早慶とマーチの差と壁|偏差値・難易度で比較
定員厳格化に伴い、合格者が減って私大全体で難化が進んでいる状況。
FAST-UP
早慶とマーチの差は、偏差値で5ポイントから10ポイント以上あり、入試問題の性質、世間のイメージ、就職状況にも違いが残っています。定員厳格化でマーチも難化しましたが、早慶も難化しており、壁が一気に縮まる状況ではありません。
2026年9月時点の情報です。
定員厳格化とは、入学定員の超過に対する規制が強まり、合格者数が絞られたことを指します。この影響で私大全体の難化が進み、日東駒専の偏差値も上昇しました。そのため早慶とマーチの差は縮まったという声もあります。実際にどこまで差があるのか、偏差値・入試問題・世間イメージ・就職状況の4つから見ていきます。
なお本記事でいうマーチとは、明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学の5大学を指す呼び方です。
早慶とマーチの差・壁を偏差値で比較
偏差値で見ると、主要学部では5ポイントから10ポイント以上の差がついています。学部単位では接近している組み合わせもありますが、全体では差がはっきりしています。
| 大学 | 偏差値の位置づけと早慶との差 |
|---|---|
| 早慶 | 60.0〜72.5。ボリューム帯は65.0〜70.0 |
| 明治大学 | 主要学部は62.5〜65.0。早慶と5ポイントほどの差 |
| 青山学院大学 | 文系は明治と同程度かより接近。理系は10ポイント以上の差も |
| 立教大学 | 文系は差が明確で法学部は10ポイントほど。理系は7.5〜10ポイント |
| 中央大学 | 基本は10ポイントほど。理系は10ポイント以上の差も |
| 法政大学 | おおむね7.5〜12.5ポイントの差 |
早慶の偏差値はどれくらい?
早慶の偏差値は60.0〜72.5で、早稲田大学の看板学部は偏差値70をマークします。ボリュームが目立つのは65.0〜70.0の帯で、これは早稲田大学も慶應義塾大学も同じ傾向です。理系は偏差値65あたりに名を連ねる学部学科が多く、主要学部は65.0〜70.0に位置すると考えるのが実情に近いです。(参照:河合塾)
学部別の細かい並びは早慶上智の偏差値ランキングで確認できます。
早慶と明治大学の差
明治大学の主要学部はだいたい62.5〜65.0で、67.5や70.0が多い早慶とは5ポイントほどの差が見られます。理系学部は学部学科による幅が大きく、偏差値的に互角の学部もあれば、文系と同じくらいの差がついている学科、それ以上に離れている学科もあります。
早慶と青山学院大学の差
青山学院大学は文系がそれなりに善戦しており、明治大学と同じくらいか、それより近いところまで接近しています。理系学部も互角の学部学科がある一方、かなり差がついている学部が存在します。10ポイント以上の差がついているケースもあり、明治大学と比べると理系で差がついた印象です。
早慶と立教大学の差
立教大学は文系でもはっきりと差がついている学部が多く、法学部では10ポイントほどの差があります。ただし特定の学部では偏差値が並ぶところもあり、全体では差があっても、個別には大きな差がついていない学部も出てきます。理系は7.5ポイントから10ポイントの差で、差は歴然です。
早慶と中央大学の差
中央大学は法学部の一部学科で早慶との差がそこまでついていないものもありましたが、基本的には10ポイントほど離れているものが目立ちます。理系でも同じことが言え、10ポイント以上離れているケースもあります。新しい学部では健闘を見せているものの、早慶とは差がついている状況です。
早慶と法政大学の差
法政大学は、文系理系のそれぞれで10ポイント、あるいはそれ以上の差がついている学部が見られます。理系学部にはやや肉薄する学科もありますが数える程度で、おおむね7.5ポイントから12.5ポイント離れています。早慶との差が大きいだけでなく、マーチの中でも差をつけられている状況です。
早慶とマーチの入試問題の難易度差・壁
入試問題の差は、難しさの「種類」が違う点にあります。早慶は1問の重さで差をつけ、マーチは処理量で差をつけます。
早慶の入試問題の難易度
慶應義塾大学のように国語の代わりに小論文を課す学部では、国語より難しく感じることがあります。読解力だけでなく、専門的な知識や論理的思考力も問われるためです。早稲田大学は数学が難しく、学部によっては受験生の平均点が60点満点で10点に満たないケースがあります。英語は英検準一級レベルの語彙力に加え、専門性の強い単語を知っておく必要があり、難易度は高いです。
科目ごとの具体的な出題傾向は早慶の日本史の難易度と対策でも取り上げています。
マーチの入試問題の難易度
マーチの入試問題は、共通テスト(1月に実施される全国共通の大学入学共通テスト)レベルか、それよりやや難しいケースが中心です。早慶のように極端に難しい問題が出てくることは少ないものの、正確さとスピードが問われます。試験時間が短い割に問題数が多く、時間が切迫しやすいためです。1問に時間をかけず、すぐに答えを導く力が求められます。
早慶とマーチの入試問題の難易度差とは?
