日東駒専は普通にむずい|難易度と簡単と言われる理由
「日東駒専は簡単!」
FAST-UP
日東駒専は簡単だと言われがちですが、実際は人気学部で高い倍率になり、定員厳格化でも難化しています。偏差値は大学全体の中間に位置し、合格には教科書レベルの基礎を全範囲で固める必要があります。
2026年9月時点の情報です。
「日東駒専は簡単」「滑り止めだから対策はいらない」という声は、SNSでも検索でもよく見かけます。ただ、そのまま受け取ると出願時期に困ることになります。ここでは日東駒専の概要、難しい理由、簡単と思われる理由、上位何パーセントに当たるのか、難易度の序列までを順に整理します。
日東駒専とは
日東駒専とは、日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学の4つの大学を総称した呼び方です。位置づけとしてはMARCHの下、関西の産近甲龍と同じくらいの学力層とされます。
各大学の特徴は次のとおりです。
- 日本大学…学生数が7万人近くいるマンモス校。16学部87学科が設置され、キャンパス数は20校にのぼります
- 東洋大学…陸上などのスポーツが強く、文武両道の学生が多い大学です
- 駒澤大学…仏教の大学で1年生は仏教が必修。1つのキャンパスにすべての学部があり、アクセスが良いことも特徴です
- 専修大学…経済学部、法学部が強く、公認会計士や弁護士を目指す学生に人気です
どの大学も学生数が多く、全国的に知られる有名大学です。
日東駒専が普通にむずい3つの理由
日東駒専が難しい理由は、人気学部の倍率、定員厳格化による難化、基礎の完成に時間がかかることの3点に整理できます。順に見ていきます。
人気学部は倍率が20倍を超えることがあるから
1つ目の理由は、人気学部では倍率が20倍以上になることがあるからです。
日本大学法学部は、2019年の試験倍率が26.6倍になりました。単純に見れば、100人の受験生のうち合格できるのは5人未満という水準です。実際の受験者はもっと多く、1問で合否が分かれる戦いになります。
簡単だと油断してケアレスミスをすれば、それが命取りになります。9割5分以上の受験生が不合格になっている入試を「簡単な大学」として扱うのは、実態と合いません。
GMARCHとの倍率比較
国際系の学部を例にすると、東洋大学国際観光学部の倍率は以下のとおりです。
| 入試形態 | 2022年倍率 |
|---|---|
| 前期3教科1回 | 12.0 |
| 前期3教科2回 | 8.6 |
| 前期3教科3回 | 11.0 |
| 前期3教科4回 | 9.0 |
| 前期3教科最高 | 10.4 |
| 前期3教科英語 | 17.6 |
| 平均 | 11.4 |
GMARCHの平均倍率が大体10倍程度なので、この平均11.4倍という数字がいかに高いかが分かります。
定員厳格化で難化しているから
2つ目の理由は、難化が続いていることです。日本の私立大学には、政府から入学定員を守るよう求める「定員厳格化」の方針があります。
合格者数は絞られ、倍率は上がりやすくなります。定員を大きく超えて合格を出すと、助成金が交付されないなどのペナルティがあるためです。
さらに、先行きが読みにくい状況は受験生の安全志向につながります。「どうなるか分からないから、自分の実力より下の大学も受けておこう」と考える層が増えれば、その分だけ日東駒専の志願者は厚くなります。簡単だと油断したまま本番を迎えると、あっさり落とされることもあります。
基礎ができていないと解けないから
3つ目の理由は、基礎が固まっていないと得点できない出題だからです。
確かに日東駒専はMARCH以上の大学と比べると、ひねった問題は少なく、基礎問題が中心です。しかし「基礎を固める」ことを軽く見ていないでしょうか。
