MARCHは難化している?原因と難化対策を解説
MARCHの入試は難化している?
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MARCHは昔より難しくなっています。ただし入試問題が極端に難しくなったわけではありません。早慶や国公立の志望層が併願先を増やし、大学側が合格者を絞る動きも重なって、相対的に合格が難しくなっています。
2026年9月時点の情報です。
MARCHの入試は難化しているのか
難化しているのは「問題」ではなく「競争相手」です。入試問題のレベルはほぼ据え置きのまま、受験する層が上に厚くなったことで、合格ラインの争いが激しくなっています。
入試問題そのものは大きく変わっていない
前提として、入試問題が極端に難しくなっているということはありません。単語のレベルが急に上がったり、文章が大幅に長くなったりしているわけではないのです。難化の実感は、問題ではなく競争環境から来ています。
ライバルの層が変わった
以前の早慶レベル志望者がMARCH受験に流れ込んできています。ライバルのレベルが上がることにより、相対的に入試が難化しているということです。実際、MARCH合格者を多く出した高校に、これまでは見られなかった進学校が入ってきています。
例えば、埼玉の県立高校である浦和高校と浦和第一女子高校です。両校は、これまでMARCHの合格者はそれほど多くありませんでした。それが、大学通信の集計によると、浦和高校は合格者を125人増やして401人となり、明治大学の合格者数で全国トップに立ちました。
浦和第一女子高校もMARCH全体で合格者を151人増やして418人になり、MARCH全体の合格者で4位、立教大学の合格者数は全国トップに立っています。浦和高校は東京大学にも多数の合格者を出す、埼玉県トップの進学校です。浦和第一女子高校も早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学に毎年多数の合格者を出す学校です。トップクラスの高校の生徒も「すべり止め」で受ける大学を増やしたため、MARCHで大量の合格者が出たと言えます。
いわゆる「日東駒専」の難易度も上がっています。従来であれば合格圏内であった偏差値の受験生が厳しい結果になった年もありました。偏差値50以下の大学でも志願者が増えています。安全志向が顕著になり、以前よりもすべり止めの大学を受けるようになったと考えられます。その結果、どの偏差値帯でも簡単に受かるという状況ではなくなっています。
GMARCH(ジーマーチ)とは
GMARCH(ジーマーチ)は、MARCHに学習院大学(Gakushuin)を加えた呼び方です。大学群の呼称であり、公式な区分ではありません。難化の背景や対策はMARCHと共通して考えて問題ありません。
MARCH難化の原因
原因は大きく3つに整理できます。定員厳格化、受験生の安全志向、指定校推薦の増加です。いずれも大学側が一般選抜で出せる合格者を減らす方向に働きます。
| 原因 | 何が起きているか |
|---|---|
| 定員厳格化 | 大学が定員を大きく超えて合格を出しにくくなった |
| 安全志向 | 志望校を下げ、早めに合格を取る動きが広がった |
| 指定校推薦の増加 | 推薦での入学者が増え、一般選抜の枠が圧縮された |
定員厳格化
難化の背景には、文部科学省が進める「入学定員管理の厳格化」があります。入学者数が定員を大きく超えないよう国が求める仕組みです。大学が定員を大幅に超過して入学させた場合は「私立大学等経常費補助金」を交付しないとして、この超過率の基準を2016年から段階的に引き下げてきています。
また、2018年には「地方創生」の一環として、東京23区内にある大学は今後10年間定員の増加を認めないことなどを盛り込んだ法律が成立しています。
受験生の安全志向
受験生の安全志向は、私立大志望者でより顕著に表れています。推薦や総合型選抜で早々に進学先を決める受験生が増えました。先行きがわからない状況の中で、合格圏にある大学を志望校として設定し、早めに合格しようという傾向です。チャレンジ校を減らし、志望大を下方シフトしている学生が増えているということです。
