総合型選抜で併願できる関東の大学一覧と確認法
関東で総合型選抜を併願できる大学を私立・国公立別に整理。
FAST-UP
総合型選抜は「合格したら入学する」専願が基本ですが、関東には併願できる大学が私立・国公立ともにあります。立教大学や中央大学、國學院大學、帝京大学などが代表例で、可否は募集要項の表記で判断します。
2026年10月時点の情報です。
併願可の中身は大学ごとに違います。他大学との併願は認めるが入学は確約させる方式、一般選抜との併用のみ想定した方式などが混在します。判断材料になるのは募集要項の出願資格と合格後の手続きの記載だけです。ネット上の一覧は年度で変わるため、最終確認は必ず最新の要項で行ってください。
関東で総合型選抜を併願できる大学一覧【私立】
関東の私立大学には、併願可能な総合型選抜を実施する大学が数多くあります。調査会社が関東圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)の私大を調べたところ、併願が可能な総合型選抜を実施している大学は95校ありました。内訳は東京53校、神奈川12校、千葉14校、埼玉16校です。選択肢は想像以上に広いと考えてよい状況です。
ただし「併願可」と書かれていても、合格後の入学確約が出願条件になっているケースが含まれます。一般入試のように複数合格から後で選べる完全併願とは限りません。出願前に大学ごとの条件を1つずつ確認する必要があります。
早慶上智で併願できる総合型選抜の方式
早慶上智のうち、早稲田大学と慶應義塾大学には他大学との併願を禁じていない方式があります。早稲田大学は地域探究・貢献入試などで他大学や一般選抜との併願受験が可能とされています。慶應義塾大学も理工学部の分野志向型入試、総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部のAO入試が併願可能な方式として挙がっています。
| 大学 | 併願可とされる方式の例 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 早稲田大学 | 地域探究・貢献入試 | 共通テストを課す学部の有無 |
| 慶應義塾大学 | 分野志向型入試(理工)、AO入試(総合政策・環境情報・看護医療) | 出願時期が早い学部がある |
早稲田大学は法学部・教育学部・文化構想学部・文学部・社会科学部・スポーツ科学部・創造理工学部・先進理工学部・人間科学部などで総合型選抜を実施し、9月上旬から出願が始まります。慶應義塾大学はオンライン申請が5月中旬から始まる学部があり、準備開始の時期が他大学より早くなります。
学部ごとの出願条件や倍率は個別記事にまとめています。詳しくは早稲田大学の総合型選抜の募集要項と併願、慶應義塾大学の総合型選抜の募集要項・倍率・難易度を参照してください。
GMARCHで併願できる総合型選抜の方式
GMARCHでは、立教大学・中央大学・明治大学・青山学院大学・法政大学・学習院大学に併願可の方式があります。特に立教大学と中央大学は、大学の公開情報で併願を妨げない旨が示されています。
| 大学 | 方式名の例 | 併願に関する扱い |
|---|---|---|
| 学習院大学 | 総合型選抜(AO) | 国際社会科学部などで実施、10月中旬から出願 |
| 明治大学 | 自己推薦特別入学試験、グローバル型特別入試、公募制特別入試 | 方式ごとに条件が異なる |
| 青山学院大学 | 自己推薦 | 学部ごとに実施状況が異なる |
| 立教大学 | 自由選抜入試 | 他大学との併願を妨げないと公表 |
| 中央大学 | チャレンジ入試(法)、英語運用能力特別入試、高大接続入試 | 他の入試制度・他学部・他大学との併願を認める記載あり |
| 法政大学 | 自己推薦(文・法・現代福祉・GIS・スポーツ健康・情報科学) | 学部単位で要項を確認 |
立教大学は公式のQ&Aで、自由選抜入試について他大学との併願は妨げないとしたうえで、立教大学で学ぶ強い意欲が重要だと示しています。中央大学は自由応募制であり、他の入試制度や他学部、他大学との併願を認めると要項に記載しています。この2大学は根拠がはっきりしている分、併願計画に組み込みやすい方式です。