日東駒専は「高校のテキストさえマスターしていれば合格できる」としばしば言われます。言い換えれば、高校のテキストから出題される定期テストで、すべて100点を取れる状態ということです。
一問ごとの難易度が高くなくても、全範囲の基礎問題をまんべんなく解けるようにするには膨大な時間がかかります。落ち着いて考えると、日東駒専は普通に難しいと分かります。暗記科目の進め方は世界史の教科書を用いた勉強法も参考になります。
日東駒専が簡単と思われる理由
簡単だと思われる背景には、滑り止め受験、SNSの情報、自己評価のずれという3つの要因があります。
滑り止めで受験する人が多いから
1つ目は、滑り止めとして受験する人が多いからです。日東駒専は、MARCH、関関同立、早慶上理を志望する受験生が併願先に選ぶことが多い大学群です。
そのため「MARCHを目指しているのだから、日東駒専は受かって当然」という思考になりがちです。受験生はメンタルが不安定になりやすく、模試でMARCH判定がBと出れば、安心したいがために「日東駒専は簡単。自分はMARCHでB判定だから」と思い込んでしまいます。
しかし実際に日東駒専に合格したわけではありません。難化が続いている以上、余裕を持って受かるつもりだった人が落ちることもあります。難関大の偏差値帯を把握したい場合は早慶上智の偏差値ランキングもあわせて確認してください。
SNSの情報をそのまま信じているから
2つ目は、SNSの情報をそのまま信じているからです。ネット上には「日東駒専はFランク大学だ」「日東駒専は簡単だ」といった書き込みが並びます。
発信者の中には、「正しい勉強法で学べば日東駒専も狙える」と受験生に誠実に向き合っている人もいます。一方で、根拠もなく「簡単」と言うだけの投稿や、現役時に落ちた自分を保つために日東駒専をけなしている投稿も混ざります。
ネット上の情報は、根拠の有無を確かめてから取り入れるようにしましょう。発信者によって「簡単」の基準が異なり、根拠が示されないまま語られることも多いためです。
自分を過信しているから
3つ目は、自分を過信しているからです。受験生はある程度の勉強量を積むと、実力を高く見積もりやすくなります。
「毎日10時間勉強しているから、成績は上がっているはずだ」と考えてしまう例が典型です。長時間勉強したからといって、必ずしも成績が上がるとは限りません。背伸びした教材に手を出し、「この参考書をやっているのだから日東駒専は簡単だ」と考えてしまうこともあります。
大切なのは、客観的に自分の実力を把握することです。「これだけ勉強したから」ではなく、過去問や模試の得点という数字で現在地を確認しましょう。
よくある間違い:模試の判定で合否を先取りする
よくある間違いは、上位大学の模試判定を根拠に、日東駒専の対策を後回しにすることです。判定は母集団と出題形式の異なる試験の結果であり、志望校の過去問での得点を保証するものではありません。
回避策はシンプルで、夏から秋のうちに日東駒専の過去問を1年分解き、科目ごとの得点率を出すことです。そこで抜けが見つかった単元に戻れば、併願校で足をすくわれる事態を避けられます。
日東駒専は上位何パーセントなのか
日東駒専は上位50%から10%に入ります。つまり、半分より上には入るということです。
合格には、高校の教科書に載っているような基礎問題を解ける学力が必要です。その学力を身に付けるには多くの時間がかかるため、人並み以上の勉強をしてきたと言えます。
さらに、これは大学のなかでの50%から10%という位置です。大学進学をしていない人も含めれば、より上位の層と捉えることもできます。近年の大学進学率は約50%なので、上位25%以上とも考えられます。
日東駒専はFラン?人生終わり?