同時に、学習の遅れへの心配から、早めに進学先を決めたい中位・下位層の受験生において、総合型選抜・学校推薦型選抜(学力試験以外の評価も用いる、一般選抜以外の入試)の利用が拡大しています。浪人を避ける動きの広がりについては、大学生の浪人割合はどれくらい?男女別・大学別で解説も参考になります。
指定校推薦の増加
指定校推薦(高校ごとの推薦枠で出願し、校内選考を通れば進学できる方式)の増加も見られます。それによって大学側が一般選抜の定員を削らざるを得なくなり、倍率の上昇につながっています。
指定校推薦の対象は少人数で、求められる成績水準も比較的厳しいです。その代わり、要件を満たしたうえで応募すれば、ほとんどの場合で合格します。従来は、一発勝負の試験が苦手だけれど普段の成績が良い生徒が応募する、という印象が強くありました。
しかし2018年くらいからは男女問わず応募者が増え、今までは志願者がほとんどいなかったような大学でも、校内枠の埋まる高校が目立ってきました。指定校推薦の入学者が増えると、大学は一般選抜の合格者を絞らざるをえなくなります。指定校推薦で受かった生徒は、そのほとんどが合格した大学へ入学するためです。
MARCHの偏差値は早慶に迫っている
MARCHの一部の学部は、早慶の一部の学部と同水準か、それを上回る偏差値になっています。大学名ではなく学部単位で難易度を見る必要があります。
学部によっては早慶を上回る
以前は「早稲田大学、慶應義塾大学に絶対に進学したいので、早慶の複数学部を受ける」という受験生が多くいました。しかし年々そういった「大学名第1志望」は減っています。今の受験生の多くは進みたい学部を決めたうえで、チャレンジ校、実力相応校、滑り止め校と分けて受けています。
MARCHの学力レベル層では、早慶上智(早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学)がチャレンジ校、日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)が滑り止め校という位置づけになります。有力私立大学の入試偏差値の上昇は以前から指摘されており、MARCHはもはや超難関大学と言ってよい水準です。
文理問わず偏差値でMARCHを総じて上回る早慶ですが、MARCH以下という文系学部も存在します。
| 大学・学部 | 偏差値 |
|---|---|
| 慶應義塾大学 法学部(法律学科) | 82 |
| 早稲田大学 法学部・政治経済学部・商学部・国際教養学部 | 80 |
| 立教大学 異文化コミュニケーション学部 | 75 |
| 立教大学 経営学部 | 74 |
| 明治大学 法学部 | 74 |
| 中央大学 法学部 | 74 |
| 早稲田大学 教育学部 | 74 |
| 早稲田大学 人間科学部 | 72 |
| 早稲田大学 スポーツ科学部 | 70 |
所沢キャンパス(埼玉県所沢市)にある人間科学部、スポーツ科学部は「MARCHクラスの受験生でも受かりやすい学部」(予備校)になっています。ただ、最難関学部で見ると、早慶ともMARCH最難関である立教大学の異文化コミュニケーション学部を引き離しています。早慶側の偏差値の並びは、早慶上智の偏差値ランキング!偏差値推移や偏差値の高い学部も解説でも確認できます。
明治大学はMARCHの中で頭1つ抜けた存在か
東進ハイスクールの島田研児・教務制作部長によると「『明治、立教、青学、中央、法政』という序列は昔からあまり変わっていない」と言います。
ただ、「MARCHの中でかつてよりも明治が飛び抜けた存在になっているのは事実。背景にあるのはバンカラから都会的なイメージへと変わり、女子学生も増えたことだ。政治経済、商、法といった看板学部に加え、国際日本、情報コミュニケーションといった新学部も成功している」と指摘しています。
学部単位では大学の序列どおりにならない
学部単位で見ると、「明治、立教、青学、中央、法政」という大学単位での序列がそのまま当てはまるとは限りません。併願して両方に合格した場合の進学先の選び方には、次のような傾向があります。
| 併願の組み合わせ | 選ばれる割合 |
|---|---|
| 中央大学法学部と明治大学法学部 | 80%が中央大学 |
| 中央大学法学部と青山学院大学・法政大学の法学部 | 100%が中央大学 |
| 立教大学経営学部と明治大学経営学部 | 85.7%が立教大学 |
| 立教大学経営学部と青山学院大学・法政大学の経営学部 | 100%が立教大学 |
