一浪でマーチ全落ち|もう1浪すべきか
「浪人したのにマーチに全落ちしてしまった」
FAST-UP
浪人してマーチに全落ちするのは珍しくありません。私立大学の難化と、5大学すべての対策が分散することが重なるためです。もう1浪するかは、落ちた理由を分析し、志望校を絞って勉強法を立て直せるかで判断します。
2026年9月時点の情報です。
ここでは、マーチ(明治・青山学院・立教・中央・法政の5大学の総称)に一浪で全落ちした場合の受け止め方と、次の一年の組み立て方を整理します。2027年度入試を目指す場合の判断材料として読めます。
浪人してマーチ全落ちは珍しいことではない
結論として、浪人してマーチ全落ちは特別な失敗ではありません。入試側の事情と、浪人という受験形態の難しさが重なるためです。理由を3つに分けて見ていきます。
私立大学(マーチ)の入試問題の難化
1つ目の理由は、私立大学の入試問題の難化です。私立大学は毎年、難化傾向が続いています。
大きな原因は、政府から通達された定員厳格化(入学者数を定員どおりに抑えるよう求める方針)です。私立大学は定員をオーバーさせて合格させると助成金を交付しないと政府から言われています。そのため、私立大学の倍率は高くなる方向に動いています。
浪人したから受かりやすいわけではない
2つ目の理由は、浪人したから受かりやすいわけではないということです。時間があり、現役時の積み重ねもあるため合格しやすいと考えがちです。
しかし浪人生の第一志望合格率は1割程度と言われています。浪人を成功させること自体が難しいという前提で計画を立てる必要があります。浪人という進路を選ぶ人がどれくらいいるかは、大学生の浪人割合も参考になります。
マーチすべての対策をするのは難しい
3つ目の理由は、マーチすべての対策をするのは難しいということです。マーチを全落ちしたということは、マーチのすべての大学を受験したということになります。
5つの大学を対策するのはかなり大変です。大学ごとに出題形式や試験科目が異なり、過去問に割ける時間が分散するためです。結果として、一つ一つの対策がおろそかになる可能性が高くなります。
浪人してマーチ全落ちした人はもう1浪すべきか
もう1浪してマーチ以上を目指す選択は、就職や長期的な評価を重く見る場合には有効です。判断の材料を3つ挙げます。
2浪してでも高学歴の方が就職で得
1つ目は、2浪してでも高学歴の方が就職で得だという点です。日本には学歴フィルター(学歴で応募者を絞る選考の仕組み)があり、学歴によって受けられる企業のレベルが左右される場面があります。
二浪してでも高学歴を持っていた方が、良い企業に行ける可能性が高くなります。また日本では二浪までは新卒扱いです。つまり現役生と同じ扱いで選考を受けられます。将来のことを考えるなら、もう一浪する価値があります。
大学に進学しながら再受験する道を考えている場合は、仮面浪人と就職の関係も確認しておくと選択肢が広がります。
コンプレックスを回避できる
2つ目は、学歴コンプレックスを回避できることです。一浪してマーチ全落ちのまま大学生になった場合、楽しく過ごせる人もいますが、学歴コンプレックスに悩まされる人も少なくありません。
学歴コンプレックスは社会人になっても解消しにくいものです。大学受験を納得できる形で終えることが、その後の生活の落ち着きにつながります。
日本はまだまだ学歴社会
3つ目は、日本がまだまだ学歴社会であるという点です。学歴によって人を見る目が変わる場面は実際にあります。
良いか悪いかは別として、見た目が全く同じ東京大学出身の男性と日東駒専(日本・東洋・駒澤・専修の4大学の総称)出身の男性がいれば、多くの人は東京大学出身の男性を優秀だとみなすでしょう。一方で、年を取ってから二浪していたかどうかを気にする人はいません。長い目で見れば、二浪してでも志望順位の高い大学に行く判断は筋が通ります。
もう1浪する場合にやるべきこと
最初にやるのは原因の分析です。原因を変えずに一年を足しても、同じ結果になりやすいからです。やるべきことを3つに整理します。
落ちた理由を徹底的に分析する
浪人してマーチに全落ちしたことには、必ず理由があります。次のような項目を紙に書き出します。
- 生活習慣が良くなかった
- 目標を立てていなかった
- 当日のコンディションを整えられなかった
書き出した理由は、次の一年の対策に直接つなげます。
| 落ちた理由の例 | 次の一年で取る対策 |
|---|---|
| 生活習慣が良くなかった | 起床・就寝と勉強開始の時刻を固定する |
| 目標を立てていなかった | 志望校を絞り、月・週単位のやることを決める |
| 当日のコンディションを整えられなかった | 試験時間に合わせた演習で本番の過ごし方を練習する |
つらい作業ですが、原因を考えないまま一浪を追加しても、結果は変わりにくくなります。
勉強法を見直す
2つ目は勉強法の見直しです。正しい勉強法で量をこなした場合、成績は伸びやすくなります。浪人して成績が伸びなかったのであれば、勉強法が合っていなかった可能性が高いです。
確認したいのはアウトプット重視になっていたかどうかです。アウトプットとは、書く・話す・問題を解くなど、情報を脳から外に出すことです。人はインプットした情報をアウトプットすることで重要な情報とみなし、長期記憶に保存します。