学部別の詳細は立教大学の自由選抜入試は他大学と併願可能か、中央大学の総合型選抜の条件や倍率、法政大学の総合型選抜の実施状況と入試要項、明治大学の総合型選抜の特徴と流れ、青山学院大学の総合型選抜の特徴と対策、学習院大学の総合型選抜の出願条件・日程・倍率にまとめています。
その他の関東私立大学で併願できる総合型選抜
中堅規模の私立大学にも、併願を前提にした方式が広がっています。國學院大學は要項で他大学との併願が可能と明記し、法学部では同じ制度内で複数学科・専攻への出願も認めています。帝京大学も学部・学科と他大学の併願が可能です。
| 大学 | 方式名の例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 國學院大學 | 公募制自己推薦(AO型) | 他大学併願可。文学部・神道文化学部・法学部・経済学部などで実施 |
| 帝京大学 | 総合型選抜 | 経済学部・法学部・文学部・外国語学部・教育学部など。共通テストが必要な学科あり |
| 東洋大学 | 基礎学力テスト型 | 学力中心の年内入試 |
| 日本大学 | 総合型選抜(文理・危機管理・生産工・工) | 学部単位で実施 |
| 専修大学 | 総合型選抜 | 経済学部国際経済学科などで実施、9月中旬から出願 |
| 成城大学・武蔵大学・獨協大学 | 総合型選抜、自己推薦入試 | 併願可の枠を設けている |
| 日本女子大学・東京女子大学・共立女子大学 | 総合型選抜、知のかけはし入試、基礎力判定方式 | 学力型の方式を含む |
| 関東学院大学 | 基礎学力評価型ほか | 併願方式を公式に案内 |
関東学院大学は、合格した学科に必ず入学する専願方式と、他大学への挑戦を続けられる併願方式を分けて案内しています。併願方式で合格したうえで他大学の一般選抜に挑戦する使い方も公式に示されています。専願と併願を大学側が明確に区別する例として分かりやすい形です。
関東圏では併願可の方式に加えて、学力検査型の総合型選抜を導入する大学も出てきています。桜美林大学や関東学院大学、共立女子大学が例として挙げられています。課外活動の実績が少ない受験生でも、積み上げてきた学力で勝負できる方式が増えている点は押さえておきたい動きです。
関東で総合型選抜を併願できる大学一覧【国公立】
関東の国公立大学にも併願可能な総合型選抜はありますが、私立に比べて数は限られます。共通テストを課す方式が中心で、出願条件も細かく設定されています。
| 大学 | 学部・方式 | 出願時期の目安 | 主な評価項目 |
|---|---|---|---|
| 横浜市立大学 | 国際教養学部・国際商学部・理学部・データサイエンス学部 | 9月上旬〜 | 調査書、プレゼンテーション資料、英語資格、面接 |
| 筑波大学 | AC入試(人文・文化/生命環境/情報/体育専門) | 大学公表の日程による | 自己推薦書類、面接など |
| 千葉大学 | 総合型選抜(国際教養・文・法政経・理・工) | 大学公表の日程による | 書類、課題、面接など |
| 群馬県立女子大学 | 総合型選抜(文・国際コミュニケーション) | 大学公表の日程による | 書類、面接など |
横浜市立大学は、他大学の入学を辞退できる場合に限り併願が可能とされています。つまり無条件の併願ではありません。国際教養学部などの学部では共通テストが必要な場合があります。
国公立の総合型選抜は、合格発表が共通テスト後になる方式もあります。この場合、一般選抜の出願スケジュールと重なるため、合格発表日と手続き期限を必ず先に確認してください。
そもそも総合型選抜は併願できる?専願と併願可の違い
総合型選抜は専願が原則ですが、併願できる大学は実在します。募集要項に「併願禁止」や「専願制」と明記されていなければ、基本的に併願可能と考えて差し支えありません。ただし表現は大学ごとに異なるため、文言の意味を正しく読み取る必要があります。
専願は合格したら入学が必須、併願可は他大学の受験を続けられる
専願は、合格したらその大学に入学することが条件の方式です。併願可は、出願の段階で他大学の受験を続けてよい方式を指します。この2つの間に、他大学への出願は認めるが合格したら入学を確約させる中間型があります。