「日東駒専はFラン」「日東駒専に入るなんて人生終わり」という意見がありますが、これは100%間違いです。
ここまで見てきたとおり、日東駒専の入試は普通に難しく、合格者は上位25%には入ると考えられます。就職でも大手銀行や大手商社への実績があり、偏差値も55程度あるため、Fラン大学とは言えません。
GMARCHや早慶と比べると見劣りする部分はあります。それでも、大学全体で見れば上位に位置する大学群です。進路に迷って浪人を考える場合は大学生の浪人割合も確認しておくと判断しやすくなります。
日東駒専の難易度・レベル
偏差値が40〜60であることから、日東駒専の難易度は全大学の中で中間に位置します。関西で言えば産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)と同じ位置です。
関東の大学群との位置関係は次のとおりです。
| 位置づけ | 大学群 |
|---|---|
| 日東駒専より上 | 成成明学(成蹊大学、成城大学、明治学院大学) |
| 同程度 | 産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学) |
| 日東駒専より下 | 大東亜帝国(大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学) |
共通テスト(大学入学共通テスト、1月に行われる全国共通の試験)で7割を安定して取れる人は十分合格を狙え、8割が取れる人は手堅く合格できる水準です。
日東駒専を難易度順に並べると
日東駒専の文系・理系ごとの偏差値は以下のとおりです。
▼文系の偏差値
| 大学名 | 偏差値 |
|---|---|
| 日本大学 | 57.5 |
| 東洋大学 | 60.0 |
| 駒澤大学 | 57.5 |
| 専修大学 | 57.5 |
▼理系の偏差値
| 大学名 | 偏差値 |
|---|---|
| 日本大学 | 60.0 |
| 東洋大学 | 57.5 |
| 駒澤大学 | 55.0 |
| 専修大学 | 55.0 |
この数字をもとに難易度順に並べると、次の順番になります。
- 日本大学
- 東洋大学
- 駒澤大学
- 専修大学
ただし学部によって偏差値の幅があるため、志望学部単位での比較が前提です。
日東駒専は高学歴なのか
世間一般の認識からすれば、日東駒専は「普通」と捉えるのが妥当です。
東京大学、京都大学、早慶上理は多くの人が高学歴と認めます。その次に大阪大学などの旧帝大、MARCH、関関同立が続き、知名度も段階的に下がっていきます。日東駒専は、受験を経験した人なら知っているというレベルでしょう。
就職実績を見ると差は明らかで、MARCHと比べた大手企業への就職率は半分以下となっています。学歴フィルター(出身大学で応募者を絞り込む採用の慣行)という観点でも、学歴だけで落とされるとは限らないものの、大手企業では厳しいと言えます。
FAST-UPが見てきた日東駒専志望者のつまずき
指導現場で多いのは、併願校だからと対策の優先順位を下げ、出願直前になって過去問との相性に気づくケースです。第一志望の演習だけを続けていると、出題形式の違いに慣れないまま本番を迎えることになります。
もう一つ目立つのが、基礎の抜けを飛ばしたまま応用問題集に進んでしまうパターンです。日東駒専の出題は基礎が中心のため、抜けはそのまま失点に直結します。難しい教材を進めている実感が、現在地の把握をかえって鈍らせることもあります。
逆に伸びる受験生は、自分の得点率を定期的に数字で確認し、落とした単元に戻る動きが早いという共通点があります。進路を立て直すときは、再受験の形を含めて考える人もいます。判断材料として仮面浪人は就職で不利なのかも参考になります。
まとめ
日東駒専は簡単と思われがちですが、人気学部の高倍率、定員厳格化による難化、基礎の網羅に要する時間を踏まえると、油断すれば落ちる入試です。
恐れすぎる必要はありません。現在地を数字で把握し、基礎の抜けを埋める作業を早い時期から積み上げていけば、合格は十分に見える位置にあります。
よくある質問
Q. 日東駒専は簡単に受かりますか? A. 簡単とは言えません。人気学部では倍率が20倍を超えることがあり、定員厳格化で合格者数も絞られています。基礎の抜けがある状態では得点が安定しません。
Q. 日東駒専に入ると人生終わりというのは本当ですか? A. 事実ではありません。合格者は大学全体で見れば上位25%以上に入ると考えられ、大手銀行や大手商社への就職実績もあります。
Q. 日東駒専のなかで一番難しいのはどこですか? A. 文系・理系の偏差値を合わせて見ると、日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学の順になります。ただし学部ごとに差があるため、志望学部単位で比較してください。
Q. 共通テストで何割取れれば合格が見えますか? A. 7割を安定して取れる水準なら十分に狙え、8割を取れる水準なら手堅くなります。まずは全範囲の基礎を固めることが前提です。
Q. 専修大学は受かりやすいのですか? A. 日東駒専のなかでは偏差値が低めに出る年もありますが、滑り止めとして受験する層が多く、実際には多くの受験生が不合格になります。併願校でも過去問演習は必要です。