- 問題集を解く
- 自分で解説してみる
こうした形で手を動かす時間が確保できていたか、振り返ってみましょう。暗記科目の進め方に不安がある場合は、世界史の教科書を用いた勉強法のような科目別の手順も参考になります。
志望校を絞る
3つ目は志望校を絞ることです。「志望校はマーチ」というざっくりした目標では、合格はつかみにくくなります。
大学によって傾向や試験科目が違うためです。志望校を絞ると、必要な勉強だけに時間を使えます。たとえば「上智大学では英語の配点が高いから英語の勉強量を増やそう」と判断できます。志望校は一年の初めのうちに決めておきます。
よくある間違い:志望校を「マーチのどこか」でまとめてしまう
よくある間違いは、第一志望を決めずに「マーチのどこか」で受験校を並べ、5大学すべてを受けて対策を薄く分散させることです。出題形式の違いに対応しきれず、どの大学でも過去問演習が足りないまま本番を迎えます。
回避策は、第一志望を1大学1学部まで決め、過去問の時間を最も多く割り当てることです。併願は、出題形式や試験科目が第一志望に近い大学から選びます。学部ごとの難易度の並びを知りたい場合は、早慶上智の偏差値ランキングで全体像を押さえてから受験校を決めると判断しやすくなります。
浪人全落ち勢は早慶を狙えるのか
狙えます。日東駒専に合格する力があれば、浪人して早慶を目指すことも可能です。現役時と違い、学校行事や定期試験に時間を取られず、受験科目だけに時間を配分できるためです。
ただし簡単な道ではありません。浪人生の第一志望に合格する割合は約1割と言われています。科目ごとに要求される水準も上がるため、早慶の日本史の難易度のように、志望校の出題レベルを早い段階で確かめておく必要があります。
浪人してマーチに全落ちしないために今できること
一番良いのは1浪目で合格することです。ここで挙げる3つは、2浪を決めた人にもそのまま当てはまります。
たくさん勉強する
1つ目は、たくさん勉強することです。受験に失敗した人の多くが「もっと勉強しておけばよかった」と話します。
受験は毎日の積み重ねです。その日やるべきことに集中し、積み上げた先に成果が出ます。後悔なく受験を終えるために、勉強量を確保します。
苦手科目から逃げない
2つ目は、苦手科目から逃げないことです。受験生は苦手科目を避け、得意科目に取り組みがちです。
しかし80点を90点にするのと、20点を30点にするのでは、圧倒的に後者の方が簡単です。合格点に届かせるには、苦手科目に向き合う時間が欠かせません。
記憶の仕組みを理解する
3つ目は、記憶の仕組みを理解することです。脳がどう記憶しているかを知っておくと、同じ時間でも定着の度合いが変わります。
ポイントは「2週間に3回復習した情報は忘れない」ということです。人の脳は一度見た情報を海馬に置きますが、そのままでは短期記憶です。復習することで重要な情報だと認識され、長期記憶に移ります。計画を立てる段階で、2週間のうちに3回復習する枠を入れておきます。
FAST-UPが見てきた2浪目でつまずくところ
指導現場で多いのは、2浪目を「去年の続き」として始めてしまうケースです。使う教材も一日の流れも去年と同じまま、気持ちだけを強くして再出発するため、春の時点で去年と同じ崩れ方をします。
もう一つ目立つのは、全落ちのショックから復習を避ける動きです。できなかった分野を開くのがつらく、得意科目の演習で一日を埋めてしまいます。結果として、合否を分けた科目に最後まで手がつきません。
逆に伸びる人は、最初の数週間で落ちた原因を言葉にし、第一志望を一つに決めてから教材を入れ替えます。順番を変えるだけで、同じ一年の使い方が変わります。
まとめ
- マーチ全落ちは不思議なことではない
- もう一浪して志望順位の高い大学を目指す判断には意味がある
- もう一浪する場合は、落ちた理由を徹底的に分析する
- 志望校を絞り、アウトプット中心で復習の回数を確保する
マーチ全落ちはショックな出来事です。それでも次の受験を納得できる形で終えれば、この一年も経験として残ります。方針が決まった日から勉強を始めます。
よくある質問
Q. 一浪でマーチ全落ちは珍しいことですか。 A. 珍しくありません。私立大学は定員厳格化の影響で難化傾向が続いており、浪人生の第一志望合格率も1割程度と言われています。5大学すべてを受けると対策が分散する点も重なります。
Q. もう1浪するか、合格した大学に進学するかで迷っています。 A. 就職や長期的な評価を重く見るなら、もう1浪する選択は有効です。日本では二浪までは新卒扱いとなります。進学しながら再受験を考える場合は、仮面浪人(大学に在籍しながら他大学を受験すること)の進路も比較します。
Q. 2浪目はどこから手をつければよいですか。 A. 落ちた理由の書き出しからです。生活習慣・目標設定・当日のコンディションなどを紙に出し、それぞれに対策を割り当てます。そのうえで第一志望を1つに絞り、教材と一日の流れを組み替えます。
Q. 浪人から早慶に志望校を上げても間に合いますか。 A. 日東駒専に合格する力があれば狙えます。受験科目だけに時間を使える点が有利に働きます。ただし第一志望の出題レベルを早めに確認し、過去問演習の時間を最優先で確保する必要があります。