| 要項の文言 | 他大学への出願 | 合格後の辞退 |
|---|---|---|
| 専願/併願は不可 | 不可 | 不可 |
| 合格した場合は必ず入学する(入学確約) | 出願自体は可能な場合がある | 不可 |
| 本学を第一志望とする者 | 可能 | 推奨されないが可能な場合がある |
| 併願可 | 可能 | 可能 |
中間型が一番紛らわしい形です。他大学と同時に出願できても、合格した時点で進学先が確定します。そのため第一志望以外にこのタイプを置くと、志望度の低い大学に進むことになりかねません。入学確約型は第一志望に置くのが基本です。
専願の大学と併願可の大学の両方に合格した場合、原則として専願の大学を選ばなければなりません。第一志望が併願可の大学なら、専願の大学を併願先にしないことが前提になります。
募集要項のどこを見れば併願できるか分かるか
見るべき場所は3つです。出願資格、専願・併願の区分、合格後の手続きの項目です。大学のパンフレットや入試ガイドではなく、学生募集要項のPDFを確認してください。
- 出願資格:「本学を第一志望とする」「合格した場合は入学を確約する」といった文言があるか
- 専願・併願の記載:「併願可」「他大学との併願を認める」と書かれているか
- 合格後の手続き:入学手続き締切日と、辞退の扱いに関する記載
- 出願条件:評定平均の基準、英語資格のスコア、活動実績の要件
- 選考日程:出願期間、試験日、合格発表日
要項の公開時期は大学によって違います。関東学院大学の場合、学生募集要項は6月に受験生サイトで公開されると案内されています。志望校の要項公開時期を事前に確認し、公開直後に読むと出願準備が楽になります。
要項を読んでも判断に迷う表現が残ることがあります。その場合は大学の入試課に直接質問するのが最も確実です。高校の進路担当の先生の解釈によって併願可否の扱いが変わる場合もあるため、学校にも共有しておいてください。
FAST-UPが整理する、関東の「併願可」総合型選抜4タイプ
併願可の方式は、FAST-UPの指導現場では4つのタイプに分けて読み解いています。同じ「併願可」でも使い方が変わるため、タイプを見極めてから出願計画を組みます。
| タイプ | 内容 | 出願計画での置き方 |
|---|---|---|
| 他大学併願可型 | 他大学の受験を続けられ、合格後の辞退も制限されない | 滑り止めとして使いやすい |
| 同一大学内併願可型 | 同じ大学の複数学科・専攻に出せる | 学部をまたぐ併願の可否を要確認 |
| 一般選抜併用型 | 年内に合格を得たうえで一般選抜に挑戦できる | 一般対策を続ける前提で組む |
| 実質専願型 | 出願はできるが合格後の入学確約がある | 第一志望にのみ置く |
タイプの見分けで迷う生徒が多いのは、他大学併願可型と実質専願型の境目です。出願時点の制限と、合格後の制限は別の話だからです。要項を読むときは「出せるか」と「断れるか」を分けてメモすると、混同が起きにくくなります。
もう1つ、コーチが毎回確認するのは、出願する方式が一般選抜の対策時間を奪いすぎないかという点です。併願先を増やすほど、志望理由書と面接準備の負担は積み上がります。タイプ分けは、受けられる大学を広げるためではなく、受ける大学を絞るための作業として使うほうが結果につながりやすいと感じています。
入試方式ごとの併願ルール
併願の可否は、組み合わせる入試方式によって変わります。方式ごとのルールを先に整理しておくと、出願計画が立てやすくなります。
他大学の総合型選抜との併願
募集要項に専願や併願禁止の記載がなければ、他大学の総合型選抜と併願できます。注意が必要なのは合格後の扱いです。入学確約の文言がある大学に合格した場合、他校の選考は辞退することになります。
実務的には次の組み方が安全です。
- 入学確約型の大学は第一志望にだけ置く
- 併願先は合格後の辞退が認められる方式で固める
- 入学確約型に合格した時点で、他大学の選考は辞退する
一般選抜との併願