中央大学法学部は、資格試験の最難関の1つである司法試験に強い学部です。大学別の合格者数も329人(17〜19年度の合計)と、慶應義塾大学、東京大学、京都大学に次ぐ4位です。国家公務員総合職(旧上級職)試験でも、私立で早慶に次ぐ実績があります。
立教大学経営学部は06年開設の新しい学部ですが、英語教育やリーダーシップ教育を充実させています。また、有名教授をそろえることで、受験生からの人気が急上昇しました。
逆転合格層ほど難化の影響を受けやすい
逆転合格を狙う層は、MARCHの難化の影響を受けやすいといえます。ぎりぎりのラインで合格することが少なくないためです。これまで以上に高い学力をつけることが必要になります。
MARCHの難化対策
対策の軸は4つです。1ランク上を目標にする、基礎を完成させる、併願校を増やす、受験を甘く見ない。いずれも「相対的な難化」に対応するための考え方です。
1ランク上の志望校を目指す
立教大学の経済学部を目指しているなら、上智大学の経済学部や慶應義塾大学の経済学部に合格できる勢いで勉強する必要があります。青山学院大学を目指す勉強量では、青山学院大学に届きにくいという意味です。模試や共通テストの目標点も、パスナビなどに書いてあるボーダーの10%上を目指しましょう。
学力の高い学生がMARCHになだれ込んできている状況です。着実に合格を取っていくためには、その受験生たちと戦える学力を身につける必要があります。行きたい大学の1ランク上の大学に合格できるように勉強することで、志望校への合格可能性も上がります。上位大学の出題水準を知る手がかりとして、早慶の日本史の難易度はどれくらい?傾向と対策やおすすめ参考書も解説も参考になります。
基礎力を徹底する
合否を分けるのは、みんなが取れるところで点数を落とさないかどうかです。問題の難易度自体はさほど大きく変わっていないためです。どれだけ完成度を上げられるかが勝負になります。
そのためには色々なことに手を出すのではなく、決めた参考書1冊を完璧にすることが有効です。何度も繰り返して、苦手や欠けた知識を補っていきます。暗記科目の進め方は【世界史の教科書を用いた勉強法】効率的な暗記方法も紹介の手順も応用できます。
併願校を増やす
併願校は、なるべく多くの大学・学部を幅広く受験する形がおすすめです。例えば「明治大学 文学部」志望なら、次のような受け方になります。
| 区分 | 大学・学部 |
|---|---|
| チャレンジ校 | 早稲田大学 文学部・文化構想学部、上智大学 文学部 |
| 第1志望 | 明治大学 文学部 |
| 実力相応校 | 青山学院大学 文学部、立教大学 文学部 |
| 滑り止め校 | 國學院大學 文学部、日東駒専 文学部(共通テスト利用) |
共通テスト利用とは、共通テストの得点だけで私大の合否が決まる方式です。日東駒専の難易度も上昇していますが、MARCHは合格者を絞りすぎて定員割れが生じた例もあるため、積極的に上位の大学を受ける選択も取れます。
受験をナメない
難化しているとはいえ、最悪の未来はなかなか想像できないものです。
- 「流石に日東駒専は受かる」
- 「なんだかんだ志望校も受かるだろう」
- 「全落ちは流石にない」
現役生の中にはこのように考える学生が多くいます。一方で、浪人生は一度受験を経験しているため、こうは考えません。
中学受験や高校受験と大学受験は比べられません。全国から、志望校に合格するために受験生が本気で勉強してきます。市内や県内で競っていた今までの受験とは、倍率も受験者数も大きく異なります。少しでも合格可能性を上げるために、勉強と受験に本気で向き合うことが必要です。
よくある間違い:ボーダーちょうどを目標点にする
よくある間違いは、志望校のボーダー得点をそのまま目標点にしてしまうことです。8割取っていても日東駒専に落ちているという受験生もいます。ボーダーは合否が半々に分かれる位置なので、ちょうどを狙うと本番の失点で足りなくなります。
回避策は、目標点をボーダーの10%上に置き直し、模試のたびにその基準で達成度を確認することです。志望校を1ランク上に設定して過去問を解くと、同じ基準を自然に満たしやすくなります。
FAST-UPが見てきたMARCH志望者のつまずきどころ
