | コース制 |
| 商学部 | 単一学科。専門教育はトラック制度 |
| 社会科学部 | 学科による細分化なし |
| 教育学部 | 教育学科/国語国文学科/英語英文学科/社会科/理学科/数学科/複合文化学科 |
| 国際教養学部 | 学科による細分化なし |
| 文化構想学部 | 学科による細分化なし。2年次から論系へ進級 |
| 人間科学部 | 人間環境科学科/健康福祉科学科/人間情報科学科 |
| スポーツ科学部 | スポーツ科学科。2年次からコース制 |
試験対策は?
早稲田大学の文系学部を受験する場合、基本となるのは「語学」「社会」「数学」の3領域です。学部・学科ごとに必要な科目が変わるので、志望学部の科目構成を先に確認します。
英語・国語などの語学
英語・国語などの語学科目は、ほとんどの学部で必須です。なかには英語が課されない学部・学科もあり、その場合は英検やTOEIC(英語力を測る民間の資格・検定試験)など外部の英語資格試験のスコアが問われることになります。
「試験を受けなくていい=勉強しなくていい」にはなりません。英語が課されない学部・学科では、英検やTOEICなど外部の英語資格試験のスコアが問われるからです。
長文中心の英語で得点を伸ばす考え方は、他大学の学部別対策とも共通します。出題形式ごとの詰め方は青山学院大学国際政治経済学部の英語の傾向と対策も参考になります。
社会
日本史・世界史・政治経済・倫理など、社会科目を必須とする学部も多いです。なかには複数の社会科目を選択式で受験する必要のある学部も存在します。
数学
数学は学部によっては必須ではないものの、数学受験できる学部は意外と多いです。数学選択は穴場な受験方式として知られるようになりました。数学を利用する場合の倍率は、理系学部と比較して少し低めになることが多いからです。
数学が特段苦手でなければ、数学選択して文系学部の受験を突破することも可能です。国語で差がつきやすい古文・漢文の進め方は明治大学の漢文の入試傾向と対策で扱っています。
よくある間違い:志望学部を決めずに過去問演習を始める
学部を決めないまま過去問に取りかかると、科目も形式も毎回変わり、復習が積み上がりません。早稲田大学の文系学部は科目構成と配点が学部ごとに異なります。
回避策は、志望学部を先にいくつかに絞り、その学部で必要な科目だけに時間を割り当てることです。学部の雰囲気や難易度帯をつかむ段階では、他大学の学部別の難易度の動きを見ておくと比較の軸ができます。立教大学の偏差値推移を学部ごとに解説した記事も、学部選びの視点を整えるのに使えます。
早稲田大学文系学部の学費は?
学費は学部・学科によって差があります。初年度と2年次以降で金額が変わるので、総額を先に確認しておきます。
| 学部・学科 | 初年度 | 2年次以降 |
|---|---|---|
| 政治経済学部 | 大学の公式発表で確認 | 1,199,000円 |
| 法学部 | 1,170,700円 | 1,160,000円 |
| 教育学部 | 1,205,650円 | 1,160,000円 |
| 教育学部(英語英文学科に限る) | 1,186,740円 | 1,171,000円 |
| 教育学部(理学科・数学科に限る) | 1,740,000円 | 1,646,000円 |
| 商学部 | 1,181,800円 | 1,171,000円 |
| 社会科学部 | 1,178,010円 | 1,171,000円 |
| 国際教養学部 | 1,593,000円 | 1,590,000円 |
| 文化構想学部 | 1,213,000円 | 1,209,000円 |
| 文学部 | 1,709,000円 | 1,646,000円 |
| 人間科学部 | 1,601,000円 | 1,571,000円 |
| スポーツ科学部 | 1,640,000円 | 1,594,000円 |
政治経済学部の初年度額は公表表記に桁の揺れがあり、大学の公式発表での確認が必要です。
また、授業料だけでなく実験実習費・学生図書室利用費・諸経費が発生します。最終年度・最終学期には校友会費40,000円が必要です(卒業後10年分)。
私立大学の学費は在学中の総額で比較すると差が見えやすくなります。他大学の内訳の見方は学習院大学の4年間の学費と免除制度の解説も参考になります。
早稲田大学文系学部の種類
ここからは、早稲田大学に設置されている文系学部の種類を解説します。それぞれの特徴にも触れます。
政治経済学部