総合型選抜と一般選抜は併願できます。理由は、一般選抜が入学を確約する方式ではないためです。合格後に入学を辞退する選択ができます。
ただし、総合型選抜で合格した大学が入学確約型だった場合は話が変わります。その大学に入学する義務が生じるため、一般選抜で他大学に合格しても進学できません。年内に合格を確保して一般選抜も残したい場合は、併願可で辞退も可能な方式を選ぶ必要があります。
指定校推薦との併願
指定校推薦と総合型選抜の併願は、基本的にできません。指定校推薦は高校と大学の信頼関係で成り立つ制度で、推薦枠を得た生徒は入学が確約されるためです。校内選考を通った時点で進路は実質的に決まります。
一方、校内選考に落ちた場合は、他大学の総合型選抜に出願して問題ありません。校内選考の結果が出る時期と、総合型選抜の出願締切の前後関係を早めに調べておいてください。
公募推薦(学校推薦型選抜)との併願
公募推薦は、合格後の辞退が難しい方式が多数です。多くの大学が出願資格に「合格後に必ず入学できる者」と記載しているためです。
それでも、次の2パターンなら併願が成立します。
- 併願受験が認められている大学の公募推薦を受ける
- 入学必須の公募推薦を受けつつ、合格後の辞退が認められる大学の総合型選抜に出願する
学校推薦型選抜でも併願可の方式はあります。関東圏の調査では、学校推薦型選抜で併願可能な入試を実施する大学は東京27校、神奈川8校、千葉7校、埼玉11校の計53校でした。
同じ大学の別学部・別学科との併願
同一大学内の併願可否は大学ごとに分かれます。中央大学は他学部との併願を認めると要項に記載しています。國學院大學は制度内で複数学科・専攻への出願が可能で、法学部では専攻をまたいだ出願もできます。
反対に、学部間の併願を認めない大学もあります。関西大学は学部間での併願ができないとされています。同一大学内なら自由に出せると思い込まないでください。
専門学校との併願
大学の総合型選抜と専門学校の併願ができるかは、大学ごとに異なります。他大学への併願を認める大学では、4年制大学に限らず専門学校との併願ができる場合もあります。
判断は要項の記載次第です。「他大学との併願」という表現が専門学校を含むかどうかは読み取れないことが多いため、入試課に直接確認するのが確実です。
関東で併願校を選ぶときの基準と出願校数の目安
併願校は偏差値順や通いやすさだけで決めないでください。総合型選抜は大学・学部ごとに評価基準が異なり、対策の中身が変わるためです。選び方を間違えると、準備が分散して合格可能性の低い出願を重ねることになります。
第一志望と選抜方式・出題内容が近い大学を選ぶ
基準は4つです。
- 学べる内容で選ぶ:総合型選抜では志望動機が必須のため、学部で学ぶ内容に関心がないと書けない
- 第一志望と学部系統を合わせる:法学部が第一志望なら他大学の法学部を選ぶと、志望理由や実績の使い回しが効く
- 難関校ばかりにしない:合格可能性が全校で低いと、年内に合格を確保する目的を果たせない
- 日程が重ならないか確認する:試験日と出願期間が重複すると受験自体ができない
第一志望がA大学法学部なら、B大学法学部を併願先にすると面接や志望理由の準備が近い形で進みます。B大学文学部にすると、法律に関する話を使えず、ゼロから準備し直すことになります。
併願は何校までが現実的か
校数の正解は大学や公的機関が示していないため、断定はできません。判断基準は準備にかけられる時間です。志望理由書と面接準備は大学ごとに作り直す必要があるため、増やすほど1校あたりの完成度が下がります。
現実的な組み方の例は次の通りです。
| 枠 | 役割 | 方式の選び方 |
|---|---|---|
| 第一志望 | 本命 | 入学確約型でも可 |
| 併願(挑戦) | 上積み | 第一志望と学部系統が近い大学 |
| 併願(確保) | 年内の合格確保 | 併願可で辞退も可能な方式 |
| 一般選抜 | 2月の本番 | 年内の結果に関係なく対策を継続 |
一般選抜も受けるなら、年内に使える時間はさらに限られます。校数を決める前に、週ごとの作業量を書き出してみてください。
出願から入学手続きまでのスケジュールと書類準備