指導現場で多いのは、「問題が難しくて落ちた」と考えてしまうつまずきです。再現してみると、落としているのは標準レベルの設問で、難問はもともと合否に関係していないことが少なくありません。難化の実感が、問題の難易度ではなく周囲の仕上がりの差から来ていることに気づけないと、必要のない難しい教材に手を伸ばしてしまいます。
もう1つは、併願の組み方を後回しにする傾向です。出願の直前に慌てて併願先を選ぶと、同じ日程に重なったり、出題形式が第1志望と大きく違う大学ばかりになったりします。併願は科目と形式で選ぶと、過去問演習がそのまま他校の対策にもなります。
参考書を次々に増やす動きも繰り返し見られます。やり切った1冊がない状態では、標準問題の取りこぼしが本番まで残ります。進度よりも、同じ教材を何周したかを記録する形に切り替えると、取りこぼしが見えやすくなります。
今後のMARCHと周辺大学群の見通し
安全志向が続く限り、上位層が下の大学群に流れる構図は変わりにくいと考えられます。大学群ごとの見通しは次のとおりです。
MARCHの見通し
難関私立大学であるMARCHは従来から人気が高く、安全志向の傾向により、早慶や国公立大学を志望している人たちが併願で受験する流れがあります。2021年度の入試では、感染症や制度改正の影響で浪人を避ける傾向があり、志願者数は増加傾向にありました。
現役で大学に行きたいと考える学生が増えれば、志望者数はさらに増えます。MARCHはそういった影響を大きく受けやすい大学群です。志望校としてもチャレンジ校としても併願校としても機能しており、一人当たりの受験校が多くなればMARCHの受験者数は自然と増加します。
早慶上理の見通し
早慶上理の倍率は、一時期に比べるとやや落ち着いた数字になってきました。定員厳格化前の状態に戻りつつあるとも見られます。安全志向の受験傾向が続く場合は、早慶上理の倍率が大きく上昇することはないと考えられます。
日東駒専の見通し
中堅私立大学と呼ばれる日東駒専も、文系学部の人気が高まっており、中には偏差値60以上必要とされる学部も増えています。2019年度入試ではタックル問題の影響で日本大学が志願者数を減らしましたが、それ以外の大学では志願者数が増えました。日本大学の減少分と照らし合わせても、それ以上の増加がありました。
志願者を減らした年の翌年は、反動で日本大学の志願者が戻り、それ以外の大学はほぼ横ばいからやや減少という見方が示されています。
私立大学全体の流れ
安全志向が続くと、レベルの高い大学群の受験生が下に降りてきて、MARCHや日東駒専などの大学が難化する可能性が高いと想定できます。
まとめ
「定員厳格化」や「大学入試改革」の影響を含め、受験生の安定志向型化が進んでいます。それにより倍率が高くなり、私立の難化が進んでいるということです。東京23区内にある大学の定員増加を認めない法律が成立したこともあり、この流れは続くと予想できます。
ただ、どんなに難化しても合格する人は合格します。行きたい大学があるなら、きちんと準備して真剣に取り組むことが大切です。後悔のない受験にするために、学習計画を見直す機会を作りましょう。
よくある質問
Q. MARCHは昔より難しいのですか。 A. 相対的には難しくなっています。入試問題のレベルが大きく上がったわけではなく、早慶や国公立の志望層が併願先を増やしたことで、合格ラインの競争が激しくなりました。トップ進学校がMARCHの合格者数上位に入る状況も、その表れです。
Q. ジーマーチ(GMARCH)とMARCHは何が違うのですか。 A. GMARCHは、MARCHに学習院大学を加えた呼び方です。大学群の通称であり、入試制度上の区分ではありません。難化の背景や必要な対策はMARCHと同じ考え方で整理できます。
Q. MARCHの中で明治大学が難しいと言われるのはなぜですか。 A. 大学としての人気が高まっているためです。都会的なイメージへの変化や女子学生の増加、政治経済・商・法といった看板学部に加えて国際日本・情報コミュニケーションなどの新学部が成功したことが指摘されています。ただし学部単位では、法学部で中央大学、経営学部で立教大学が選ばれる傾向もあります。
Q. 難化していても逆転合格は可能ですか。 A. 可能ですが、ぎりぎりの合格を狙う形では影響を受けやすくなります。1ランク上の大学を基準に目標点を設定し、標準レベルの取りこぼしをなくす進め方が現実的です。併願校を科目と形式でそろえて増やすことも、合格可能性を上げる手段になります。