早慶は1問1問にボリュームがあり、長い文章を読ませた上で複合的な知識から答えを導く問題、論理的思考力を問う問題が多くなります。時間はそれなりにある分、考えながら解き進める姿勢が必要です。マーチは1問あたりの難易度が早慶ほど高くない代わりに、効率よく解き切る力が問われ、共通テストや旧センター試験で求められたノウハウが活きます。このあたりに早慶とマーチの壁があります。
よくある間違い:マーチ対策の延長で早慶に挑むこと
よくある間違いは、マーチ対策の延長線上で早慶に届くと考えることです。処理速度を上げる練習を積み重ねても、長文を読み込んで複合的に判断する問題の形式には直結しません。
回避策は、早慶の学部別の過去問を早い段階で解き、求められている難しさの種類を確認することです。その上で、速く解く練習と、重い1問に向き合う練習を分けて積むと、対策の方向がずれにくくなります。
FAST-UPが見てきた早慶の壁でつまずく地点
指導の現場で目立つのは、学力そのものより「解き方の切り替え」でつまずくケースです。共通テスト型の演習で手応えを得たまま早慶の問題に入り、設問の重さに対して時間配分が合わないまま崩れていきます。
もう一つは、志望学部の形式を把握するのが遅れる傾向です。小論文を課す学部、数学が重い学部、語彙の負荷が大きい学部では、必要な準備が入り口から違います。学部を決めきれないまま総合的な演習を続けると、どの形式にも最適化されない状態になりがちです。
学部単位では早慶とマーチの差が小さい組み合わせもあります。偏差値の全体像だけで判断せず、受ける学部の問題を見てから計画を組む受験生のほうが、途中でやり直す回数が少なくなります。
早慶とマーチの世間イメージの差・壁
世間イメージは、早慶が権威的、マーチは人気やブランド寄りという形で分かれています。
早慶の世間イメージ
早慶に対するイメージは権威的なものが目立ちます。早稲田大学は多くの総理大臣を輩出し、慶應義塾大学は多くの経営者を世に送り出してきました。経済界、政界、官僚のそれぞれで活躍する出身者が多いため、よいイメージを持つ人も少なくありません。見た目の爽やかさやスポーツの強さ、歴史の長さで判断する人もいます。
マーチの世間イメージ
人気面で早慶より上に出やすいのがマーチです。特に青山学院大学は大学全体のイメージがよく、ブランド力もあります。ただしマーチ内で格差が生まれているのも事実で、法政大学のように苦戦しているケースもあります。マーチという括り自体によいイメージを持つ人はいますが、個々に問うと評価が分かれる点が早慶と違います。
早慶とマーチの世間イメージの差
早慶が権威的である一方、マーチは権威的なイメージを持たれることが少ないのが実情です。マーチから総理大臣経験者も出ていますが数は少なく、剛腕で名をはせた総理大臣経験者は東京大学や早慶に集中します。起業の面でも慶應義塾大学はSFC(湘南藤沢キャンパスに置かれた学部群)が存在感を見せますが、マーチに該当する学部は少なく、イメージの差が生じやすくなっています。
早慶とマーチの就職状況の差・壁
就職状況でも早慶が上位に位置し、マーチはやや苦戦気味です。有名企業への就職率や出身校別の平均年収などのランキングで、順位の開きが表れます。
早慶の就職状況
有名企業への就職率、出身校別の平均年収、実際の就職先企業などを見ると、早慶はいずれもランキング上位で、私立大学の中でトップクラスに位置します。学歴フィルター(応募者を出身大学で絞り込む採用の運用)で弾かれにくいとされ、起業にも積極的です。大学のブランドと自己アピールがかみ合えば、希望する職に就ける可能性は高いと言えます。
マーチの就職状況
総合商社やマスコミのように早慶の学生を積極的に採用する企業がある一方、マーチは早慶よりやや苦戦気味です。他の大学群と比べれば健闘していますが、早慶が上位に入るランキングでは、かなり離れてから明治大学や青山学院大学が登場し、法政大学などは圏外になることもあります。その分、個々の努力や自己アピール、見せ方を磨く必要があります。
早慶とマーチの就職状況の差
早慶が強い背景には、経営者や管理職に出身者が多いことがあります。総合商社では同じ早慶でも早稲田大学より慶應義塾大学が強く、マスコミや広告でも同じ傾向が見られます。早稲田大学は小売業などで強いとされ、早慶それぞれに強い業界があります。一方、マーチで「この業界はこの大学が強い」と言える組み合わせを見つけるのは難しく、ここにも差が表れます。
進路を考える際には、浪人という選択肢の実情も合わせて把握しておくと判断しやすくなります。大学別の傾向は大学生の浪人割合で確認できます。
まとめ
早慶とマーチでは、偏差値をはじめ複数の面で差がついています。定員厳格化でマーチに必要な偏差値は上がりましたが、早慶も少数精鋭となり、より厳しい状況です。早慶とマーチの差が一気に縮まることは考えにくい状況です。これまで積み重ねた実績は数年の難化でひっくり返るものではないためです。
早稲田大学と慶應義塾大学は互いをライバル視し、大学の魅力を高め合っています。マーチがこれを上回る戦略を打てるかどうかが、今後の見どころになります。2027年度入試に向けては、大学群のイメージではなく、受ける学部の問題に合わせた準備が必要です。
よくある質問
Q. マーチとはどの大学を指しますか。 A. 明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学の5大学を指す呼び方です。頭文字をつないだ呼称で、正式な大学の区分ではありません。
Q. 早慶とマーチの差は縮まっているのですか。 A. 定員厳格化でマーチの偏差値は上がりましたが、早慶も同時に難化しています。学部単位では接近している組み合わせがあるものの、全体の差は残っています。
Q. マーチ対策と早慶対策は同じ進め方でよいのですか。 A. 難しさの種類が違うため、同じ進め方だけでは足りません。マーチは短い時間で正確に処理する力、早慶は長文と複合的な知識を扱う力が中心になります。
Q. 早稲田大学と慶應義塾大学の入試の違いは何ですか。 A. 慶應義塾大学は国語の代わりに小論文を課す学部があり、専門的な知識や論理的思考力が問われます。早稲田大学は数学が難しい学部があり、英語も語彙の負荷が大きい点が特徴です。