併願で失敗しやすいのは、試験の中身ではなく日程と書類の管理です。出願から入学手続きまでを1枚の表にまとめ、期限を先に押さえてください。
選考日程の重複と合格発表後の手続き期限を確認する
総合型選抜は、2021年度入試から出願期間が9月以降に変更されました。関東の私立大学では9月上旬から出願が始まる大学が多く、慶應義塾大学のようにオンライン申請が5月中旬から始まる学部もあります。
確認する項目は次の5つです。
- 出願期間(開始日と締切日、締切が必着か消印有効か)
- 試験日(第一志望と重なっていないか)
- 合格発表日
- 入学手続き締切日(授業料の納入期限を含む)
- 辞退の申し出期限と方法
特に重要なのが入学手続き締切日です。併願可の大学に合格しても、手続き締切が一般選抜の結果発表より前なら、入学金を納めるかどうかの判断を迫られます。年内入試で合格を確保しつつ一般選抜に挑む場合は、手続き締切が遅い方式を選ぶと負担が軽くなります。
複数合格した場合は、入学する1校を決めて手続きを行い、他校には辞退の連絡をします。辞退できるかどうかは要項の記載次第なので、出願前の確認が前提です。
調査書・推薦書など併願時に必要な書類の集め方
調査書は原則として出願する大学ごとに1通必要です。併願校が増えるほど必要枚数が増えます。高校の事務手続きには時間がかかるため、締切から逆算して早めに依頼してください。
併願時に準備する主な書類は次の通りです。
| 書類 | 入手先 | 依頼のポイント |
|---|---|---|
| 調査書 | 在籍高校 | 出願校数分をまとめて依頼する |
| 推薦書・志願者評価書 | 担任や教科担当の先生 | 大学ごとに様式が違うため様式を渡す |
| 志望理由書・活動報告書 | 自分で作成 | 大学ごとに書き直す |
| 英語資格・検定試験の成績証明書 | 試験実施団体 | 発行に日数がかかる |
| 課題レポート・学科別課題 | 自分で作成 | 大学が指定する様式と字数を守る |
推薦書が必要な方式では、先生に書いてもらう時間が必要です。出願締切の直前に依頼すると間に合いません。志望校が固まった段階で、必要書類の一覧を先生と共有してください。
高校の先生から併願を認めないと言われることもあります。学校ごとの指導方針や、専願・併願の文言の解釈が理由になっている場合が多いです。要項の該当箇所を印刷し、どの文言を根拠に併願可と判断したかを示して相談すると話が進みやすくなります。
総合型選抜の併願でよくある間違い
間違いは出願前に防げるものがほとんどです。代表的な3つと回避策を挙げます。
| よくある間違い | 何が起きるか | 回避策 |
|---|---|---|
| ネットの一覧だけで併願可と判断する | 年度で方式が変わり、出願後に専願と判明する | 最新の募集要項PDFで出願資格と合格後の手続きを確認する |
| 第一志望以外に入学確約型を出す | 滑り止めに合格した時点で進学先が確定する | 入学確約型は第一志望のみに置く |
| 評定平均や英語資格の条件を見落とす | 出願自体が受理されない | 評定の基準に加え、英語資格のスコア要件も確認する |
最も多い間違いは、ネットの一覧だけを根拠に出願を決めることです。併願可の方式は年度ごとに増減し、方式名も変わります。一覧は候補を絞る道具として使い、最終判断は必ず大学公式の要項で行ってください。
評定基準がないと書かれていても、別途英語検定のスコアが必要なケースがあります。出願資格は1つの数値だけで判断しないでください。
FAST-UPが見てきた、総合型選抜の併願でつまずく受験生の共通点
併願でつまずく受験生には、指導現場で見ていると共通した傾向があります。能力の問題ではなく、進め方の問題であることがほとんどです。
志望理由書を使い回してしまうのが1つ目です。学部系統が近い大学を選ぶと内容を流用できますが、大学名と学部名だけを差し替えた文章は面接で見抜かれます。その大学で何を学びたいのかという部分は、各校のカリキュラムを調べて書き直す必要があります。
書類作業が提出直前に集中するのが2つ目です。調査書や推薦書は他人に依頼する書類なので、自分の都合では早まりません。併願校が増えるほど依頼件数も増え、締切直前に高校へ駆け込む形になります。FAST-UPでは出願校が決まった段階で、依頼する相手と期限を先に書き出すようにしています。