政治経済学部に設置されている学科は、次のとおりです。
- 政治学科:学問の独立と自律的な市民社会という建学の精神を受けついており、生きた政治現象を分析し、日本から世界に発信できる学問を目指すという高い理想を掲げています。制度・理論・歴史・思想・地域・国際関係など多くの領域にまたがる複合的な学問であり、政治学にふさわしい段階的かつ体系的なカリキュラムが設けられています。
- 経済学科:経済についての専門的な学識をそなえ、それをもとに社会の発展に貢献する人材を育成する学科です。複雑化・多様化する社会情勢に合わせて経済学も進化しており、経済学をツールとして身につける仕組みとして、段階的科目履修制と豊富な応用分野科目を備えています。
- 国際政治経済学科:政治学・経済学の体系的な知識を活用しながら、時代と国境を超えるグローバルなビジョンで政治経済制度の刷新および改善のための政策提言をおこないます。歴史的文脈のなかでデータを読み解く新旧どちらの知識も活用することに配慮されており、国際間の相互依存という脈絡も含めて問題の本質を見抜きます。
法学部
早稲田大学法学部は、学科による細分化がされていません。その分、次の分野について体系的に学ぶことが可能です。
- 公法(憲法・行政法)
- 民法
- 商法・経済法
- 民事手続法
- 刑事法
- 労働・社会法
- 国際関係法
- 基礎法
- 先端科目
- 語学・教養
憲法と行政法からなる公法の分野では、日本という国のかたちやあり方を法的な視点から学びます。社会の設計図を学ぶ民法、企業の組織や活動に関するルールである商法・経済法、犯罪から個人および社会を守る刑事法など、さまざまな分野を習得します。
文学部
文学部は学科ではなくコースごとに細分化されています。
- 哲学コース:時代に流されることなく自主的かつ批判的に世界と人生を考える態度を身につけ、時代の要請に対する積極的な対応を学びます。正解のない学問でもあり、大学の授業や演習を通して自分なりの考えを見出すことがポイントです。内発的に何かを見出そうとする姿勢を培います。
- 東洋哲学コース:世界の東洋哲学研究の中心的存在となるコースであり、海外の研究者からも注目されています。インド・中国・日本の3国を中心に、アジアの思想・宗教・文化を総体的に研究します。
- 心理学コース:心とはなにか、心がどんな働きをするのかを探求する学問です。消費者行動、集団行動、非言語行動、言語処理、記憶、動機づけ、ストレス、身体反応、脳内過程、人間関係、異常心理、犯罪心理、不安や恐怖などの感情や情動の働きとそれを支える背景要因などについて学びます。
- 社会学コース:人の行動に関する実証的な調査研究を基礎として、社会の構造と変容を明らかにします。人と社会の関わり方や社会生活のあり方を模索し、事象について光の当て方を変えながら心理を浮き彫りにします。
- 教育学コース:学校教育のみならず民間教育についても焦点を当て、社会教育や生涯教育の重要性を学びます。教育現場でのフィールドワークや地方に赴いての農業体験なども豊富であり、さまざまな演習科目が存在します。
- 日本語日本文学コース:日本語とその歴史を深く研究するとともに、個々の文学作品の特色とその歴史的意義を幅広く考察します。文化の本質を理解し、日本から世界を認識して諸文化との豊かな共生につなげます。
- 中国語中国文学コース:「語文双修」(言語も文学・文化も修める)、「古今兼学」(過去も現在も学ぶ)を基本の教育理念としています。文化・風土の理解に向けて言語を習得し、歴史をさかのぼって読み解くなど多角的なアプローチを続けます。
- 英文学コース:英語で表現されたありとあらゆる思考の産物と、表現活動を通して発展してきた学問について学びます。言語としての英語はもちろん、文学作品の研究、さまざまな評論、舞台芸術、ジャーナリズム、歴史の叙述など、取り扱うテーマも多岐にわたります。
- フランス語フランス文学コース:狭い意味でのフランス文学研究に限らず、映画・演劇を含む広いフランス語圏一般についての研究をおこないます。会話や作文などフランス語の実用的な運用能力の養成にも力を注いでおり、フランス語で自己表現できる発信型の人材育成を目指します。
- ドイツ語ドイツ文学コース:ヨーロッパ統合の中核をなすドイツ、ハプスブルク帝国の伝統をくむオーストリア、独自の路線を歩むスイスなど、多様なドイツ語圏の文化に触れていきます。文学・言語・思想だけでなく、都市文化論・大衆文化論・表現文化論・メディア論・ジェンダー論なども研究できます。
- ロシア語ロシア文学コース:戦前から続く早稲田大学のロシア文学専修の伝統を受け継いでおり、日本におけるロシア語やロシア文学研究の最前線をけん引するユニークなコースです。ロシア正教・マルクス主義・ソビエト構造主義などさまざまな文化的イデオロギーにも触れ、文化の理解を進めます。
- 演劇映像コース:演劇・映画を中心とする身体・映像にかかわる文化表現について総合的に考察し、早稲田大学における演劇研究の伝統を発展的に継承します。日本の古典演劇からデジタルコンテンツまで対象は幅広く、戯曲研究など文献主体の歴史的探求から言語分析まで幅広いアプローチをおこないます。
- 美術史コース:作品や時代のスタイルを分析する様式論はもちろん、作品の意味や内容を考察する図像学(イコノグラフィー)についても学びます。写真・アニメ・漫画・落書きなども美術史の射程に収まっており、多角的な学びを可能にしています。
- 日本史コース:早稲田大学の「民衆・在野の視座、生活に身をおく側の視点で歴史をとらえる」という伝統を継承・発展させることを重視しています。政治・経済・社会・思想・文化・民俗といった内容から、ジェンダー論、さらには音楽・スポーツ・メディア・食べ物など、従来の歴史学ではカバーされなかった内容も含めて研究します。
- アジア史コース:中国を中心に、朝鮮半島や周辺地域も含めた広大な東アジアの文化と歴史を専門的に学びます。現代の日本と東アジア世界との間に起こっていることを正しく把握できるよう、考える力と文献史料の読み解きに長けた学生を輩出します。
- 西洋史コース:史料にもとづいて事実を正確に把握し、何が真実かを考える創造的な学問を探求します。歴史の流れを把握してそこに息づく人間の本質を追究でき、比較の視点を持って歴史と将来を見据えられるようになります。
- 考古学コース:人類史の解明と理解を目指し、人類が地球上に残したさまざまな遺跡・遺構・遺物などの物質的資料を対象にして研究します。考古学の基本は発掘調査であり、フィールドワークに必要な測量・撮影・資料採取・図面整理なども手掛けます。
- 中東・イスラム研究コース:2017年に新設されたコースであり、語学教育・留学支援・海外の研究機関との共同研究や教育プログラムが充実しています。中東現地と欧米の研究教育機関をトライアングルに結ぶシーンも多く、重層的な研究体制が敷かれています。
商学部
商学部は、単一学科のみを有する学部です。次のような独自の制度が成立しています。
- トラック制度:専門知識を高めるために、「経営」「会計」「マーケティング・国際ビジネス」「金融・保険」「経済」「産業」の6つのトラックを設けています。3年次から始まる(2年次の秋学期に選択)専門教育科目演習(ゼミ)の属するトラックが、自動的に各自のトラックとなります。
- セメスター制:商学部は2学期制(セメスター制)を採用しています。各学期ごとに科目を選択・登録し、授業を受けて成績を確認していくスタイルです。1年間分をまとめて履修登録する他学部との違いを理解しておきましょう。
社会科学部
社会科学部も、学科による細分化がされていません。人文科学・社会科学・自然科学などに代表される幅広い学問分野を中心に、人権・福祉・環境計画・産業構造・国際社会・思想・文化・政治参画などさまざまなことを学びます。
ゼミナール(教員のもとで少人数で研究する授業)は60以上設置されており、早稲田大学のなかでも最大規模を誇ります。
教育学部
教育学部には、次の学科が設置されています。
- 教育学科
- 国語国文学科
- 英語英文学科
- 社会科
- 理学科
- 数学科
- 複合文化学科
いずれの学科でも、専攻に合わせた教職課程が用意されています。同じ学科でも専修により細分化されるケースもあり、早稲田大学のなかではかなり細かくジャンル分けされている学部と言えるでしょう。
国際教養学部
国際教養学部は、学科による細分化がされていません。4年次まで次の3ステップに分けて学習を継続していきます。
- テーマの選定力と語学力の習得:多彩な教養教育科目から興味のある専攻を選定し、自らが4年かけて取り組む研究テーマを見出します。徹底した語学教育で有名であり、学生の主体性を重視しています。
- 海外学習でテーマを研究:海外協定校から留学先を選定します。異文化に対する深い理解と語学力の向上を図り、広い視野を身につけます。
- 研究成果を深化させる:海外の大学から帰国しての1年半で、経験をもとに問題意識を深めながら研究成果をさらに深化させます。論文やグループワークなどを繰り返し、アウトプットを狙う時期でもあります。