一般選抜の対策が止まるのが3つ目です。年内入試の準備に集中すると、英語と国語の演習が数週間空いてしまいます。総合型選抜で合格が出なかったときに、学力面の立て直しに時間がかかります。コーチが毎日の学習を管理する際、年内入試の準備期間でも基礎科目の学習量を落とさない設計にしているのはこのためです。
総合型選抜と一般選抜の対策を両立させる進め方
両立の原則は、総合型選抜の準備を先に終わらせることです。総合型選抜は一般選抜より日程が早いためです。先に書類と面接の準備を片付け、その後は一般選抜の演習量を戻します。
| 時期 | 総合型選抜の作業 | 一般選抜の作業 |
|---|---|---|
| 春〜初夏 | 自己分析、志望校の要項確認、オープンキャンパス参加 | 英単語・文法・基礎固めを最優先 |
| 夏 | 志望理由書の作成、活動報告書の整理 | 長文読解と社会・数学の演習を継続 |
| 9月〜10月 | 出願、面接・小論文の練習 | 演習量を落とさず維持する |
| 11月〜12月 | 選考、合格発表、手続き判断 | 過去問演習に本格移行 |
| 1月〜2月 | 手続き完了または切り替え | 共通テストと個別試験の対策 |
両立のコツは、作業の性質で切り替えることです。総合型選抜は答えが1つでない作業、一般選抜は答えが決まっている作業です。集中力が切れたときに種類を切り替えると、学習時間そのものを確保しやすくなります。
一般選抜の対策を完全に止めないことが重要です。総合型選抜は面接や書類で人物を評価するため、結果の予測が立てにくい方式です。不合格だった場合に残るのは一般選抜だけなので、基礎科目の学習は最低限の量を続けてください。
浪人生や既卒生でも出願できる方式はあります。詳しくは浪人生でも総合型選抜が受けられる大学とメリット・デメリットにまとめています。
よくある質問
Q. 募集要項に「第一志望とする者」と書かれている場合、併願はできますか。
A. 出願自体は可能です。この文言は合格後の入学を保証させるものではないため、併願している受験生は多くいます。ただし、合格後の辞退は推奨されない立場を取る大学もあります。立命館大学のように、他大学と併願しても合格した場合には入学が前提と公式に説明している例もあるため、志望度が高い大学だけに使ってください。
Q. 併願するとき調査書は何枚必要ですか。
A. 原則として出願する大学ごとに1通です。併願校が5校なら5通が必要になります。高校での発行には日数がかかるため、出願校が決まった段階でまとめて依頼してください。推薦書が必要な方式では、大学ごとに様式が異なるので先生に様式を渡す必要があります。
Q. 複数の大学に合格したらどうすればよいですか。
A. 入学する1校を決めて手続きを行い、他校には辞退を申し出ます。ただし専願の大学と併願可の大学の両方に合格した場合、原則として専願の大学を選ぶことになります。第一志望が併願可の大学なら、専願の方式を併願先に入れないことが前提です。
Q. 総合型選抜で不合格だった大学を一般選抜で再受験できますか。
A. 同じ大学・学部を一般選抜で受験できます。総合型選抜と一般選抜は試験内容がまったく異なるため、学力試験の対策を別に進めておく必要があります。年内の結果に関係なく、基礎科目の学習を続けておくことが前提になります。
Q. 評定平均が低くても併願可の総合型選抜は受けられますか。
A. 評定の基準を設けていない方式はあります。関東圏では学力検査型の総合型選抜を導入する大学も出てきており、基礎学力を中心に評価する部門を設ける大学もあります。ただし評定基準がない場合でも、英語検定のスコアなど別の出願条件が課されることがあるため、要項の出願資格欄をすべて読んでください。
Q. 関東以外の大学も併願先にできますか。
A. 併願可の方式であれば、エリアを問わず出願できます。関西では関西大学や立命館大学、近畿大学、京都産業大学、同志社大学などで併願可能な方式があります。関西の大学については関関同立とは?各大学の特徴やレベル・序列も参考になります。移動時間と試験日程の重複には注意してください。