文化構想学部
文化構想学部も、学科による細分化がされていません。1年次の基礎教育を経て、2年次からの論系(分野別に分かれた履修の枠組み)へ進級する「1・3制カリキュラム」が導入されており、1年次と2年次以降の3年間とでカリキュラムが明確に分かれています。
必修英語に加え、基礎外国語として、フランス語・ドイツ語・ロシア語・中国語・スペイン語・イタリア語・朝鮮語・アラビア語から1言語を選択する必要があることも、大きな特徴と言えるでしょう。
人間科学部
人間科学部には、次の学科が設置されています。
- 人間環境科学科:人間を主体とした環境という視点から、さまざまな環境と人間の関わりを複合的に解析する学科です。生態、システム、文化、人間、社会、心理や人間行動を学際的、複合領域的に研究します。
- 健康福祉科学科:健康科学・福祉科学を融合させ、健康福祉の新たなあり方を創成していく学科です。人間が身体的にも精神的にも社会的にも、健やかで安心して豊かに暮らしていくための社会システムや支援の方法、科学技術などを総合的、多角的に研究します。
- 人間情報科学科:人間がかかわることで生まれる情報、そのプロセスを科学的に分析し、情報を豊かに生み出す環境を追究する学科です。人と人との情報伝達の方法、媒体となる道具、コミュニケーションの中で生まれる心理変化などを学びます。
スポーツ科学部
スポーツ科学部に設置されているのはスポーツ科学科のみですが、そこからコースごとに細分化されていきます。1年次には全員が幅広くさまざまな切り口からスポーツ科学を学び、それを基礎として、各自が2年次から専門としたい分野を選びます。
選択できるコースは、次のとおりです。
- スポーツ医科学コース
- 健康スポーツコース
- トレーナーコース
- スポーツコーチングコース
- スポーツビジネスコース
- スポーツ文化コース
FAST-UPが見てきた早稲田文系志望者のつまずき
指導現場で多いのは、「早稲田大学」だけを目標に据えて、学部の科目構成を最後まで詰め切らないパターンです。学部ごとに必要科目や出題形式が違うため、対策が分散したまま直前期に入ります。
もう一つ目立つのが、社会科目の選択を後回しにする動きです。英語と国語に時間を寄せているうちに、暗記量の多い社会が間に合わなくなります。社会は学部によって選択の幅が変わるので、志望学部を絞る段階で同時に決めておくと動きやすくなります。
英語の外部資格試験が関わる学部・学科を志望する場合は、出願要件を早い段階で確認しておくと計画が崩れにくくなります。併願先を含めた受験方式の整理も、学部選びと同じ時期に進めるのが現実的です。
まとめ
早稲田大学の文系学部は幅広く、興味・関心に基づいてさまざまな選択肢を提示してくれます。入試までに志望学部を決めておく必要があるので、オープンキャンパスなどの場も活用しながら、特に興味深い分野を探っていきましょう。
学部横断型のカリキュラムやシラバスを展開している学部もあり、多角的な学びができるケースも多いです。特定の専門分野を徹底的に極めたい人にも、複数分野にまたがりながら総合的な知見を深めたい人にも合う環境です。
推薦系の選考を併せて検討する場合は、面接で問われる内容の傾向も早めに見ておくと準備が進みます。立教大学の自由選抜入試の面接と質問例も、面接対策の進め方の参考になります。
よくある質問
Q. 早稲田大学の文系学部を数学で受験できますか? A. 数学は学部によっては必須ではないものの、数学受験できる学部は意外と多いです。数学が特段苦手でなければ、数学選択で文系学部の受験を突破することも可能です。
Q. 英語の試験がない学部を選べば、英語の勉強は不要ですか? A. 不要にはなりません。英語が課されない学部・学科では、英検やTOEICなど外部の英語資格試験のスコアが問われる形になります。出願要件を早めに確認しておきましょう。
Q. 学費は学部によってどのくらい違いますか? A. 初年度・2年次以降ともに学部・学科で金額が異なります。本記事の表のとおり、教育学部の理学科・数学科や文学部、スポーツ科学部などは他学部より高い水準です。授業料以外に実験実習費・学生図書室利用費・諸経費も発生します。
Q. 志望学部はいつ決めればよいですか? A. 入試までに決めておく必要があります。学部ごとに科目構成が異なるので、過去問演習に入る前に候補を絞ると、復習が積み上がりやすくなります。


